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第2章
8、アナイリンの嫉妬
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ナイジェルとアナイリンの婚約が正式に決まり、伯父であるバスターの養子になることになり、ナイジェルはイスハーク家を出ることとなった。
マリアは出来る限りこちらにいて欲しそうだったが、アイーシャが押し切った。
ナイジェルの荷造りを手伝いながら時々そっと目元を拭っていた。
最初はあれもこれもと持たせようとしてくるので、ナイジェルは苦笑しながら
「伯母上がいろいろ用意してくれるから、身の回りのものだけでいいよ」
そう言った途端、マリアは泣き出してしまってナイジェルがどんなに宥めても泣き止まなかった。
その泣き声を聞きつけて、ハイルが入ってきた。ナイジェルはホッとするとこうなった経緯を話した。
ハイルは事情が分かるとナイジェルに咎める様な視線を向けた。
「ナイジェル、母さんの好きにさせてやりなさい。これも親孝行だよ」
「はい、すみません。ごめん、母さん」
「いいのよ、ナイジェル。私こそ泣いたりしてごめんなさいね」
チンと洟をかむと笑顔を見せ、これまで以上にナイジェルの荷物を詰め込み、流石に失言だったかとハイルは後悔した。
「ナイジェルの引っ越しの荷造りは終わったのですか?」
昼に近い時間帯にユタがひょっこりとやってきた。
ナイジェルの傍でモラーヴィが書物を箱に入れていた。
あれからイスハーク家に寝泊まりしていて、マリアを手伝って食事の支度や庭掃除を独楽鼠のように働いていた。
偶にナイジェルに会いに飛んでくるファルハードに追い掛け回されていたりもするが。
そのナイジェルは手元の手紙なのだろう長い巻物を眉間にしわを寄せて読んでいた。
ユタが入ってきたことに気付いたナイジェルは視線を上げると手紙を渡してくる。
「いいところに来た。済まないが内容が理解できなくてな。読んでくれないかユタ」
目を瞬かせてナイジェルを見た。
ユタやマーティアス、養父のハイルなど知識豊富な人間に囲まれて育ったせいかナイジェルもそれなりに教養があり、頭が切れる男だ。
そのナイジェルが高々手紙の文章を理解できないなんてと思いながら、その手紙を受け取ってざっと目を通した。
読み終わって、ユタは半笑いを浮かべながら手紙を巻いていく。
ナイジェルが理解できないといった理由が分かった。装飾過剰な詩的な文体でナイジェルに対する一方的思いが綴られている。
妄想と現実が混じっているのか有り得ないようなことも書かれているので、理解できないと言うより理解したくなかったのかもしれない。
「ええっと、まあ恋文ですよね。要約するとナイジェルはライギット辺境伯とその娘に脅されて結婚することになった。ヘレナ王女がその苦境からお救いするそうです」
ナイジェルは溜息をついた。
「ところで“愛を確認し合ったと書かれていますが、何かそれらしいことをしたのですか?」
「王宮で会った時は会釈ぐらいはしたが、言葉を交わしたことはここ数年なかったんだが」
そう言って首を捻っている。
「ああ、それが拡大解釈されたようですね。恋する乙女の妄想とは凄まじいものがありますねえ」
「他人事のように言うな」
「他人事ですから」
心底困ったような表情で再び溜息をつくナイジェルにしれっと言い退ける。
ユタに突き放されて憮然と黙り込む。色恋沙汰の対応は苦手なのだろう。
「ナイジェル様、これは良い機会ではありませんか!」
突然モラーヴィがキイキイと耳障りな叫び声をあげ、話に割り込んできた。
「恐らくシャゼア様が憑りついてその王女様は影響を受けているのでしょう。シャゼア様を引き離せば、元通りになりますよ!」
「まあ確かにヘレナ王女に会う口実は出来ましたよね」
「私もお連れ下さい」
「ユタはともかく、モラーヴィを王宮に連れて行くのは難しいだろう」
「モラーヴィ、君は変身が出来るのかい?」
「はい、もちろんです」
そう言って胸を張るが、ナイジェルとユタはやや疑わしそうに見ていた。
