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番外編
※もしもルノがエルフ王国へ召喚されていたとしたら……
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※これはパラレルワールドです。本編とは関係ありません。
――エルフ王国ではバルトロス帝国のように異世界から勇者と呼ばれる存在を呼び出す方法が存在し、彼等は領地内に現れた地竜の対処のため、どうしても戦力強化が必要だった。だからこそ国王は藁にも縋る思いで勇者召喚を行い、現れたのはなんと「初級魔術師」の職業を持つ少年一人だけだった。
少年の名前はルノというらしく、最初は召喚に成功した事に全員が喜んだが、肝心の少年のステータスを調べてみると初級魔術師という魔術師の中でも落ちこぼれの職業である事を知り、誰もが落胆した。イヤン王子に至っては彼を処刑するべきだと言い張るが、こちらの都合で勝手に召喚したにも関わらず、命を奪うなどという非道は出来ないと国王は告げ、しばらくの間は様子見としてルノを保護する事に決まった。
「何か大変な事になったな……これからどうしよう」
「おい、お前!!お前が勇者という奴だな!!僕にその力を見せて見ろ!!」
「うわぁっ!?ま、魔物!?どうして城の中に魔物が!?」
「誰がオークだ!?」
ルノの面倒を見る役目は城内に存在しても何も役に立たないデブリ王子に任され、二人は年齢も近いという事もあってすぐに仲良くなった。
「ルノ、聞いてくれよ!!また兄上に馬鹿にされたんだ……くそっ、兄上だからって僕の事を豚呼ばわりするなんて許されない事なんだからな!!」
「う~ん……でも、デブリ王子も少しは運動した方がいいと思うよ。それより、今日も新しい魔法を作ったから見ます?」
「おおっ!!またお前のへんてこな魔法を考えたのか!!見せてくれ!!」
氷塊の魔法を利用して氷像を作り出したルノにデブリは興奮し、二人はどんどんと仲良くなる。また、この時から初級魔法の応用変化を覚えていくルノに周囲の評価も変わっていく。
「国王様、本日の勇者様の訓練に関してなのですが、実は問題が起きまして……」
「何!?勇者殿が怪我でもされたのか!?」
「いえ、勇者様はよく頑張っておられます。というより、初級魔法しか使えないのに見事なまでに魔物を倒しています。既にレベルも20を超えておられます」
「おおっ!!それは素晴らしいではないか!!こんな短期間でレベルが20を超えるなど流石は勇者!!だが、それならば何が問題なのだ?」
「その……ルノ殿がどんどんとレベルを上げていくのを知ったデブリ王子が感化され、自分も訓練に参加したいと……」
「デブリが!?」
初めての友人だと思っていたルノが自分を置いてどんどんと魔法を極めていく光景にデブリも触発され、普段は滅多に運動をしない彼が自ら身体を鍛え始めるようになったという。
それから一か月の月日が流れ、レベルが60台を迎えたレノは遂にエルフ王国の軍隊と協力して地竜と戦闘を繰り広げ、見事に討ち果たす。
「喰らえっ!!超特大の螺旋氷弾だ!!」
『ゴアアアアアッ!?』
「や、やった!!地竜が真っ二つだ!!」
「勇者様が倒してくれたぞ!!」
「勇者様、万歳!!ルノ様、万歳!!」
「うおおおおおっ!!やったなルノ!!」
見事にエルフ王国を蹂躙していた地竜は打倒され、ルノはエルフ王国の英雄として迎え入れられる。ちなみにこの頃のデブリは運動しないデブから動けるデブぐらいに成長していた。
更に数か月の月日が流れる頃、ルノは他の国々も見て回りたいと申し出ると、デブリ王子もルノに同行して外の国へ向かいたいと国王に直訴する。
「父上!!どうか僕たちを他国へ行かせてください!!父上も若いうちに見聞を広めるために他国へよく足を運ばせていたというではないですか!!」
「お願いします国王様!!」
「うむ……まあ、ルノ殿が傍にいるのならば安全だろうし、良かろう」
『やった!!』
こうしてルノとデブリは他国を巡る旅へ赴く――
――更に半年後、そろそろ二人の顔が恋しくなってきた国王の元に大勢の兵士が訪れ、彼等の手には大量の書状が抱えられていた。
「た、大変です国王様!!各国の王族や貴族、さらには商人や一般市民からの感謝状が大量に届いています!!」
「何じゃと!?どういう事だ!?」
「何でも旅に出たルノ様とデブリ王子が各地で人助けを行い、魔王軍と呼ばれる悪の組織を潰して回っているそうです!!それで魔王軍の被害に遭っていた者たちから二人に対する感謝状が次々と送られてきます!!中にはバルトロス帝国の皇帝、獣人国、巨人国の国王からも届いています!!」
