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王都での日常
第117話 魔術師殺し
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「氷砲撃《キャノン》!!」
「ッ――!?」
三又の杖から三つの氷塊が誕生し、それらが結合する事で氷柱と化す。それを見た瞬間にガーゴイルは目を見開き、一方でコオリは魔術痕から風の魔力を引きだして氷柱に送り込む。
氷柱に風の魔力が渦巻く事で回転力を高め、攻撃速度を限界まで加速させて打ち込む。上級魔法にも匹敵する攻撃を撃ち込もうとした。
「喰らっ……」
コオリが魔法を放とうとした瞬間、ガーゴイルは口元を開いて鳴き声を放つ。
――キィエエエエエッ!!
ガーゴイルが鳴き声を上げた瞬間に校舎内の窓が割れ、その声を耳にした瞬間にコオリ達は耳元を抑えて倒れ込む。攻撃を仕掛けようとした瞬間にコオリは意識が乱れてしまい、せっかく作り上げた氷柱が消えてしまう。
超音波のような鳴き声でコオリの意識を乱したガーゴイルは彼の魔法を中断させ、それどころかバルトやミイナさえも立っていられずに膝をつく。三人ともガーゴイルの鳴き声だけでまともに動けない状態に陥る。
「う、ああっ……!?」
「がはっ……!!」
「にゃうっ……!?」
鳴き声だけでガーゴイルはコオリ達を戦闘不能の状態に追い込み、やがて鳴き声を止めるとコオリの元へ向かう。この際にガーゴイルはコオリが魔法を作り出した際に彼の周りの壁や床の一部が凍っている事を確認すると、目つきを鋭くさせて爪を彼に構えた。
「キィイッ!!」
「くっ!?」
「コオリ、危ない!!」
爪が振り下ろされる寸前で咄嗟にミイナはコオリの肩を掴み、後ろに飛ぶ事で攻撃を回避した。コオリはミイナに抱き寄せられる形で倒れ込み、それを見たガーゴイルは忌々し気な表情を浮かべて今度は足を振りかざす。
「キィエエエッ!!」
「うわっ!?」
「にゃっ!?」
「や、止めろぉっ!!」
二人が踏み潰されそうになった瞬間、バルトが近くに落ちていた魔法金属の破片を投げ込む。先に倒れていた生徒が身に付けていたと思われる魔法腕輪の破片には魔石が装着されており、偶然にもガーゴイルの口元に収まる。
「アガァッ!?」
「は、早く逃げろ!!」
「コオリ、こっち……」
「ううっ……」
魔法腕輪の欠片が上手い具合にガーゴイルの口元に嵌まり、それに気を取られている間にミイナはコオリを引っ張って距離を置く。一方でバルトは足元の破片を調べ上げ、使えそうな物を探す。
倒れていた生徒の杖や魔法腕輪は破壊されて使い物にならないが、装着されていた魔石は使い道がある。緊急事態なので生徒達には悪いと思いながらもバルトは魔石を回収すると、ガーゴイルの顔に目掛けて杖を構える。
(頼む、出てくれ!!)
先ほどの鳴き声のせいでバルトも精神が乱れて中級魔法は扱える状態ではなかったが、この状況を打破するために彼は必死に魔力を練り上げて魔法を放つ。
「ウィンド!!」
「アガァッ……!?」
まだ魔法腕輪の破片が口に嵌まった状態のガーゴイルにバルトは下級魔法を放ち、今の彼が繰り出せる魔法がこれが限界だった。ガーゴイルは口元の魔法腕輪の破片が風圧で押し込まれる形になり、この時に牙が魔法腕輪の破片に装着していた魔石に触れた。
ガーゴイルの牙の鋭さはファングやコボルトの火ではなく、魔石は牙によって簡単に砕かれてしまう。しかし、魔石が砕かれた瞬間に内部に蓄積されていた魔力が暴走し、ガーゴイルの口元が爆発した。
「アガァアアアッ!?」
「へっ……ど、どうだ!!」
魔法腕輪の破片に嵌め込まれていたのは火属性の魔石だったらしく、噛み砕いた事で火の魔力が暴走してガーゴイルの口元が爆発した。顔面が黒煙に覆われたガーゴイルを見てバルトは笑みを浮かべるが、直後に彼はガーゴイルが「魔術師殺し」と呼ばれる所以を知る。
「グゥウウッ……!!」
「えっ……う、嘘だろ、おい!?」
顔面が爆発したにも関わらずにガーゴイルは煙が晴れると顔が少し黒焦げた程度で牙一つ折れてさえいなかった。火属性の魔石が暴発すれば岩石を破壊する威力を誇るが、ガーゴイルは本物の岩石以上の硬度と耐久力を誇る事が証明された。
(化物かこいつ!?)
