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1章
シエン冒険者事務所②
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「おーそうかそうか。帰れ」
シエンはひらひらと手を振りながら階段を登っていく。
「んな!?さっきの話と違うじゃないか!!なんでだよ!」
男の子の言葉にシエンは足を止める。
「お前ら報酬は払えんのか?」
その言葉に子供たちは言葉が出ずにうつむく。
「そんじゃ、また報酬でも用意しs…」
「なーに大人気ないことしてんじゃボケーー!!!」
カッコつけて階段を登っていたシエンの顔面にネルの持っていた竹箒がクリーンヒットする。
「ぐぇ、ガッ!ぐふっ、ぶへぇ!!」
そして見事に階段から転げ落ちるシエン。
「依頼主に大人こどもは関係ないでしょ!!ほらふたりとも入ってお話聞かせて?」
「うん!」
ネルは兄妹の手を引いて事務所に入っていった。
「噂には聞いていたけど…ほんとにたばこ臭い…」
「お兄ちゃん…くさいよぉ…」
事務所に入った瞬間に顔をしかめる兄妹。
「シエン!換気!」
「してるっつーの。してても臭いの。嫌なら出てけクソガキども」
外で強制的に(一時的な)禁煙を強いられていたため気が立っているシエンは口が悪くなる。
「はいはい。あんなヤニカス放って置いて、ふたりとも名前は?」
シエンには非常に冷たい目を向けたかと思うと幼い兄妹達には満面の笑みで接客をはじめるネルを見てシエンは女とは恐ろしい生き物だと再確認した。
「僕はユウリ」
「私はハナ」
「ユウリ君とハナちゃんね。それで、今回依頼したいことって何かしら?」
その言葉にユウリはグッと唇を噛む。
「父ちゃんを助けてほしいんだ!」
その言葉を聞いてシエンはフーっと煙を口から吐き出す。
「父ちゃんを助けてほしい。ねー?まぁ、こんな世の中じゃ見つからなくなるのも仕方ねぇよな」
第三次世界大戦が終わってからまだ10年。
この世界を巻き込んだどんちゃん騒ぎの傷はそう簡単には癒えそうにない。
世界は荒廃し、常に付きまとう物資の不足。平和な国日本なんてのは昔の話で、今じゃ冒険者と呼ばれるなんでも屋がこの国で一番の職業になっている。
殺人、窃盗、人身売買など人々は大戦以前よりもそういった犯罪の脅威に怯えながら生きているのだ。
「それで?お父さんはどこへ行ったの?」
「お父さんは…お仕事でマングーの方に行ったの」
「「マングー!?」」
さすがのシエンもこれには額を抑えて天を仰ぐ。
マングーはこの国でも秘境扱いをされている場所だ。一節には大戦のさなかに極秘に開発されていた生物兵器が居るなんて噂も立つくらいには人の居ない場所である。
「何だってお前らの父ちゃんはそんなところに行ったんだ?生きて帰ってこれる保証もねー場所だろ」
「父ちゃんも冒険者なんだ。今回は依頼人を守るために着いていくんだって言ってた。一週間くらいで帰ってくるから心配すんなって言ってたのが、3習慣も前の話なんだ」
「それなら仕方ねぇ。冒険者ってのは何が起きるかわかんねぇ仕事だからな」
それだけ言うと、タバコを咥えてスーッと大きく吸い込む。
「でもね。おかしいの。お父さんはいないのに、依頼した人たちは帰ってきたって」
そいつは話が変わる。護衛任務を依頼するような奴らがあの場所から護衛もなしに帰ってくるなんてのは聞いたことがねぇ。
「そーかそーか。そりゃおかしいな。お前らもよく気がついたな。そんで?その戻ってきた依頼主ってのは誰なんだ?」
「美食家のフットールとそいつの専属料理人のサバクエルって人だよ」
美食家に料理人ね。この時代に食への興味しか無いボンボンどもがそいつらだけで帰ってくるってのはさらにおかしな話だ。
「オーケーオーケー。そんで、報酬は?」
