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改めて一歩を踏み出す
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小林が帰ってしまった美緒は、これまでに感じた事のない喪失感に襲われて怖くなった。何かがぽっかりとなくなってしまったように感じて、前よりも情緒不安定になった気がしたのだ。
その週の受診で医師に相談すると、医師は回復している証拠だと言い、それだけ相手が大切な存在なら、そろそろ戻ってはどうかと言われて戸惑った。美緒の実感としては、前よりも気分の振れが大きくなって悪くなっているように思うし、小林に依存しているように感じたからだ。依存するなんてロクな事がないと思っていた美緒には、医師の言葉は受け入れ難かった。
「そんなの当たり前じゃない」
医師に言われた事を母親に憤慨しながら語った美緒に、母親はあっさりそう告げた。しかも、残念な子をみるような目で、だ。
「彼氏と離れたら寂しいし、不安になって当たり前でしょうが。あんなに出来た相手なんだし」
「か、れし…?」
「それに、四六時中一緒にいたいって思うのが恋ってもんでしょう?」
「こ、恋?」
「今更何言ってんのよ…好きなんでしょう?あの子の事。こっちに戻ってから全然外に出なかったくせに、あの子に誘われたらず~っと帰ってこなかったじゃない」
「ぅぐ…」
思わず変な声を出してしまったが、美緒の戸惑いを母親はあっさりバッサリぶった切った。身も蓋もない言い方だけれど、事実なだけに反論のしようもなかった。そうか、そうなのか…改めて言葉にされると恥ずかしくて顔から火が出そうだ…
「今だから言うけど…あの子、あんたがこっちに来てからずっと連絡して来てたのよ」
「えぇ?」
「あんたが気に病むといけないから黙ってて欲しいって言うから、言わなかったけど」
「…」
「マメな子よね…あんなにかっこいいとは思わなくてびっくりしたわ」
「それは…」
「全く…あんたみたいに意地っ張りで気が強くて可愛げがないの、どこがよかったのかねぇ…」
「…お母さん…」
親なのに、我が子なのに、随分酷い言い草だな…とは思ったが、否定できなかった。自分だってそう思っていたし、今だってここまで好かれる理由がわからないのだから。
そして、自分が戻ってきてからずっと連絡していたなんて…戻ってきた頃の小林はまだ入院中で絶対安静だった筈だ。それなのに母に連絡して自分の様子を聞いていたとは…小林の怪我の程度を思うと、軽い傷なのにこうも精神的にダメージを受けている自分が恥ずかしくなった。
「職場復帰の事は置いておいて、あっちに戻ったら?恋人と一緒にいた方が回復早いし」
「え?」
「あの子が来てから、顔色も態度も大分よくなってるわよ。恋のパワーってやつ?一番いい薬なんじゃないの?」
いや、そんなに恋恋連呼しなくても…気恥ずかしくて美緒は居たたまれなかった。でもふと、そう言えば情緒不安にはなったけれど、昨日は今まで行けなかったスーパーにも行けたし、今日も一人で受診出来たな…と、前よりも不安がなくなっている自分に気が付いた。
「あんたの今の情緒不安は恋人と離れたのが原因。事件のトラウマ自体は減ったんじゃないの?」
医師には反発したが母親にそう言われると、確かにその通りなのだろうかと思えてきた。そうか、これは小林がいないせいなのか…思いもよらなかった見立てだったが、妙に納得してしまった。
そして美緒は、この時になってようやく母親にプロポーズされたと話した。経緯も内容もあれだっただけに、中々話せなかったのだ。
