【R18】爽やか系イケメン御曹司は塩対応にもめげない

四葉るり猫

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引っ越し前夜と男の憧れ ※

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「んんっ…やっ…ぁ…まっ…」
「ほら、声…聞こえちゃうよ?」
「ば、かぁ…誰の…っ…!」

 築十五年のこじんまりしたワンルームで、美緒はシングルベッドに押し倒されて小林に甘く責められていた。木造の古いアパートは壁も薄く、夜になれば歩く音ですらも響くような造りで、声が容易に外に漏れるのは間違いなかった。美緒の可愛い声、誰にも聞かせたくないと言った小林は、テレビを付けて誤魔化したが、それでも気付かれそうな気がして美緒は気が気でなかった。必死で声を押し殺していたが、小林はそんな状況すらも楽しむかのように美緒の身体を暴いていった。
 絶対に狙っていただろう…そう思い迂闊だったと思った美緒だったが、後の祭りだった。いくら彼女の部屋で過ごしてみたかったと言っても、部屋だけなら小林の家の方がずっと立派で居心地がいい。となれば…こういう事が目的だったのだとしか思えなかった。

「や、んんっ…まっ…」
「はぁ…美緒、可愛い…」
「かわ、い、く…なん、て…」
「可愛いの…そういうとこだよ…ほんと、可愛い…」

 可愛い、好きだと繰り返しながら、美緒の弱いところをしっかりと把握している小林の攻めは容赦なかった。胸の先端を舌で転がしながら、反対の尖端は唾液でたっぷり濡らしてから指の腹で捏ねると、美緒の身体はびくびくと跳ねた。身体を重ねた回数はそれほどでもない筈なのに、経験値の差と小林の探求心のせいか美緒の身体は本人以上に小林に掴まれていた。

「んんっ!」
「はぁ…そうやって耐えてる顔、すげーそそる…」

 胸への愛撫で既に酔わされていた美緒だったが、足の間への刺激に必死に声を抑えた。小林を押し返そうとした手は力の差で無駄だと悟り、今は声を抑えるために口を覆うしか出来ず、それでも声が漏れてしまう事が美緒の羞恥心を煽った。恥ずかしすぎるし、もう他の住民に合わせる顔がないと言ったが、小林にもう引っ越すんだから大丈夫と言われてしまった。確かにその通りではあるが、それでも恥ずかしいものは恥ずかしいのだ。

「ちょ…まっ…」
「こんな可愛い美緒を前に、待て、なんて…無理」
「むり…って…んっ!」

 ああ言えばこう言う小林相手に、美緒の抵抗は殆ど意味を成していなかった。まぁ、毎回そうではあるのだが…それでも抵抗してしまうのは恥ずかしいからだ。顔だけでなく身体も程よく筋肉がついていい体格をしている小林に対して、美緒は華奢と言えば聞こえがいいが、それは貧弱と殆ど同意語でもあった。肌の白さやきめの細かさは、まぁ、一応及第点と言ってもいいだろうが、胸もなくお尻の肉付きも薄くて、女性らしいとは言い難いのだ。

「やぁ…ん、んっ!ひゃぁ!」

 胸と秘所の上にある三つの突起を同時に捏ねるように刺激されて、美緒は背を走り抜ける刺激に背を逸らした。声を抑えようとすればするほど、身体が熱くなってお腹の奥が疼いた。

「すっげー濡れてる。もうびしょびしょ」
「ばか!そ、んな事…」

 指で秘所の入り口を浅く抜き差ししながら刺激していた小林は、溢れ出るぬめりのある蜜にはぁと熱い溜息を洩らした。その蜜の香りに誘われるかのように小林の唇が少しずつ下へと降りていったが、片手は胸の先端をまだ刺激し続けていたため、美緒はその事に気付くのが遅かった。

「ひゃぁ!」

 いきなり秘所の入り口とその上の秘豆を同時に刺激されて、美緒は声を抑える事が出来なかった。口を押えている手が、刺激に反応して与えられていた役割を為せなかったのだ。小林は舌で秘所の上の小さな突起を転がしながら、既に洪水のように蜜を溢れさせる壺の奥へと指を進めた。

「はぁ…可愛い声」
「ば、かぁ…」
「あ~その声も反則…」
「っん…んんっ…」

 声が出ている事に気が付いて慌てて手で押さえたが、いきなり襲ってきた秘所への甘く切ない攻めの前にはあまり意味はなかった。いくら今日で退去するとは言っても、こんなあられもない声を出すなんて恥ずかしすぎる。入所者の中には挨拶だけでなく会話するほど馴染みになった者もいたのだから。そうは思うのだが、次々に押し寄せる痺れるような快感にそんな思考すらも蕩けていくようだった。

