不遇職とバカにされましたが、実際はそれほど悪くありません?

カタナヅキ

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ダイン 監獄都市編

ガルルの過去(久々のまともなタイトル)

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「ガルルちゃん、貴方もいたのね。さっき、懲罰房から解放された話は聞いているわ。でも、こんな所で騒ぎを起こしたら、また懲罰房に逆戻りよ?」
「そんな事はどうでもいい!!俺はこのガキと決着を付ける……それだけだ!!」
「保身よりも自分の誇りのために戦うというのね?そういうの、嫌いじゃないわ」
「義母さん!?まさか……」


パールは何を思ったのかダインとガルルの間に割り込むと、ガルルを拘束する影に視線を向けて掌を伸ばす。その行為を見たミイネは何をする気なのかと思ったが、彼女は爪先を伸ばすと影を切り裂く。


「これでいいのかしら?」
「うわっ!?な、何だ!?」
「身体が……動く?」


ダインの影が爪で切られた瞬間にガルルは自由を取り戻し、それを見た他の者達は驚く。その一方でパールの方は指先をダインに付きつけ、彼に宣言する。


「確か……ダイン君と言ったわね。貴方がうちのミイネちゃんと一緒に色々と楽しそうな事をしているのは知っているわ。でも、母親としては娘の傍にいる男を見極める必要があるの」
「はっ!?」
「な、何を言ってるんですか義母さん!?別に僕とダインさんはそんな関係じゃ……」
「いいのよ、ミイネちゃんの年頃だとこういう変わった男の子に興味を持つのも珍しくはないわ」
「だから、違いますって!!」


何か勘違いしているパールにミイネは慌てふためきながら否定しようとするが、パールはまともに話を聞かない。一方でダインの方はパールがどうやって自分の影魔法を破ったのかと戸惑う。

ダインの影魔法は物理攻撃を受け付けず、いかにパールの指先の爪が鋭くても切り裂けるはずがない。だが、パールが攻撃を仕掛ける際に指先が光ったように見えた。恐らくは魔法的な力でパールがダインの影魔法を破ったのだろう。


(この女の人も確か看守長だったよな……もしかして一番やばいんじゃないのか?)


自分の影魔法を指先で切り裂いたパールに対してダインは警戒心を抱き、もしも戦う事になれば勝ち目があるかどうかも分からない。しかもパールによって自由を得たガルルもダインを狙っている。


「ふん、何を考えているのかは知らんが……これでお前を殺せるわけだな」
「な、何だよ!!まだやる気か!?」
「しつこい男ですね!!もうダインさんに何度負けてると思ってるんですか!?」
「黙れ!!」


諦めの悪いガルルに対してダインは杖を構え、ミイネは挑発を行うが、今度はガルルも本気なのか彼は上着を脱ぎ去る。ガルルの上半身は傷だらけであり、その傷の中には明らかに魔物の爪で切り裂かれたような跡まで存在した。

ガルルは最も許せない存在は自分を馬鹿にする者であり、彼はダインに嵌められた時から何があろうと彼を殺す事を決意した。一度目に付けた相手は決して諦めず、ガルルは必ず自分の手で殺すまで諦めない。



――元々、ガルルが監獄都市に送り込まれた理由は彼が外の世界でとある組織に属し、彼は用心棒として雇われていた。しかし、ある時に組織の長の不興を買ってガルルは組織の者達から排除されようとした。

だが、ガルルは組織の送り込んだ刺客を返り討ちにするどころか、あろうことか逆に組織の壊滅にまで送り込む。この時にガルルは賞金首となり、後に獣人国の兵士に捕らえられ、監獄都市に送り込まれる。

監獄都市に送り込まれた当初はガルルはその腕力だけでのし上がり、囚人どころか看守さえも恐れる存在になった。しかし、そんな彼でも勝てない相手が存在した。それこそが闘技区の看守長であるミノルだった。闘技者となったガルルは闘技祭が優勝した後、裏でミノルに呼び出される。

監獄祭で優勝したガルルを呼び出したミノルは彼に武器を渡し、自分と戦うように告げる。この戦いにおいては看守長である自分を倒せばガルルを監獄都市から解放し、更に大金を渡す彼は約束した。最初は半信半疑だったガルルだが、監獄所長が現れ、立会人となってくれた。

監獄所長が立合人となるのならばとガルルは喜び勇んでミノルに挑む。日頃の看守に対する恨みもあり、彼は本気でミノルに戦いを挑んだが、結果は散々だった。


『がはぁっ……!?』
『……この程度か』


ガルルはミノルによって叩きのめされ、最早戦闘にもならなかった。一方的にガルルはミノルに殴り飛ばされ、しかも相手は右腕しか使わずにガルルを叩き潰す。その結果、ガルルは屈辱的な敗北を味わう。

そこから先のガルルは落ちぶれてしまい、初めて手も足も出ない相手と遭遇した事で彼は自信を喪失し、監獄祭で得た賞金を使えば監獄都市から解放されるというのにガルルはここに残った。理由は看守長を除けばこの監獄都市に自分を脅かす存在はいないからである。

同じ三巨頭のグシャスもギルも彼の眼中になく、個々の力では自分に敵う存在は少なくとも囚人の中にはいない。そう思ったガルルは三巨頭の座に甘んじていたが、そんな時にダインという自分の存在を脅かす者が現れた――
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