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最終章 〈魔王と初級魔術師〉
最終決戦開始
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「さあ、お遊びはここまでです!!邪魔な貴方達にはここで死んでもらいましょう!!」
「そんな事させるか!!」
「直接狙うのが駄目なら……こうだ!!」
クズノに対してルノは両手を構えて氷塊の盾を作り出すと、ナオは「跳弾」の戦技を発動させてあらゆる方向・角度から攻撃を行う。だが、クズノの頭部に狙って放たれた小石は彼が身に着けているシルクハットが変形し、ヘルメットのように形を変えて小石を弾く。
『無駄無駄!!どんな攻撃だろうと、私には通じません!!』
「シルクハットもネオ・オリハルコンとやらでしたか!?」
「あの帽子、ああいう使い方もあったのね!!」
帽子さえもネオ・オリハルコンで構成されていた事にリーリスとリディアは驚き、これで全身をネオ・オリハルコンで構成された鎧によって覆われたクズノは恐れることなく全方位に向けて「黒棘」を放つ。
『さあ!!これでお終いです!!』
「不味いっ……!?」
「皆!!俺の後ろに下がって!!」
「ひいいっ!?」
クズノの身体から射出された黒棘に対してルノは氷塊の盾で防御し、ナオは空間魔法を発動させて黒渦を利用して黒棘を異空間に取り込み、他の者達は二人の後ろに避難して難を逃れる。その際にルノはナオに視線を向け、ある事に気付く。
「……?もしかしてこれって……」
「ルノさん!!上からも来ますよ!?」
リーリスの言葉にルノは上空を見上げると、正面だけではなく上からも軌道を変更させて黒棘が接近している事に気付いたルノは皆を守るために氷塊の魔法を発動させる。
「このっ!!」
「今度は横よ!?」
「またかっ……いい加減にしろ!!」
『ふふふっ……仲間を守るので精いっぱいの様ですね。それが貴方の弱点です』
次々と繰り出される黒棘から他の皆を守るためにルノは魔法を使うため、クズノに対して肝心の攻撃が仕掛けられない。これまでの調査によってルノは仲間を見捨てられない事はクズノも知り尽くしていたため、ルノが仲間を守る間は自分に攻撃を仕掛ける余裕がない事もクズノも知っていた。
どうにか黒棘の攻撃を防ぐ事が出来れば反撃の好機も出来るが、クズノは全身から100を超える黒棘を生み出して縦横無尽に攻撃を仕掛ける。しかも1つ1つの黒棘の威力も馬鹿に出来ず、大理石製の壁を貫通する程の破壊力を誇り、もしも人体に攻撃を受ければ無事では済まない。
『さあ、ここまで移動するのに大分体力も魔力もお疲れでしょう?貴方がどれほどの力を持とうと人間である事に変わりはない、もうそれほど余裕はないはず!!』
「このっ……!!」
「……なら、私が仕留める」
「ちょ、コトネ!?」
コトネがルノの傍から離れると、彼女は迫りくる黒棘を回避しながら接近し、クズノの元へ向かう。だが、いくら彼女が素早さに優れていたとしてもクズノの攻撃を全て回避して彼に攻撃を仕掛けるのは不可能だった。
『貴方は前にも会ったことがありますね、ですが無駄なんですよ!!いくら隠密の能力で姿を消そうと私には通じない!!』
「むうっ……!?」
スキルを発動させて自分の存在感を消し去り、透明人間のようにクズノに接近して攻撃を仕掛けようとしたコトネだったが、どういうわけかクズノは正確にコトネの位置を特定して黒棘を放つ。感知系のスキルか、あるいは観察眼の能力を発動させた様子はないが、クズノは自慢するように告げる。
『この私の装備は熱探知も行えるのですよ。いくら存在感を消そうと人間であるならば体内の熱まで消す事は不可能、貴方が勝手に近づいてくるだけでこの鎧は反応して攻撃を仕掛けるのです!!』
「さっきからぺらぺらと自分の能力を語る……それほど余裕があるの?」
「違うわよ、そいつは昔から自慢せずにはいられない性格の男よ!!だから幹部の間では嫌われていたわ!!」
『……小娘が』
リディアの言葉にクズノは苛立ち、どうやら嫌われていたという自覚はあったらしい。そしてネオ・オリハルコンは熱を探知する能力も備わっているらしく、いくらコトネがスキルを使用して存在感を消そうと生物であるのならば肉体が持つ熱を完全に消し去る事は出来ないので居場所を特定される事が判明した。
攻撃も不可能、防御だけで手一杯の状況に追い込まれ、このままではルノとナオの魔力と体力の方が先に尽きてしまう。どうにか他に方法はないのかと考えた時、ルノは視界に端に移った物体を確認してナオに指示を出す。
「ナオ君!!あれを取り寄せる事出来ない!?」
「あれって……分かった!!やって見る!!」
『何を言って……!?』
ナオは意識を集中させて空間魔法を発動させると、さきほどリーリス達が氷結化した「鎧武者」の頭部に黒渦を作り上げ、そのまま全体を異空間に取り込む。その光景を見たクズノは二人の狙いに気付き、慌てて防御態勢に入った。
「まさか……!?」
「喰らえっ!!」
クズノの上空に黒渦が誕生すると、異空間に取り込まれた鎧武者が出現し、そのまま巨体と重量を生かしてクズノを押しつぶそうとした。