魔石が爆発しても無傷のガーゴイルを見てバルトは焦りを抱き、慌てて離れようとした。しかし、この時にガーゴイルは口元を開くと激しく咳き込む。
「ガハァッ……!?」
どうやら先ほどの魔石の爆発は全くの無意味ではなかったらしく、ガーゴイルが鳴き声を上げようとすると煙を咳き込んで上手く声が出せない。見た目は石像のように見えてもガーゴイルも生物であり、どうやら先ほどの爆発で身体の内部にも影響を与えたらしい。
ガーゴイルが咳き込んでいるうちにバルトはコオリとミイナと共にその場を離れ、態勢を整えるために3人はガーゴイルから逃げ出す。
「くそっ、こっちだ!!」
「コオリ、しっかりして……」
「ううっ……」
バルトは教室の中に二人を入れると彼は出入口を塞ぎ、教室中の机や椅子を運び出してバリケードを作り上げる。幸いにもガーゴイルは動きが遅く、先ほどの攻撃で表面上は無傷のように見えても全く損傷はないわけではなかった。
しかし、出入口を塞いだとしても時間稼ぎが精いっぱいであり、いずれは破壊して中に侵入してくる。逃げようにもここは校舎の最上階なので獣人族であるミイナはともかく、コオリやバルトが降りられる高さではない。
『グギィッ!!』
「うおっ!?やべえ、そう長くは持たないぞ!!」
「先輩、魔法は使えますか?」
「ああ、だけど相手がガーゴイルだと俺の魔法は通じないかもしれねえ……あいつは水以外の魔法は通じないんだよ」
「水?」
バルトが授業で習った範囲のガーゴイルの特徴は水以外の魔法の耐性を持ち合わせており、風や火の魔法は殆ど通じない。唯一の弱点があるとすれば水らしく、水を浴びせればガーゴイルの肉体が溶けてしまうらしい。
「あいつを倒すには水属性の魔法か、あるいは大量の水をぶっかけないと倒せなかったはずだ」
「それならコオリの氷で……」
「駄目だ、あいつが通じるのはあくまでも水だけだ。氷をぶつけても水と違って氷は固体だから大して通じないはずだ!!」
「だったらミイナの炎爪で僕の氷を溶かせば……」
「そんな上手くいくと思うか?魔法で造り出す氷や火は普通の水と火とは違うんだぞ、多分触れ合っただけで魔力同士が反発し合って弾かれるだけだ」
『グギィイイイッ!!』
話している間にも扉は破壊されそうなため、コオリ達は武器を構えてガーゴイルが入り込むのを待つ。攻撃を狙うとしたらガーゴイルが入り込んだ瞬間であり、バルトは杖を構えて二人に指示を出す。
「こうなったら全員で一斉に攻撃するぞ!!通じるかどうかは知らねえが、とにかく奴を廊下の窓から外に放り出せばいい!!」
「なるほど、魔法で吹っ飛ばすんですね!?」
「私が最初に隙を作るから二人ともお願い」
ミイナは鉤爪を装着して炎を纏うと、ガーゴイルが扉を破壊する瞬間を待ち構える。コオリとバルトは杖を構えて攻撃の好機を待ち、もう一度コオリは氷砲撃《キャノン》の準備を行う。
(今度こそ確実に当てるんだ!!)
先ほどは発射の直前に大声を上げられて精神が乱れて失敗してしまったが、今回は焦らずに魔法の準備を行う。先ほどのバルトの攻撃でガーゴイルは鳴き声がおかしく、恐らくは発声器官が不調をきたしている。
攻撃の絶好の機会であり、三人は扉の前に待ち構えると遂にガーゴイルが扉を打ち破って教室の中に入ってきた。扉の前に置かれていた机や椅子を吹き飛ばし、ガーゴイルは教室へと踏み込んだ瞬間にコオリ達は目を見開く。
「グギャアアアッ!!」
「あ、がぁっ……!?」
「た、助けて……!?」
「なっ……」
「何て事を!!」
ガーゴイルは教室の中に入り込むとその手には先ほど廊下に倒れていた生徒達が捕まっており、それを見た三人は攻撃を中断せざるを得なかった。敢えて殺さずに放置していた生徒を人質にして入り込んできたガーゴイルに三人は焦りを抱く。
(魔物が人質を!?くそっ、どうなってるんだ!!)