「鳥とか小さい動物にでも変身できれば、王女に対する贈り物として連れて行けるのですけどね」
「なるほど」
「それは良い考えですね!」
ユタの提案に二人は至極感心したように頷いている。ユタはその様子にやや呆れたような気の毒なものを見る視線を当てる。
「ナイジェルは女性に贈り物をしたことがないのですか?」
「母や伯母上にはしたことはあるが?」
「貴方が何故女性に好かれるのか時々分からなくなりますね」
「アナイリン以外にそんな相手はいないだろう?」
ナイジェルは不思議そうに首を傾げている。
ユタは溜息をつくと
「……アナイリン殿の好意は分かっているのですね。ここまで鈍いといっそ清々しいですね」
「あの……何に変身すればいいのでしょうか」
モラーヴィが焦れたように聞いてくる。
「まあ、若い女性ですから。羽の綺麗な鳥に変身できますか?」
「はい!」
そう言うと手を組んでぶつぶつと呟いていたが、ぼふんと音を立てて煙が上がり、それが消えると灰色の所々羽が抜けた山鳩が現れた。
山鳩はよろよろとよろけてひっくり返ったが、何とか立ち上がるとどうだと言わんばかりに胸を張る。
「ユタよ。さすがにこれはないのではないのか?」
「ナイジェルですらそう思うのですから、いくら恋に浮かれた乙女でも誤魔化せませんね」
「俺ですらとはどういう意味だ?」
ユタに酷く馬鹿にされたようで憮然とした表情になるナイジェルにユタは苦笑しながら、まあまあと手を上げて宥めた。
「モラーヴィ、鳥はいいですから何か他のものに化けて下さい」
「そうですか?」
そう言うとまた煙が上がり、今にも死にそうな山鳩は真っ白な毛並みの小猿に変わった。
その顔がモラーヴィの元の顔そのままだったのでナイジェルは噴出しかけて口元を手で覆った。
ユタは床に突っ伏して、痙攣している。笑いのツボに嵌まったらしく呼吸困難になったようだ。
「そんなに笑うことですか?」
ユタの近くまで寄って来て首を傾げながら、床に転がるユタの肩にちょこんと手を置いた。
堪らずにナイジェルは噴出し声を上げて笑い始めた。ユタは床を転がりまわっている。
そこにマリアとアナイリンが入って来て目を丸くした。ナイジェルが声を上げて笑っていることなど珍しかったからだ。
「ああ、マリア小母さん。この小猿が入るような駕籠はありませんか」
「別に肩にのせていけばいいだろう」
「一応贈り物ですからね。鳥かごがあればいいのですけれど」
「どなたに贈るものなの?」
「ヘレナ王女ですよ」
笑いの欠片を残した笑顔で応えるナイジェルにマリアは眉を寄せ、アナイリンは顔色を変えると下を向いてしまった。
「ナイジェル……マリア小母さんもアナイリン殿も誤解しないでくださいね。これはヘレナ王女に憑りついている悪い精霊を追い払うための作戦なのですから」
「まあ、そうなの。なら良いのだけれどね」
そう言いながらもマリアは心配そうにナイジェルを見た。
モラーヴィがナイジェルの肩に乗ったところでファルハードが尻尾に齧りつき、泣き喚きながら部屋の中を走り回っている。
そちらにナイジェルは気を取られてマリアとアナイリンの表情には気付かなかった。
「アナイリン」
帰ろうとしたアナイリンをナイジェルは呼び止めた。
「具合でも悪いのか?」
顔色の悪いアナイリンを心配そうに声を掛けた。
「いいえ、大丈夫です」
顔を上げ、笑顔を見せる少女にナイジェルをじっと見つめていた。無言で見つめてくる男にアナイリンは僅かに動揺したように瞳を揺らせた。
そっと溜息をつくと視線を逸らせて眉を寄せる。
「俺は周りに言わせると相当女心に疎いらしい。だから、もし知らない内にお前を傷つけていたのなら、そう言って欲しい」
「いいえ、そんなことは……」
否定しようとして声を詰まらせた。笑おうとして失敗する。
「……ないで」
「アナイリン?」
「他の女性に心を向けないで」
柔らかい感触が唇に触れ、吃驚してナイジェルを凝視した。
ナイジェルは照れ臭そうに笑っていた。
血が顔に集まってくるのを感じた。
恥ずかしくなって俯き、自分の顔は真っ赤になっているだろうなとぼんやりと考えていると頤を指で捉えられると上を向かされた。