※ルノ君のストレス度――95%
カタナヅキ「や、やばい……逃げろ皆ぁっ!!」
「そんな事させるか!!」
「直接狙うのが駄目なら……こうだ!!」
クズノに対してルノは両手を構えて氷塊の盾を作り出すと、ナオは「跳弾」の戦技を発動させてあらゆる方向・角度から攻撃を行う。だが、クズノの頭部に狙って放たれた小石は彼が身に着けているシルクハットが変形し、ヘルメットのように形を変えて小石を弾く。
『無駄無駄!!どんな攻撃だろうと、私には通じません!!』
「シルクハットもネオ・オリハルコンとやらでしたか!?」
「あの帽子、ああいう使い方もあったのね!!」
帽子さえもネオ・オリハルコンで構成されていた事にリーリスとリディアは驚き、これで全身をネオ・オリハルコンで構成された鎧によって覆われたクズノは恐れることなく全方位に向けて「黒棘」を放つ。
『さあ!!これでお終いです!!』
「不味いっ……!?」
「皆!!俺の後ろに下がって!!」
「ひいいっ!?」
クズノの身体から射出された黒棘に対してルノは氷塊の盾で防御し、ナオは空間魔法を発動させて黒渦を利用して黒棘を異空間に取り込み、他の者達は二人の後ろに避難して難を逃れる。その際にルノはナオに視線を向け、ある事に気付く。
「……?もしかしてこれって……」
「ルノさん!!上からも来ますよ!?」
リーリスの言葉にルノは上空を見上げると、正面だけではなく上からも軌道を変更させて黒棘が接近している事に気付いたルノは皆を守るために氷塊の魔法を発動させる。
「このっ!!」
「今度は横よ!?」
「またかっ……いい加減にしろ!!」
『ふふふっ……仲間を守るので精いっぱいの様ですね。それが貴方の弱点です』
次々と繰り出される黒棘から他の皆を守るためにルノは魔法を使うため、クズノに対して肝心の攻撃が仕掛けられない。これまでの調査によってルノは仲間を見捨てられない事はクズノも知り尽くしていたため、ルノが仲間を守る間は自分に攻撃を仕掛ける余裕がない事もクズノも知っていた。
どうにか黒棘の攻撃を防ぐ事が出来れば反撃の好機も出来るが、クズノは全身から100を超える黒棘を生み出して縦横無尽に攻撃を仕掛ける。しかも1つ1つの黒棘の威力も馬鹿に出来ず、大理石製の壁を貫通する程の破壊力を誇り、もしも人体に攻撃を受ければ無事では済まない。
『さあ、ここまで移動するのに大分体力も魔力もお疲れでしょう?貴方がどれほどの力を持とうと人間である事に変わりはない、もうそれほど余裕はないはず!!』
「このっ……!!」
「……なら、私が仕留める」
「ちょ、コトネ!?」
コトネがルノの傍から離れると、彼女は迫りくる黒棘を回避しながら接近し、クズノの元へ向かう。だが、いくら彼女が素早さに優れていたとしてもクズノの攻撃を全て回避して彼に攻撃を仕掛けるのは不可能だった。
『貴方は前にも会ったことがありますね、ですが無駄なんですよ!!いくら隠密の能力で姿を消そうと私には通じない!!』
「むうっ……!?」
スキルを発動させて自分の存在感を消し去り、透明人間のようにクズノに接近して攻撃を仕掛けようとしたコトネだったが、どういうわけかクズノは正確にコトネの位置を特定して黒棘を放つ。感知系のスキルか、あるいは観察眼の能力を発動させた様子はないが、クズノは自慢するように告げる。
『この私の装備は熱探知も行えるのですよ。いくら存在感を消そうと人間であるならば体内の熱まで消す事は不可能、貴方が勝手に近づいてくるだけでこの鎧は反応して攻撃を仕掛けるのです!!』
「さっきからぺらぺらと自分の能力を語る……それほど余裕があるの?」
「違うわよ、そいつは昔から自慢せずにはいられない性格の男よ!!だから幹部の間では嫌われていたわ!!」
『……小娘が』
リディアの言葉にクズノは苛立ち、どうやら嫌われていたという自覚はあったらしい。そしてネオ・オリハルコンは熱を探知する能力も備わっているらしく、いくらコトネがスキルを使用して存在感を消そうと生物であるのならば肉体が持つ熱を完全に消し去る事は出来ないので居場所を特定される事が判明した。
攻撃も不可能、防御だけで手一杯の状況に追い込まれ、このままではルノとナオの魔力と体力の方が先に尽きてしまう。どうにか他に方法はないのかと考えた時、ルノは視界に端に移った物体を確認してナオに指示を出す。
「ナオ君!!あれを取り寄せる事出来ない!?」
「あれって……分かった!!やって見る!!」
『何を言って……!?』
ナオは意識を集中させて空間魔法を発動させると、さきほどリーリス達が氷結化した「鎧武者」の頭部に黒渦を作り上げ、そのまま全体を異空間に取り込む。その光景を見たクズノは二人の狙いに気付き、慌てて防御態勢に入った。
「まさか……!?」
「喰らえっ!!」
クズノの上空に黒渦が誕生すると、異空間に取り込まれた鎧武者が出現し、そのまま巨体と重量を生かしてクズノを押しつぶそうとした。
※ルノ君のストレス度――95%
カタナヅキ「や、やばい……逃げろ皆ぁっ!!」
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