不遇職とバカにされましたが、実際はそれほど悪くありません?

カタナヅキ

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真・最終章 七魔将編

蒼炎の大剣

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(もうすぐ叔母様の魔法の効果も切れる。なら、やるしかない!!)


レナの身を包む風の膜が消えれば海底の水圧が襲い掛かり、いくら強靭な肉体を持つ人間でも耐え切れるはずがない。魔法の効果が切れる前にアマネを倒すしか方法はなく、彼女を倒すためにレナは魔刀術を発動させた。


『蒼炎!!』
『わっ!?な、何だそれ!?』


退魔刀が蒼炎に包まれるとアマネは驚いた声を上げ、この時にレナは魔鎧術ならば海の中でも発動できる事を改めて確認した。蒼炎を纏った退魔刀にアマネが怯んでいる隙にレナは攻撃を仕掛ける。


『だああっ!!』
『このっ……あちちっ!?』


蒼炎はレナの意思によって温度を変える事ができるため、少し近付いただけでアマネは嫌がって離れる。コトミンと同様に人魚族は熱を苦手としており、しかも蒼炎は普通の炎ではないので消える事はない。

高熱を嫌がったアマネは甲板から離れると、潜水船の上部へと移動する。やはり人魚族というだけは合って海中では動きが素早く、今のレナでは追いつく手段はない。マリアの風の膜は海中も移動できるが、圧倒的にアマネが速くて追いつく事ができない。


(あの移動速度は厄介だな……どうにか動きを止めないと)


動きを拘束するのならばレナが所持している神器チェーンが有効だが、取り出すには空間魔法を発動しなければならない。しかし、その隙を与える暇もなくアマネはトライデントを振り回すと、彼女の頭に身に付けているティアラの宝玉が光り輝く。


『喰らえっ!!水流乱舞!!』
『うわっ!?』


彼女の持つトライデントに水の精霊が吸い込まれるように消えていくと、水中で槍を高速に回転するだけで渦巻が生まれ、甲板のレナの元に向かう。迫りくる渦巻にレナは巻き込まれる前に逃げようとしたが、動きにくい海中では地上のように動けずに巻き込まれてしまう。


『ぐあっ!?』
『このまま潰してやる!!』


海中に発生した渦巻に飲み込まれたレナは渦の中で高速に振り回され、まるで洗濯機に放り込まれた気分に陥る。このままでは身体中の骨が折れてしまいかねず、どうにか打ち破る方法を考える。


(このままだとまずい……どうすればいい!?)


渦に飲み込まれた状態でレナは必死に頭を巡らせ、そして渦巻を打ち破る方法を思いつく。この渦巻を構成するのは水の精霊であるため、その精霊の力を絶てば渦巻を掻き消す事ができるはずだった。


(これだっ!!)


身体が高速回転しながらもレナは必死に腕を伸ばすと、腰に差した鏡刀を手にした。鏡刀は魔法を反射させる特別な素材で構成されており、これを使用すれば魔法を切り裂く事もできる。そして水の精霊も元を正せば水の魔力であるため、鏡刀ならば斬り裂けるはずだと信じて刀を抜く。

鏡刀を手にしたレナは限界強化を発動させ、渾身の力を込めて鏡刀を振り払う。すると渦巻を構成していた水の精霊が鏡刀の刃によって弾かれるように消え去り、渦巻は消散した。その光景を見たアマネは驚き、一方でレナはマリアの風の膜が切れる前に全身を魔鎧術で包み込む。


『くっ……!!』
『なっ!?そ、そんな馬鹿な……お前、何をした!?』
『……答える義理はないね』


甲板に戻ったレナは魔鎧術で水圧から身を守るが、この状態では空気を吸う事はできない。風の膜ならばともかく、レナの蒼炎の魔鎧術は全身で覆うと空気を吸う事ができない。この状態で活動できる時間は数分、戦闘の際に激しい運動をする場合は1分が限界だと思われた。


(これ以上は時間を掛けられない……あの手をやるしかない!!)


アマネを倒すためにはレナは手段を選ぶ事ができず、一瞬でもいいので彼女の隙を作る必要があった。しかし、彼女に近付こうにも動きが素早過ぎてどうにもならず、空間魔法を利用してアマネの背後に黒渦を作り出して背後を取る方法もできない。理由は青色の太陽のせいで闇属性の魔法は扱えず、現に闇の聖痕を持つダインですらも影魔法が使えない程に気分を害したほとである。

運が悪い事に魔鎧術を纏った状態ではレナは殆どの魔法を扱えず、転移魔法が封じ込められたマリアの水晶札も魔鎧の内側にあるので取り出す事はできない。頼れるのは退魔刀と鏡刀しかなく、この絶対的に不利な状況をどのように打破するのか考える。


(正攻法では勝てない、かといって奇策を用いるとしても扱える道具が少ない……本気でやばいかも)


考えれば考える程にレナは自分が不利な状態に追い込まれている事を知り、周囲を見渡して使えそうな道具か何かなにのかを探す。しかし、それを見ていたアマネは容赦せずにトライデントを振りかざす。


『こ、今度は手加減しないぞ!!もっとすごいのをくれてやる!!』
『ちょ、タンマ!?』
『サンマがどうした!?』
『タンマと言ったんだよ!!』


再びトライデントを回転し始めたアマネにレナは本気で焦った声を上げるが、この時に彼女の背後から近付いてくる影があった。
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