「シエン!またそういうこと言って!」
「ネル。ここはガキの子守をするための場所じゃねーんだよ。冒険者ってのはな依頼がなきゃ食ってけねーのは確かだが、それ以前に依頼には報酬がついてなきゃいけねーんだ」
珍しく真っ当な意見を言ってくるシエンに対してネルは口ごもってしまう。
「だから俺はここに来る前に聞いたんだよ。お前ら報酬は払えるかってな。報酬が払えねぇんだったら依頼の話はなしだ。父ちゃんが帰ってきたら払うとかもなしだ。うちは前金制でやってっからな」
シエンの言葉に兄妹はまたうつむく。
「もう…これしか無いんだよ」
そう言ってユウリがポケットから取り出したのは珍しいソフトケース入のタバコだった。
「おいおい、タバコってのはガキが吸って良いもんじゃねーんだよ。なんで持ってんだ。しかもソフトケースって通じゃねーかよ」
「お父さんが吸ってたやつ。家にあった最後の1箱なの。私達がお父さんを忘れないためにも持ってきたの」
ユウリの袖をギュッと握りしめ、目に涙をためながらハナは言葉を紡ぐ。
「もう、家には吸う人だれもいねーからな。おっちゃんにやるよ。他の冒険者事務所でも断られたから、ここで最後なんだ。これで父ちゃんのことは諦めるよ。悪かったなおっちゃん」
ユウリはそう言うと目に溜まっていた涙を勢いよく袖で拭い事務所から出ていってしまった。
「ちょっとシエン!いいの?あの子達!」
シエンは新しいタバコに火を点ける煙を吐く。
「あの年のガキンチョにしちゃ物わかりの良いやつだ。俺があのくらいの時に同じ状況だったら相手が誰だろうと殴りかかってだだろうな。まったく。時代のせいってやつかねー世知辛いよ」
「あの子達に一番辛辣な態度取ってたのはシエンでしょ?」
シエンは窓の外を兄妹がトボトボと歩いていくのをタバコを吸いながら眺める。
「あの年でこの世の中諦めも肝心って大人に教えてもらって報酬も払わなくていいなんて幸せなことだろ?というかあいつ俺のことおっちゃんって言ってたよなおっちゃんて」
「あの子達くらいの子から見たらシエンは十分おっちゃんよ。大体ただでさえ年相応に見えないフケ顔なんだから。タバコのせいよタバコの」
「だーれがフケ顔だ。ダンディーなお兄さんと呼びなさい」
「うっさいフケ顔」
ネルはふんっとそっぽを向いて再び掃除をはじめる。
「そんなに老けて無いとは思うんだがなぁ…」
そんなことをぼやきながらシエンは机の上に置かれていたあの兄妹が置いていったタバコを手に取る。
「ところでネル。さっき話しに出てきた美食家と料理人のこと調べてくんね?」
ネルはピタッと掃除の手を止める。
「シエン…あんた…」
いつもとは違う兄妹の置いていったタバコを開けてトントンとソフトケースから取り出し、再び火を点ける。
「その年でツンデレなのはウケないわよ」
「あーなんか思ってたのと違う。違うそ~じゃないだろ?」
はぁ~と大きめのため息をついてネルは専用の机に腰掛ける。
「報酬がなきゃ依頼は受けないんじゃなかったの?」
「俺にとってはこいつが最高の報酬ってことだよ」
「じゃあ、なんでさっきはあんなふうに断ったのよ」
シエンはタバコを咥えながら自分用の椅子に腰掛ける。
「あのくらいの頃ってのはな、すぐに人を信じちまう。誰かに頼んですぐに優しくされたらそれが癖になっちまう。こんな世の中なんだまともじゃねー思考回路の持ち主だってゴロゴロと居やがるんだ。そんな脳みそお花畑な純真無垢な子どもたちを利用しようっていうクソみてーな奴らがな」
シエンはフーっと一息大きく煙を吐き言葉を続ける。
「だから、誰かが教えてやんねーといけねぇんだよ。大人を簡単に信用しちゃいけねーってな」
「ふーん?確かに、あの子達には生きていく上で大事な事かもしれないわね。わざわざ嫌われるようなことしなくてもタバコ臭くて勝手に嫌われるのに」
一言余計なんだよなーネルは。
