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エルフ王国 決戦編
デブリの変化
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「でで、デブリ!!貴様、何てものを玉座に持ってきた!?」
「あ、失礼しました。床が汚れてしまいましたね」
「いや、そういう問題じゃない!!というか、お前これ……頭を握りつぶしたのか!?」
「あ、はい。ちょうど武器になりそうな物がなかったので……両手でバシッと叩いたらこうなりました」
「す、凄いですわね……」
素手で昆虫種を殺害したというデブリの言葉に玉座の間に動揺が走り、国王は頭を抱える。少し見ない間に逞しく育った息子の事を褒めるべきか、それとも逞しく育ち過ぎた息子の事を嘆くべきか思い悩む。
「で、デブリよ。お主は本当に少し見ない間に立派になったな……」
「ありがとうございます父上!!これもナオが調合してくれた「ぷろていーん」という薬のお陰です!!」
「そ、そうか……ナオ殿のせいか」
数か月前、王国と帝国の会談が終わった後に戻って来たデブリはダイエットを始めた。立派な国王となるため、兄や姉に馬鹿にされないようにデブリは身体を鍛え始める。しかし、十数年の間堕落した生活を送っていたデブリの肉体は急激な運動に付いていけず、最初の頃はどんな鍛錬も上手くいかずに失敗続きしていた。
そんな時にエルフ王国に召喚されたナオと仲良くなったデブリは彼が調合のスキルで制作した「ぷろていーん」という薬を受け取り、運動の後に欠かさず飲むようにした。すると不思議な事にデブリの肉体の脂肪が筋肉へ徐々に変わり始め、今では巨人族顔負けの筋肉を誇る。
数か月前までのデブリの面影はなくなり、元々顔立ちは悪くなかったので痩せた事でマッチョなイケメンと化した事で一部の女性兵士の間では人気が高まる。更に今では進んで兵士達の仕事を手伝い、世界樹の内部にまで侵入してくる昆虫種の対応まで行う。
「それよりもどうですか兄上!!今日の僕の筋肉はいつもよりも切れているでしょう!?」
「き、切れてるとは何だ!?おい、近づくな!!」
「兄上も剣の訓練だけではなく、筋肉を鍛える鍛錬をしたらどうですか!?暇なときは胸筋をぴくぴく動かして暇つぶし出来ますよ!!」
「それに何の意味がある!?」
「デブリ……逞しくなりましたわね」
「う、うむ……そうじゃな」
以前は苦手意識を持っていた兄のイヤンに対してもデブリは臆した様子も見せずに近づき、共に身体を鍛える事を提案する。そんな二人の姿にヤミンと国王は冷や汗を流しながらも見守るが、唐突に玉座の間が開け放たれて傷だらけの兵士が入り込む。
「こ、国王様!!また奴等の襲撃です!!再び昆虫種が世界樹内に侵入してきました!!」
「何だと!?」
「おお、デブリ王子ここにおられたのですね!!今度は蜘蛛型の昆虫種が現れました!!討伐にご協力下さい!!」
「分かった!!すぐに案内しろ!!では父上失礼します!!」
「ま、待てデブリ!!それは兵士の役目……王子のお前がわざわざ戦う必要はないのだぞ!?」
「何を言われますか!!こんな時に身分など関係ありません!!困っている時は皆で力を合わせろというのが母上の遺言です!!」
「いや、それはその通りなのじゃが……」
デブリを発見した兵士は表情を輝かせて昆虫種が現れた場所まで案内を申し出ると、デブリは国王の言葉を無視して昆虫種の討伐のために玉座の間を退室した。そのデブリの行動に玉座の間に存在した者達は黙り込み、過去のデブリを知っている者ほど今のデブリの姿や行動が信じられない。
「ち、父上……本当にあれはデブリなのですか?もしかして別人に入れ替わっているのでは……」
「いや、それは有り得ん。確かにあの子はデブリだ、親である儂が言うのだから間違いない……少々、外見と性格が変ったが……」
「少々!?あれの何処が少々なのですか!?もう全くの別人ではないですか!!」
「でも、中々恰好良いですわ」
『えっ!?』
立去る際のデブリの後姿を思い出したヤミンは立派に成長した弟の姿に感心するように頷き、そんな彼女の言葉に国王とイヤンは驚愕の表情を浮かべるが、話を元に戻すためにイヤンは咳ばらいを行う。
「ま、まあ、デブリの事は後で話し合いましょう。それよりも父上、先ほどの話に戻しますが……」
「またその話かイヤンよ。お主もしつこいのう……何と言おうと我々は帝国からの援軍を待つ。それ以外に皆が生き残る方法はない」
「……本当にそうでしょうか?」
「何じゃと……?」
「父上、この国には過去に召喚された勇者の残した聖遺物が残っているではありませんか」
国王は頑なに脱出の案を提案するイヤンを宥めようとするが、イヤンはエルフ王国に伝わる勇者の残した聖遺物の存在を知っていた。この聖遺物の正体を知っているのはエルフ王国の王族だけであり、当然だが国王の息子であるイヤンも聖遺物の正体を教わっていた。
※プロテインではありません。ぷろていーんというこの世界特融の特別な薬です!!
