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王都の異変
第619話 エルマとゴンザレスとの再会
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「はあっ……何か、凄い人に目を付けられた気がする」
「クゥンッ……」
折角の休日になったというのにナイは異様に疲れてしまい、白猫亭に向かうのを中断して人気のない路地裏で休憩を行う。
色々とあって疲れたのでゆっくりと休もうとした時、懐かしい気配を感じたナイは街道の方に視線を向けると、そこにはエルマとゴンザレスの姿があった。
「あれ、あの二人……どうしてここにいるんだろう?」
エルマとゴンザレスは何故か険しい表情を浮かべており、不思議に思ったナイは二人の後を追う。
「ビャク、あの二人に付いて行こう」
「ウォンッ?」
ナイはビャクと共にエルマとゴンザレスの後を追いかけると、二人が王都の外に出て行こうとする姿を確認する。事前に馬車を手配していたらしく、巨人族のゴンザレスでも運び出せる程の大きさの馬車に乗り込み、エルマが馬車を動かす。
「では行きますよ、ゴンザレス」
「ああっ……」
エルマはゴンザレスが乗り込んだのを確認すると、馬車を走らせる。その様子を見届けたナイは不思議に思い、追いかけるべきか悩み、アッシュ公爵から受け取ったメダルを取り出す。
「すいません、ここを通してくれますか?」
「何だ、お前は……うおっ!?こ、これは公爵の……すいません!!どうぞ、自由にお通り下さい!!」
「ウォンッ?」
ナイがメダルを見せた瞬間に門番の態度が変わり、アッシュの言っていた通りにこのメダルを見せると国内に存在する街や都市は自由に出入りできることが証明された。
ビャクに乗り込んだナイはエルマとゴンザレスの後を追うためにビャクを走らせ、彼等に追いついたら何処へ向かうのか確かめようとした。どうしても去り際の二人の表情が気になり、ビャクに追いかけさせる。
「ビャク、あの二人に追いつける!?」
「ウォンッ!!」
当然だとばかりにビャクは馬車に向けて駆け出し、瞬く間に距離を詰めていく。そして馬車と並列すると、エルマが驚いた様な表情を浮かべた。
「ナ、ナイ君!?どうしてここに!?」
「何?ナイだと?」
「どうも、お久しぶりです!!」
ナイの名前を聞いて馬車の中のゴンザレスも窓から顔を覗き込ませると、二人は驚いた様子だった。そんな二人に対してナイは何処へ向かうのかを問いかける。
「何処へ向かってるんですか!?何かあったんですか!?」
「オーロラ湖の薬草を取りに行くために向かっているんです!!」
「えっ!?」
「この王都から西の方角に湖があります!!そこの湖には魔力回復薬の原料になる特別な薬草が手に入るんです!!それを手に入れればイリア魔導士が老師の身体を治す事が出来るかもしれないと……だから私達は今から行くんです!!」
王都の西の方角にはオーロラ湖という湖が存在し、その場所には貴重な魔力回復薬の原材料になる薬草が生えているらしく、二人はそれを採取するために向かっていた事を話す。
どうして薬草を探しているのかというと、イチノでの一件以来、マホはずっと寝たきりの状態で過ごして未だに完治していない。マホは広域魔法の発動によって魔力を失い、現在は起き上がる事もできない状態らしい。
「老師は訳があって魔力を自力で回復する事ができにくい体質なんです。だから魔力を回復させるには魔力回復薬のような薬が必要なんです!!でも、市販の物だと殆ど効果がなくて……イリア魔導士のような優秀な薬師が作り出す魔力回復薬じゃないと効果が薄いんです」
「なるほど……ちなみにどんな薬草を探しているんですか?」
「全体が青色に染まっていて星のような形をした花ですが……」
「分かりました、なら先に行って探してきます!!」
「あ、ナイさん!?待ってください、そのオーロラ湖には……!!」
「危険だぞ!?戻って……」
エルマとゴンゾウの言葉が言い終わる前にナイはビャクを走らせ、二人よりも先にオーロラ湖へと向かう。マホにはナイも色々と世話になっており、彼女のためにナイはビャクをエルマ達よりも先にオーロラ湖へと向かう――
――ビャクが30分ほど草原を移動すると、遂にオーロラ湖なる場所にナイは辿り着く。名前の割には別に普通の湖でもあり、見た限りでは魔物の姿も見えない。
火竜が死亡してから住処を離れていた魔物達は元の場所に戻り始めているはずだが、この湖周辺には魔物は見当たらず、ナイは不思議に思う。だが、今はマホを救うためにビャクに注意した。
「ビャク、何か見つけたらすぐに報告するんだぞ」
「クゥ~ンッ……」
「ビャク?どうかした?」
