貧弱の英雄

カタナヅキ

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砂漠の脅威

第930話 鮫型戦艦VS巨大毒亀

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「ほら、見てください!!マホ魔導士がポイズンタートルを相手に時間を稼いでいます!!撃つのなら今の内ですよ!!」
「だ、だから焦らせるんではない……よ、よし、ここを押せば撃てるのじゃな?」
「いえ、そこじゃありません!!それは砲門を開く奴です!!」
「む?なら、こっちを引けばいいのか?」
「それも違います!!それを押すと大砲が自爆しますよ!!」
「何でそんな物を取りつけたんじゃ!?」
「作ったのはハマーンさんでしょ!?」
「喧嘩している場合か!!やるなら早くやってくれ!!」


イリア達が大砲の発射に手間取っている間にもポイズンタートルは飛行船に目掛けて迫り、既に甲板に立っているマホがポイズンタートルに攻撃を仕掛けて時間を稼いでいた。


「ストームバレット!!」
「フガァッ……!?」


甲板にてマホの声が響き渡り、彼女は杖先から風属性の魔力で構成された「渦巻」を作り出してポイズンタートルに放つ。渦巻く風の魔力がポイズンタートルの顔面に衝突するが、威力不足なのか表面に掠り傷程度を負わせるのが限界だった。

攻撃を受ける度にポイズンタートルの足取りは遅くなるが、その反面にマホが魔法を使う時やポイズンタートルが動く度に湖面に波が生じてしまう。その波のせいで船が傾いてしまい、上手く魔導大砲の照準を定められない。


「うわわっ!?ちょ、揺れが激しくなってきましたよ!!」
「こ、これでは狙いが増々定まらんぞ!!」
「くぅっ……い、良いから早く撃て!!このままだと船が……」


船が揺れ動くせいで魔導大砲の発射が上手くいかず、砲撃手の役目を担うハマーンはどうにか狙いを定めようとするが、船の揺れが激しすぎて彼ではどうしようもできなかった。だが、ここで意外な人物が声を上げる。


「貸して下さい……ここを押せばいいんですか」
「な、なに!?」
「ナイさん!?起きてたんですか!?」
「ナイ!?目を覚ましたのか!!」


ハマーンの代わりに魔導大砲の照準を合わせようとした人物は今まで気絶したと思われたナイだった。ナイは頭を抑えながらもイリアの緑聖水の効果が効き始めていたのか怪我は治り、意識も徐々に覚醒し始めていた。

倒れていた時も三人の騒ぎ声を聞いていたナイはだいたいの状況を把握しており、彼は魔導大砲を抑えると狙いを定める。その様子を見てハマーンは驚いた声を上げた。


「お主、これを撃てる自信があるのか!?」
「一応は「命中」の技能も習得してます」
「命中……なるほど、その手がありましたか!!」
「よし、撃て!!早く撃つんだ!!」


ナイが覚えている「命中」の技能は名前の通りに命中力を高める技能である。ナイは命中の技能を生かして魔導大砲の照準を定めると、ポイズンタートルの顔面に向けて狙いを定める。


(撃つとしたら……あそこだ)


ポイズンタートルが迫りくる中、ナイは何処を攻撃すれば確実にポイズンタートルを倒せるのかを考える。そして彼が狙いを定めたのはポイズンタートルの頭部――ではなく、その口元が開いた瞬間に発射した。



――フゴォオオオオッ!!



ポイズンタートルが大口を開いた瞬間、それを逃さずにナイは魔導大砲を発射させた。その瞬間、魔導大砲から特性の火属性の魔石で作り上げられた砲弾が発射された。

砲弾は口を開いたポイズンタートルの口内に突っ込み、直後に体内で大爆発を引き起こす。ポイズンタートルは全身がゴーレムのように硬い外殻に覆われているが、その正体は生物である。いくら金属のように硬い皮膚に覆われて医療と、内部で爆発が起きれば無事で済むはずがない。



ッ――――――!?



