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爆弾発言とアフターフォロー
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「えええっ?!」
「嘘だろ…!」
「小林の恋人は辻井じゃ…!」
二課の事務所に、三者三様の声が上がった。中には悲鳴もあったかもしれない。だが、それもそうだろう、小林の恋人は入社以来ずっと朱里だと言われていたのだ。そこにいきなり美緒の名前が上がれば不審に思うのも当然だろうし、決して仲がいいとはいえなかった美緒となれば、驚きは二重どころでは済まないだろう。
そして、一番驚いたのが当事者の美緒だった。ちょっと待て、会社では今まで通りと言っただろうに!と文句の十も言ってやりたかったが、小林はにこやかに美緒の側までくると腰に手をまわして引き寄せた。
「な…な…」
驚きすぎると人間、声も出ないらしい…どうして?何で?このタイミングで?と幾つも疑問が湧いたが、実際には何一つ言葉が出てこなかった。そんな混乱中で浮かんだ言葉は、この男は私を殺す気か?だった。これまでも小林の補佐というだけで嫌味や舌打ちが日常茶飯事だったのに、こんな事が社内の肉食女子に知れればどんな目に遭う事か…想像するのも恐ろしかった美緒は、人知れず身を震わせた。
「ちょ、ちょっと小林!ど、どういう事よ?あんなに言うなって言ったのに!」
「でも、うちの家族に会っただろう?だからもう親公認。って言うか婚約者扱い?」
「…あ、あんなの…騙し打ちじゃ…」
「ん~紹介した時点で家族全員そのつもりだけど?」
「な…」
ようやくショックから抜け出して声を荒げた美緒だったが、小林にさらりと受け流されてしまった。それどころか、帰ってきた答えが薄ら寒い…どんなつもりだなんて怖くて聞けず、それ以上問い詰める事も出来なかった。何だか聞いたら最後のような気がしたのだ。これは絶対に聞いたらダメなやつだろう…行動が予測できない奴だとずっと思っていたが、まさかこんな暴挙に出るとは思わず、美緒の頭に一瞬転職の文字がよぎった。もしかすると逃げるが勝ちかもしれない…
「ああ、逃がす気ないから。転職とか考えるなよ?」
(っ…!心読まれてる…?)
抱き寄せられ、耳元でそう囁かれた美緒は、背中が言い表せない冷気で包まれた気がした。今は夏で、エアコンは付いているが事務所内は十分に暑い。暑いはずなのに、美緒の周りだけ気温が氷点下に下がった気がした。
その後、早川と田島は課長に連れられてどこかに消えていった。去り際に課長が、ほら、仕事仕事!と声をかけたために、課内は一応いつもの空気を取り戻したように動き始めた。そんな中、美緒は小林に連れられて役員フロアの応接室に連れてこられていた。
「ちょ…何でこんなところに…」
「ああ、今の時間は来客ないし。誰も使わないから気にするな」
「気にするなって…気にするわ!」
「まぁ、落ち着けって。とりあえず座れよ」
小林に宥められながら美緒は、二人掛けソファに座らされた。さすがに役員フロアのものなだけに、高級そうな革のソファだ。ひんやりした感触が気持ちよかった。ちょっと待ってろ、と言って小林が隣の控室に消えたため、美緒は所在なく感じたが、それでも一時的に事務所から離れられた事にはホッとした。ただ、役員室の応接間登言うのは、それはそれで居心地が悪かった…小林がどんな目的で連れてきたのかもわからなかったのもあるだろう。もしかすると、今から課長か部長からの事情聴取でもあるのだろうか…
「ほらよ」
何が起きるのかと一人悶々としていた美緒だったが、小林は両手にカップを持って戻ってきて、その一つを美緒に手渡したあと、美緒の隣に座った。
「何?」
「ああ、抹茶ラテ。お前好きだろう?」
「え、あ、うん…」
何でそんなこと知っているんだと思ったら、小林はあっさりと朱里から聞いたと言った。こっちはカフェラテだけど、こっちの方がいいか?と聞いてきたため、抹茶でいいと答えた。カフェラテ、しかもあのカップのメーカーは美緒のお気に入りだ。どうやら朱里から自分の個人情報は駄々洩れらしい…うすら寒い…と思っていいだろうか…そして朱里にも口止めしておかねば…と心に誓った。
それでも、渡された抹茶ラテの温かさは、不思議と身体の強張りを解してくれた。早川はともかく、田島との対峙は思った以上に緊張を強いられていたらしい。
「火傷するなよ」
「…うん」
「美味いか?」
「…うん…」