ナイジェルの顔がゆっくりと近づいて来るのが分かった。
瞳が翡翠色に輝くのを認めて、なんて綺麗なのだろうと思いながらそっと目を閉じた。
触れてだけの優しい接吻に背中に回された手のナイジェルの熱い体温にアナイリンは陶然と酔いしれていた。
マリアは出来る限りこちらにいて欲しそうだったが、アイーシャが押し切った。
ナイジェルの荷造りを手伝いながら時々そっと目元を拭っていた。
最初はあれもこれもと持たせようとしてくるので、ナイジェルは苦笑しながら
「伯母上がいろいろ用意してくれるから、身の回りのものだけでいいよ」
そう言った途端、マリアは泣き出してしまってナイジェルがどんなに宥めても泣き止まなかった。
その泣き声を聞きつけて、ハイルが入ってきた。ナイジェルはホッとするとこうなった経緯を話した。
ハイルは事情が分かるとナイジェルに咎める様な視線を向けた。
「ナイジェル、母さんの好きにさせてやりなさい。これも親孝行だよ」
「はい、すみません。ごめん、母さん」
「いいのよ、ナイジェル。私こそ泣いたりしてごめんなさいね」
チンと洟をかむと笑顔を見せ、これまで以上にナイジェルの荷物を詰め込み、流石に失言だったかとハイルは後悔した。
「ナイジェルの引っ越しの荷造りは終わったのですか?」
昼に近い時間帯にユタがひょっこりとやってきた。
ナイジェルの傍でモラーヴィが書物を箱に入れていた。
あれからイスハーク家に寝泊まりしていて、マリアを手伝って食事の支度や庭掃除を独楽鼠のように働いていた。
偶にナイジェルに会いに飛んでくるファルハードに追い掛け回されていたりもするが。
そのナイジェルは手元の手紙なのだろう長い巻物を眉間にしわを寄せて読んでいた。
ユタが入ってきたことに気付いたナイジェルは視線を上げると手紙を渡してくる。
「いいところに来た。済まないが内容が理解できなくてな。読んでくれないかユタ」
目を瞬かせてナイジェルを見た。
ユタやマーティアス、養父のハイルなど知識豊富な人間に囲まれて育ったせいかナイジェルもそれなりに教養があり、頭が切れる男だ。
そのナイジェルが高々手紙の文章を理解できないなんてと思いながら、その手紙を受け取ってざっと目を通した。
読み終わって、ユタは半笑いを浮かべながら手紙を巻いていく。
ナイジェルが理解できないといった理由が分かった。装飾過剰な詩的な文体でナイジェルに対する一方的思いが綴られている。
妄想と現実が混じっているのか有り得ないようなことも書かれているので、理解できないと言うより理解したくなかったのかもしれない。
「ええっと、まあ恋文ですよね。要約するとナイジェルはライギット辺境伯とその娘に脅されて結婚することになった。ヘレナ王女がその苦境からお救いするそうです」
ナイジェルは溜息をついた。
「ところで“愛を確認し合ったと書かれていますが、何かそれらしいことをしたのですか?」
「王宮で会った時は会釈ぐらいはしたが、言葉を交わしたことはここ数年なかったんだが」
そう言って首を捻っている。
「ああ、それが拡大解釈されたようですね。恋する乙女の妄想とは凄まじいものがありますねえ」
「他人事のように言うな」
「他人事ですから」
心底困ったような表情で再び溜息をつくナイジェルにしれっと言い退ける。
ユタに突き放されて憮然と黙り込む。色恋沙汰の対応は苦手なのだろう。
「ナイジェル様、これは良い機会ではありませんか!」
突然モラーヴィがキイキイと耳障りな叫び声をあげ、話に割り込んできた。
「恐らくシャゼア様が憑りついてその王女様は影響を受けているのでしょう。シャゼア様を引き離せば、元通りになりますよ!」
「まあ確かにヘレナ王女に会う口実は出来ましたよね」
「私もお連れ下さい」
「ユタはともかく、モラーヴィを王宮に連れて行くのは難しいだろう」
「モラーヴィ、君は変身が出来るのかい?」
「はい、もちろんです」
そう言って胸を張るが、ナイジェルとユタはやや疑わしそうに見ていた。
「鳥とか小さい動物にでも変身できれば、王女に対する贈り物として連れて行けるのですけどね」
「なるほど」
「それは良い考えですね!」
