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砂漠の脅威
第919話 秘密の鍛錬
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k――夜を迎えるとナイは装備を整えて外に出ようとした。それを見かけたヒナは不思議そうに尋ねる。
「あれ?ナイ君、今日も何処かに行くの?」
「うん、ちょっとね……深夜までには帰るから」
「いつもこの時間帯に出かけているけど、いったい何処に行ってるの?」
「えっと、それは……」
ヒナの何気ない質問にナイは口ごもり、そんな彼の反応にヒナは疑問を抱く。ナイは誤魔化すように言葉を続けた。
「ちょっと稽古を付けてもらうんだ」
「稽古?もしかして女将さん?それともアッシュ公爵?」
「まあ、そんな感じかな……じゃあ、行ってきます」
返事を濁しながらナイは急いで宿を出ていくと、その様子を見てヒナは増々怪しく思う。しかもナイと行き違いでテンが宿に戻ってきた。
「ふうっ、久々の我が家だね」
「あれ?女将さん?急にどうしたの?」
「しばらく忙しくなりそうだから着替えを取りに来たんだよ。当分の間は宿舎に泊まり込みになりそうだからね」
テンが帰ってきたのは着替えを取りに戻っただけであり、すぐに出ていくらしい。その前にヒナはナイの事を尋ねる。
「そういえばさっき、ナイ君と行き違いにならなかったの稽古を付けに行くと言ってたけど……てっきり、女将さんの所に行くと思ってたわ」
「何だいそりゃ?ナイの奴はさっき見かけたけど、あたしはそんな話は知らないよ。それにあいつとは最近は訓練はやってないよ。教えられる事は全部教えてやったつもりだからね」
「そうなの?じゃあ、ナイ君はいったい誰に稽古を付けて貰っているのかしら……やっぱりアッシュ公爵?それともドリスさんかリンさんか……」
「そいつはちょっと考えにくいね。今のあいつに稽古を付けられる人間なんてそうそういないよ」
一年前ならばともかく、火竜を倒した事で一段と強くなったナイに稽古を付けられる人間など滅多にいない。最初に大剣の扱い方を教えたテンさえも今ではナイには敵わず、他の知り合いの中でナイに稽古を付けられる人間に心当たりは思い浮かばない。
少し前からナイは同じ時間帯に外に出向くようになり、帰って来るのは深夜である事が多い。ヒナの話を聞いてテンは何か思いついたように眉をしかめる。
「もしかしてあいつ、女遊びでもしてるんじゃないだろうね」
「ええっ!?そ、それは一番ないでしょう!!あのナイ君がそんな馬鹿な事するはずないわ!!」
「分からないよ。あいつだって男だからね。アッシュだってああ見えて若い頃は色々な女にちょっかいかけてたんだよ」
「嘘!?あのアッシュ公爵が!?」
「まあ、結局はリーナの母親と出会ってからは他の女に目もくれなくなったけどね」
アッシュの意外な過去を聞かされてヒナは驚き、まさかとは思うがナイが見知らぬ女の子とただならぬ関係を築いているとしたら、モモがどんな反応を示すのか分からずに震える。
(ぜ、絶対にないとは思うけど……もしもナイ君が浮気なんかしてたら大変な事になるわ)
モモは意外と嫉妬深く、ナイが他の女の子と仲良くしているだけで拗ねてしまう。前に冗談でヒナがナイに抱きついただけでモモは一日中口も利かず、機嫌を直すのに苦労させられた。
有り得ないとは思うがナイがモモ以外の女の子と男女の関係に陥っていた場合、モモがどんな風に暴走するかはヒナでも想像できない。最悪の場合、白猫亭が潰れる危険性もあった。
「た、大変よ女将さん!!もしもナイ君が夜遊びしているなんてモモに知られたら……この白猫亭の一大事よ!!」
「いや、あんた……さっきのは冗談だよ。ナイがそんな事をするはずないだろう?」
「でも、私達に秘密で何かしているのは事実よ!!ともかく調べてみましょう!!」
