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真・最終章 七魔将編
剣鬼VS青の剣聖
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「シ、シズネちゃん!!いったいどうしたの!?いつもと雰囲気が……」
「ティナ……貴女の事は友人と思っているけれど、今の私に近付かない方がいいわ」
「……ティナ、ここはレナに任せた方がいい」
ティナはシズネの変わりぶりを見て驚くがコトミンの方は本能的に危険を察し、今のシズネは明らかに普通の状態ではない。今の彼女は普段彼女達が接している心強い味方ではなく、圧倒的な力を手にした敵として現れたのだ。
「……悪いけど皆は下がってて、ここは俺が何とかしてみせる」
「あんたの強さは知っているけど……大丈夫なのかい?」
「レナ、気を付けろ……こいつ、前に会った時より力が増してるぞ」
レナの言葉を聞いてバルは不安そうな表情を浮かべ、いつものシズネならばレナ一人だけでも問題はない。しかし、水の聖痕を受け継いだ彼女は以前よりも魔力が増しており、雷の聖痕を所有するハルナはシズネが前に会った時よりも強くなっている事を感じとる。
聖痕を宿す者はお互いに魔力を感じ取る事ができるらしく、ハルナはレナに対して彼が知っている限りのシズネとは違う事を伝える。だが、レナはシズネがアルドラに操られながらも無暗に襲い掛からず、仲間達にも手を出そうとしない事から彼女がある程度の理性を保っていると判断した。
「いいから皆は先に行ってて……正直、ここに残られても邪魔でしかない」
「あたしもか?」
「ハルナ以外に誰がアルドラを倒せるんだよ」
「へへっ……そうだよな」
「……随分と仲が良くなったわね」
レナの言葉を聞いてハルナは照れくさそうな表情を浮かべると、その反応を見てシズネは途端に機嫌が悪そうな表情を浮かべて雪月花を地面に突き刺す。次の瞬間には地面が凍り付いてレナ達の元に巨大な「氷棘」が迫る。
「うわっ!?」
「危なっ!?」
地面から飛び出してきた巨大な氷の棘に対して咄嗟にレナとハルナは回避するが、もしも二人が避けていなかったならば確実に氷の棘は二人の身体を突き刺していた。しかし、シズネはこの程度の攻撃で二人を倒せるとは思っておらず、彼女は雪月花と白百合に魔力を纏わせてレナに告げる。
「レナ……貴方は私だけを見ていればいいのよ」
「シズネ……」
「たくっ……痴話喧嘩なんかに付き合ってられないよ。レナ、あたしたちは先に行くからね!!」
「レナたん……絶対にシズネちゃんを元に戻してね!!」
「私達はアルドラを何とかする……シズネの事はお願い」
「ウォンッ!!」
シズネの事はレナに任せて他の者は闘技場へと向かうと、それを確認したシズネは特に止める様子はない。彼女の目的はあくまでもレナだけで闘技場の内部に逃げ込んだアルドラの守護をするつもりはない。
ハルナもコトミン達の後に続こうとしたがこの時に彼女が闘技場の出入口に辿り着いた瞬間、シズネは何を思ったのか雪月花を地面に突き刺してハルナに目掛けて攻撃を行う。
「ふんっ!!」
「うわぁっ!?」
「ハルナ!?」
後方から迫りくる巨大な氷の棘に対して危うくハルナは串刺しにされそうになったが、彼女は持ち前の反射神経と運動能力でどうにか回避すると、闘技場の出入口が巨大な氷塊によって塞がれてしまう。この氷塊を破壊しない限りは中に入る事はできず、別の出入口に向かうとしてもシズネを何とかしなければならない。
「これでもう邪魔者はいなくなった……貴方と二人きりよ」
「……大した力だな。もう水属性の魔法なら俺よりも使えるんじゃないの?」
「いいえ、私は貴方みたいに魔法なんて器用に使えないわ。これだけの力を使えるのはこの聖痕と……雪月花のお陰よ」
かつてのシズネならば巨大な氷塊を作り出す事はできなかったが、水の精魂を受け継いだ事で水属性の魔力を強化させ、七大魔剣「雪月花」の真の力を発揮できるようになった。雪月花は本来ならば刃で切り付けた箇所を凍り付かせる事ができるが、現在の雪月花は地面に突き刺すだけで氷塊を作り出す事もできる。
今現在の雪月花はシズネの力によって聖剣級の力を誇り、もしかしたらゴウライでも今のシズネには敵わない可能性もある。ゴウライは最強の剣士だが、シズネはただの剣士ではなく魔剣を扱う「魔剣士」であるため、今の彼女ならばゴウライでも倒せるかもしれない。
――既にシズネの力はバルトロス王国の大将軍を務めた父親を大きく超えており、そんな彼女を前にしたレナはどのようにして戦うのかを考える。仮にレナが錬金術師の能力を使用して「聖剣カラドボルグ」などの武器を生成して戦っても勝てる保証はない。
下手に手加減すればこちらの命が危うく、ある意味ではゴウライ以上の脅威を前にしたレナは苦笑いを浮かべる事もできない。しかし、仲間達がアルドラを倒すまでの間はレナは何としてもシズネを食い止めなければならず、彼は駄目元ではあるが退魔刀に魔法剣を発動させた。
