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バレてないと思っていたとは…
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(イケメンは癒しグッズ。恐怖とは無縁の筈…)
頭に血が上って力に訴えようとした田島から庇われた形の美緒だったが、自分を庇ってくれた小林からの駄々洩れの威圧感に鳥肌は立ったままだった。イケメンは癒しであるべきで、そこから恐怖を感じるのは違うだろう…しかもそこに自分が当事者としてあるなど、間違っていると思う…
「美緒、大丈夫?」
目の前の状況に呆気に取られていた美緒に、そっと声をかけたのは朱里だった。田島から美緒を守るように立つ姿は、まるで戦いの女神さまだな…と美緒はこんな状況にもよらず思った。でも実際、美人で背が高くて凛とした雰囲気の朱里は、戦いの女神に相応しいだろう。
「あ…うん、ありがと、朱里」
「危なかったわね。でも、後は巧に任せておけば大丈夫よ」
どうやら朱里は事情を分かっているらしい、という事は美緒にもわかった。先日レストランで会っただけで連絡も取っていなかったが、おおよその事情は知っているように見えた。まぁ、小林兄弟とは幼馴染だし大石もいるから、そこから知ったのかもしれないが…
「ねぇ、早川さん。どうして志水に牧野さんの仕事を押し付けたの?」
「え…わ、私、押し付けては…」
「そう?でも、実際に志水に仕事させたよね?リーダーを通せと言った志水に、田島と二人がかりで。でも俺、牧野さんから何も聞いていないんだけど、どういう事?」
「え…あ、あの、その時間には、牧野さんも小林さんもいなくて…」
「そう?でも、君が志水に依頼のメールを送ったのは午前中だろう?その頃にはまだ、俺も牧野さんも事務所にいたけど?」
「そ…それは…」
「君が田島と志水に仕事を押し付けたのは十七時過ぎ。目撃証言も多数あるから間違いないよね。それまで君は何してたの?」
「それは…仕事が多くて…」
「そう?でもその割に昼休みはしっかり外に行ってたし、昼休み時間が終わってもまだ席に戻ってなかったよね。これは入退記録にも残っているよ」
「その日は…ちょっと離れたお店に行ってて…」
「でも、仕事が終わらないってわかっていたんだよね?志水に朝からメールするくらいだったんだから」
「え…と、その…」
「ちなみに志水はあの日、昼休みもろくに取らずに仕事してたよ」
小林容赦なさ過ぎ…!と美緒は他人事ながらもその追及の厳しさに、逆に早川が気の毒に思ってしまった。早川はずっと小林狙いだっただけに、その当人からこうも厳しく追及されるとは思っていなかっただろうに。
「おい、小林!仕方ないだろう、凜香ちゃんはまだ慣れてないんだから。後輩が困っているのを助けるのは先輩として当然だろうが!」
「でも、早川さんは補佐になって三年だろう?もう助けて貰う時期はとうに過ぎているよ。それに志水は異動してまだ三か月余り。早川さんが志水を手伝うなら分かるけど、逆はないだろう」
「でも!志水は総務でも事務してただろうが」
「総務と営業の仕事の違いもわからない?だったらお前、今日から総務に行って一人前に働けるんだよな?」
「え…?いや、それは…」
「何で出来るって言わないんだ?他人には出来て当然だと言うのに」
「う…」
さすが脳筋、美緒は田島にベストオブ脳筋の称号を贈りたい気分になった。まぁ、そんなものを貰っても嬉しくはないだろうが…そして小林、容赦なさすぎ。いや、こいつは色々と容赦ない奴だったな…と美緒は思った。何が…とは言わないが…
「それと、どうして課長に志水の欠席理由、急用だって伝えたの?」
「あ、あれは…」
「君のせいで残業になって行けなかったのに。それならそうと、ちゃんと課長に伝えるべきだよね。志水は何も悪くないんだから。それに、定時になっても終わらなかったなら、君が交代してやるべきだったんじゃない?」
「…」
「あと、あの資料だけど、あれ、どういう事?」
「え…?ど、どうって…」
「君が送った資料、見せて貰ったよ」
「え!」