「あ、失礼しました。床が汚れてしまいましたね」
「いや、そういう問題じゃない!!というか、お前これ……頭を握りつぶしたのか!?」
「あ、はい。ちょうど武器になりそうな物がなかったので……両手でバシッと叩いたらこうなりました」
「す、凄いですわね……」
素手で昆虫種を殺害したというデブリの言葉に玉座の間に動揺が走り、国王は頭を抱える。少し見ない間に逞しく育った息子の事を褒めるべきか、それとも逞しく育ち過ぎた息子の事を嘆くべきか思い悩む。
「で、デブリよ。お主は本当に少し見ない間に立派になったな……」
「ありがとうございます父上!!これもナオが調合してくれた「ぷろていーん」という薬のお陰です!!」
「そ、そうか……ナオ殿のせいか」
数か月前、王国と帝国の会談が終わった後に戻って来たデブリはダイエットを始めた。立派な国王となるため、兄や姉に馬鹿にされないようにデブリは身体を鍛え始める。しかし、十数年の間堕落した生活を送っていたデブリの肉体は急激な運動に付いていけず、最初の頃はどんな鍛錬も上手くいかずに失敗続きしていた。
そんな時にエルフ王国に召喚されたナオと仲良くなったデブリは彼が調合のスキルで制作した「ぷろていーん」という薬を受け取り、運動の後に欠かさず飲むようにした。すると不思議な事にデブリの肉体の脂肪が筋肉へ徐々に変わり始め、今では巨人族顔負けの筋肉を誇る。
数か月前までのデブリの面影はなくなり、元々顔立ちは悪くなかったので痩せた事でマッチョなイケメンと化した事で一部の女性兵士の間では人気が高まる。更に今では進んで兵士達の仕事を手伝い、世界樹の内部にまで侵入してくる昆虫種の対応まで行う。
「それよりもどうですか兄上!!今日の僕の筋肉はいつもよりも切れているでしょう!?」
「き、切れてるとは何だ!?おい、近づくな!!」
「兄上も剣の訓練だけではなく、筋肉を鍛える鍛錬をしたらどうですか!?暇なときは胸筋をぴくぴく動かして暇つぶし出来ますよ!!」
「それに何の意味がある!?」
「デブリ……逞しくなりましたわね」
「う、うむ……そうじゃな」
以前は苦手意識を持っていた兄のイヤンに対してもデブリは臆した様子も見せずに近づき、共に身体を鍛える事を提案する。そんな二人の姿にヤミンと国王は冷や汗を流しながらも見守るが、唐突に玉座の間が開け放たれて傷だらけの兵士が入り込む。
「こ、国王様!!また奴等の襲撃です!!再び昆虫種が世界樹内に侵入してきました!!」
「何だと!?」
「おお、デブリ王子ここにおられたのですね!!今度は蜘蛛型の昆虫種が現れました!!討伐にご協力下さい!!」
「分かった!!すぐに案内しろ!!では父上失礼します!!」
「ま、待てデブリ!!それは兵士の役目……王子のお前がわざわざ戦う必要はないのだぞ!?」
「何を言われますか!!こんな時に身分など関係ありません!!困っている時は皆で力を合わせろというのが母上の遺言です!!」
「いや、それはその通りなのじゃが……」
デブリを発見した兵士は表情を輝かせて昆虫種が現れた場所まで案内を申し出ると、デブリは国王の言葉を無視して昆虫種の討伐のために玉座の間を退室した。そのデブリの行動に玉座の間に存在した者達は黙り込み、過去のデブリを知っている者ほど今のデブリの姿や行動が信じられない。
「ち、父上……本当にあれはデブリなのですか?もしかして別人に入れ替わっているのでは……」
「いや、それは有り得ん。確かにあの子はデブリだ、親である儂が言うのだから間違いない……少々、外見と性格が変ったが……」
「少々!?あれの何処が少々なのですか!?もう全くの別人ではないですか!!」
「でも、中々恰好良いですわ」
『えっ!?』
立去る際のデブリの後姿を思い出したヤミンは立派に成長した弟の姿に感心するように頷き、そんな彼女の言葉に国王とイヤンは驚愕の表情を浮かべるが、話を元に戻すためにイヤンは咳ばらいを行う。
「ま、まあ、デブリの事は後で話し合いましょう。それよりも父上、先ほどの話に戻しますが……」
「またその話かイヤンよ。お主もしつこいのう……何と言おうと我々は帝国からの援軍を待つ。それ以外に皆が生き残る方法はない」
「……本当にそうでしょうか?」
「何じゃと……?」
「父上、この国には過去に召喚された勇者の残した聖遺物が残っているではありませんか」
国王は頑なに脱出の案を提案するイヤンを宥めようとするが、イヤンはエルフ王国に伝わる勇者の残した聖遺物の存在を知っていた。この聖遺物の正体を知っているのはエルフ王国の王族だけであり、当然だが国王の息子であるイヤンも聖遺物の正体を教わっていた。
※プロテインではありません。ぷろていーんというこの世界特融の特別な薬です!!
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