遊佐賀奈子と八人の鬼婦人

マヤカナヒロキ

文字の大きさ
3 / 27

3話

しおりを挟む
朝、遊佐は目覚めるとすぐに朝食をとって道の足跡を確認しに行く。

昨日自分がならした部分を見ると、いくつか馬の足跡が残されていた。

「えーと、、右に向けての足跡が四つ、左は二つかー。なら右で!」

そう判断して道を歩き始める。

「あ、そうだ透明化しておこう。」

と、体と透明にした。

暫くの時間、歩いていると自分の後方から何か音がしてきた。
遊佐が振り返ると馬車が向かってくるのが見える。

(ラッキー!あれに乗ろう!)

遊佐は自分を馬車が追い越そうとした瞬間、荷台の部分へ飛び乗る。乗った瞬間に音がして馬車に乗ってた男が後ろの荷台を振り返って見たが、遊佐は透明化してるので見えない。男は首を傾げた後、前を見て馬の手綱を操る。遊佐は荷台の角に腰掛ける。荷台には衣服や靴、壺、本など様々な雑貨が積まれている。

(商人?なのかな。ま、とりあえずこれで自分で歩く必要も無くなった。うん私、冴えてる!うまくやれてるよ北海さん。)

そう思いながら遊佐は馬車に揺られる。馬車から見える景色を眺めていると緩やかな坂道を登っている事に気付いた。正面を見るとちょっとした丘になっている。

その丘を馬車が登りきった瞬間、すごく大きな都市が見えた。都市の外周は遠くから見てもわかるくらい分厚く高い壁で囲まれていて八角形のかたちで都市の建物たちを囲んでいる。その中心には大きな城が建っている。遠くからだからまだしっかりとは見えないが、組織に保管されている資料で見たことがある中世の頃の都市の外観をしている。

(うわ~すっごく大きい。)

遊佐は観光地で歴史的な建造物を見たときのように気持ちが高揚しているのを感じた。

馬車が都市の中に入ると、遊佐は馬車から飛び降りた。都市の中は人々で溢れ、賑わっている。音楽を奏でる人もいれば、店で物を売る人、子どもたちが走り回ったりと祭りのような騒がしさである。が、何を喋っているかがさっぱりわからない。

(やっぱ異世界だから言葉は通じないか。確かこんな時はと。)

遊佐は低い建物の屋根から徐々に高い建物の屋根に飛び乗っていき、この辺りで一番高い建物の屋根で黒い箱を端末を操作して出す。

「えーっと、言語分析機能をオンにして学習開始を選択と。」

そう言い、黒い箱に触れると画面が表示された。その画面には分析開始します。完了までお待ちください。と表示されている。


「確か時間かなりかかるんだっけ?んー言語わからないまま散策してもなー。うんやっぱり終わるまで待とう。」

遊佐はふぅっと息を吐いて、屋根の上に寝そべり昼寝を始めた。


昼寝から遊佐が起きると表示が完了画面に変わっていた。

「やっと終わった。結構かかったなー。」

遊佐は黒い箱に手を当てるとナノマシンにダウンロードと表示された。すると屋根にいても聞こえていた下の街道にいる人々のわけのわからない異世界の言語が徐々に遊佐たちの言語に変わっていった。

「さあさあ!今日は珍しい品を仕入れているよ!見てくれ!」

と、商人の声だろうか。もうすっかり遊佐たちの言語である。

遊佐は黒い箱を戻し、屋根から路地裏に降りる。路地裏から透明化したまま街道へと出て歩き始める。

(よしそれじゃ、散策っと。)

遊佐が歩いているとこの都市の住人だろうか?大きな声で外から来た人らを歓迎しているようだ。

「ようこそ皆様!我らの主人!八人の鬼婦人きふじんが治める八角都市はっかくとしへ!」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

彼の言いなりになってしまう私

守 秀斗
恋愛
マンションで同棲している山野井恭子(26才)と辻村弘(26才)。でも、最近、恭子は弘がやたら過激な行為をしてくると感じているのだが……。

ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜

KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞 ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。 諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。 そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。 捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。 腕には、守るべきメイドの少女。 眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。 ―――それは、ただの不運な落下のはずだった。 崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。 その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。 死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。 だが、その力の代償は、あまりにも大きい。 彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”―― つまり平和で自堕落な生活そのものだった。 これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、 守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、 いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。 ―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。

フェル 森で助けた女性騎士に一目惚れして、その後イチャイチャしながらずっと一緒に暮らす話

カトウ
ファンタジー
こんな人とずっと一緒にいられたらいいのにな。 チートなんてない。 日本で生きてきたという曖昧な記憶を持って、少年は育った。 自分にも何かすごい力があるんじゃないか。そう思っていたけれど全くパッとしない。 魔法?生活魔法しか使えませんけど。 物作り?こんな田舎で何ができるんだ。 狩り?僕が狙えば獲物が逃げていくよ。 そんな僕も15歳。成人の年になる。 何もない田舎から都会に出て仕事を探そうと考えていた矢先、森で倒れている美しい女性騎士をみつける。 こんな人とずっと一緒にいられたらいいのにな。 女性騎士に一目惚れしてしまった、少し人と変わった考えを方を持つ青年が、いろいろな人と関わりながら、ゆっくりと成長していく物語。 になればいいと思っています。 皆様の感想。いただけたら嬉しいです。 面白い。少しでも思っていただけたらお気に入りに登録をぜひお願いいたします。 よろしくお願いします! カクヨム様、小説家になろう様にも投稿しております。 続きが気になる!もしそう思っていただけたのならこちらでもお読みいただけます。

少し冷めた村人少年の冒険記 2

mizuno sei
ファンタジー
 地球からの転生者である主人公トーマは、「はずれギフト」と言われた「ナビゲーションシステム」を持って新しい人生を歩み始めた。  不幸だった前世の記憶から、少し冷めた目で世の中を見つめ、誰にも邪魔されない力を身に着けて第二の人生を楽しもうと考えている。  旅の中でいろいろな人と出会い、成長していく少年の物語。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

処理中です...