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冒険者編
探偵気分
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「なんかこうしてると探偵になったような気分ですね?」
「そう……?私は慣れている」
「俺は探偵というより、刑事になった気分だよ」
工房の中を調査しながらルノ達はクロガネに繋がる手掛かりを探し、そして棚に存在した書物の中からルノは日記帳を発見した。
「あれ、これって……この家主の日記だよ」
「おお、そんな物まであるとは……まるで推理小説のような展開ですね」
「何の話だよ。勝手に読んでいいのかな……」
「問題ない。この人が裏取引を行っている事は明らか……日の国の治安を守る人間として確認する必要がある」
「物は良いようですね」
ヒカゲの言葉にルノは日記帳を開き、意外な事に綺麗な文章が記されており、内容を確認してクロガネの日記である事が判明した。日記の厚さは時点ほど存在するが、どうやら毎日記しているという訳でもなく、殆どの内容が仕事に関する内容であり、日記というよりは仕事の報告書に近い。
「日記というよりはどんな人からどんな依頼を受けたかが書いてある……でも、殆どのページが埋まってるね」
「どれどれ……おお、ご丁寧に依頼人の詳細やどんな仕事を依頼されたのか描かれていますね」
「これは助かる。良い証拠になる」
「なんか本当に探偵みたいな気分になってきた……あれ、でもこのページで終わってるね」
最後のページは途中まで書き込まれた文章で途切れており、内容は先ほどの手紙の人物からの依頼で間違いなく、銅像の製作に関する制作過程が描かれていた。
「あれ?この日記によるとクロガネさんは途中まで銅像を作っていたようだね」
「本当ですね。でも、そんな銅像なんて何処にも……?」
「待って、最後に何か書いてある」
文章の最後には銅像の製作から一か月が経過したころ、8割ほど完成したところで奇妙な客が訪れた事が記されていた。だが、次のページ以降は何も描かれておらず、この新しい客に関しては何も記されていない。
「どういう事かな?こうしてみるとクロガネさんは銅像を確かに途中まで作っていたみたいだけど、それにしてはどうして何処にも見当たらないんだろう?」
「依頼人にもう引き渡した……とは考えられませんね。この手紙の内容から考えても」
「この新しい客というのが気になる」
「このお客さんだけ何も記されてませんしね」
日記を見る限りではクロガネは確かに銅像の製作は途中まで行っており、ほぼ完成させた状態だったらしい。しかし、当の本人も銅像も屋敷や工房には見当たらず、依頼人が受け取った様子もない。
「銅像の件も気になりますが、まずはクロガネさんを探さないといけませんね。でも、その前に日記を確認してもいいですか?」
「いいけど……何を調べるの?」
「この人の依頼人の中に魔王軍が存在するかです」
リーリスは日記を受け取ると次々とページを読み取り、やがて半分ほど読み進めた所で手を止めると、ルノに見せつける。
「ほら!!やっぱり居ましたよ!!これ、間違いなくリディアですよ!!」
「あ、本当だ!!」
「この人がエルフ王国との会談を邪魔した人?」
「それだけじゃありません。今までに魔王軍が使用した魔道具もこの人が制作したみたいですよ」
日記の中に記されている依頼人の中にはルノ達が遭遇した魔王軍の関係者も存在し、これまでの事件に使用されたいくつかの魔道具もクロガネが開発していた事が明らかになる。今までに魔王軍の魔道具に刻まれていた「髑髏」は間違いなくクロガネが制作していた品物である事が判明した。
「このクロガネという人は相当に凄い鍛冶職人だったようですね。でも、仕事の相手を選ばないのはどうかと思いますけど……」
「今までの魔道具を全部この人が作ってたの?それって凄くない?」
「いえ、あくまでもこの人は魔道具の器だけを作っていたようです。魔道具を作り出すには特別な技術が必要ですから、最後に誰かが器を魔道具に改造したみたいですね」
「という事は……もしかしたら俺達が知らない魔王軍の関係者もこの日記の中の人たちに居るかも知れないのか」
「そうですね。一応、これは回収しておきましょう」
「後で「速読」と「速筆」のスキルを持っている人間を読んで資料を書いてもらう必要がある」
「速読だけなら私も覚えてますけどね。ルノさんも覚えてみませんか?結構便利ですよ」
「考えておく……それより問題なのはクロガネさんが何処にいるのかだよ」
「銅像も気になる……一旦、上に戻ろう」
ヒカゲの言葉に賛成し、ルノ達は工房を抜け出して井戸に繋がる通路を潜り抜ける。そして中庭に戻ろうとした時、通路の先頭を移動していたヒカゲが二人を制止する。
「待って……上から何か聞こえてくる」
「え?上から?」
「誰かが上にいる……しかも一人じゃない」
「……クロガネさんが戻ってきたのかな?」
