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番外編 獣人国の刺客
第904話 骸骨騎士の正体
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「はあっ……はあっ……」
「お、終わったのかい?」
「流石はナイ」
「ううっ……はっ!?い、いったい何が!?」
骸骨騎士を文字通りに粉砕したナイの姿に他の者達は勝利を確信したが、当のナイは倒した骸骨騎士を見下ろしてある事に気付く。
「これって……もしかして人造ゴーレムじゃないかな」
「人造ゴーレム!?」
「多分、この骸骨は本物だけど身に付けている甲冑みたいなのが人造ゴーレムだと思う」
「なるほど……だから聖属性の魔力も受け付けなかったのか」
ナイの見立てでは骸骨騎士の正体は内部に骸骨を収納した「人造ゴーレム」だと判断し、呻き声に関しても甲冑の形をした人造ゴーレムが鳴き声をあげていたに過ぎない。
最初に骸骨騎士の声を聞いた時にナイはこれまで倒してきた人造ゴーレムと同じ声だと気が付き、死霊人形ならば通じるはずの聖属性の魔力が効かなかった事で確信を抱く。死霊人形の類ならば聖属性の魔力を帯びた旋斧を受けた時点で倒せていたはずである。
「核は破壊したのかい?」
「分からない……でも、これだけ粉々に壊せば大丈夫じゃないかな」
「そうだね、これまでの人造ゴーレムも再生能力までは持ち合わせていなかったからね。ここまで破壊すれば動く事はないだろう」
人造ゴーレムは野生のゴーレムとは異なり、破壊されても自力で再生する事はできない。マグマゴーレムは溶岩を取り込む事で何度でも復活できるが、人造ゴーレムにはその手の能力は持ち合わせていない。
「ふむ……この人造ゴーレムの正体が気になるな」
「正体?今まで倒してきた人造ゴーレムと何か違うのですか?」
「こんな場所に放置されていたんだ。しかも中に骸骨まで入れて……この骸骨の正体を調べる必要があるな」
「骸骨を調べるって……そんな事ができるの?」
アルトは骸骨の正体を調べようと告げるが、恐らくは何百年も前に死亡した骸骨を調べるなど不可能に近い。世の中には「鑑定の異能」を持つ人間ならば相手のステータスを見極める事ができるらしいが、死者に対してまでは通用しない。だから骸骨を調べるのは難しいと思われるが、アルトは破壊された骸骨騎士に近付く。
骸骨騎士は変わった魔法金属で構成された甲冑を見に纏い、この甲冑その物が人造ゴーレムである事は間違いない。この時にアルトは人造ゴーレムの破片を持ち上げ、彼は冷や汗を流しながらある事に気付く。
「こ、これは……オリハルコンじゃないのか!?」
「えっ!?オリハルコン!?」
「希少金属のオリハルコン?」
「オリハルコンって……あの絵本でも出てくる有名な魔法金属の?」
甲冑型の人造ゴーレムを構成していた素材の正体は「オリハルコン」と呼ばれる魔法金属である事が判明し、その場にいる全員が衝撃の表情を浮かべた。オリハルコンは滅多に手に入る代物ではなく、聖剣などの武器の素材に利用されるほどの希少金属だった。
オリハルコンはアダマンタイトほどの硬度はないが、魔法金属の中で最も魔法の力を高める効果を持つ。魔法剣を発動させる際にオリハルコン製の剣を使用すれば効果を最大限に高めて攻撃に利用できる。
歴史上で名前を残す聖剣の殆どはオリハルコンが使用されており、硬さと耐久性はアダマンタイトには劣るが、魔法の力を高めるという点では魔法金属の中で最も人気が高い。そんなオリハルコンで構成された人造ゴーレムをナイは打ち砕いた事になる。
「これは凄いな……いったいどれほどのオリハルコンを用意すればこんな物が生み出せるんだ。下手をしたら国宝級の価値があるぞ」
「国宝!?」
「そんな物をナイは壊した……これは責任を取ってうちで一生働いてもらうしかない」
「ええっ!?」
「ミイナ、冗談は止めなさい。ナイさんが本気にするでしょう……だ、大丈夫ですよ。もしも壊さなかったら私達は殺されていたと思いますし、不可抗力ですよね王子?」
「うん、まあナイ君のお陰で助かったからね」
アルトは倒れている骸骨騎士に視線を向け、何故この骸骨騎士は自分を襲わなかったのかと不思議に思った。戦闘の際中にアルトは骸骨騎士に接近されたが、骸骨騎士は彼だけは襲わずに他の人間だけに攻撃を集中させていた。
オリハルコンの破片を拾い上げながらアルトは考え込んでいると、破片の中から何かが光り輝き、それを見たアルトは驚愕の声を上げた。
「これは……何だ?」
「どうかしたの?」
「アルト王子!!罠かもしれません!!」
