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第17話 愛の言葉
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「皆、本当にすまなかった」
数日後、センターを訪れた水端流は、会議室に関係者を集めると深々と頭を下げた。
「ベネラとハレーと雄飛くんがシリウスの救出に向かったとイオから聞いた時、どういうことなのかすぐには理解できなかった。道円がそんなことをするはずがないと思っていたからだ。あいつとは長年の友だったからな。しかし……まさかこんな悪事を企むような奴だったとは……私は悔しくてならない。あいつを止められなかったこと。何より、お前達に大変な思いをさせてしまったことを……本当にすまなかった」
水端流の体が小刻みに震えていた。いつもの威張った様子とは真逆の、あまりにも弱々しく小さな姿にその場にいた全員が驚きを隠せなかった。
「正直なところ、私は雄飛くんの開発方針をよく思っていなかった。だから、厄介払いしたい、そんな気持ちもあったのだ。だから今回のことは私にも責任がある」
雄飛とイオは困惑した表情を浮かべて、顔を見合わせた。要するに水端流は「子供アンドロイドの開発など理解できない。でも、国にメカニズムを解明しろと言われてしまった。シリウスは大人しく検査を受けないから進まない。ああ、面倒くさい。それなら、道円に頼もう。その方が早いし、厄介払いできる、と思った」と言いたいのである。シリウスがいる手前、教授は言葉を濁したのだ。
シリウス以外の者には水端流の言葉の意味が理解できた。が、一体、どんな言葉を返していいのか分からず、しばらくの間、誰も何も言わなかった。皆、遠慮して固く口を閉ざしていた。その沈黙を破ったのは、今回一番大変な目に遭ったベネラだった。
「教授、頭を上げてください。確かに、厄介払いしたいとあなたが思ったことも今回の事件が起こった原因のひとつです。しかし、道円が真っ当な動物学者だったなら数日間検査をして、メカニズムを解明して、シリウスを普通に返してくれたはずです。それなら何の問題もなかったんです。犯罪を犯した道円が悪いのです」
「ベネラ……」
「それに、過ぎてしまったことを悔やんでも仕方がありません。それよりも、これからのことを考えた方がいいのではないでしょうか」
「ううむ。ベネラの言う通りだな」
水端流は納得したように頷くと、気を取り直して言った。
「ああ、そうだ。メカニズムの件は……雄飛くん、引き続き調査を進めてくれ。で、情報がまとまり次第、私に報告をよろしく頼む」
「は、はい。承知しました」
「では、諸君。引き続き、プロジェクトに励むように」
水端流はそう言うと、何事もなかったかのようにケロッとした顔をして去って行った。
「ベネラが何か言ってくれなきゃ、いつまでも終わんなかった。助かったよ」
暁子が安心したように言った。すると、彗が申し訳なさそうに頭を下げた。
「本当、うちの父がいつもすみません……」
「彗のせいじゃないわよ。教授は元からああいう人なんでしょ」
ベネラが口元に笑みを浮かべながら言った。
「さーて、シリウス。検査するぞー」
「ううっ。が、がんばりまーす」
怖気づくシリウスを連れて、雄飛が会議室を出て行った。その他のメンバーも次々と出て行った。ベネラは全員を見届けると、最後にハレーを呼び止めた。
「ハレー」
「ん?なんだ?」
「後で話があるの。あなたの部屋に行くから待っててくれる?」
「あ、ああ。分かった」
ハレーは少し驚いたような顔をしてそう言うと、会議室を出て行った。
(私の闘いはまだ終わってない。きちんとハレーに伝えるのよ)
ベネラが部屋の扉を叩くとハレーが顔を覗かせた。そして、彼女を部屋に招き入れると笑いながら言った。
「お前の方から話がある、なんて珍しいじゃねぇか。いや、もしかして……初めてか?」
「そうね。初めてかもしれない。でも、それだけ重要な話ってことよ」
「なんだ?今回の小僧の一件でオレとのガキを産みたくなったか?」
ハレーは口元を緩めながら軽い冗談のつもりで言った。「それはどうかしら?」と、まるで小悪魔のような笑顔でひらりとかわされる。いつもみたいに。そう思っていた。ところが……。
ベネラは少し考えるとベッドに腰を掛け、足を組んだ。黒いロングスカートに入っている深いスリットから、白く逞しい足が覗く。
(……いつもと様子が違う……なんだ?)