その気になれば殺せたはずの生徒をガーゴイルが敢えて残していた理由は人質にするためであり、人質が傍にいる以上はコオリ達は迂闊に魔法で攻撃を仕掛ける事ができない。もしも下手に魔法を使用すれば人質の命が危ない。
捕まったているのは最上級生の生徒達であり、彼等は身に付けていた杖や魔法腕輪は破壊されて魔法も使えない。そんな状態の彼等に魔法を撃ちこめば無事では済まず、確実に死んでしまう。
「こ、このくそ野郎が!!」
「くっ……」
「いったいどうすれば……」
捕まっている人質を見せつけられて三人は動く事ができず、人質を救おうにも下手にガーゴイルに近付く事はできない。ガーゴイルは教室の中を見渡すと真っ先に自分に先ほど攻撃を与えたバルトに狙いを定め、片方の生徒を放り込む。
「グギャアッ!!」
「うわぁっ!?」
「あぐぅっ!?」
「先輩!?」
「コオリ、よそ見しないで!!」
人質を放り込まれたバルトは避けられずにぶつかってしまい、共にもつれながら倒れ込む。それを確認したガーゴイルは今度はもう片方の人質を振りかざし、今度はミイナに目掛けて放り込む。
「グギャッ!!」
「にゃうっ!?」
「かはぁっ!?」
「ミイナ!?」
ミイナは避けようと思えば避けれたが、投げ込まれる生徒を受け止めなければ壁に激突して死んでしまうかもしれず、彼女は敢えて受け止めようとしたがガーゴイルの怪力で投げ飛ばされた女子生徒はミイナを巻き込んで床に倒れ込む。
バルトとミイナが倒れたのを見てコオリはガーゴイルと向かい合い、仲間の二人は倒れたが人質は解放された。それならば遠慮せずにコオリは魔法を放つ準備を行う。
「ッ――!?」
三又の杖から三つの氷塊が誕生し、それらが結合する事で氷柱と化す。それを見た瞬間にガーゴイルは目を見開き、一方でコオリは魔術痕から風の魔力を引きだして氷柱に送り込む。
氷柱に風の魔力が渦巻く事で回転力を高め、攻撃速度を限界まで加速させて打ち込む。上級魔法にも匹敵する攻撃を撃ち込もうとした。
「喰らっ……」
コオリが魔法を放とうとした瞬間、ガーゴイルは口元を開いて鳴き声を放つ。
――キィエエエエエッ!!
ガーゴイルが鳴き声を上げた瞬間に校舎内の窓が割れ、その声を耳にした瞬間にコオリ達は耳元を抑えて倒れ込む。攻撃を仕掛けようとした瞬間にコオリは意識が乱れてしまい、せっかく作り上げた氷柱が消えてしまう。
超音波のような鳴き声でコオリの意識を乱したガーゴイルは彼の魔法を中断させ、それどころかバルトやミイナさえも立っていられずに膝をつく。三人ともガーゴイルの鳴き声だけでまともに動けない状態に陥る。
「う、ああっ……!?」
「がはっ……!!」
「にゃうっ……!?」
鳴き声だけでガーゴイルはコオリ達を戦闘不能の状態に追い込み、やがて鳴き声を止めるとコオリの元へ向かう。この際にガーゴイルはコオリが魔法を作り出した際に彼の周りの壁や床の一部が凍っている事を確認すると、目つきを鋭くさせて爪を彼に構えた。
「キィイッ!!」
「くっ!?」
「コオリ、危ない!!」
爪が振り下ろされる寸前で咄嗟にミイナはコオリの肩を掴み、後ろに飛ぶ事で攻撃を回避した。コオリはミイナに抱き寄せられる形で倒れ込み、それを見たガーゴイルは忌々し気な表情を浮かべて今度は足を振りかざす。
「キィエエエッ!!」
「うわっ!?」
「にゃっ!?」
「や、止めろぉっ!!」
二人が踏み潰されそうになった瞬間、バルトが近くに落ちていた魔法金属の破片を投げ込む。先に倒れていた生徒が身に付けていたと思われる魔法腕輪の破片には魔石が装着されており、偶然にもガーゴイルの口元に収まる。
「アガァッ!?」
「は、早く逃げろ!!」
「コオリ、こっち……」
「ううっ……」
魔法腕輪の欠片が上手い具合にガーゴイルの口元に嵌まり、それに気を取られている間にミイナはコオリを引っ張って距離を置く。一方でバルトは足元の破片を調べ上げ、使えそうな物を探す。
倒れていた生徒の杖や魔法腕輪は破壊されて使い物にならないが、装着されていた魔石は使い道がある。緊急事態なので生徒達には悪いと思いながらもバルトは魔石を回収すると、ガーゴイルの顔に目掛けて杖を構える。
(頼む、出てくれ!!)