母親はびっくりしたが、それならさっさと向こうに戻りなさい、と言い、あんたが言えないなら私から話しておくから、と言われたが、美緒はさすがにそれは断った。今直ぐどうこうするという話じゃないし、母親には言えないがあれは小林を犯罪者にしないためのものなのだ。それにあの小林の事だ、こちらから何も言わなくても勝手に何かするだろう。それは予想と言うよりも確信に近かった。
その週の木曜日、案の定小林から連絡があった。引っ越しを考えているから一緒に見に行かないかと言うもので、既に数件物件を見繕ってあるという。小林のマンションは不安だろうから、泊るところも確保してあるとも…そこまで言われてしまうと無下にも出来ず、また母親にも重ねて向こうに行った方がいいんじゃないかと言われた美緒は、その提案に乗る事にした。
土曜日の朝、小林は車で美緒を迎えに来た。小林のマンションからここまでは、車で二時間ほどの距離にある。先週は久しぶりの出勤で疲れているのではないかと心配したが、先週は殆ど残業もせずリハビリみたいなもんだったから問題ないと言った。それよりも、美緒が戻って来てくれないと仕事をする気が起きない、いっそ辞めて美緒のいる町に引っ越したくなるからと言い出し、美緒を慌てさせた。
小林が示した物件は三件あり、一件は本宅の敷地内にある離れで、二件はマンションだった。どれも会社の近くにあり、セキュリティもしっかりしているところだ。本宅の離れは最後にしようという事で、まずはマンションから回った。
「気に入ったところ、あったか?」
マンションを二軒見て回った後、小林の本宅の離れで美緒はお茶を飲みながらこれまでの感想を聞かれた。
「どこって言われても…どこも立派過ぎて…ちょっと…」
「そっか…でもまぁ、そのうち慣れるよ」
「そう、かな?」
「そうだよ。今のところだって、最初はビビってたけど、馴染んでただろう?」
確かに今のマンションも、最初は汚したら…とか傷つけたら…と思って凄く気を使っていた。気が付けば確かに慣れていたな…と思う。だったら今日見たところもその内慣れるのだろうか…
「もう少し考えてもいい?」
「ん?ああ、いいよ」
微笑みながらそう言われて、美緒は心拍数が上がるのを感じた。今朝も母親から、恋人が~とか恋は~と散々揶揄われたせいか、いつも以上に小林を意識している自分がいた。恥ずかしくて身の置き場がない…
「それで…今日はここに泊ろうかと思うんだけど、どう?」
「…ここに?」
てっきりホテルを用意しているのだと思っていた美緒はその提案に驚いた。いくらなんでもここに泊るのはないだろう…近くの本宅には社長がいるのだから。
「ここはこの前泊まった旅館っぽいし、静かでいいぞ」
「でも…社長が…」
会社を休職している身で、ここに泊るのは非常に不義理に感じて美緒は戸惑った。まだお見舞いのお礼も言っていないのだ。それなのに離れとはいえ同じ敷地内に泊って、挨拶もなしと言う訳にはいかないだろう…
「親父たちも美緒の状況はわかってくれている。元々は俺のせいでこうなったんだし」
「でも…」
「じゃ、ホテルを取るか。この時間だといい部屋空いてるかな?」
「今、から?」
「だって、今日は取ってないし。前のマンションは嫌なんだろう?」
「あ…」
前のマンションの事が出て、美緒は以前の事を思い出して不安を感じた。でも…話に出ても前に感じたほどの恐怖を感じていない事にも気が付いた。もしかしたら…と思った美緒は、思い切って小林に提案してみた。
「本当にいいのか?」
「…うん…ダメだったら…ごめん、だけど…」
「それは構わないけど…辛くなる前に言えよ」
「うん…」
美緒は車で小林のマンションに向かっていた。以前は中に入ろうとすると過呼吸を起こして一歩も足を踏み入れる事が出来なかったが、あれから随分時間が経ったし、今は小林が一緒にいる。もしかしたら…と思ったのだ。今日は念のため不安を和らげる薬も飲んでいた。
「大丈夫か?」