ポイズンタートルは口内で発生した爆発によって頭部が吹き飛ばされ、断末魔の悲鳴を上げる暇もなく頭が砕け散ってしまう。この時に爆発の余波でマル湖近辺を覆い込んでいた霧が晴れた。

頭部が吹き飛んだポイズンタートルの死骸はまるで湖に浮かぶ小島と化し、水面に沈む事もなく浮かび続けた。その様子を見ていたナイ達は唖然とするが、魔導大砲の一撃によって遂にポイズンタートルの討伐に成功した。


「な、何だ今の威力は……」
「一発で倒すなんてやるじゃないですか!!」
「な、何という威力……これだけの破壊力ならばゴブリンキングでも一発で倒せるぞ!?」
「す、凄い……」


魔導大砲の予想以上の破壊力に全員が戸惑い、開発者したハマーンでさえもこれほどの威力を引き出せるとは思わなかった。しかし、結果的にはポイズンタートルを倒す事に成功し、これでマル湖の平和は保たれた――





――ポイズンタートルの討伐に成功した後、すぐにポイズンタートルの足止め役を行っていたガオウとフィルの救出活動が行われた。二人とも奇跡的に生き延びており、相当な大怪我を負っていたが命に別状はなかった。

ガオウもフィルも意識不明の重体ではあるが、イリアの薬によって二人の怪我は無事に治り、しばらく休めば直に目を覚ます。他に毒霧の影響で体調不良を起こしていた者達も時間経過で身体から毒素が抜けて動けるようになった。

討伐したポイズンタートルの死骸はあまりにも巨大すぎてマル湖から引き上げる事はできず、仕方がないのでそのまま放置する事に決まった。また、ポイズンタートルの死骸を調べたところ、ポイズンタートルの背中の甲羅から希少な素材が発掘された。


「ほら、これを見てくださいよ!!この亀の背中、ミスリル鉱石が採れますよ!!」
「ミスリル鉱石?そうか、だからこんなに硬かったのか……」


ポイズンタートルはゴーレムのように全身に岩石のように硬い外殻で包まれており、この外殻を引き剥がすと魔法金属ミスリルの原石であるミスリル鉱石と呼ばれる代物だと判明した。

ナイ達の攻撃を受けてもポイズンタートルが大きな怪我を負わなかった理由はこの全身を覆い込むミスリル鉱石のお陰であり、魔法金属の素材としても利用される頑丈な鉱石だったせいで攻撃が碌に通じなかった事が発覚する。


「これだけのミスリル鉱石があれば色々と利用できますよ!!何としても持ち返りましょう!!」
「待て待て……これだけのミスリル鉱石を全て持っていけるはずがないだろう」
「なら持っていける分だけ持って行きましょう!!それにこれだけの鉱石があればグツグ火山の鍛冶師達も快く燃料を分けてくれますよ!!」
「うむ、それはあり得るかもしれんな……」


イリアの言葉にハマーンも賛同し、これから飛行船はグツグ火山に立ち寄って燃料の補給を行わなければならない。しかし、何の手土産も持たずにグツグ火山に立ち寄っても火山を管理するドワーフの鍛冶師達に反対される可能性が高い。

だが、魔法金属の素材となりえる鉱石を大量に持ち込めばグツグ火山の鍛冶師達も快く歓迎する可能性もあり、今日の間はナイ達はマル湖で一夜を明かして身体の回復とついでにポイズンタートルから素材回収を行う――





――討伐隊が出発した日の夜、業務を終えたモモはナイの部屋に入って彼のベッドの上に座り込んでいた。彼女は寂しそうな表情を浮かべ、ナイの使っている枕を抱きしめる。


「はあっ……ナイ君、会いたいよう」
「ちょっとモモ……あんた、また勝手にナイ君の部屋に入ってたの?」
「あれ?ヒナちゃん?」


ナイの部屋の扉が開かれると、心配した様子のヒナが顔を出す。ヒナは落ち込んでいる様子のモモを見て少し呆れてしまう。


「もう、いくら寂しいからってナイ君の部屋に入ったら駄目でしょ?」
「う~……勝手じゃないもん、ナイ君がいない間は部屋の掃除は私がするように頼まれたもん」
「それならなんで寝間着姿なのよ……大方、寂しさを紛らわせるためにナイ君の部屋で眠ろうとしていたわね」
「そ、そんなことないよ~……」


ヒナの言葉が図星だったのかモモはあからさまに視線を逸らすが、そんな彼女に対してヒナはため息を吐き出す。尤もヒナの気持ちも分からなくはなく、仕方なく今回だけは見逃す事にした。


「仕方ないわね……今日だけは見逃してあげるわ」
「え?本当に?」
「その代わりに明日の食事当番はモモが代わりなさい」
「う、うん!!頑張って作るよ!!」


従業員の食事は交代制で作っており、最近ではヒナやモモが客に食事を作る事も多い。現在はクロネが白猫亭の料理を任されているが、彼女もいずれは自分の酒場を再建させて一からやり直したいという気持ちがあった。

ヒナは白猫亭の経営で色々と忙しいために料理に関してはモモに頑張ってもらい、将来的にはクロネが白猫亭を辞めた後は料理を行うのは彼女になる。ちなみにテンは王国騎士団を辞めた後は白猫亭に戻ってくる予定だが、本人曰く自分の代わりに相応しい団長を見つけるまでは辞めるつもりはないらしい。