ハレーは内心、動揺していた。ベネラは立ったままのハレーを見上げると改まった様子で口を開いた。
「単刀直入に言うとその通りよ」
「……は?」
ハレーは信じられない、といった顔で呆然と立ち尽くしていた。ベネラはそんなハレーには構わずに言葉を続けた。
「私は最初、あなたに恋愛感情なんて全くなかったわ。暁子に、あなたの暴走を止めて欲しいって言われたからその気にさせる為に色々やっただけ。その気なんてないのに思わせぶりな態度であなたを振り回して、私は悪い女。そう思ったこともある。でも、私があなたを惹きつけておけばここは安泰。平和になる。だから、あなたを惑わせることが私の使命だと思っていたの」
ベネラはハレーの顔を見た。ハレーはまだ固まっている。しかし、話はきちんと聞いているようだった。
「でも、シリウスとあなたと三人で過ごす内に私の心が少しづつ変わっていったわ。前に言ったでしょう?シリウスと接していると心が和むって。それだけじゃないの。あなたとシリウスが楽しそうにボールを追いかけている姿を見て、思わず未来を想像したの。あなたと私と……私達の子供と三人で過ごす未来よ」
「ベネラ……」
ハレーは驚きと感激が入り混じったような複雑な表情を浮かべた。
「でもね、私はもう二度と恋はしないって決めてたの。詳しくは言えないんだけど昔、悲しい恋をしたの。だから……私は自分の心に蓋をした。あなたにどんなに触れられようとも、考えないようにしてたの。でも……」
ベネラはそこまで言うと、思い切り顔を歪めた。思い出したくない記憶が蘇ったからだ。
「あの男に散々体を弄ばれて辱めを受けて、私はようやく気づいたの。こんなクズ男にいいようにされるために私は生まれたんじゃないって。あなたにまだ触らせたことのなかった場所を弄られた時、ああ、ハレーに触らせたかったって思ったのよ。その途端にあなたが恋しくなった。恋しくて恋しくて……仕方がなかった。クズ男の辱めを受けながら私はずっとあなたのことを考えてたのよ。だから、あなたが助けに来てくれた時、本当に嬉しかったわ」
ベネラはそう言うとにこりと笑った。乙女のような純粋なその笑顔にハレーは顔を赤らめながら言った。
「で、でもよ。オレが助けに行った時、お前らSMプレイしてたじゃねぇか」
ベネラは眉をひそめ、ため息を吐くと言った。
「だから、違うって言ってるでしょう?私、あの時寸前だったのよ」
「……寸前?」
「そうよ。もう少しで中に入れられるところだったの」
その瞬間、ハレーが驚いて声を上げた。
「なっ……あのクソ野郎!オレだってまだ中に入れさせてもらえてねぇってのに!」
「そうよ。ここは……」
ベネラはそう言いながらそっと下腹部に手を当てた。
「心を許した人にしか入れさせないって決めてるの。だから、何が何でもあの男に入れさせる訳にはいかなかった。だから、私はハレーに使ったのと同じ手を使ったのよ」
「同じ手……?」
ベネラは妖艶な笑みを浮かべると、胸元、そして唇を指差した。彼女の仕草の意味を理解したハレーは怒りと恥ずかしさで顔を真っ赤にした。
「お、お前……マジかよ」
「だって、仕方ないじゃない。でも狙いはそれだけじゃないわ。小型スイッチよ。あれさえあれば形成逆転できる、そう思って、あいつが隙を見せるのを狙ったわ。そうしたらまんまと引っ掛かった。だから、私を辱めた仕返しにあいつのケツを思い切り踏んでやったってワケ」
「ベネラ、お前……ホント……悪い女だぜ」
ハレーがベネラの隣に腰を掛け、苦笑いしながら言った。ベネラは得意気に鼻で笑った。
「それに、ただあなたの助けを待ってるだけなんて私らしくないでしょう?」
「ああ、確かにな」
「シリウスの体内に結局、爆弾はなかった。もちろん嬉しかったしホッとしたけど、複雑な気持ちだったわ。何のために私は辱めを受けたのかって。でもね……あなたへの想いに気付くためだったんだって思ったの……」
ベネラはハレーの目を真っ直ぐに見つめて言った。
「私、あなたを止めるためだけに生まれたこと、悩んだこともあるわ。でも、今はこう思うの。私はあなたのために……あなたに愛されるために生まれたんだって」
「ベネラ……」
ハレーは自身の胸が徐々に熱くなっていくのを感じた。ベネラの大きな瞳に自分を求める熱と大きな愛が込められていることに気づいたからだ。ベネラは両手でハレーの大きな手を取り、自分の右頬に優しく当てた。
「だから……私のこの体も、心も、全部……あなたのもの。愛してるわ、ハレー」
「ベネラ……」
(なんだ?これは……オレは夢を見ているのか?)