「大丈夫?」
破片が光り輝いたのをを見てヒイロは警戒するが、ミイナは彼女を抑えて骸骨騎士の胸元の部分を指差す。骸骨騎士の胸元の鎧はナイが破壊した際にぱっくりと割れてしままい、そこにうは青色に光り輝く剣の形をしたペンダントが出現した。
「こ、これはまさか……!?」
「このペンダント……何処かで見たような?」
「……まさか、王家の紋章ではありませんか!?」
「という事はこの人はもしかして……昔の王様?」
骸骨騎士の内部から出現したペンダントを確認したナイ達は驚愕の表情を浮かべ、アルトはすぐに自分が常備しているペンダントを取り出す。
王家に生まれた人間は王族の証として特別なペンダントを所有する事を義務付けられ、骸骨騎士の内部に隠されていたペンダントとアルトのペンダントは非常によく似ていた。この事から骸骨の正体がアルトと同じくこの国の王族である事が確定した。
「まさかこの人は……いや、この御方は当時の王族なのか?」
「ど、ど、どうしますか!?」
「落ち着いて……焦った所で状況は変わらない」
「綺麗なペンダントだね。これもオリハルコンで造られているのかな?」
光り輝くペンダントを前にしてナイ達は興奮を隠しきれず、アルトも震える腕でペンダントを取り上げる。彼が手にした途端に光り輝いていたペンダントは徐々に光が収まり、やがて青色の水晶のように変化する。
このペンダントの素材もオリハルコン製らしく、王家の紋章が刻まれている事からかつての王族が所有していた代物で間違いない。そしてペンダントを所有する事を許されているのは王族だけであり、この骸骨の正体はかつてこの王都に暮らしていた王族の誰かという事になる。
「ナイ君、この骸骨は最初は何処にいたのか分かるかい?」
「えっと……あの椅子に座っていたよ」
「椅子って……玉座ですか!?」
「玉座に座る事が許されるのは王族の中でもただ一人……国王様だけ」
「という事はまさかこの骸骨は当時の国王!?」
「ええっ!?」
骸骨騎士の正体が数百年前の国王である可能性が高く、それが事実ならばナイは知らず知らずに甲冑ごと国王の骸骨を破壊した事になる。王族の死体を蔑ろにするなど極刑だが、状況が状況なので仕方がない。
「大丈夫だ、ナイ君が破壊したのは骸骨を内蔵した甲冑型の人造ゴーレムだ。それに倒さなければミイナもヒイロも殺されていたかもしれない。このペンダントだけでも無事で良かった」
「ペンダント……ですか」
「ああ、このペンダントを持って帰って調べよう。そうしたらこの骸骨の正体が分かるかもしれない……それと甲冑の破片も拾い集めてくれ。オリハルコンの素材なら何かに使えるかもしれない」
「ちゃっかりしてる」
アルトは骸骨と甲冑の破片を持ち帰るように指示すると、ナイ達は他の人間に連絡して回収を行う――
――それから数日後、アルトが持ち帰った王家の紋章を調べた結果、どうやら彼が見つけたペンダントの所有者は旧王都が魔物に滅ぼされた時代の国王だと判明する。
記録によれば当時の国王は魔物に殺されて亡くなったと記されているが、どうやら国王は只一人で旧王都の王城の玉座の間に残っていたらしい。そして甲冑型の人造ゴーレムは彼を守るために作り出されたオリハルコン製の人造ゴーレムだと発覚した。
人造ゴーレムは本来は人間を守るために作り出された兵器であり、どうやら国王が身に付けていた人造ゴーレムは王族を守るために作り出された事も判明する。だからこそアルトが訪れた時、人造ゴーレムは襲わなかったのは彼が王族だと見抜いていた事になる。
王族の血筋の人間は襲わないように仕込まれていたので人造ゴーレムは彼には手を出さず、他の人間を優先して襲い掛かった。もしもナイ達がいなくても人造ゴーレムはアルトに危害を加える事はなかっただろう。
尤も骸骨騎士を破壊しなければペンダントも手に入らず、骸骨の正体を見抜く事もできなかったそのためにナイが骸骨を破壊した事に関してはお咎めはなしとなり、回収した骸骨騎士の甲冑はオリハルコン製であるため、今後は何かに使えるかもしれないので王国が管理する事が決まる。
色々とあったが迷宮都市の古城の調査は進み、無事に古城内の探索と素材の回収は成功した。しかし、宝物庫に関しては鍵は発見されず、中の方を調べる事ができなかった。
古城内を探し回ったが鍵の類は見つかる事ができず、最も貴重な素材が隠されている可能性が高い宝物庫だけは調べる事ができなかった。宝物庫を調べるには鍵を探し出す必要があり、古城内は隈なく調査されたが結局は鍵の類は見つからずに調査は難航する。
「ふむ……宝物庫の扉を開く事はできなかったか」
「申し訳ございません、陛下」