「調べるってあんた、店はどうするつもりだい?」
「大丈夫!!その辺はちゃんと考えてあるわ!!」
ヒナは緊急事態に備えてアルトから借りている笛を取り出す。この笛は元々はアルトがとある人物から受け取った代物であり、彼女はそれを利用して情報収集の専門家を呼び出す――
「――なるほど、それで拙者はいきなり呼び出されたのでござるか」
「クノさん!!ナイ君に気付かれずに尾行できるのは貴女しかいないわ!!」
ヒナが笛を吹いてからしばらくすると、現在は黒面の幹部として活動している「クノ」が姿を現す。実はアルトから借りた笛はクノが以前にナイに渡した笛と同じ物であり、クロを呼び出すための笛だった。
笛の音色を聞きつけて駆けつけたクロに手紙を括り付け、それを飼い主のクノの元に送り届ける。手紙の内容を読んだクノはヒナの元に駆けつけると、ナイの尾行を頼まれて困った表情を浮かべる。
「ヒナ殿の心配する気持ちはよく分かったでござる。しかし、あのナイ殿を尾行するのは拙者では荷が重いでござる。昔ならばともかく、今のナイ殿は簡単に尾行できる相手ではないでござる」
「そこを何とか!!クノさん以外に頼める人がいないのよ!!報酬はプルミン君を一週間貸し出しでどう!?好きなだけプニプニできるわよ!!」
「ぷるぷるっ(←つぶらな瞳)」
「むむっ、その報酬は魅力的でござるが……」
「グルルルッ……(←嫉妬)」
プルミンを顔面に押し付けてくるヒナにクノは困った表情を浮かべるが、一流の忍者である彼女でもナイの調査は難しい。一年前の時点でもナイは隠密の技能を発動させていたクノの居場所も見抜いた事もある。
気配感知の技能以外にもナイは「心眼」と呼ばれる特殊技能も身に着けており、この心眼の前では存在感を消す「隠密」や別人のように化ける「変装」も通ずるのかも怪しいという。
「ナイ殿の調査は拙者一人では無理でござる。せめて兄者がいれば……」
「そういえばシノビさんは元気にしているの?最近は全く見かけないけど……」
「兄者は拙者よりも忙しいでござる。黒面の組織も立ち上げたばかり、色々と問題は多いのでござる」
「そう……なら、迷惑はかけられないわね」
クノの話を聞いてヒナはナイの調査を諦める事にした。そもそもナイが怪しい遊びをしているはずがなく、彼女はナイが戻ってきたら話を聞く事にした――
「あれ?ナイ君、今日も何処かに行くの?」
「うん、ちょっとね……深夜までには帰るから」
「いつもこの時間帯に出かけているけど、いったい何処に行ってるの?」
「えっと、それは……」
ヒナの何気ない質問にナイは口ごもり、そんな彼の反応にヒナは疑問を抱く。ナイは誤魔化すように言葉を続けた。
「ちょっと稽古を付けてもらうんだ」
「稽古?もしかして女将さん?それともアッシュ公爵?」
「まあ、そんな感じかな……じゃあ、行ってきます」
返事を濁しながらナイは急いで宿を出ていくと、その様子を見てヒナは増々怪しく思う。しかもナイと行き違いでテンが宿に戻ってきた。
「ふうっ、久々の我が家だね」
「あれ?女将さん?急にどうしたの?」
「しばらく忙しくなりそうだから着替えを取りに来たんだよ。当分の間は宿舎に泊まり込みになりそうだからね」
テンが帰ってきたのは着替えを取りに戻っただけであり、すぐに出ていくらしい。その前にヒナはナイの事を尋ねる。
「そういえばさっき、ナイ君と行き違いにならなかったの稽古を付けに行くと言ってたけど……てっきり、女将さんの所に行くと思ってたわ」
「何だいそりゃ?ナイの奴はさっき見かけたけど、あたしはそんな話は知らないよ。それにあいつとは最近は訓練はやってないよ。教えられる事は全部教えてやったつもりだからね」
「そうなの?じゃあ、ナイ君はいったい誰に稽古を付けて貰っているのかしら……やっぱりアッシュ公爵?それともドリスさんかリンさんか……」
「そいつはちょっと考えにくいね。今のあいつに稽古を付けられる人間なんてそうそういないよ」
