遊佐賀奈子と八人の鬼婦人

マヤカナヒロキ

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26話

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ひと通り患者への栄養剤の投与が済んだ。





「さて、これからどうする?患者がまともに喋れるように回復するまで待つか?」





ムルドが腕組みしながら遊佐に尋ねる。





「いや、次の投与まで時間があるから調べよう。」





遊佐は自分の朝食のバーを齧りながら答える。





「そうだな。だが次は何を調べる?」





「、、家かな。患者の。」





「家?店を調べたりしないのか?」





「店は、、おっさんたちは調査した事ないの?」





ムルドは自分のあご髭を触りながら考えている。





「した。区画にある店の全てをな。」





「何か見つかった?」





「いや、何も。」





「やっぱり。私が犯人の立場なら見つからないように真っ先に対策する。だから店を調べるのはあまり効果ないかと思って。」





「確かに。しかしどうして患者の家なのだ?」





「中毒になったから。中毒になったということは煙果が使用されたということでしょ。その痕跡があるかと思って。」





「なるほどな。ではさっそく患者の家を調べに行くとするか。」





「うん。」







~患者の一人が住んでいたアパート~



管理人にムルドが話をして、患者が住んでいた部屋に入る。





「よし、それでは手分けして探すか。」





「うん、じゃあおっさんはあっちの方をお願い。」





お互い二手に分かれてクローゼット、机の引出し、本棚などをくまなく探す。





「ねーおっさん。」





遊佐が手を動かしながらムルドに話す。





「どうした?」





「気になったんだけど。患者の殆どは、というか全員みんな若かったよね。」





「ああそうだな。皆学生だ。」





「学生、、。なんで若い人ばかりなんだろ?」





「まだ世間の事をよく知らない学生の方が煙果を売りやすいのかもな。」





「まあ確かに騙しやすいかも。」





その後、部屋中くまなく探したが手がかりは何も無かった。





「次行くとするか、、。」





二つ三つと調べていくも全く手がかりがつかめなかった。

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