あれから程なくして、二人はマンションの地下駐車場に着いた。車を止めた小林は助手席側に回り、ドアを開けて美緒の様子を伺っていた。以前、歩いて入ろうとしてダメだったが、車で強制的に入ってしまえば大丈夫なのではないか…と美緒は期待したのだ。それに、今は小林もいる。
何度か利用した事のある場所は、以前と変わりなかった。地上よりも少しだけひんやりした空気が美緒を包んだが、あまり違和感はなかった。ここからだと、すぐ側のエレベーターまで行けば部屋に辿り着ける。
周りを見渡しながら、のろのろと美緒は車を降りた。小林が心配そうに手を取ってくれていたが、足が地に着いた時も、特に不安を感じる事はなかった。
「大丈夫…みたい…」
「…そっか…」
ほっとしたように息を吐いた小林は、酷く安堵しているようにも見えた。もしかすると一番不安だったのは小林だったのかもしれないな、と美緒は思った。
「呆気なかった…」
いつものリビングでいつものソファでいつもの位置に座った美緒は、小林が入れてくれたカフェオレを一口飲んで、そう呟いた。本当に、あっけないくらいに何もなく部屋まで来てしまったのだ。以前は感じた気分の悪さや不安感もない。ただちょっと緊張して疲れは感じたけれど…
「よかった…」
「…うん」
隣に座った小林が、横からそっと抱きしめてきた。
「…引っ越し、しなくても…大丈夫かも…」
「でも…」
「全然、嫌じゃなかったし、不安も、感じなかったし…」
「…」
「完全じゃ、ないかもしれないけど…」
「…」
「克服…出来そう…」
「…そっか」
小林は尚も疑っていたが、美緒は不思議と大丈夫だという変な確信を感じていた。まだ自分の足で入っていないけれど、一人じゃないけれど、やれば出来そうな気がしたのだ。
それにド庶民の美緒にはこんなことくらいで引っ越すなんて…との思いがあった。家賃が高いだけに、敷金や礼金だってとんでもない金額な気がするし、別にこの部屋自体に嫌な思い出があるわけじゃないのだ。むしろこの部屋は景色もいいし、近くにある店には好きなものも多くて結構気に入っていた。
その週の受診で医師に相談すると、医師は回復している証拠だと言い、それだけ相手が大切な存在なら、そろそろ戻ってはどうかと言われて戸惑った。美緒の実感としては、前よりも気分の振れが大きくなって悪くなっているように思うし、小林に依存しているように感じたからだ。依存するなんてロクな事がないと思っていた美緒には、医師の言葉は受け入れ難かった。
「そんなの当たり前じゃない」
医師に言われた事を母親に憤慨しながら語った美緒に、母親はあっさりそう告げた。しかも、残念な子をみるような目で、だ。
「彼氏と離れたら寂しいし、不安になって当たり前でしょうが。あんなに出来た相手なんだし」
「か、れし…?」
「それに、四六時中一緒にいたいって思うのが恋ってもんでしょう?」
「こ、恋?」
「今更何言ってんのよ…好きなんでしょう?あの子の事。こっちに戻ってから全然外に出なかったくせに、あの子に誘われたらず~っと帰ってこなかったじゃない」
「ぅぐ…」
思わず変な声を出してしまったが、美緒の戸惑いを母親はあっさりバッサリぶった切った。身も蓋もない言い方だけれど、事実なだけに反論のしようもなかった。そうか、そうなのか…改めて言葉にされると恥ずかしくて顔から火が出そうだ…
「今だから言うけど…あの子、あんたがこっちに来てからずっと連絡して来てたのよ」
「えぇ?」
「あんたが気に病むといけないから黙ってて欲しいって言うから、言わなかったけど」
「…」
「マメな子よね…あんなにかっこいいとは思わなくてびっくりしたわ」
「それは…」
「全く…あんたみたいに意地っ張りで気が強くて可愛げがないの、どこがよかったのかねぇ…」
「…お母さん…」