「な、何ぃいいいいっ!?」
国を去った後も次々と問題(?)を起こす二人に国王は引退するまで頭を悩ませたという――
※ルノの場合は他国で召喚されても何だかんだで人から頼りにされます。
――エルフ王国ではバルトロス帝国のように異世界から勇者と呼ばれる存在を呼び出す方法が存在し、彼等は領地内に現れた地竜の対処のため、どうしても戦力強化が必要だった。だからこそ国王は藁にも縋る思いで勇者召喚を行い、現れたのはなんと「初級魔術師」の職業を持つ少年一人だけだった。
少年の名前はルノというらしく、最初は召喚に成功した事に全員が喜んだが、肝心の少年のステータスを調べてみると初級魔術師という魔術師の中でも落ちこぼれの職業である事を知り、誰もが落胆した。イヤン王子に至っては彼を処刑するべきだと言い張るが、こちらの都合で勝手に召喚したにも関わらず、命を奪うなどという非道は出来ないと国王は告げ、しばらくの間は様子見としてルノを保護する事に決まった。
「何か大変な事になったな……これからどうしよう」
「おい、お前!!お前が勇者という奴だな!!僕にその力を見せて見ろ!!」
「うわぁっ!?ま、魔物!?どうして城の中に魔物が!?」
「誰がオークだ!?」
ルノの面倒を見る役目は城内に存在しても何も役に立たないデブリ王子に任され、二人は年齢も近いという事もあってすぐに仲良くなった。
「ルノ、聞いてくれよ!!また兄上に馬鹿にされたんだ……くそっ、兄上だからって僕の事を豚呼ばわりするなんて許されない事なんだからな!!」
「う~ん……でも、デブリ王子も少しは運動した方がいいと思うよ。それより、今日も新しい魔法を作ったから見ます?」
「おおっ!!またお前のへんてこな魔法を考えたのか!!見せてくれ!!」
氷塊の魔法を利用して氷像を作り出したルノにデブリは興奮し、二人はどんどんと仲良くなる。また、この時から初級魔法の応用変化を覚えていくルノに周囲の評価も変わっていく。
「国王様、本日の勇者様の訓練に関してなのですが、実は問題が起きまして……」
「何!?勇者殿が怪我でもされたのか!?」
「いえ、勇者様はよく頑張っておられます。というより、初級魔法しか使えないのに見事なまでに魔物を倒しています。既にレベルも20を超えておられます」
「おおっ!!それは素晴らしいではないか!!こんな短期間でレベルが20を超えるなど流石は勇者!!だが、それならば何が問題なのだ?」
「その……ルノ殿がどんどんとレベルを上げていくのを知ったデブリ王子が感化され、自分も訓練に参加したいと……」
「デブリが!?」
初めての友人だと思っていたルノが自分を置いてどんどんと魔法を極めていく光景にデブリも触発され、普段は滅多に運動をしない彼が自ら身体を鍛え始めるようになったという。
それから一か月の月日が流れ、レベルが60台を迎えたレノは遂にエルフ王国の軍隊と協力して地竜と戦闘を繰り広げ、見事に討ち果たす。
「喰らえっ!!超特大の螺旋氷弾だ!!」
『ゴアアアアアッ!?』
「や、やった!!地竜が真っ二つだ!!」
「勇者様が倒してくれたぞ!!」
「勇者様、万歳!!ルノ様、万歳!!」
「うおおおおおっ!!やったなルノ!!」
見事にエルフ王国を蹂躙していた地竜は打倒され、ルノはエルフ王国の英雄として迎え入れられる。ちなみにこの頃のデブリは運動しないデブから動けるデブぐらいに成長していた。
更に数か月の月日が流れる頃、ルノは他の国々も見て回りたいと申し出ると、デブリ王子もルノに同行して外の国へ向かいたいと国王に直訴する。
「父上!!どうか僕たちを他国へ行かせてください!!父上も若いうちに見聞を広めるために他国へよく足を運ばせていたというではないですか!!」
「お願いします国王様!!」
「うむ……まあ、ルノ殿が傍にいるのならば安全だろうし、良かろう」
『やった!!』
こうしてルノとデブリは他国を巡る旅へ赴く――
――更に半年後、そろそろ二人の顔が恋しくなってきた国王の元に大勢の兵士が訪れ、彼等の手には大量の書状が抱えられていた。
「た、大変です国王様!!各国の王族や貴族、さらには商人や一般市民からの感謝状が大量に届いています!!」
「何じゃと!?どういう事だ!?」
「何でも旅に出たルノ様とデブリ王子が各地で人助けを行い、魔王軍と呼ばれる悪の組織を潰して回っているそうです!!それで魔王軍の被害に遭っていた者たちから二人に対する感謝状が次々と送られてきます!!中にはバルトロス帝国の皇帝、獣人国、巨人国の国王からも届いています!!」
「な、何ぃいいいいっ!?」
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