湖に辿り着いて早々にビャクは何故か落ち着かない様子で周囲を見渡し、その反応にナイは不思議に思いながらも魔力回復薬の原材料となる薬草を探す。
「クゥンッ……」
折角の休日になったというのにナイは異様に疲れてしまい、白猫亭に向かうのを中断して人気のない路地裏で休憩を行う。
色々とあって疲れたのでゆっくりと休もうとした時、懐かしい気配を感じたナイは街道の方に視線を向けると、そこにはエルマとゴンザレスの姿があった。
「あれ、あの二人……どうしてここにいるんだろう?」
エルマとゴンザレスは何故か険しい表情を浮かべており、不思議に思ったナイは二人の後を追う。
「ビャク、あの二人に付いて行こう」
「ウォンッ?」
ナイはビャクと共にエルマとゴンザレスの後を追いかけると、二人が王都の外に出て行こうとする姿を確認する。事前に馬車を手配していたらしく、巨人族のゴンザレスでも運び出せる程の大きさの馬車に乗り込み、エルマが馬車を動かす。
「では行きますよ、ゴンザレス」
「ああっ……」
エルマはゴンザレスが乗り込んだのを確認すると、馬車を走らせる。その様子を見届けたナイは不思議に思い、追いかけるべきか悩み、アッシュ公爵から受け取ったメダルを取り出す。
「すいません、ここを通してくれますか?」
「何だ、お前は……うおっ!?こ、これは公爵の……すいません!!どうぞ、自由にお通り下さい!!」
「ウォンッ?」
ナイがメダルを見せた瞬間に門番の態度が変わり、アッシュの言っていた通りにこのメダルを見せると国内に存在する街や都市は自由に出入りできることが証明された。
ビャクに乗り込んだナイはエルマとゴンザレスの後を追うためにビャクを走らせ、彼等に追いついたら何処へ向かうのか確かめようとした。どうしても去り際の二人の表情が気になり、ビャクに追いかけさせる。
「ビャク、あの二人に追いつける!?」
「ウォンッ!!」
当然だとばかりにビャクは馬車に向けて駆け出し、瞬く間に距離を詰めていく。そして馬車と並列すると、エルマが驚いた様な表情を浮かべた。
「ナ、ナイ君!?どうしてここに!?」
「何?ナイだと?」
「どうも、お久しぶりです!!」
ナイの名前を聞いて馬車の中のゴンザレスも窓から顔を覗き込ませると、二人は驚いた様子だった。そんな二人に対してナイは何処へ向かうのかを問いかける。
「何処へ向かってるんですか!?何かあったんですか!?」
「オーロラ湖の薬草を取りに行くために向かっているんです!!」
「えっ!?」
「この王都から西の方角に湖があります!!そこの湖には魔力回復薬の原料になる特別な薬草が手に入るんです!!それを手に入れればイリア魔導士が老師の身体を治す事が出来るかもしれないと……だから私達は今から行くんです!!」
王都の西の方角にはオーロラ湖という湖が存在し、その場所には貴重な魔力回復薬の原材料になる薬草が生えているらしく、二人はそれを採取するために向かっていた事を話す。
どうして薬草を探しているのかというと、イチノでの一件以来、マホはずっと寝たきりの状態で過ごして未だに完治していない。マホは広域魔法の発動によって魔力を失い、現在は起き上がる事もできない状態らしい。
「老師は訳があって魔力を自力で回復する事ができにくい体質なんです。だから魔力を回復させるには魔力回復薬のような薬が必要なんです!!でも、市販の物だと殆ど効果がなくて……イリア魔導士のような優秀な薬師が作り出す魔力回復薬じゃないと効果が薄いんです」
「なるほど……ちなみにどんな薬草を探しているんですか?」
「全体が青色に染まっていて星のような形をした花ですが……」
「分かりました、なら先に行って探してきます!!」
「あ、ナイさん!?待ってください、そのオーロラ湖には……!!」
「危険だぞ!?戻って……」
エルマとゴンゾウの言葉が言い終わる前にナイはビャクを走らせ、二人よりも先にオーロラ湖へと向かう。マホにはナイも色々と世話になっており、彼女のためにナイはビャクをエルマ達よりも先にオーロラ湖へと向かう――
――ビャクが30分ほど草原を移動すると、遂にオーロラ湖なる場所にナイは辿り着く。名前の割には別に普通の湖でもあり、見た限りでは魔物の姿も見えない。
火竜が死亡してから住処を離れていた魔物達は元の場所に戻り始めているはずだが、この湖周辺には魔物は見当たらず、ナイは不思議に思う。だが、今はマホを救うためにビャクに注意した。
「ビャク、何か見つけたらすぐに報告するんだぞ」
「クゥ~ンッ……」
「ビャク?どうかした?」
湖に辿り着いて早々にビャクは何故か落ち着かない様子で周囲を見渡し、その反応にナイは不思議に思いながらも魔力回復薬の原材料となる薬草を探す。
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