一年前ならばともかく、火竜を倒した事で一段と強くなったナイに稽古を付けられる人間など滅多にいない。最初に大剣の扱い方を教えたテンさえも今ではナイには敵わず、他の知り合いの中でナイに稽古を付けられる人間に心当たりは思い浮かばない。
少し前からナイは同じ時間帯に外に出向くようになり、帰って来るのは深夜である事が多い。ヒナの話を聞いてテンは何か思いついたように眉をしかめる。
「もしかしてあいつ、女遊びでもしてるんじゃないだろうね」
「ええっ!?そ、それは一番ないでしょう!!あのナイ君がそんな馬鹿な事するはずないわ!!」
「分からないよ。あいつだって男だからね。アッシュだってああ見えて若い頃は色々な女にちょっかいかけてたんだよ」
「嘘!?あのアッシュ公爵が!?」
「まあ、結局はリーナの母親と出会ってからは他の女に目もくれなくなったけどね」
アッシュの意外な過去を聞かされてヒナは驚き、まさかとは思うがナイが見知らぬ女の子とただならぬ関係を築いているとしたら、モモがどんな反応を示すのか分からずに震える。
(ぜ、絶対にないとは思うけど……もしもナイ君が浮気なんかしてたら大変な事になるわ)
モモは意外と嫉妬深く、ナイが他の女の子と仲良くしているだけで拗ねてしまう。前に冗談でヒナがナイに抱きついただけでモモは一日中口も利かず、機嫌を直すのに苦労させられた。
有り得ないとは思うがナイがモモ以外の女の子と男女の関係に陥っていた場合、モモがどんな風に暴走するかはヒナでも想像できない。最悪の場合、白猫亭が潰れる危険性もあった。
「た、大変よ女将さん!!もしもナイ君が夜遊びしているなんてモモに知られたら……この白猫亭の一大事よ!!」
「いや、あんた……さっきのは冗談だよ。ナイがそんな事をするはずないだろう?」
「でも、私達に秘密で何かしているのは事実よ!!ともかく調べてみましょう!!」
「調べるってあんた、店はどうするつもりだい?」
「大丈夫!!その辺はちゃんと考えてあるわ!!」
ヒナは緊急事態に備えてアルトから借りている笛を取り出す。この笛は元々はアルトがとある人物から受け取った代物であり、彼女はそれを利用して情報収集の専門家を呼び出す――
「――なるほど、それで拙者はいきなり呼び出されたのでござるか」
「クノさん!!ナイ君に気付かれずに尾行できるのは貴女しかいないわ!!」
ヒナが笛を吹いてからしばらくすると、現在は黒面の幹部として活動している「クノ」が姿を現す。実はアルトから借りた笛はクノが以前にナイに渡した笛と同じ物であり、クロを呼び出すための笛だった。
笛の音色を聞きつけて駆けつけたクロに手紙を括り付け、それを飼い主のクノの元に送り届ける。手紙の内容を読んだクノはヒナの元に駆けつけると、ナイの尾行を頼まれて困った表情を浮かべる。
「ヒナ殿の心配する気持ちはよく分かったでござる。しかし、あのナイ殿を尾行するのは拙者では荷が重いでござる。昔ならばともかく、今のナイ殿は簡単に尾行できる相手ではないでござる」
「そこを何とか!!クノさん以外に頼める人がいないのよ!!報酬はプルミン君を一週間貸し出しでどう!?好きなだけプニプニできるわよ!!」
「ぷるぷるっ(←つぶらな瞳)」
「むむっ、その報酬は魅力的でござるが……」
「グルルルッ……(←嫉妬)」
プルミンを顔面に押し付けてくるヒナにクノは困った表情を浮かべるが、一流の忍者である彼女でもナイの調査は難しい。一年前の時点でもナイは隠密の技能を発動させていたクノの居場所も見抜いた事もある。
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「ナイ殿の調査は拙者一人では無理でござる。せめて兄者がいれば……」
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