ユタの提案に二人は至極感心したように頷いている。ユタはその様子にやや呆れたような気の毒なものを見る視線を当てる。
「ナイジェルは女性に贈り物をしたことがないのですか?」
「母や伯母上にはしたことはあるが?」
「貴方が何故女性に好かれるのか時々分からなくなりますね」
「アナイリン以外にそんな相手はいないだろう?」
ナイジェルは不思議そうに首を傾げている。
ユタは溜息をつくと
「……アナイリン殿の好意は分かっているのですね。ここまで鈍いといっそ清々しいですね」
「あの……何に変身すればいいのでしょうか」
モラーヴィが焦れたように聞いてくる。
「まあ、若い女性ですから。羽の綺麗な鳥に変身できますか?」
「はい!」
そう言うと手を組んでぶつぶつと呟いていたが、ぼふんと音を立てて煙が上がり、それが消えると灰色の所々羽が抜けた山鳩が現れた。
山鳩はよろよろとよろけてひっくり返ったが、何とか立ち上がるとどうだと言わんばかりに胸を張る。
「ユタよ。さすがにこれはないのではないのか?」
「ナイジェルですらそう思うのですから、いくら恋に浮かれた乙女でも誤魔化せませんね」
「俺ですらとはどういう意味だ?」
ユタに酷く馬鹿にされたようで憮然とした表情になるナイジェルにユタは苦笑しながら、まあまあと手を上げて宥めた。
「モラーヴィ、鳥はいいですから何か他のものに化けて下さい」
「そうですか?」
そう言うとまた煙が上がり、今にも死にそうな山鳩は真っ白な毛並みの小猿に変わった。
その顔がモラーヴィの元の顔そのままだったのでナイジェルは噴出しかけて口元を手で覆った。
ユタは床に突っ伏して、痙攣している。笑いのツボに嵌まったらしく呼吸困難になったようだ。
「そんなに笑うことですか?」
ユタの近くまで寄って来て首を傾げながら、床に転がるユタの肩にちょこんと手を置いた。
堪らずにナイジェルは噴出し声を上げて笑い始めた。ユタは床を転がりまわっている。
そこにマリアとアナイリンが入って来て目を丸くした。ナイジェルが声を上げて笑っていることなど珍しかったからだ。
「ああ、マリア小母さん。この小猿が入るような駕籠はありませんか」
「別に肩にのせていけばいいだろう」
「一応贈り物ですからね。鳥かごがあればいいのですけれど」
「どなたに贈るものなの?」
「ヘレナ王女ですよ」
笑いの欠片を残した笑顔で応えるナイジェルにマリアは眉を寄せ、アナイリンは顔色を変えると下を向いてしまった。
「ナイジェル……マリア小母さんもアナイリン殿も誤解しないでくださいね。これはヘレナ王女に憑りついている悪い精霊を追い払うための作戦なのですから」
「まあ、そうなの。なら良いのだけれどね」
そう言いながらもマリアは心配そうにナイジェルを見た。
モラーヴィがナイジェルの肩に乗ったところでファルハードが尻尾に齧りつき、泣き喚きながら部屋の中を走り回っている。
そちらにナイジェルは気を取られてマリアとアナイリンの表情には気付かなかった。
「アナイリン」
帰ろうとしたアナイリンをナイジェルは呼び止めた。
「具合でも悪いのか?」
顔色の悪いアナイリンを心配そうに声を掛けた。
「いいえ、大丈夫です」
顔を上げ、笑顔を見せる少女にナイジェルをじっと見つめていた。無言で見つめてくる男にアナイリンは僅かに動揺したように瞳を揺らせた。
そっと溜息をつくと視線を逸らせて眉を寄せる。
「俺は周りに言わせると相当女心に疎いらしい。だから、もし知らない内にお前を傷つけていたのなら、そう言って欲しい」
「いいえ、そんなことは……」
否定しようとして声を詰まらせた。笑おうとして失敗する。
「……ないで」
「アナイリン?」
「他の女性に心を向けないで」
柔らかい感触が唇に触れ、吃驚してナイジェルを凝視した。
ナイジェルは照れ臭そうに笑っていた。
血が顔に集まってくるのを感じた。
恥ずかしくなって俯き、自分の顔は真っ赤になっているだろうなとぼんやりと考えていると頤を指で捉えられると上を向かされた。
ナイジェルの顔がゆっくりと近づいて来るのが分かった。
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