ハレーは胸が熱くなり、嬉しい気持ちも反面、信じられない思いもあった。この一年間、ずっとひたむきに彼女を求め、その度にかわされ、時には傷つけられた。しかし今、その彼女が自分に向かって愛を告白したのだ。
(ハレー、信じられないって顔してるわね……無理もないわ……こんなにも待たせてしまったんだもの)
ベネラはハレーの頬を両手で優しく包み込むと、唇にそっと自身の唇を重ねた。いつものような甘く激しい濃厚なキスではない。彼女からの柔らかく、愛に溢れた、優しいキスだった。ハレーはそっと彼女の腰に腕を回し、静かに彼女のキスを受け入れた。
やがて、ベネラはハレーから体を離すと立ち上がった。そして、黒いトップスと深いスリットの入ったロングスカートをゆっくりと脱いだ。妖艶な深紅の下着、豊満な胸元と、美しく逞しい両足が露わになり、ハレーは息を飲んだ。ベネラはハレーの熱い視線を受け止めると下着に手を掛け、それらを全て脱ぎ捨てたのだった。
数日後、センターを訪れた水端流は、会議室に関係者を集めると深々と頭を下げた。
「ベネラとハレーと雄飛くんがシリウスの救出に向かったとイオから聞いた時、どういうことなのかすぐには理解できなかった。道円がそんなことをするはずがないと思っていたからだ。あいつとは長年の友だったからな。しかし……まさかこんな悪事を企むような奴だったとは……私は悔しくてならない。あいつを止められなかったこと。何より、お前達に大変な思いをさせてしまったことを……本当にすまなかった」
水端流の体が小刻みに震えていた。いつもの威張った様子とは真逆の、あまりにも弱々しく小さな姿にその場にいた全員が驚きを隠せなかった。
「正直なところ、私は雄飛くんの開発方針をよく思っていなかった。だから、厄介払いしたい、そんな気持ちもあったのだ。だから今回のことは私にも責任がある」
雄飛とイオは困惑した表情を浮かべて、顔を見合わせた。要するに水端流は「子供アンドロイドの開発など理解できない。でも、国にメカニズムを解明しろと言われてしまった。シリウスは大人しく検査を受けないから進まない。ああ、面倒くさい。それなら、道円に頼もう。その方が早いし、厄介払いできる、と思った」と言いたいのである。シリウスがいる手前、教授は言葉を濁したのだ。
シリウス以外の者には水端流の言葉の意味が理解できた。が、一体、どんな言葉を返していいのか分からず、しばらくの間、誰も何も言わなかった。皆、遠慮して固く口を閉ざしていた。その沈黙を破ったのは、今回一番大変な目に遭ったベネラだった。
「教授、頭を上げてください。確かに、厄介払いしたいとあなたが思ったことも今回の事件が起こった原因のひとつです。しかし、道円が真っ当な動物学者だったなら数日間検査をして、メカニズムを解明して、シリウスを普通に返してくれたはずです。それなら何の問題もなかったんです。犯罪を犯した道円が悪いのです」
「ベネラ……」
「それに、過ぎてしまったことを悔やんでも仕方がありません。それよりも、これからのことを考えた方がいいのではないでしょうか」
「ううむ。ベネラの言う通りだな」
水端流は納得したように頷くと、気を取り直して言った。
「ああ、そうだ。メカニズムの件は……雄飛くん、引き続き調査を進めてくれ。で、情報がまとまり次第、私に報告をよろしく頼む」
「は、はい。承知しました」
「では、諸君。引き続き、プロジェクトに励むように」
水端流はそう言うと、何事もなかったかのようにケロッとした顔をして去って行った。
「ベネラが何か言ってくれなきゃ、いつまでも終わんなかった。助かったよ」
