アンドロイドの歪な恋 ~PROJECT II~

松本ダリア

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第12話 初めての屈辱 *

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※無理矢理、拘束表現あり。苦手な方はご注意ください。





「間もなく博士が来ますので、もうしばらくお待ちくださいね」

部下達は笑顔でそう言うと、硬いコンクリートの床の上にベネラを放った。勢いでベネラは床に倒れ込んだ。部下達は笑みを浮かべたままベネラを見つめた。その目は全く笑ってはおらず、不気味だった。何より、下心が含まれていることをベネラは感じ取った。

部下達は一通りベネラを眺めた後、地下室を出て行った。ドアを閉めた後、自動でロックがかかる音がした。そして、階段を登る音と共に彼らの会話が微かに聞こえた。

「あの女、本当にアンドロイドなのか?すごいエロいよな」

「ああ、むしろアンドロイドだからこそあの見た目なんだろ。普通の人間じゃありえないぜ」

「確かにな。あ~博士が羨ましいよな。あの女を好きにできてさ」

「だよな。俺も一発ヤッてみたいぜ」

笑い声を最後に彼らの声は聞こえなくなった。ベネラは屈辱的な気持ちになったが、堪えた。そして呟いた。

「あんな視線も会話も、もう慣れたわ。だって、私は男を……いいえ、ハレーを惑わすために生まれたんだもの。仕方ないじゃない……」

ベネラは街中に出る度に男達の視線を浴びた。最初は戸惑って嫌悪感を覚えたが、次第に気にならなくなった。それは肉体的なトレーニングだけではなく、暁子による心理的なトレーニングの成果だった。ベネラは肉体だけではなく、精神も鍛えたのだ。

(初めて会った時に、あの目をしていなかったのはハレー以外のプロジェクトメンバーとヤスだけだわ。雄飛はイオのことしか眼中にないし、教授は良くも悪くも私のことを機械としか思ってない。彗は……あの子、もしかしたら好きな人がいるのかもしれない。いずれにせよ、私が信頼できるのは仲間だけ)

ベネラはそう自分に言い聞かせると、気を取り直して今の状況を整理することにした。

(連れて来られた時の道筋を考えると、ここは西棟の一番端のようね。ハレーが助けに来てくれたとしても、きっとそう簡単には辿り着けない。ドアは内側からは開かない。もちろん窓もないし、部屋の中には何もない。本当にただの地下室って感じだわ。縄抜けの訓練は嫌になるほどやったからこんな鎖なんて簡単に抜け出せる。でも、仮に脱出する糸口が見つかったとしても私がここにいないことがバレたらシリウスの身が危ない……)

自分に残されている選択肢がひとつしかないことをベネラは悟った。そして、彼女は覚悟を決めた。

(道円に何をされても私は平気。絶対に耐えてみせる。シリウスを絶対に死なせたりしない……!)

と、その時。部屋のロックが解除される音がして、ドアが開いた。

「よう、姉ちゃん。待たせてしもて堪忍な」

「別に待ってないわ」

「そないに冷たいこと言わんといてくれ」

残念そうに笑うと道円はしゃがみ込み、床に座り込んでいるベネラのあごを持ち上げた。

「ワイはな、姉ちゃんと遊ぶんめっちゃ楽しみにしとったんや。なんせ……最近、女に逃げられたばかりでなぁ。欲求不満やったところなんや」

そして、彼女の顔に向かって葉巻をふかした。白い煙が顔にかかり、ベネラは思わず目を瞑り、顔を背けた。

「ああ、その顔ええな。そそられるわ……」

道円はもう一度、ベネラの顔を自分の方に向けると自分の唇を彼女の唇に重ねた。そしてすぐに舌先を入れ、彼女の唇や舌先をいやらしく舐め回した。きつい葉巻の味にベネラは思い切り顔を歪めた。

「んんんっ……いやっ」

ベネラは思わず唇を離してしまった。すると、道円はすかさず白衣のポケットから小型のスイッチを取り出した。

「おっと……拒否してええんか?これ、いつでも押せるんやで」

「シリウスはどこにいるの?!」

「犬小屋にぶち込んどいたで」

「なんてことを……」

「今頃、泣き喚いとるやろな~。せやから、姉ちゃんはおとなしゅうしとくんや。そないにすれば、スイッチは押さへん。ワイの言う通りにするだけであいつを助けられるんや。簡単やろ?」

ベネラは何も言わずに道円をにらみつけた。そして、今度こそ覚悟を決めると床に体を横たえて言った。

「……いいわ。好きにしなさいよ」

「分かったんなら、それでええ」

彼は嬉しそうにそう言うと、不敵な笑みを浮かべた。そして小型スイッチを再びポケットに入れた。その時ベネラは思った。

(右のポケット……そうだわ。あれさえ奪えば形勢逆転できる。何か方法を考えないと……)