隣に座った小林に肩を抱かれた状態の美緒だったが、不思議と嫌な感じはしなかった。いかん、絆されてる…と思ったが、抹茶ラテは美緒にとってベストな温度だった。今文句を言えば最適な温度を逃してしまいそうで、これを飲み切るまでは…と我慢した。そう、全ては抹茶ラテのためなのだ…
「危なかったな。まさか田島が手を上げる奴だとは思わなかった…」
「…」
それに関しては、美緒は僅かながらも罪悪感が湧いた。自分に原因がある自覚があったからだ。そんなつもりはなかったが、自分の言葉が田島を煽ったのは間違いないだろう。会社ではいくらなんでも…と思っていたし、田島があんなに気が短いとも思っていなかったのだ。憶測ではあるが、田島は早川にいいところを見せたかったのに、何も言い返せなくてプライドが傷ついたのだろうな、と思った。そうは言っても、二人の行動は許せるものでもないのだが…
「ちょ…なにすんよ!」
空になったカップを取り上げられたと思ったら、小林にそっと抱きしめられた。慌てて逃げようと身を捩ったが、驚いて一瞬動きが遅れたのもあり、残念ながら失敗した。ここは会社だし、その前に抱き合うような関係じゃないだろう!
「何って…怖かったんだろう?」
「は?」
朝っぱらから何するんだ!と言いかけた美緒だったが、告げられた言葉に動きを止めて思わず見上げてしまった。そこには、今までに見た事もない、痛まし気な表情のイケメンが自分を見下ろしていて、美緒は思わず息を飲んだ。その表情は反則だろう…
「間に合ってよかった…結構、ぎりぎりだったから…」
「は?え…と…」
「あんな奴に触られるのも腹立つし…殴られてたら、あいつを殴り殺していたかも…」
「はぁ?」
殴り殺すとか、いくらなんでも物騒過ぎるだろう…と思ったが、ぎゅっと抱きしめられて美緒は慌てた。会社だし、勤務時間なんですけど!と思うのだが、意外にも抱きしめる腕の拘束力は強くて、全く逃げ出せそうになかった。そんな美緒を宥めるかのように小林の手がゆっくり背中を撫で、その動きが優しくて美緒を一層戸惑わせた。
「もう大丈夫だから」
「…別に怖かったわけじゃ…」
「でも、手、震えてたし…」
「…っ!」
気付かれていたとは思いもしなかった事を指摘されて、美緒は身を強張らせた。側にいた朱里ですら気が付かなかったはずだし、美緒だってその時は自覚がなかったのだ。あの距離と状況で気付いていた事が信じられなかった。
「な、んで…」
「そりゃあ、美緒の事好きだから」
「……」
「いつでも、美緒が最優先だし」
「…ぅ」
これは反則だろう…弱っている時にそんな風に言われたら、負けてしまうじゃないかと美緒は揺らいでいる自分を叱咤した。いや、その前に負けるってなんだ自分…丸め込まれるなと思うのだが、好みど真ん中の顔でやられると抗い難い。流されてもいいんじゃないか…と思ってしまうのだ。これは…ダメだろう…
「う…」
「ん?」
言葉に詰まった美緒に、小林がどうした?と言いたげに顔を覗き込んできた。誰だ、イケメン無罪なんて言ったのは…これはダメだろう…
「うるさいっ!」
「なっ?」
「か、会社で何やってんのよ、あんたは!仕事よ仕事!」
「え…いや…」
「放せ!仕事に戻る!」
「あ…ああ…」
言葉がいつも以上にきつくなったのは、絶対にこいつのせいだ。決して照れ隠しとかそういう訳じゃない!そう思いながら美緒は立ち上がって小林を睨みつけようとして…固まった。呆気に取られて自分を見上げていると思った小林が…とても嬉しそうに、愛おしそうに自分を見上げていたからだ。
「な…」
「調子、戻ったな」
「は?」
「さ、戻るか。あいつらの事は任せてくれ。お前が不利になるような事は絶対にないから」
呆気に取られている美緒に、小林は笑いながらそう言って立ち上がった。頭を軽くポンポンと二回叩くと、ほら行くぞ、と言ってドアに向かったため、美緒も慌ててその後を追った。どういうつもりよ…とその背中を睨みつけながら心の中でそう呟いたが、それ以上美緒は考えるのを止めた。これ以上考えたらマズイと、そう思ったからだった。
「嘘だろ…!」
「小林の恋人は辻井じゃ…!」
二課の事務所に、三者三様の声が上がった。中には悲鳴もあったかもしれない。だが、それもそうだろう、小林の恋人は入社以来ずっと朱里だと言われていたのだ。そこにいきなり美緒の名前が上がれば不審に思うのも当然だろうし、決して仲がいいとはいえなかった美緒となれば、驚きは二重どころでは済まないだろう。
そして、一番驚いたのが当事者の美緒だった。ちょっと待て、会社では今まで通りと言っただろうに!と文句の十も言ってやりたかったが、小林はにこやかに美緒の側までくると腰に手をまわして引き寄せた。
「な…な…」