「そんなふうにカッコつけてるところ悪いけど、出たわよ」
「んじゃ、やりますか!」
シエンはタバコを咥えたまま帽子をかぶり席を立ち上がった。
シエンはひらひらと手を振りながら階段を登っていく。
「んな!?さっきの話と違うじゃないか!!なんでだよ!」
男の子の言葉にシエンは足を止める。
「お前ら報酬は払えんのか?」
その言葉に子供たちは言葉が出ずにうつむく。
「そんじゃ、また報酬でも用意しs…」
「なーに大人気ないことしてんじゃボケーー!!!」
カッコつけて階段を登っていたシエンの顔面にネルの持っていた竹箒がクリーンヒットする。
「ぐぇ、ガッ!ぐふっ、ぶへぇ!!」
そして見事に階段から転げ落ちるシエン。
「依頼主に大人こどもは関係ないでしょ!!ほらふたりとも入ってお話聞かせて?」
「うん!」
ネルは兄妹の手を引いて事務所に入っていった。
「噂には聞いていたけど…ほんとにたばこ臭い…」
「お兄ちゃん…くさいよぉ…」
事務所に入った瞬間に顔をしかめる兄妹。
「シエン!換気!」
「してるっつーの。してても臭いの。嫌なら出てけクソガキども」
外で強制的に(一時的な)禁煙を強いられていたため気が立っているシエンは口が悪くなる。
「はいはい。あんなヤニカス放って置いて、ふたりとも名前は?」
シエンには非常に冷たい目を向けたかと思うと幼い兄妹達には満面の笑みで接客をはじめるネルを見てシエンは女とは恐ろしい生き物だと再確認した。
「僕はユウリ」
「私はハナ」
「ユウリ君とハナちゃんね。それで、今回依頼したいことって何かしら?」
その言葉にユウリはグッと唇を噛む。
「父ちゃんを助けてほしいんだ!」
その言葉を聞いてシエンはフーっと煙を口から吐き出す。
「父ちゃんを助けてほしい。ねー?まぁ、こんな世の中じゃ見つからなくなるのも仕方ねぇよな」
第三次世界大戦が終わってからまだ10年。
この世界を巻き込んだどんちゃん騒ぎの傷はそう簡単には癒えそうにない。
世界は荒廃し、常に付きまとう物資の不足。平和な国日本なんてのは昔の話で、今じゃ冒険者と呼ばれるなんでも屋がこの国で一番の職業になっている。
殺人、窃盗、人身売買など人々は大戦以前よりもそういった犯罪の脅威に怯えながら生きているのだ。
「それで?お父さんはどこへ行ったの?」
「お父さんは…お仕事でマングーの方に行ったの」
「「マングー!?」」
さすがのシエンもこれには額を抑えて天を仰ぐ。
マングーはこの国でも秘境扱いをされている場所だ。一節には大戦のさなかに極秘に開発されていた生物兵器が居るなんて噂も立つくらいには人の居ない場所である。
「何だってお前らの父ちゃんはそんなところに行ったんだ?生きて帰ってこれる保証もねー場所だろ」
「父ちゃんも冒険者なんだ。今回は依頼人を守るために着いていくんだって言ってた。一週間くらいで帰ってくるから心配すんなって言ってたのが、3習慣も前の話なんだ」
「それなら仕方ねぇ。冒険者ってのは何が起きるかわかんねぇ仕事だからな」
それだけ言うと、タバコを咥えてスーッと大きく吸い込む。
「でもね。おかしいの。お父さんはいないのに、依頼した人たちは帰ってきたって」
そいつは話が変わる。護衛任務を依頼するような奴らがあの場所から護衛もなしに帰ってくるなんてのは聞いたことがねぇ。
「そーかそーか。そりゃおかしいな。お前らもよく気がついたな。そんで?その戻ってきた依頼主ってのは誰なんだ?」
「美食家のフットールとそいつの専属料理人のサバクエルって人だよ」
美食家に料理人ね。この時代に食への興味しか無いボンボンどもがそいつらだけで帰ってくるってのはさらにおかしな話だ。
「オーケーオーケー。そんで、報酬は?」
「シエン!またそういうこと言って!」