「いや、お前が謝る必要はない。引き続き調査を頼んだぞ」
調査の進捗状況をアルトは国王に報告すると、国王はアルトが持ち帰ったかつての国王のペンダントを確認して感慨深げに頷く。まさか先祖が所有していたペンダントを手にする日が来るとは思いもしなかった。
アルトが回収したペンダントはどうやら王族が触れると反応を示すらしく、王族の血が流れる人間が触れると僅かに光り輝く。但し、王族ではない人間が触れた場合は特に反応は示さない。
「お、終わったのかい?」
「流石はナイ」
「ううっ……はっ!?い、いったい何が!?」
骸骨騎士を文字通りに粉砕したナイの姿に他の者達は勝利を確信したが、当のナイは倒した骸骨騎士を見下ろしてある事に気付く。
「これって……もしかして人造ゴーレムじゃないかな」
「人造ゴーレム!?」
「多分、この骸骨は本物だけど身に付けている甲冑みたいなのが人造ゴーレムだと思う」
「なるほど……だから聖属性の魔力も受け付けなかったのか」
ナイの見立てでは骸骨騎士の正体は内部に骸骨を収納した「人造ゴーレム」だと判断し、呻き声に関しても甲冑の形をした人造ゴーレムが鳴き声をあげていたに過ぎない。
最初に骸骨騎士の声を聞いた時にナイはこれまで倒してきた人造ゴーレムと同じ声だと気が付き、死霊人形ならば通じるはずの聖属性の魔力が効かなかった事で確信を抱く。死霊人形の類ならば聖属性の魔力を帯びた旋斧を受けた時点で倒せていたはずである。
「核は破壊したのかい?」
「分からない……でも、これだけ粉々に壊せば大丈夫じゃないかな」
「そうだね、これまでの人造ゴーレムも再生能力までは持ち合わせていなかったからね。ここまで破壊すれば動く事はないだろう」
人造ゴーレムは野生のゴーレムとは異なり、破壊されても自力で再生する事はできない。マグマゴーレムは溶岩を取り込む事で何度でも復活できるが、人造ゴーレムにはその手の能力は持ち合わせていない。
「ふむ……この人造ゴーレムの正体が気になるな」
「正体?今まで倒してきた人造ゴーレムと何か違うのですか?」
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「骸骨を調べるって……そんな事ができるの?」
アルトは骸骨の正体を調べようと告げるが、恐らくは何百年も前に死亡した骸骨を調べるなど不可能に近い。世の中には「鑑定の異能」を持つ人間ならば相手のステータスを見極める事ができるらしいが、死者に対してまでは通用しない。だから骸骨を調べるのは難しいと思われるが、アルトは破壊された骸骨騎士に近付く。
骸骨騎士は変わった魔法金属で構成された甲冑を見に纏い、この甲冑その物が人造ゴーレムである事は間違いない。この時にアルトは人造ゴーレムの破片を持ち上げ、彼は冷や汗を流しながらある事に気付く。
「こ、これは……オリハルコンじゃないのか!?」
「えっ!?オリハルコン!?」
「希少金属のオリハルコン?」
「オリハルコンって……あの絵本でも出てくる有名な魔法金属の?」
甲冑型の人造ゴーレムを構成していた素材の正体は「オリハルコン」と呼ばれる魔法金属である事が判明し、その場にいる全員が衝撃の表情を浮かべた。オリハルコンは滅多に手に入る代物ではなく、聖剣などの武器の素材に利用されるほどの希少金属だった。
オリハルコンはアダマンタイトほどの硬度はないが、魔法金属の中で最も魔法の力を高める効果を持つ。魔法剣を発動させる際にオリハルコン製の剣を使用すれば効果を最大限に高めて攻撃に利用できる。
歴史上で名前を残す聖剣の殆どはオリハルコンが使用されており、硬さと耐久性はアダマンタイトには劣るが、魔法の力を高めるという点では魔法金属の中で最も人気が高い。そんなオリハルコンで構成された人造ゴーレムをナイは打ち砕いた事になる。
「これは凄いな……いったいどれほどのオリハルコンを用意すればこんな物が生み出せるんだ。下手をしたら国宝級の価値があるぞ」
「国宝!?」
「そんな物をナイは壊した……これは責任を取ってうちで一生働いてもらうしかない」
「ええっ!?」
「ミイナ、冗談は止めなさい。ナイさんが本気にするでしょう……だ、大丈夫ですよ。もしも壊さなかったら私達は殺されていたと思いますし、不可抗力ですよね王子?」
「うん、まあナイ君のお陰で助かったからね」
アルトは倒れている骸骨騎士に視線を向け、何故この骸骨騎士は自分を襲わなかったのかと不思議に思った。戦闘の際中にアルトは骸骨騎士に接近されたが、骸骨騎士は彼だけは襲わずに他の人間だけに攻撃を集中させていた。
オリハルコンの破片を拾い上げながらアルトは考え込んでいると、破片の中から何かが光り輝き、それを見たアルトは驚愕の声を上げた。