暁子が安心したように言った。すると、彗が申し訳なさそうに頭を下げた。
「本当、うちの父がいつもすみません……」
「彗のせいじゃないわよ。教授は元からああいう人なんでしょ」
ベネラが口元に笑みを浮かべながら言った。
「さーて、シリウス。検査するぞー」
「ううっ。が、がんばりまーす」
怖気づくシリウスを連れて、雄飛が会議室を出て行った。その他のメンバーも次々と出て行った。ベネラは全員を見届けると、最後にハレーを呼び止めた。
「ハレー」
「ん?なんだ?」
「後で話があるの。あなたの部屋に行くから待っててくれる?」
「あ、ああ。分かった」
ハレーは少し驚いたような顔をしてそう言うと、会議室を出て行った。
(私の闘いはまだ終わってない。きちんとハレーに伝えるのよ)
ベネラが部屋の扉を叩くとハレーが顔を覗かせた。そして、彼女を部屋に招き入れると笑いながら言った。
「お前の方から話がある、なんて珍しいじゃねぇか。いや、もしかして……初めてか?」
「そうね。初めてかもしれない。でも、それだけ重要な話ってことよ」
「なんだ?今回の小僧の一件でオレとのガキを産みたくなったか?」
ハレーは口元を緩めながら軽い冗談のつもりで言った。「それはどうかしら?」と、まるで小悪魔のような笑顔でひらりとかわされる。いつもみたいに。そう思っていた。ところが……。
ベネラは少し考えるとベッドに腰を掛け、足を組んだ。黒いロングスカートに入っている深いスリットから、白く逞しい足が覗く。
(……いつもと様子が違う……なんだ?)
ハレーは内心、動揺していた。ベネラは立ったままのハレーを見上げると改まった様子で口を開いた。
「単刀直入に言うとその通りよ」
「……は?」
ハレーは信じられない、といった顔で呆然と立ち尽くしていた。ベネラはそんなハレーには構わずに言葉を続けた。
「私は最初、あなたに恋愛感情なんて全くなかったわ。暁子に、あなたの暴走を止めて欲しいって言われたからその気にさせる為に色々やっただけ。その気なんてないのに思わせぶりな態度であなたを振り回して、私は悪い女。そう思ったこともある。でも、私があなたを惹きつけておけばここは安泰。平和になる。だから、あなたを惑わせることが私の使命だと思っていたの」
ベネラはハレーの顔を見た。ハレーはまだ固まっている。しかし、話はきちんと聞いているようだった。
「でも、シリウスとあなたと三人で過ごす内に私の心が少しづつ変わっていったわ。前に言ったでしょう?シリウスと接していると心が和むって。それだけじゃないの。あなたとシリウスが楽しそうにボールを追いかけている姿を見て、思わず未来を想像したの。あなたと私と……私達の子供と三人で過ごす未来よ」
「ベネラ……」
ハレーは驚きと感激が入り混じったような複雑な表情を浮かべた。
「でもね、私はもう二度と恋はしないって決めてたの。詳しくは言えないんだけど昔、悲しい恋をしたの。だから……私は自分の心に蓋をした。あなたにどんなに触れられようとも、考えないようにしてたの。でも……」
ベネラはそこまで言うと、思い切り顔を歪めた。思い出したくない記憶が蘇ったからだ。
「あの男に散々体を弄ばれて辱めを受けて、私はようやく気づいたの。こんなクズ男にいいようにされるために私は生まれたんじゃないって。あなたにまだ触らせたことのなかった場所を弄られた時、ああ、ハレーに触らせたかったって思ったのよ。その途端にあなたが恋しくなった。恋しくて恋しくて……仕方がなかった。クズ男の辱めを受けながら私はずっとあなたのことを考えてたのよ。だから、あなたが助けに来てくれた時、本当に嬉しかったわ」
