最強の職業は付与魔術師かもしれない

カタナヅキ

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戦姫編

バジリスク討伐部隊

用事を済ませたレナが陽光教会に帰還し、アイリィとコトミンと合流を果たす。ゴンゾウは冒険者ギルドに向かっており、時間が余っているので依頼を受けに向い、レナは暇つぶしに2人と戯れているとテンが彼の部屋に顔を見せる。。


「よう!!あんた達、今までどこ行ってんだい?」
「あ、テンさん……いや、テン」
「あたたたたっ……ちょっ、コトミンさん!?イカサマしようとしたのは謝りますから許してください」
「……駄目」
「何してんだいあんた等は……」


レナは自作のトランプで二人にルールを教えて遊んでいると、アイリィがババ抜きの際にイカサマを仕掛けようとしたのをコトミンが見抜き、現在は彼女がお仕置きを実行する。脇固めの要領で腕を捻り、アイリィが助けを求めるようにテンに手を伸ばす。


「た、助けてください!!このままだと骨が……」
「たくっ……仕方ないね。ほら、それくらいにしといな嬢ちゃん」
「しょうがない……許してやろう」


テンがコトミンの身体を抱え、アイリィは安堵の息を吐く。その一方でレナはトランプに視線を向け、こちらの世界にはトランプのようなカードゲームは存在しないらしく、新しい遊戯としてこの世界に伝えられないか考えているとテンが彼に声を掛ける。


「そう言えば坊主、ミキさんがあんたを探しているよ。例の戦姫さんの使者がお待ちかねだよ」
「使者?」
「黒髪の女剣士だよ。名前は……リノンとか言ったっけ?」


彼女の言葉にレナの脳裏にこちらの世界に召喚された日に戦姫の側近を勤めていた黒髪の女騎士を思い出し、テンの案内の元でレナだけが執務室に移動する。アイリィとコトミンは今回も参加せず、部屋の中で大人しく待機する事を告げる。


「いってらっしゃ~い」
「おみやげ期待してる」
「くそう……後で覚えてろよ」
「ほら、行くよ」


2人に手を振って見送られ、レナはテンと共に執務室に向かう。彼女は話し合いには参加しないのか執務室の前に移動すると訓練場に向かってしまい、レナは若干緊張しながらもノックを行い、部屋の中に入り込む。


「失礼します」
「レナ様、どうぞこちらへ」
「むっ……やっと来たか」


事前のレナの予想通り、執務室に待機していたのは黒髪の挑発が特徴的の女性の騎士であり、テンの記憶が正しければリノンという名前の戦姫の護衛を勤める帝国の女騎士である。レナはミキの隣に移動を行い、最初に自己紹介を行う。


「えっと、一応はお久しぶりになるのかな?異世界から訪れたレナです」
「ああ、そう言えば以前に一度だけ会った事があったな……ジャンヌ様の側近を勤めるリノンだ」
「レナ様……彼女は異国人なのでこちらの国の言葉は苦手としています。口調に不自然な点がありますが、あまり気にしないで下さい」
「そうなんだ……」
「すまない……この国には長くいるんだが、どうにも敬語とやらは苦手でな……申し訳ない」


リノンの言葉遣いに違和感を感じたが、どうやらわざと不遜な態度を取っているわけではなく、彼女は頭を下げる。異国人という言葉とこの世界では珍しい黒髪である事からレナは彼女が日本人ではないかと疑問を抱き、試しに尋ねる。


「あの……もしかしてリノンさんは異世界人なんですか?」
「いや……だが、私の祖母が異世界人だ。両親も黒髪だが、特に異世界人の血を引いていても特別な能力は宿していない」
「そうなんですか……でも異世界人か」


自分と勇者として召喚された佐藤達以外にこちらの世界に日本人らしき人物が居る事にレナは驚き、どのような人物なのか気にかかるが、リノンが彼の気持ちを察したように同情の言葉を掛ける。


「すまないが祖母は既に他界している。流行り病にかかってな……こちらの世界の薬が合わなかったのか、普通なら死に陥るような病じゃなかったんだが……」
「そう、ですか……」
「君も身体には気を付けた方が良い。さて……それでは本題に入ろう」


リノンは書状を取り出し、先にミキに手渡す。彼女は受け取ると内容を確認し、険しい表情を浮かべて頷く。


「……分かりました。約束通り、陽光教会も今回のバジリスクの討伐に御助力します」
「ほ、本当ですか?」
「石化の魔眼に関しては対抗策を講じる必要がありますので準備の時間は必要ですが、ワルキューレ騎士団を出動させます。また、回復薬の支援も我々が行いましょう」
「おおっ……ありがとうございます!!」
「ですが、気がかりなのは深淵の森にバジリスク以外にもオークが増加している傾向があります。もしもバジリスクに遭遇する前にオークと交戦する場合、現時点の騎士団の数では不安な点があります」
「その点は問題はない。帝国名義で冒険者ギルドにも討伐隊の志願者を募集しています」
「ということは……バジリスクの討伐にはワルキューレ騎士団も参加してくれるんですか?」
「はい。我々としても戦姫様には多大な恩がありますし、それにレナ様も陽光教会にとっては重要な存在なのです。我々も協力は惜しみません」


ミキの言葉を聞いてレナは内心安堵し、相手が伝説の化物ならば普通に考えれば少人数で倒せる敵ではなく、2人の話を聞く限りでは更なる助力が期待できそうだった。
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