先ほどの鳴き声のせいでバルトも精神が乱れて中級魔法は扱える状態ではなかったが、この状況を打破するために彼は必死に魔力を練り上げて魔法を放つ。
「ウィンド!!」
「アガァッ……!?」
まだ魔法腕輪の破片が口に嵌まった状態のガーゴイルにバルトは下級魔法を放ち、今の彼が繰り出せる魔法がこれが限界だった。ガーゴイルは口元の魔法腕輪の破片が風圧で押し込まれる形になり、この時に牙が魔法腕輪の破片に装着していた魔石に触れた。
ガーゴイルの牙の鋭さはファングやコボルトの火ではなく、魔石は牙によって簡単に砕かれてしまう。しかし、魔石が砕かれた瞬間に内部に蓄積されていた魔力が暴走し、ガーゴイルの口元が爆発した。
「アガァアアアッ!?」
「へっ……ど、どうだ!!」
魔法腕輪の破片に嵌め込まれていたのは火属性の魔石だったらしく、噛み砕いた事で火の魔力が暴走してガーゴイルの口元が爆発した。顔面が黒煙に覆われたガーゴイルを見てバルトは笑みを浮かべるが、直後に彼はガーゴイルが「魔術師殺し」と呼ばれる所以を知る。
「グゥウウッ……!!」
「えっ……う、嘘だろ、おい!?」
顔面が爆発したにも関わらずにガーゴイルは煙が晴れると顔が少し黒焦げた程度で牙一つ折れてさえいなかった。火属性の魔石が暴発すれば岩石を破壊する威力を誇るが、ガーゴイルは本物の岩石以上の硬度と耐久力を誇る事が証明された。
(化物かこいつ!?)
魔石が爆発しても無傷のガーゴイルを見てバルトは焦りを抱き、慌てて離れようとした。しかし、この時にガーゴイルは口元を開くと激しく咳き込む。
「ガハァッ……!?」
どうやら先ほどの魔石の爆発は全くの無意味ではなかったらしく、ガーゴイルが鳴き声を上げようとすると煙を咳き込んで上手く声が出せない。見た目は石像のように見えてもガーゴイルも生物であり、どうやら先ほどの爆発で身体の内部にも影響を与えたらしい。
ガーゴイルが咳き込んでいるうちにバルトはコオリとミイナと共にその場を離れ、態勢を整えるために3人はガーゴイルから逃げ出す。
「くそっ、こっちだ!!」
「コオリ、しっかりして……」
「ううっ……」
バルトは教室の中に二人を入れると彼は出入口を塞ぎ、教室中の机や椅子を運び出してバリケードを作り上げる。幸いにもガーゴイルは動きが遅く、先ほどの攻撃で表面上は無傷のように見えても全く損傷はないわけではなかった。
しかし、出入口を塞いだとしても時間稼ぎが精いっぱいであり、いずれは破壊して中に侵入してくる。逃げようにもここは校舎の最上階なので獣人族であるミイナはともかく、コオリやバルトが降りられる高さではない。
『グギィッ!!』
「うおっ!?やべえ、そう長くは持たないぞ!!」
「先輩、魔法は使えますか?」
「ああ、だけど相手がガーゴイルだと俺の魔法は通じないかもしれねえ……あいつは水以外の魔法は通じないんだよ」
「水?」
バルトが授業で習った範囲のガーゴイルの特徴は水以外の魔法の耐性を持ち合わせており、風や火の魔法は殆ど通じない。唯一の弱点があるとすれば水らしく、水を浴びせればガーゴイルの肉体が溶けてしまうらしい。
「あいつを倒すには水属性の魔法か、あるいは大量の水をぶっかけないと倒せなかったはずだ」
「それならコオリの氷で……」
「駄目だ、あいつが通じるのはあくまでも水だけだ。氷をぶつけても水と違って氷は固体だから大して通じないはずだ!!」
「だったらミイナの炎爪で僕の氷を溶かせば……」