(リーナちゃんは一緒に行ったのに自分だけが取り残されて寂しかったのね。全く……ナイ君は本当に罪作りな男の子ね)


幼馴染としてはモモの恋の応援をしてやりたいヒナだが、流石に前の時のように飛行船に勝手に乗り込むような真似は出来ない。そんな事をすればまたテンや他の人間に迷惑を掛けてしまい、それが分かっているからこそモモも無茶はしなかった。


(何だかんだでこの子も大人になってきているのね……嫌だわ、何だか母親みたいな気分になってきた)


ヒナもモモと同い年にも関わらずに自分が彼女の母親のような気分を覚え、頭を振って考えを切り替えると彼女はモモに忠告する。


「モモ、ナイ君がいない間はしっかりと部屋の管理をしておくのよ。ナイ君が戻って来た時、心休まる部屋を残しておくのが貴方の役目よ!!」
「う、うん!!私、頑張るよ!!それじゃあ、まずはベッドの下から掃除を……」
「あ、いや……それは止めておきなさい。ナイ君も男の子だからもしかしたら……」
「え?何で?」
「い、いいからベッドの下の掃除は私に任せておきなさい!!」


ヒナの言葉にモモは首をかしげるが、断固としてヒナはナイのベッドの下の掃除だけはさせなかった――





――夜を明けると飛行船は再び動き出し、次の目的地の途中にあるグツグ火山へと向かう。移動の際中にナイはイリアから身体検査を受けると、特に身体に異常はない事を再確認される。


「うん、怪我はしっかりと治ってますね。流石は私の緑聖水です、完璧に治ってますよ」
「あの薬、本当に凄いですね。毒を中和する効果もあるなんて……」
「まあ、正確に言えば身体の免疫力を強化する効果があるんですよ」


ポイズンタートルの戦闘の際にナイは仮面を失い、リンが船に送り届けるまでの間に毒霧を吸い込んでいた。しかし、ナイは意識が戻った時は少し身体が重く感じる程度で自分の意志で動く事ができた。

最初はナイは緑聖水には毒も無効化する成分が含まれているのかと思ったが、イリアによると緑聖水は肉体の回復力を高めるだけではなく、病気や毒などの免疫力を強化する効果があるという。


「ナイさんは毒耐性の技能を持っているんですよね?だから、緑聖水で免疫力が強化された時に毒に対する耐性も強化されて毒霧の影響を受けなかったんですよ。流石に普通の人が緑聖水を飲んでもナイさんのように毒を無効化できるとは思えませんね」
「なるほど……あの薬、余っていたら貰えますか」
「安心して下さい、もう少しでもっといい薬ができますから……ひひひっ」
「そ、その不気味な笑い方は怖いんですけど……」


医療室にてナイは身体検査を終えると彼はベッドに横渡っているガオウとフィルを伺う。二人とも今は普通に眠っており、自分を助けるために無茶をさせた事に心を痛める。


「ガオウさんとフィルさんは……まだ目を覚まさないんですか?」
「いえ、もう意識は戻ってますよ。今は疲れて眠っているだけだから心配する必要はありません」
「良かった……」


二人が目を覚ました時にナイはお礼を告げる事を心に決め、イリアに頭を下げると医療室を後にした。ナイがいなくなった後、イリアは倒れている二人に話しかける。


「行きましたよ、本当はもう起きてるんですよね」
「ふうっ……悪いな、嬢ちゃん」
「…………」


イリアが話しかけるとガオウは目を覚まし、腕を回して体の具合を確かめる。その一方でフィルの方は瞼は開いたが何も口にせず、黙って二人から視線を逸らす様に顔を横に向けた。


「ちっ……おい、いつまで不貞腐れてるんだ。起きたら坊主に礼を言えよ」
「……うるさい」
「たくっ、本当にガキだなてめえは……ふああっ、俺はまだ眠いからもう少し眠らせてもらうぜ」
「寝るんなら自分の部屋で寝てくださいよ、全く……」


二人とも既に意識は戻っていたが、ガオウはまだ身体の疲れがあるのでベッドに横たわり、フィルの方はナイに合わせる顔が無いので仮病で彼から避けていた。

フィルも先のポイズンタートルの戦闘でナイに命を救われ、そのせいで彼に対してこれまで通りの態度が貫けなかった。自分の失態でナイを死にかけさせたという負い目があり、彼は涙を流しながらベッドの上で横になる――
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