ヒカゲの言葉にルノとリーリスは耳を澄ませると、確かに井戸の入口から話声が聞こえ、どうやら複数の男性が敷地内に入り込んでいるらしい。
※夜にこっそり連続投稿しました(*´ω`*)
「そう……?私は慣れている」
「俺は探偵というより、刑事になった気分だよ」
工房の中を調査しながらルノ達はクロガネに繋がる手掛かりを探し、そして棚に存在した書物の中からルノは日記帳を発見した。
「あれ、これって……この家主の日記だよ」
「おお、そんな物まであるとは……まるで推理小説のような展開ですね」
「何の話だよ。勝手に読んでいいのかな……」
「問題ない。この人が裏取引を行っている事は明らか……日の国の治安を守る人間として確認する必要がある」
「物は良いようですね」
ヒカゲの言葉にルノは日記帳を開き、意外な事に綺麗な文章が記されており、内容を確認してクロガネの日記である事が判明した。日記の厚さは時点ほど存在するが、どうやら毎日記しているという訳でもなく、殆どの内容が仕事に関する内容であり、日記というよりは仕事の報告書に近い。
「日記というよりはどんな人からどんな依頼を受けたかが書いてある……でも、殆どのページが埋まってるね」
「どれどれ……おお、ご丁寧に依頼人の詳細やどんな仕事を依頼されたのか描かれていますね」
「これは助かる。良い証拠になる」
「なんか本当に探偵みたいな気分になってきた……あれ、でもこのページで終わってるね」
最後のページは途中まで書き込まれた文章で途切れており、内容は先ほどの手紙の人物からの依頼で間違いなく、銅像の製作に関する制作過程が描かれていた。
「あれ?この日記によるとクロガネさんは途中まで銅像を作っていたようだね」
「本当ですね。でも、そんな銅像なんて何処にも……?」
「待って、最後に何か書いてある」
文章の最後には銅像の製作から一か月が経過したころ、8割ほど完成したところで奇妙な客が訪れた事が記されていた。だが、次のページ以降は何も描かれておらず、この新しい客に関しては何も記されていない。
「どういう事かな?こうしてみるとクロガネさんは銅像を確かに途中まで作っていたみたいだけど、それにしてはどうして何処にも見当たらないんだろう?」
「依頼人にもう引き渡した……とは考えられませんね。この手紙の内容から考えても」
「この新しい客というのが気になる」
「このお客さんだけ何も記されてませんしね」
日記を見る限りではクロガネは確かに銅像の製作は途中まで行っており、ほぼ完成させた状態だったらしい。しかし、当の本人も銅像も屋敷や工房には見当たらず、依頼人が受け取った様子もない。
「銅像の件も気になりますが、まずはクロガネさんを探さないといけませんね。でも、その前に日記を確認してもいいですか?」
「いいけど……何を調べるの?」
「この人の依頼人の中に魔王軍が存在するかです」
リーリスは日記を受け取ると次々とページを読み取り、やがて半分ほど読み進めた所で手を止めると、ルノに見せつける。
「ほら!!やっぱり居ましたよ!!これ、間違いなくリディアですよ!!」
「あ、本当だ!!」
「この人がエルフ王国との会談を邪魔した人?」
「それだけじゃありません。今までに魔王軍が使用した魔道具もこの人が制作したみたいですよ」
日記の中に記されている依頼人の中にはルノ達が遭遇した魔王軍の関係者も存在し、これまでの事件に使用されたいくつかの魔道具もクロガネが開発していた事が明らかになる。今までに魔王軍の魔道具に刻まれていた「髑髏」は間違いなくクロガネが制作していた品物である事が判明した。
「このクロガネという人は相当に凄い鍛冶職人だったようですね。でも、仕事の相手を選ばないのはどうかと思いますけど……」
「今までの魔道具を全部この人が作ってたの?それって凄くない?」
「いえ、あくまでもこの人は魔道具の器だけを作っていたようです。魔道具を作り出すには特別な技術が必要ですから、最後に誰かが器を魔道具に改造したみたいですね」
「という事は……もしかしたら俺達が知らない魔王軍の関係者もこの日記の中の人たちに居るかも知れないのか」
「そうですね。一応、これは回収しておきましょう」
「後で「速読」と「速筆」のスキルを持っている人間を読んで資料を書いてもらう必要がある」
「速読だけなら私も覚えてますけどね。ルノさんも覚えてみませんか?結構便利ですよ」
「考えておく……それより問題なのはクロガネさんが何処にいるのかだよ」
「銅像も気になる……一旦、上に戻ろう」
ヒカゲの言葉に賛成し、ルノ達は工房を抜け出して井戸に繋がる通路を潜り抜ける。そして中庭に戻ろうとした時、通路の先頭を移動していたヒカゲが二人を制止する。
「待って……上から何か聞こえてくる」
「え?上から?」
「誰かが上にいる……しかも一人じゃない」
「……クロガネさんが戻ってきたのかな?」
ヒカゲの言葉にルノとリーリスは耳を澄ませると、確かに井戸の入口から話声が聞こえ、どうやら複数の男性が敷地内に入り込んでいるらしい。
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