「これは……何だ?」
「どうかしたの?」
「アルト王子!!罠かもしれません!!」
「大丈夫?」
破片が光り輝いたのをを見てヒイロは警戒するが、ミイナは彼女を抑えて骸骨騎士の胸元の部分を指差す。骸骨騎士の胸元の鎧はナイが破壊した際にぱっくりと割れてしままい、そこにうは青色に光り輝く剣の形をしたペンダントが出現した。
「こ、これはまさか……!?」
「このペンダント……何処かで見たような?」
「……まさか、王家の紋章ではありませんか!?」
「という事はこの人はもしかして……昔の王様?」
骸骨騎士の内部から出現したペンダントを確認したナイ達は驚愕の表情を浮かべ、アルトはすぐに自分が常備しているペンダントを取り出す。
王家に生まれた人間は王族の証として特別なペンダントを所有する事を義務付けられ、骸骨騎士の内部に隠されていたペンダントとアルトのペンダントは非常によく似ていた。この事から骸骨の正体がアルトと同じくこの国の王族である事が確定した。
「まさかこの人は……いや、この御方は当時の王族なのか?」
「ど、ど、どうしますか!?」
「落ち着いて……焦った所で状況は変わらない」
「綺麗なペンダントだね。これもオリハルコンで造られているのかな?」
光り輝くペンダントを前にしてナイ達は興奮を隠しきれず、アルトも震える腕でペンダントを取り上げる。彼が手にした途端に光り輝いていたペンダントは徐々に光が収まり、やがて青色の水晶のように変化する。
このペンダントの素材もオリハルコン製らしく、王家の紋章が刻まれている事からかつての王族が所有していた代物で間違いない。そしてペンダントを所有する事を許されているのは王族だけであり、この骸骨の正体はかつてこの王都に暮らしていた王族の誰かという事になる。
「ナイ君、この骸骨は最初は何処にいたのか分かるかい?」
「えっと……あの椅子に座っていたよ」
「椅子って……玉座ですか!?」
「玉座に座る事が許されるのは王族の中でもただ一人……国王様だけ」
「という事はまさかこの骸骨は当時の国王!?」
「ええっ!?」
骸骨騎士の正体が数百年前の国王である可能性が高く、それが事実ならばナイは知らず知らずに甲冑ごと国王の骸骨を破壊した事になる。王族の死体を蔑ろにするなど極刑だが、状況が状況なので仕方がない。
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「ちゃっかりしてる」
アルトは骸骨と甲冑の破片を持ち帰るように指示すると、ナイ達は他の人間に連絡して回収を行う――
――それから数日後、アルトが持ち帰った王家の紋章を調べた結果、どうやら彼が見つけたペンダントの所有者は旧王都が魔物に滅ぼされた時代の国王だと判明する。
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人造ゴーレムは本来は人間を守るために作り出された兵器であり、どうやら国王が身に付けていた人造ゴーレムは王族を守るために作り出された事も判明する。だからこそアルトが訪れた時、人造ゴーレムは襲わなかったのは彼が王族だと見抜いていた事になる。
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尤も骸骨騎士を破壊しなければペンダントも手に入らず、骸骨の正体を見抜く事もできなかったそのためにナイが骸骨を破壊した事に関してはお咎めはなしとなり、回収した骸骨騎士の甲冑はオリハルコン製であるため、今後は何かに使えるかもしれないので王国が管理する事が決まる。
色々とあったが迷宮都市の古城の調査は進み、無事に古城内の探索と素材の回収は成功した。しかし、宝物庫に関しては鍵は発見されず、中の方を調べる事ができなかった。
古城内を探し回ったが鍵の類は見つかる事ができず、最も貴重な素材が隠されている可能性が高い宝物庫だけは調べる事ができなかった。宝物庫を調べるには鍵を探し出す必要があり、古城内は隈なく調査されたが結局は鍵の類は見つからずに調査は難航する。
「ふむ……宝物庫の扉を開く事はできなかったか」
「申し訳ございません、陛下」
「いや、お前が謝る必要はない。引き続き調査を頼んだぞ」
調査の進捗状況をアルトは国王に報告すると、国王はアルトが持ち帰ったかつての国王のペンダントを確認して感慨深げに頷く。まさか先祖が所有していたペンダントを手にする日が来るとは思いもしなかった。
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