驚きすぎると人間、声も出ないらしい…どうして?何で?このタイミングで?と幾つも疑問が湧いたが、実際には何一つ言葉が出てこなかった。そんな混乱中で浮かんだ言葉は、この男は私を殺す気か?だった。これまでも小林の補佐というだけで嫌味や舌打ちが日常茶飯事だったのに、こんな事が社内の肉食女子に知れればどんな目に遭う事か…想像するのも恐ろしかった美緒は、人知れず身を震わせた。
「ちょ、ちょっと小林!ど、どういう事よ?あんなに言うなって言ったのに!」
「でも、うちの家族に会っただろう?だからもう親公認。って言うか婚約者扱い?」
「…あ、あんなの…騙し打ちじゃ…」
「ん~紹介した時点で家族全員そのつもりだけど?」
「な…」
ようやくショックから抜け出して声を荒げた美緒だったが、小林にさらりと受け流されてしまった。それどころか、帰ってきた答えが薄ら寒い…どんなつもりだなんて怖くて聞けず、それ以上問い詰める事も出来なかった。何だか聞いたら最後のような気がしたのだ。これは絶対に聞いたらダメなやつだろう…行動が予測できない奴だとずっと思っていたが、まさかこんな暴挙に出るとは思わず、美緒の頭に一瞬転職の文字がよぎった。もしかすると逃げるが勝ちかもしれない…
「ああ、逃がす気ないから。転職とか考えるなよ?」
(っ…!心読まれてる…?)
抱き寄せられ、耳元でそう囁かれた美緒は、背中が言い表せない冷気で包まれた気がした。今は夏で、エアコンは付いているが事務所内は十分に暑い。暑いはずなのに、美緒の周りだけ気温が氷点下に下がった気がした。
その後、早川と田島は課長に連れられてどこかに消えていった。去り際に課長が、ほら、仕事仕事!と声をかけたために、課内は一応いつもの空気を取り戻したように動き始めた。そんな中、美緒は小林に連れられて役員フロアの応接室に連れてこられていた。
「ちょ…何でこんなところに…」
「ああ、今の時間は来客ないし。誰も使わないから気にするな」
「気にするなって…気にするわ!」
「まぁ、落ち着けって。とりあえず座れよ」
小林に宥められながら美緒は、二人掛けソファに座らされた。さすがに役員フロアのものなだけに、高級そうな革のソファだ。ひんやりした感触が気持ちよかった。ちょっと待ってろ、と言って小林が隣の控室に消えたため、美緒は所在なく感じたが、それでも一時的に事務所から離れられた事にはホッとした。ただ、役員室の応接間登言うのは、それはそれで居心地が悪かった…小林がどんな目的で連れてきたのかもわからなかったのもあるだろう。もしかすると、今から課長か部長からの事情聴取でもあるのだろうか…
「ほらよ」
何が起きるのかと一人悶々としていた美緒だったが、小林は両手にカップを持って戻ってきて、その一つを美緒に手渡したあと、美緒の隣に座った。
「何?」
「ああ、抹茶ラテ。お前好きだろう?」
「え、あ、うん…」
何でそんなこと知っているんだと思ったら、小林はあっさりと朱里から聞いたと言った。こっちはカフェラテだけど、こっちの方がいいか?と聞いてきたため、抹茶でいいと答えた。カフェラテ、しかもあのカップのメーカーは美緒のお気に入りだ。どうやら朱里から自分の個人情報は駄々洩れらしい…うすら寒い…と思っていいだろうか…そして朱里にも口止めしておかねば…と心に誓った。
それでも、渡された抹茶ラテの温かさは、不思議と身体の強張りを解してくれた。早川はともかく、田島との対峙は思った以上に緊張を強いられていたらしい。
「火傷するなよ」
「…うん」
「美味いか?」
「…うん…」
隣に座った小林に肩を抱かれた状態の美緒だったが、不思議と嫌な感じはしなかった。いかん、絆されてる…と思ったが、抹茶ラテは美緒にとってベストな温度だった。今文句を言えば最適な温度を逃してしまいそうで、これを飲み切るまでは…と我慢した。そう、全ては抹茶ラテのためなのだ…
「危なかったな。まさか田島が手を上げる奴だとは思わなかった…」
「…」
それに関しては、美緒は僅かながらも罪悪感が湧いた。自分に原因がある自覚があったからだ。そんなつもりはなかったが、自分の言葉が田島を煽ったのは間違いないだろう。会社ではいくらなんでも…と思っていたし、田島があんなに気が短いとも思っていなかったのだ。憶測ではあるが、田島は早川にいいところを見せたかったのに、何も言い返せなくてプライドが傷ついたのだろうな、と思った。そうは言っても、二人の行動は許せるものでもないのだが…
「ちょ…なにすんよ!」
空になったカップを取り上げられたと思ったら、小林にそっと抱きしめられた。慌てて逃げようと身を捩ったが、驚いて一瞬動きが遅れたのもあり、残念ながら失敗した。ここは会社だし、その前に抱き合うような関係じゃないだろう!