「ネル。ここはガキの子守をするための場所じゃねーんだよ。冒険者ってのはな依頼がなきゃ食ってけねーのは確かだが、それ以前に依頼には報酬がついてなきゃいけねーんだ」
珍しく真っ当な意見を言ってくるシエンに対してネルは口ごもってしまう。
「だから俺はここに来る前に聞いたんだよ。お前ら報酬は払えるかってな。報酬が払えねぇんだったら依頼の話はなしだ。父ちゃんが帰ってきたら払うとかもなしだ。うちは前金制でやってっからな」
シエンの言葉に兄妹はまたうつむく。
「もう…これしか無いんだよ」
そう言ってユウリがポケットから取り出したのは珍しいソフトケース入のタバコだった。
「おいおい、タバコってのはガキが吸って良いもんじゃねーんだよ。なんで持ってんだ。しかもソフトケースって通じゃねーかよ」
「お父さんが吸ってたやつ。家にあった最後の1箱なの。私達がお父さんを忘れないためにも持ってきたの」
ユウリの袖をギュッと握りしめ、目に涙をためながらハナは言葉を紡ぐ。
「もう、家には吸う人だれもいねーからな。おっちゃんにやるよ。他の冒険者事務所でも断られたから、ここで最後なんだ。これで父ちゃんのことは諦めるよ。悪かったなおっちゃん」
ユウリはそう言うと目に溜まっていた涙を勢いよく袖で拭い事務所から出ていってしまった。
「ちょっとシエン!いいの?あの子達!」
シエンは新しいタバコに火を点ける煙を吐く。
「あの年のガキンチョにしちゃ物わかりの良いやつだ。俺があのくらいの時に同じ状況だったら相手が誰だろうと殴りかかってだだろうな。まったく。時代のせいってやつかねー世知辛いよ」
「あの子達に一番辛辣な態度取ってたのはシエンでしょ?」
シエンは窓の外を兄妹がトボトボと歩いていくのをタバコを吸いながら眺める。
「あの年でこの世の中諦めも肝心って大人に教えてもらって報酬も払わなくていいなんて幸せなことだろ?というかあいつ俺のことおっちゃんって言ってたよなおっちゃんて」
「あの子達くらいの子から見たらシエンは十分おっちゃんよ。大体ただでさえ年相応に見えないフケ顔なんだから。タバコのせいよタバコの」
「だーれがフケ顔だ。ダンディーなお兄さんと呼びなさい」
「うっさいフケ顔」
ネルはふんっとそっぽを向いて再び掃除をはじめる。
「そんなに老けて無いとは思うんだがなぁ…」
そんなことをぼやきながらシエンは机の上に置かれていたあの兄妹が置いていったタバコを手に取る。
「ところでネル。さっき話しに出てきた美食家と料理人のこと調べてくんね?」
ネルはピタッと掃除の手を止める。
「シエン…あんた…」
いつもとは違う兄妹の置いていったタバコを開けてトントンとソフトケースから取り出し、再び火を点ける。
「その年でツンデレなのはウケないわよ」
「あーなんか思ってたのと違う。違うそ~じゃないだろ?」
はぁ~と大きめのため息をついてネルは専用の机に腰掛ける。
「報酬がなきゃ依頼は受けないんじゃなかったの?」
「俺にとってはこいつが最高の報酬ってことだよ」
「じゃあ、なんでさっきはあんなふうに断ったのよ」
シエンはタバコを咥えながら自分用の椅子に腰掛ける。
「あのくらいの頃ってのはな、すぐに人を信じちまう。誰かに頼んですぐに優しくされたらそれが癖になっちまう。こんな世の中なんだまともじゃねー思考回路の持ち主だってゴロゴロと居やがるんだ。そんな脳みそお花畑な純真無垢な子どもたちを利用しようっていうクソみてーな奴らがな」
シエンはフーっと一息大きく煙を吐き言葉を続ける。
「だから、誰かが教えてやんねーといけねぇんだよ。大人を簡単に信用しちゃいけねーってな」
「ふーん?確かに、あの子達には生きていく上で大事な事かもしれないわね。わざわざ嫌われるようなことしなくてもタバコ臭くて勝手に嫌われるのに」
一言余計なんだよなーネルは。
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