親なのに、我が子なのに、随分酷い言い草だな…とは思ったが、否定できなかった。自分だってそう思っていたし、今だってここまで好かれる理由がわからないのだから。
そして、自分が戻ってきてからずっと連絡していたなんて…戻ってきた頃の小林はまだ入院中で絶対安静だった筈だ。それなのに母に連絡して自分の様子を聞いていたとは…小林の怪我の程度を思うと、軽い傷なのにこうも精神的にダメージを受けている自分が恥ずかしくなった。
「職場復帰の事は置いておいて、あっちに戻ったら?恋人と一緒にいた方が回復早いし」
「え?」
「あの子が来てから、顔色も態度も大分よくなってるわよ。恋のパワーってやつ?一番いい薬なんじゃないの?」
いや、そんなに恋恋連呼しなくても…気恥ずかしくて美緒は居たたまれなかった。でもふと、そう言えば情緒不安にはなったけれど、昨日は今まで行けなかったスーパーにも行けたし、今日も一人で受診出来たな…と、前よりも不安がなくなっている自分に気が付いた。
「あんたの今の情緒不安は恋人と離れたのが原因。事件のトラウマ自体は減ったんじゃないの?」
医師には反発したが母親にそう言われると、確かにその通りなのだろうかと思えてきた。そうか、これは小林がいないせいなのか…思いもよらなかった見立てだったが、妙に納得してしまった。
そして美緒は、この時になってようやく母親にプロポーズされたと話した。経緯も内容もあれだっただけに、中々話せなかったのだ。
母親はびっくりしたが、それならさっさと向こうに戻りなさい、と言い、あんたが言えないなら私から話しておくから、と言われたが、美緒はさすがにそれは断った。今直ぐどうこうするという話じゃないし、母親には言えないがあれは小林を犯罪者にしないためのものなのだ。それにあの小林の事だ、こちらから何も言わなくても勝手に何かするだろう。それは予想と言うよりも確信に近かった。
その週の木曜日、案の定小林から連絡があった。引っ越しを考えているから一緒に見に行かないかと言うもので、既に数件物件を見繕ってあるという。小林のマンションは不安だろうから、泊るところも確保してあるとも…そこまで言われてしまうと無下にも出来ず、また母親にも重ねて向こうに行った方がいいんじゃないかと言われた美緒は、その提案に乗る事にした。
土曜日の朝、小林は車で美緒を迎えに来た。小林のマンションからここまでは、車で二時間ほどの距離にある。先週は久しぶりの出勤で疲れているのではないかと心配したが、先週は殆ど残業もせずリハビリみたいなもんだったから問題ないと言った。それよりも、美緒が戻って来てくれないと仕事をする気が起きない、いっそ辞めて美緒のいる町に引っ越したくなるからと言い出し、美緒を慌てさせた。
小林が示した物件は三件あり、一件は本宅の敷地内にある離れで、二件はマンションだった。どれも会社の近くにあり、セキュリティもしっかりしているところだ。本宅の離れは最後にしようという事で、まずはマンションから回った。
「気に入ったところ、あったか?」
マンションを二軒見て回った後、小林の本宅の離れで美緒はお茶を飲みながらこれまでの感想を聞かれた。
「どこって言われても…どこも立派過ぎて…ちょっと…」
「そっか…でもまぁ、そのうち慣れるよ」
「そう、かな?」
「そうだよ。今のところだって、最初はビビってたけど、馴染んでただろう?」
確かに今のマンションも、最初は汚したら…とか傷つけたら…と思って凄く気を使っていた。気が付けば確かに慣れていたな…と思う。だったら今日見たところもその内慣れるのだろうか…
「もう少し考えてもいい?」
「ん?ああ、いいよ」
微笑みながらそう言われて、美緒は心拍数が上がるのを感じた。今朝も母親から、恋人が~とか恋は~と散々揶揄われたせいか、いつも以上に小林を意識している自分がいた。恥ずかしくて身の置き場がない…