それまで俯いていた早川だったが、その言葉に弾けるように顔を上げて小林を見た。どうやら中身まで見られるとは思わなかったらしい。
「あれ、何の意味もないよね?元のデータは古いし、内容もぐちゃぐちゃだし」
「……」
「何で黙ってるの?君が志水に頼んだんでしょ?」
「…あ、あれは…」
「あれは…何?」
再び俯いた早川に、いっそ優しいほどの声色で小林が尋ねたが、早川からの答えはなかった。どういう事だと美緒が訝しく思っていると、俯きながらもさまよわせていた早川の視線が美緒にぶつかると、早川は一瞬だけ表情を歪めた。
「ご…ごめんなさ…い…!あれは…志水さんが…」
急に顔を手で覆って泣き始めた早川に、美緒を含めた周りの者が驚いた。まぁ、その内泣くかもしれないと美緒は思っていたし、女子社員の何割かは同じように思っただろうけど。立場が悪くなると泣いて自分の想い通りにするのは、早川の常とう手段だったからだ。
「志水が…何?」
「…し、志水さんが…そうしろって言うから…私…逆らえなくて…」
はぁ?どういう事だよ?と美緒は思わず顔を歪めてしまったが、それを見た朱里がクスっと笑ったため、美緒は慌てて表情を戻した。しかし、どういう事だ?また訳の分からない言いがかりをつける気か?と身構えた。
「志水さんが、飲み会に行きたくないから…私に仕事を振るフリをしろって…それで、私…本当は私…こんな事、したくなかっ…」
泣きながらもここぞというタイミングで小林を見上げるさまは、迫真の演技で天晴な程だった。可憐で守ってあげたくなるような容姿も相まって、何も知らなければ信じてしまうだろうな、と美緒は思った。
「はぁ…言いたい事はそれだけ?早川?」
だが、そんな早川に小林は、大きなため息をついて冷たい視線を向けるばかりだった。泣き出した早川を田島が慰めようとしたが、早川は小林に縋りつくような目を向けていたため、躊躇しているように見えた。まぁ、早川のターゲットは小林だしな、と美緒は冷めた目で見ていた。
「いい加減にしろ、早川。お前があちこちで嘘ついて他の女子社員貶めてるの、ばれてないと思ってる?」
「…え?」
「そうやって泣けば騙されると思っていたなら、随分と甘く見られたもんだな。君の正体なんか、とっくの昔に気付いてるよ」
「え…あ…あの…?」
豹変って豹が変わるって書くんだよね…まぁ、こいつは確かに豹っぽかもしれないけど…なんて思いながら美緒は目の前で起きている事態を眺めていた。小林がご乱心だ…いや、もしかしてこれが素なのだろうか?元より腹黒そうな感じはしていたし、何考えているのかわからない奴だし…そしてそんな小林の姿に、早川だけでなく周りの社員も引いていた。ただし、朱里と課長は苦みのある笑みを浮かべていたため、あの二人は知っていたのかもしれない…
「志水が飲み会に行きたくなかった?残念だけど、志水はあの店に行くの初めてだって、ずっと前から楽しみにしていたよ。それは朱里やうちの班のメンバーが何度も聞いている」
「え…」
「それに、あいつは同期の間では酒好きで有名だ。そんな志水が、ただで飲める機会を逃すわけないだろう」
その通りだけど、確かにただで飲める機会は貴重だけど、わざわざここでいう事か?と美緒は思った。それじゃ自分が酒好きのケチみたいじゃないか…だが、さすがに話に割り込んでまで訂正する気にはなれなかった。
「それに、志水に頼んだ仕事、全く意味がないものだったよね。牧野さんに聞いたら、こんな仕事は頼んでないと言ってたよ。課のルール無視に仲間を引き連れての仕事の強要、上司への嘘の報告、そして無駄な残業をさせて会社に損害を与えた事。一つだけでも許しがたい行為だけど?」
「損害って…」
「残業代だよ。そんな事もわからない?最初から無駄になるって知っててやったよね。それ払うの、会社だからね」
「あ…」
「そして俺は経営者側の人間」
「…」
「俺、こういう事する奴、大っ嫌いなんだよね。まぁ、詳しくは個別に話を聞かせて貰うから。二人ともそのつもりでね」
最後の声や表情は穏やかだったが、早川や田島を見下ろす目は冷たかった。ああ、こいつも一応会社の経営側の視点も持ち合わせていたのか…と美緒は変な方向で感心していたが、直ぐにそれくらい出来ない様じゃこの会社の将来が不安だよな…と思い直した。一先ず二人への断罪劇は終わったらしく、事務所内の空気がようやく緩むのを感じ、美緒もほっと息をついた。