「ティナ……貴女の事は友人と思っているけれど、今の私に近付かない方がいいわ」
「……ティナ、ここはレナに任せた方がいい」
ティナはシズネの変わりぶりを見て驚くがコトミンの方は本能的に危険を察し、今のシズネは明らかに普通の状態ではない。今の彼女は普段彼女達が接している心強い味方ではなく、圧倒的な力を手にした敵として現れたのだ。
「……悪いけど皆は下がってて、ここは俺が何とかしてみせる」
「あんたの強さは知っているけど……大丈夫なのかい?」
「レナ、気を付けろ……こいつ、前に会った時より力が増してるぞ」
レナの言葉を聞いてバルは不安そうな表情を浮かべ、いつものシズネならばレナ一人だけでも問題はない。しかし、水の聖痕を受け継いだ彼女は以前よりも魔力が増しており、雷の聖痕を所有するハルナはシズネが前に会った時よりも強くなっている事を感じとる。
聖痕を宿す者はお互いに魔力を感じ取る事ができるらしく、ハルナはレナに対して彼が知っている限りのシズネとは違う事を伝える。だが、レナはシズネがアルドラに操られながらも無暗に襲い掛からず、仲間達にも手を出そうとしない事から彼女がある程度の理性を保っていると判断した。
「いいから皆は先に行ってて……正直、ここに残られても邪魔でしかない」
「あたしもか?」
「ハルナ以外に誰がアルドラを倒せるんだよ」
「へへっ……そうだよな」
「……随分と仲が良くなったわね」
レナの言葉を聞いてハルナは照れくさそうな表情を浮かべると、その反応を見てシズネは途端に機嫌が悪そうな表情を浮かべて雪月花を地面に突き刺す。次の瞬間には地面が凍り付いてレナ達の元に巨大な「氷棘」が迫る。
「うわっ!?」
「危なっ!?」
地面から飛び出してきた巨大な氷の棘に対して咄嗟にレナとハルナは回避するが、もしも二人が避けていなかったならば確実に氷の棘は二人の身体を突き刺していた。しかし、シズネはこの程度の攻撃で二人を倒せるとは思っておらず、彼女は雪月花と白百合に魔力を纏わせてレナに告げる。
「レナ……貴方は私だけを見ていればいいのよ」
「シズネ……」
「たくっ……痴話喧嘩なんかに付き合ってられないよ。レナ、あたしたちは先に行くからね!!」
「レナたん……絶対にシズネちゃんを元に戻してね!!」
「私達はアルドラを何とかする……シズネの事はお願い」
「ウォンッ!!」
シズネの事はレナに任せて他の者は闘技場へと向かうと、それを確認したシズネは特に止める様子はない。彼女の目的はあくまでもレナだけで闘技場の内部に逃げ込んだアルドラの守護をするつもりはない。
ハルナもコトミン達の後に続こうとしたがこの時に彼女が闘技場の出入口に辿り着いた瞬間、シズネは何を思ったのか雪月花を地面に突き刺してハルナに目掛けて攻撃を行う。
「ふんっ!!」
「うわぁっ!?」
「ハルナ!?」
後方から迫りくる巨大な氷の棘に対して危うくハルナは串刺しにされそうになったが、彼女は持ち前の反射神経と運動能力でどうにか回避すると、闘技場の出入口が巨大な氷塊によって塞がれてしまう。この氷塊を破壊しない限りは中に入る事はできず、別の出入口に向かうとしてもシズネを何とかしなければならない。
「これでもう邪魔者はいなくなった……貴方と二人きりよ」
「……大した力だな。もう水属性の魔法なら俺よりも使えるんじゃないの?」
「いいえ、私は貴方みたいに魔法なんて器用に使えないわ。これだけの力を使えるのはこの聖痕と……雪月花のお陰よ」
かつてのシズネならば巨大な氷塊を作り出す事はできなかったが、水の精魂を受け継いだ事で水属性の魔力を強化させ、七大魔剣「雪月花」の真の力を発揮できるようになった。雪月花は本来ならば刃で切り付けた箇所を凍り付かせる事ができるが、現在の雪月花は地面に突き刺すだけで氷塊を作り出す事もできる。
今現在の雪月花はシズネの力によって聖剣級の力を誇り、もしかしたらゴウライでも今のシズネには敵わない可能性もある。ゴウライは最強の剣士だが、シズネはただの剣士ではなく魔剣を扱う「魔剣士」であるため、今の彼女ならばゴウライでも倒せるかもしれない。
――既にシズネの力はバルトロス王国の大将軍を務めた父親を大きく超えており、そんな彼女を前にしたレナはどのようにして戦うのかを考える。仮にレナが錬金術師の能力を使用して「聖剣カラドボルグ」などの武器を生成して戦っても勝てる保証はない。
下手に手加減すればこちらの命が危うく、ある意味ではゴウライ以上の脅威を前にしたレナは苦笑いを浮かべる事もできない。しかし、仲間達がアルドラを倒すまでの間はレナは何としてもシズネを食い止めなければならず、彼は駄目元ではあるが退魔刀に魔法剣を発動させた。
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