「そんな上手くいくと思うか?魔法で造り出す氷や火は普通の水と火とは違うんだぞ、多分触れ合っただけで魔力同士が反発し合って弾かれるだけだ」
『グギィイイイッ!!』
話している間にも扉は破壊されそうなため、コオリ達は武器を構えてガーゴイルが入り込むのを待つ。攻撃を狙うとしたらガーゴイルが入り込んだ瞬間であり、バルトは杖を構えて二人に指示を出す。
「こうなったら全員で一斉に攻撃するぞ!!通じるかどうかは知らねえが、とにかく奴を廊下の窓から外に放り出せばいい!!」
「なるほど、魔法で吹っ飛ばすんですね!?」
「私が最初に隙を作るから二人ともお願い」
ミイナは鉤爪を装着して炎を纏うと、ガーゴイルが扉を破壊する瞬間を待ち構える。コオリとバルトは杖を構えて攻撃の好機を待ち、もう一度コオリは氷砲撃《キャノン》の準備を行う。
(今度こそ確実に当てるんだ!!)
先ほどは発射の直前に大声を上げられて精神が乱れて失敗してしまったが、今回は焦らずに魔法の準備を行う。先ほどのバルトの攻撃でガーゴイルは鳴き声がおかしく、恐らくは発声器官が不調をきたしている。
攻撃の絶好の機会であり、三人は扉の前に待ち構えると遂にガーゴイルが扉を打ち破って教室の中に入ってきた。扉の前に置かれていた机や椅子を吹き飛ばし、ガーゴイルは教室へと踏み込んだ瞬間にコオリ達は目を見開く。
「グギャアアアッ!!」
「あ、がぁっ……!?」
「た、助けて……!?」
「なっ……」
「何て事を!!」
ガーゴイルは教室の中に入り込むとその手には先ほど廊下に倒れていた生徒達が捕まっており、それを見た三人は攻撃を中断せざるを得なかった。敢えて殺さずに放置していた生徒を人質にして入り込んできたガーゴイルに三人は焦りを抱く。
(魔物が人質を!?くそっ、どうなってるんだ!!)
その気になれば殺せたはずの生徒をガーゴイルが敢えて残していた理由は人質にするためであり、人質が傍にいる以上はコオリ達は迂闊に魔法で攻撃を仕掛ける事ができない。もしも下手に魔法を使用すれば人質の命が危ない。
捕まったているのは最上級生の生徒達であり、彼等は身に付けていた杖や魔法腕輪は破壊されて魔法も使えない。そんな状態の彼等に魔法を撃ちこめば無事では済まず、確実に死んでしまう。
「こ、このくそ野郎が!!」
「くっ……」
「いったいどうすれば……」
捕まっている人質を見せつけられて三人は動く事ができず、人質を救おうにも下手にガーゴイルに近付く事はできない。ガーゴイルは教室の中を見渡すと真っ先に自分に先ほど攻撃を与えたバルトに狙いを定め、片方の生徒を放り込む。
「グギャアッ!!」
「うわぁっ!?」
「あぐぅっ!?」
「先輩!?」
「コオリ、よそ見しないで!!」
人質を放り込まれたバルトは避けられずにぶつかってしまい、共にもつれながら倒れ込む。それを確認したガーゴイルは今度はもう片方の人質を振りかざし、今度はミイナに目掛けて放り込む。
「グギャッ!!」
「にゃうっ!?」
「かはぁっ!?」
「ミイナ!?」
ミイナは避けようと思えば避けれたが、投げ込まれる生徒を受け止めなければ壁に激突して死んでしまうかもしれず、彼女は敢えて受け止めようとしたがガーゴイルの怪力で投げ飛ばされた女子生徒はミイナを巻き込んで床に倒れ込む。
バルトとミイナが倒れたのを見てコオリはガーゴイルと向かい合い、仲間の二人は倒れたが人質は解放された。それならば遠慮せずにコオリは魔法を放つ準備を行う。
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