ベネラはそう言うとにこりと笑った。乙女のような純粋なその笑顔にハレーは顔を赤らめながら言った。
「で、でもよ。オレが助けに行った時、お前らSMプレイしてたじゃねぇか」
ベネラは眉をひそめ、ため息を吐くと言った。
「だから、違うって言ってるでしょう?私、あの時寸前だったのよ」
「……寸前?」
「そうよ。もう少しで中に入れられるところだったの」
その瞬間、ハレーが驚いて声を上げた。
「なっ……あのクソ野郎!オレだってまだ中に入れさせてもらえてねぇってのに!」
「そうよ。ここは……」
ベネラはそう言いながらそっと下腹部に手を当てた。
「心を許した人にしか入れさせないって決めてるの。だから、何が何でもあの男に入れさせる訳にはいかなかった。だから、私はハレーに使ったのと同じ手を使ったのよ」
「同じ手……?」
ベネラは妖艶な笑みを浮かべると、胸元、そして唇を指差した。彼女の仕草の意味を理解したハレーは怒りと恥ずかしさで顔を真っ赤にした。
「お、お前……マジかよ」
「だって、仕方ないじゃない。でも狙いはそれだけじゃないわ。小型スイッチよ。あれさえあれば形成逆転できる、そう思って、あいつが隙を見せるのを狙ったわ。そうしたらまんまと引っ掛かった。だから、私を辱めた仕返しにあいつのケツを思い切り踏んでやったってワケ」
「ベネラ、お前……ホント……悪い女だぜ」
ハレーがベネラの隣に腰を掛け、苦笑いしながら言った。ベネラは得意気に鼻で笑った。
「それに、ただあなたの助けを待ってるだけなんて私らしくないでしょう?」
「ああ、確かにな」
「シリウスの体内に結局、爆弾はなかった。もちろん嬉しかったしホッとしたけど、複雑な気持ちだったわ。何のために私は辱めを受けたのかって。でもね……あなたへの想いに気付くためだったんだって思ったの……」
ベネラはハレーの目を真っ直ぐに見つめて言った。
「私、あなたを止めるためだけに生まれたこと、悩んだこともあるわ。でも、今はこう思うの。私はあなたのために……あなたに愛されるために生まれたんだって」
「ベネラ……」
ハレーは自身の胸が徐々に熱くなっていくのを感じた。ベネラの大きな瞳に自分を求める熱と大きな愛が込められていることに気づいたからだ。ベネラは両手でハレーの大きな手を取り、自分の右頬に優しく当てた。
「だから……私のこの体も、心も、全部……あなたのもの。愛してるわ、ハレー」
「ベネラ……」
(なんだ?これは……オレは夢を見ているのか?)
ハレーは胸が熱くなり、嬉しい気持ちも反面、信じられない思いもあった。この一年間、ずっとひたむきに彼女を求め、その度にかわされ、時には傷つけられた。しかし今、その彼女が自分に向かって愛を告白したのだ。
(ハレー、信じられないって顔してるわね……無理もないわ……こんなにも待たせてしまったんだもの)
ベネラはハレーの頬を両手で優しく包み込むと、唇にそっと自身の唇を重ねた。いつものような甘く激しい濃厚なキスではない。彼女からの柔らかく、愛に溢れた、優しいキスだった。ハレーはそっと彼女の腰に腕を回し、静かに彼女のキスを受け入れた。
やがて、ベネラはハレーから体を離すと立ち上がった。そして、黒いトップスと深いスリットの入ったロングスカートをゆっくりと脱いだ。妖艶な深紅の下着、豊満な胸元と、美しく逞しい両足が露わになり、ハレーは息を飲んだ。ベネラはハレーの熱い視線を受け止めると下着に手を掛け、それらを全て脱ぎ捨てたのだった。
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