「ああ、あと、志水は俺の恋人だから。何かしたらただじゃ済まないからね」
頭に血が上って力に訴えようとした田島から庇われた形の美緒だったが、自分を庇ってくれた小林からの駄々洩れの威圧感に鳥肌は立ったままだった。イケメンは癒しであるべきで、そこから恐怖を感じるのは違うだろう…しかもそこに自分が当事者としてあるなど、間違っていると思う…
「美緒、大丈夫?」
目の前の状況に呆気に取られていた美緒に、そっと声をかけたのは朱里だった。田島から美緒を守るように立つ姿は、まるで戦いの女神さまだな…と美緒はこんな状況にもよらず思った。でも実際、美人で背が高くて凛とした雰囲気の朱里は、戦いの女神に相応しいだろう。
「あ…うん、ありがと、朱里」
「危なかったわね。でも、後は巧に任せておけば大丈夫よ」
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「ねぇ、早川さん。どうして志水に牧野さんの仕事を押し付けたの?」
「え…わ、私、押し付けては…」
「そう?でも、実際に志水に仕事させたよね?リーダーを通せと言った志水に、田島と二人がかりで。でも俺、牧野さんから何も聞いていないんだけど、どういう事?」
「え…あ、あの、その時間には、牧野さんも小林さんもいなくて…」
「そう?でも、君が志水に依頼のメールを送ったのは午前中だろう?その頃にはまだ、俺も牧野さんも事務所にいたけど?」
「そ…それは…」
「君が田島と志水に仕事を押し付けたのは十七時過ぎ。目撃証言も多数あるから間違いないよね。それまで君は何してたの?」
「それは…仕事が多くて…」
「そう?でもその割に昼休みはしっかり外に行ってたし、昼休み時間が終わってもまだ席に戻ってなかったよね。これは入退記録にも残っているよ」
「その日は…ちょっと離れたお店に行ってて…」
「でも、仕事が終わらないってわかっていたんだよね?志水に朝からメールするくらいだったんだから」
「え…と、その…」
「ちなみに志水はあの日、昼休みもろくに取らずに仕事してたよ」
小林容赦なさ過ぎ…!と美緒は他人事ながらもその追及の厳しさに、逆に早川が気の毒に思ってしまった。早川はずっと小林狙いだっただけに、その当人からこうも厳しく追及されるとは思っていなかっただろうに。
「おい、小林!仕方ないだろう、凜香ちゃんはまだ慣れてないんだから。後輩が困っているのを助けるのは先輩として当然だろうが!」
「でも、早川さんは補佐になって三年だろう?もう助けて貰う時期はとうに過ぎているよ。それに志水は異動してまだ三か月余り。早川さんが志水を手伝うなら分かるけど、逆はないだろう」
「でも!志水は総務でも事務してただろうが」
「総務と営業の仕事の違いもわからない?だったらお前、今日から総務に行って一人前に働けるんだよな?」
「え…?いや、それは…」
「何で出来るって言わないんだ?他人には出来て当然だと言うのに」
「う…」
さすが脳筋、美緒は田島にベストオブ脳筋の称号を贈りたい気分になった。まぁ、そんなものを貰っても嬉しくはないだろうが…そして小林、容赦なさすぎ。いや、こいつは色々と容赦ない奴だったな…と美緒は思った。何が…とは言わないが…
「それと、どうして課長に志水の欠席理由、急用だって伝えたの?」
「あ、あれは…」
「君のせいで残業になって行けなかったのに。それならそうと、ちゃんと課長に伝えるべきだよね。志水は何も悪くないんだから。それに、定時になっても終わらなかったなら、君が交代してやるべきだったんじゃない?」
「…」
「あと、あの資料だけど、あれ、どういう事?」
「え…?ど、どうって…」
「君が送った資料、見せて貰ったよ」
「え!」
それまで俯いていた早川だったが、その言葉に弾けるように顔を上げて小林を見た。どうやら中身まで見られるとは思わなかったらしい。
「あれ、何の意味もないよね?元のデータは古いし、内容もぐちゃぐちゃだし」
「……」
「何で黙ってるの?君が志水に頼んだんでしょ?」
「…あ、あれは…」