「それで…今日はここに泊ろうかと思うんだけど、どう?」
「…ここに?」
てっきりホテルを用意しているのだと思っていた美緒はその提案に驚いた。いくらなんでもここに泊るのはないだろう…近くの本宅には社長がいるのだから。
「ここはこの前泊まった旅館っぽいし、静かでいいぞ」
「でも…社長が…」
会社を休職している身で、ここに泊るのは非常に不義理に感じて美緒は戸惑った。まだお見舞いのお礼も言っていないのだ。それなのに離れとはいえ同じ敷地内に泊って、挨拶もなしと言う訳にはいかないだろう…
「親父たちも美緒の状況はわかってくれている。元々は俺のせいでこうなったんだし」
「でも…」
「じゃ、ホテルを取るか。この時間だといい部屋空いてるかな?」
「今、から?」
「だって、今日は取ってないし。前のマンションは嫌なんだろう?」
「あ…」
前のマンションの事が出て、美緒は以前の事を思い出して不安を感じた。でも…話に出ても前に感じたほどの恐怖を感じていない事にも気が付いた。もしかしたら…と思った美緒は、思い切って小林に提案してみた。
「本当にいいのか?」
「…うん…ダメだったら…ごめん、だけど…」
「それは構わないけど…辛くなる前に言えよ」
「うん…」
美緒は車で小林のマンションに向かっていた。以前は中に入ろうとすると過呼吸を起こして一歩も足を踏み入れる事が出来なかったが、あれから随分時間が経ったし、今は小林が一緒にいる。もしかしたら…と思ったのだ。今日は念のため不安を和らげる薬も飲んでいた。
「大丈夫か?」
あれから程なくして、二人はマンションの地下駐車場に着いた。車を止めた小林は助手席側に回り、ドアを開けて美緒の様子を伺っていた。以前、歩いて入ろうとしてダメだったが、車で強制的に入ってしまえば大丈夫なのではないか…と美緒は期待したのだ。それに、今は小林もいる。
何度か利用した事のある場所は、以前と変わりなかった。地上よりも少しだけひんやりした空気が美緒を包んだが、あまり違和感はなかった。ここからだと、すぐ側のエレベーターまで行けば部屋に辿り着ける。
周りを見渡しながら、のろのろと美緒は車を降りた。小林が心配そうに手を取ってくれていたが、足が地に着いた時も、特に不安を感じる事はなかった。
「大丈夫…みたい…」
「…そっか…」
ほっとしたように息を吐いた小林は、酷く安堵しているようにも見えた。もしかすると一番不安だったのは小林だったのかもしれないな、と美緒は思った。
「呆気なかった…」
いつものリビングでいつものソファでいつもの位置に座った美緒は、小林が入れてくれたカフェオレを一口飲んで、そう呟いた。本当に、あっけないくらいに何もなく部屋まで来てしまったのだ。以前は感じた気分の悪さや不安感もない。ただちょっと緊張して疲れは感じたけれど…
「よかった…」
「…うん」
隣に座った小林が、横からそっと抱きしめてきた。
「…引っ越し、しなくても…大丈夫かも…」
「でも…」
「全然、嫌じゃなかったし、不安も、感じなかったし…」
「…」
「完全じゃ、ないかもしれないけど…」
「…」
「克服…出来そう…」
「…そっか」
小林は尚も疑っていたが、美緒は不思議と大丈夫だという変な確信を感じていた。まだ自分の足で入っていないけれど、一人じゃないけれど、やれば出来そうな気がしたのだ。
それにド庶民の美緒にはこんなことくらいで引っ越すなんて…との思いがあった。家賃が高いだけに、敷金や礼金だってとんでもない金額な気がするし、別にこの部屋自体に嫌な思い出があるわけじゃないのだ。むしろこの部屋は景色もいいし、近くにある店には好きなものも多くて結構気に入っていた。
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