「何って…怖かったんだろう?」
「は?」
朝っぱらから何するんだ!と言いかけた美緒だったが、告げられた言葉に動きを止めて思わず見上げてしまった。そこには、今までに見た事もない、痛まし気な表情のイケメンが自分を見下ろしていて、美緒は思わず息を飲んだ。その表情は反則だろう…
「間に合ってよかった…結構、ぎりぎりだったから…」
「は?え…と…」
「あんな奴に触られるのも腹立つし…殴られてたら、あいつを殴り殺していたかも…」
「はぁ?」
殴り殺すとか、いくらなんでも物騒過ぎるだろう…と思ったが、ぎゅっと抱きしめられて美緒は慌てた。会社だし、勤務時間なんですけど!と思うのだが、意外にも抱きしめる腕の拘束力は強くて、全く逃げ出せそうになかった。そんな美緒を宥めるかのように小林の手がゆっくり背中を撫で、その動きが優しくて美緒を一層戸惑わせた。
「もう大丈夫だから」
「…別に怖かったわけじゃ…」
「でも、手、震えてたし…」
「…っ!」
気付かれていたとは思いもしなかった事を指摘されて、美緒は身を強張らせた。側にいた朱里ですら気が付かなかったはずだし、美緒だってその時は自覚がなかったのだ。あの距離と状況で気付いていた事が信じられなかった。
「な、んで…」
「そりゃあ、美緒の事好きだから」
「……」
「いつでも、美緒が最優先だし」
「…ぅ」
これは反則だろう…弱っている時にそんな風に言われたら、負けてしまうじゃないかと美緒は揺らいでいる自分を叱咤した。いや、その前に負けるってなんだ自分…丸め込まれるなと思うのだが、好みど真ん中の顔でやられると抗い難い。流されてもいいんじゃないか…と思ってしまうのだ。これは…ダメだろう…
「う…」
「ん?」
言葉に詰まった美緒に、小林がどうした?と言いたげに顔を覗き込んできた。誰だ、イケメン無罪なんて言ったのは…これはダメだろう…
「うるさいっ!」
「なっ?」
「か、会社で何やってんのよ、あんたは!仕事よ仕事!」
「え…いや…」
「放せ!仕事に戻る!」
「あ…ああ…」
言葉がいつも以上にきつくなったのは、絶対にこいつのせいだ。決して照れ隠しとかそういう訳じゃない!そう思いながら美緒は立ち上がって小林を睨みつけようとして…固まった。呆気に取られて自分を見上げていると思った小林が…とても嬉しそうに、愛おしそうに自分を見上げていたからだ。
「な…」
「調子、戻ったな」
「は?」
「さ、戻るか。あいつらの事は任せてくれ。お前が不利になるような事は絶対にないから」
呆気に取られている美緒に、小林は笑いながらそう言って立ち上がった。頭を軽くポンポンと二回叩くと、ほら行くぞ、と言ってドアに向かったため、美緒も慌ててその後を追った。どういうつもりよ…とその背中を睨みつけながら心の中でそう呟いたが、それ以上美緒は考えるのを止めた。これ以上考えたらマズイと、そう思ったからだった。
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