「あれは…何?」
再び俯いた早川に、いっそ優しいほどの声色で小林が尋ねたが、早川からの答えはなかった。どういう事だと美緒が訝しく思っていると、俯きながらもさまよわせていた早川の視線が美緒にぶつかると、早川は一瞬だけ表情を歪めた。
「ご…ごめんなさ…い…!あれは…志水さんが…」
急に顔を手で覆って泣き始めた早川に、美緒を含めた周りの者が驚いた。まぁ、その内泣くかもしれないと美緒は思っていたし、女子社員の何割かは同じように思っただろうけど。立場が悪くなると泣いて自分の想い通りにするのは、早川の常とう手段だったからだ。
「志水が…何?」
「…し、志水さんが…そうしろって言うから…私…逆らえなくて…」
はぁ?どういう事だよ?と美緒は思わず顔を歪めてしまったが、それを見た朱里がクスっと笑ったため、美緒は慌てて表情を戻した。しかし、どういう事だ?また訳の分からない言いがかりをつける気か?と身構えた。
「志水さんが、飲み会に行きたくないから…私に仕事を振るフリをしろって…それで、私…本当は私…こんな事、したくなかっ…」
泣きながらもここぞというタイミングで小林を見上げるさまは、迫真の演技で天晴な程だった。可憐で守ってあげたくなるような容姿も相まって、何も知らなければ信じてしまうだろうな、と美緒は思った。
「はぁ…言いたい事はそれだけ?早川?」
だが、そんな早川に小林は、大きなため息をついて冷たい視線を向けるばかりだった。泣き出した早川を田島が慰めようとしたが、早川は小林に縋りつくような目を向けていたため、躊躇しているように見えた。まぁ、早川のターゲットは小林だしな、と美緒は冷めた目で見ていた。
「いい加減にしろ、早川。お前があちこちで嘘ついて他の女子社員貶めてるの、ばれてないと思ってる?」
「…え?」
「そうやって泣けば騙されると思っていたなら、随分と甘く見られたもんだな。君の正体なんか、とっくの昔に気付いてるよ」
「え…あ…あの…?」
豹変って豹が変わるって書くんだよね…まぁ、こいつは確かに豹っぽかもしれないけど…なんて思いながら美緒は目の前で起きている事態を眺めていた。小林がご乱心だ…いや、もしかしてこれが素なのだろうか?元より腹黒そうな感じはしていたし、何考えているのかわからない奴だし…そしてそんな小林の姿に、早川だけでなく周りの社員も引いていた。ただし、朱里と課長は苦みのある笑みを浮かべていたため、あの二人は知っていたのかもしれない…
「志水が飲み会に行きたくなかった?残念だけど、志水はあの店に行くの初めてだって、ずっと前から楽しみにしていたよ。それは朱里やうちの班のメンバーが何度も聞いている」
「え…」
「それに、あいつは同期の間では酒好きで有名だ。そんな志水が、ただで飲める機会を逃すわけないだろう」
その通りだけど、確かにただで飲める機会は貴重だけど、わざわざここでいう事か?と美緒は思った。それじゃ自分が酒好きのケチみたいじゃないか…だが、さすがに話に割り込んでまで訂正する気にはなれなかった。
「それに、志水に頼んだ仕事、全く意味がないものだったよね。牧野さんに聞いたら、こんな仕事は頼んでないと言ってたよ。課のルール無視に仲間を引き連れての仕事の強要、上司への嘘の報告、そして無駄な残業をさせて会社に損害を与えた事。一つだけでも許しがたい行為だけど?」
「損害って…」
「残業代だよ。そんな事もわからない?最初から無駄になるって知っててやったよね。それ払うの、会社だからね」
「あ…」
「そして俺は経営者側の人間」
「…」
「俺、こういう事する奴、大っ嫌いなんだよね。まぁ、詳しくは個別に話を聞かせて貰うから。二人ともそのつもりでね」
最後の声や表情は穏やかだったが、早川や田島を見下ろす目は冷たかった。ああ、こいつも一応会社の経営側の視点も持ち合わせていたのか…と美緒は変な方向で感心していたが、直ぐにそれくらい出来ない様じゃこの会社の将来が不安だよな…と思い直した。一先ず二人への断罪劇は終わったらしく、事務所内の空気がようやく緩むのを感じ、美緒もほっと息をついた。
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