「ん、っぅ…んー!」

 ぐちゅぐちゅといつもより狭い室内に淫靡な水音が響くなか、くぐもった甘い声が時折重なった。濃厚な情事の香りが室内を満たしていたが、部屋の主はもうそんな事に思い至らなかった。お腹の奥が熱く疼いて物足りなくて、切ない…

「はぁ…すげぇ、締まって…」

 既に美緒の中に小林の指が二本、三本と侵入して、バラバラにいいところを刺激して美緒を悶えさせた。恥ずかしくて目を瞑り、声を抑えなきゃと思うのに、いつもよりも感じている気がして苦しい。指がいいところに当たるたびにお腹の奥がきゅっと締まり、同時に脳にめがけてその痺れが駆け抜けた。そんな美緒の痴態を、小林は熱を帯びた目で食い入るように見つめていたが、目を閉じている美緒にはわからなかった。

「ん!やっ、ま…っ…!」
「はぁ…今日で、最後とか…もったいねぇ…」
「やっ、ま…、ひっ、んっ、んんーっ!」

 一際大きく背をしならせ、髪を振り乱しながら美緒が果てた。息が苦しくて、そしていつも以上に疲労感が重い…快楽に肌を染めながら全身で酸素を求める美緒を、小林はうっとりと眺めていた。

「あ~もう、どんだけ煽る気だよ…」

 苦笑気味にそう告げる声すらも今の美緒には届かなかった。快楽の余韻が強く残って、まだ息が整わなかったからだ。酸素が足りなくて頭がぼうっとするし、お腹の奥が熱くてまだ何かが足りない気がした。

「え…あ、まっ…」

 膝の後ろに手を添えて足を抱えあげられて、美緒はこれから先に起きる事に気が付いて、思わず制止の声を上げた。まだ息が整わないし、それ以上にこれからくる物を十分に理解していたからだ。既に熱を帯びた身体にそれは危険すぎた…しかもここは自分の壁の薄い部屋なのだ。声を抑える自信が欠片もない…

「ああ、今日はゆっくりするから」
「んっ、んんっ…――!」

 そう言うと小林は、言葉通りゆっくり美緒の中に入ってきた。痛みはないが、ゆっくり入ってきた事でかえって小林の雄の形が伝わってしまい、美緒はその感覚と羞恥に震えた。みっちりと中を埋め尽くす熱い楔に、ゾクゾクとした痺れが身体を兼ね抜けて美緒をベッドに縫い付けた。

「っ、ふぅ…きっつ…」

 苦し気な声が上から下りてきて、美緒が不思議な面持ちで目を開くと、そこには苦しそうに顔をしかめて自分を見下ろす小林がいた。目に情火が宿り、壮絶なまでの色気にむせかえるようだった。目が合うと苦しそうにしながらも笑みを浮かべ、その艶に美緒のお腹の奥がきゅっと疼いた。

「…っ…はぁ…お前なぁ…」
「な…に…」
「ああもう、今日は抑える気だったのに…」
「は、ぁ…?」

 どこが抑えているんだ、どこが!と言いたかった美緒だったが、その前に小林がゆっくりと動き始めてしまい、声にする事は出来なかった。いつもよりも緩慢な動きだが、その分雄の存在をリアルに感じてしまい、襞を擦られる度に甘い刺激がお腹の奥に響いた。

「や…っ、ま…あ、ぁあ……」

 激しさは控えめでも、安物の美緒のベッドがそれだけでギシギシと悲鳴を上げた。狭いだけに身体の置き所がなく窮屈だが、今はそれすらも快楽に変換されているようだった。両手で口を押えるのに、それでも声が漏れてテレビの音が負けそうだった。

「はぁ…美緒…美緒…」

 声を抑える苦しそうな表情すらも、今は小林を煽る要因になっているのに、美緒はその事に気が付かなかった。お腹の奥から次々と押し寄せる快楽の波は、もう逃す事が出来ないほどに高まっていた。すっかり小林に暴かれ、快楽を教え込まれた身体は、美緒の意志などお構いなしに快楽を拾った。

「やっ…こ、え…出ちゃ…んん―…!」

 声が出てしまうと怯えながらいやいやと首を振ると、小林は唇を自身のそれで塞いできた。舌が絡みついてきたが、今は声を抑えたくて仕方ない美緒は、素直にその舌の動きに従った。息苦しいのに肉厚の舌の動きにお腹の奥がきゅうきゅうと切なくなって、それがまた刺激になって美緒を苛んだ。

「ん、ん…っん!…んんん――…!」
「…っ…ぅ…」

 一際大きな波に頭の中が真っ白になって、目の奥に赤い星が飛んだ。身体が快楽の余韻にヒクンヒクンと小さく跳ね、解放された口はだらしなく開いて口の端からは飲み切れなかった唾液が糸を引いた。それがまた男の雄を再び刺激したが、酸素を求める事に必死な美緒はその事には気が付かなかった。

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