道円は横たわっているベネラに覆い被さるとジャケットのチャックを半分だけ開け、隙間から見えるくっきりとした谷間に手を突っ込んだ。そして豊満な膨らみを揉んだ。

「めっちゃ柔らかい……姉ちゃん、ほんまにアンドロイドなん?いや~ほんまエロいわ……」

感心したようにそう言うと、うっとりした顔をして膨らみを揉みしだいた。彼の大きい手はハレーの手とはまた感触が違い、自身の体の奥が微かに火照ほてるのを感じたベネラは焦りを覚えた。思わず漏れそうになる声を必死に堪えた。

「ううっ……んんっ……」

「はあ~この乳首なんて可愛らしいやん……たまらんなぁ」

道円は膨らみを愛撫しながら先端の突起を弄った。途端に甘い刺激が電流のように広がり、ベネラの体がピクンと反応した。

(ああ、ダ、ダメ……感じてるなんて、思われたくない……あんっ)

「……んん?ここ、ええんか?」

彼女の表情や反応が徐々に素直になっていくことに道円は気づいた。葉巻を口にくわえると、両手を谷間に突っ込んで膨らみと突起を同時に愛撫した。

「はあっ……い、いや……んんっ」

「なんや、ええ声出しよるやないか……あかん、ワイもその気になって来てしもうた……」

道円は葉巻の火を消し、投げ捨てるとチャックを全て開けて上半身をはだけさせた。そして、彼女の白い首筋に唇を這わし、そのまま胸元に顔を埋めた。両手で彼女のももや尻をいやらしく撫で回しながら、唇や舌先で突起を激しく愛撫した。

「ああっ……んんん~~っ」

ベネラは必死に声を押し殺した。しかし、込み上げる快感は抑え切れない。

(い、嫌なのに体が反応して……どうしたらいいの……はあんっ)

「姉ちゃん……我慢せんと声出したらええやん」

道円は胸元から顔を離すとベネラの反応を見ながら楽しそうに言った。

「死んでも……声なんか出さないわ」

「ほう、えらい強がるやないか。ほな、これはどや?」

スカートがまくり上げられ、熱くて大きな手が内腿に触れた。

「そ、そこは……っ」

ベネラがハッとした次の瞬間、黒い下着が剥ぎ取られた。道円は彼女の両足を開かせると、内腿の付け根にある秘部をじっと見つめた。

「す、すごい。ここもや……精巧せいこうに作られとる。もう人間やないか。アンドロイドちゃうやん……」

そう言って彼は生唾なまつばをごくりと飲み込んだ。そこは彼女の甘い蜜で溢れ、十分に潤っていた。道円は指先でそっと触れた。

「んんっ!」

ベネラの体が敏感に反応する。その様子を見た道円はにやりと笑みを零すと、興奮した様子で指の動きを早めた。激しく愛撫する度に妖艶な水音が響き、甘い刺激が体中を駆け巡る。

(ああっ、そんな……そこはまだ、ハレーにも触れさせてないのに……っ)

ベネラは焦りと快感の狭間で苦しんでいた。

(……こんな男にされるぐらいなら……ハレーに……)

その時、彼女はハッとした。自分の中でハレーに対する想いが芽生えていることに気づいたのだ。

(……違う。私はもっと早くからハレーのことが好きだったんだわ……認めていなかっただけ。今、こいつに触られて気づいたわ……)

彼女はハレーに対する想いを巡らせながらも、目を瞑って押し寄せる波のような快感に必死に耐えた。しかし体は素直に反応し続け、彼女は遂に道円の手によって果ててしまった。激しい嫌悪感が彼女を襲った。

(ああ……ハレーにイカせて欲しかった……どうしてもっと早く認めなかったのよ私……)

彼女は気づいた。ハレーへの想いを認めなかったその理由に。

(そうだわ。私、もう恋はしないって決め付けてた。自分で自分にリミッターをかけていたんだわ……なんてこと……ハレー、私はあなたが好きよ。会いたい、今すぐに……だから、早く助けに来て……っ!)

「姉ちゃん、あんなに嫌がっとったのにイッたんか。体は正直やんな」

道円は不敵な笑みを浮かべると、ベルトに手を掛けた。

「あかんわ、ワイももう我慢できひん」

ベルトを外し、デニムを脱ごうとしている道円の姿を見て、ベネラは思った。

(初めての潜入活動でこんな目に遭うなんて……屈辱だわ。私は思った以上に神様から過酷な試練を与えられてるのね……でも私はこんなところで負ける女じゃない。ただ、ハレーの助けを待つだけなんて私らしくない)

口元を微かに緩めた後、ベネラは決意した。

(私には最強の武器があるじゃない)

そして、道円に向かって言った。

「お願いがあるの……」

潤んだ瞳で見上げられ、道円の胸が思わず高鳴った。彼女のただならぬ様子に一旦手を止め、彼は尋ねた。

「……急にどないしたん?」

「私、もう我慢できないの……体が火照ってしまって……」

「だ、だから、なんやねん……」

「あなたのモノ、私にくわえさせてくれないかしら?」
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