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1、物語の始まり、あるいはチュートリアルのように
3、王子様と始まりのダンスを
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ラーフルトン伯爵家に戻った後、執事ティミオスは、騎士と一緒に伯爵に全てを報告して頭を下げた。
「以上が外出で起きた全てでございます」
「えぇ~、うちの娘がそんな事を……。いや悪い事はしていないな。どちらかといえば良い事をしたと言えるのかな。だが、孤児院はともかく盗賊退治はいかがなものか」
伯爵は頭を痛めた。妄想に行動力が伴って慈善活動を始めるとは、子供の行動とは全く予期できないものである。
「ネネツィカは確かに魔法が巧みだ。その辺の大人より強い。だが、そうは言っても10歳なのだ。判断力も身体的な強さも子供のものだ。大人が危機管理せねば」
申し訳ございません、と声を揃える騎士と執事。伯爵はなおも続けた。
「行き先の時点で貴族令嬢の外出にしては波瀾万丈すぎるのではないかと思われたら、止めるように」
そして、揃って反省顔の騎士と執事を順に見つめた。
「娘が無茶をしたのは君たちへの信頼あっての事でもあるのだろう。いつもありがとう。日々成長して難しい年頃になっていく娘を相手にするのはとても大変だろうと思うが……どうか、これからも頼むよ」
その瞳には家臣への信頼と娘への愛情が溢れているので、騎士と執事は恭しく頭を下げたのだった。
「もうすぐ中央の王都ルーングラッドでパーティがあるだろう。ひとまず、それまでは外出禁止かな」
伯爵はそう言って笑った。
父である伯爵はのんびり北領の田舎生活を満喫しているが、妻の伯爵夫人カリーナは中央への憧れも強い。そして、可愛い娘を中央の社交界にて輝かせたいとか日頃から言っていたのである。
◇◇◇
それから数日、ネネツィカは厳しく外出制限されてパーティの準備に打ち込んだ。
そして、パーティの日がやってきた。
様々な貴族の子弟が集まるパーティは、王都ルーングラッドで開催される。白い雲が悠々と流れる爽やかな青空の下での立食パーティだ。季節の花が咲き群れる白亜の王城の中庭で行われるそれは『比較的飾らないパーティ』らしいのだが、ネネツィカからすると夢の世界に迷いこんだようであった。日差しにご馳走が輪郭をつやつやさせている。
宮廷楽団が楽しく可愛らしいワルツを奏でている。
この曲はこの国では有名な曲で、亡き王妹にまつわる劇でも使われる『子犬のワルツ』というのだ。
ネネツィカは仲良くなった文学好きの令嬢とこっそり妄想を語って盛り上がった。ダンスタイムには、白いリボンとドレスを翻し、同世代の令嬢たちと一緒に初々しいダンスを踊った。最初は幼い令嬢みんなで。次は、初めて異性と。
「僕と踊ってくださいますか」
この国の第二王子エリックに手を差し出されて、ネネツィカは眼を瞬かせた。
さわさわとした囁きが場に満ちる。
とても注目されている――それは悪い感覚ではなかったけれど、なんだかドキドキして、恥ずかしかった。緊張もする。けれど、それよりなによりネネツィカを驚かせたのは彼が孤児院長の傍にいた美形だった事だ。
(あら、この方って、あの少年では?)
ぱちりと合った目が微笑んだ。
悪戯を仕掛けて、成功したときみたいな感情が相手の瞳に閃いた。
「アタクシでよければ」
ネネツィカが清楚に応えれば、エリック王子に手を取られる。リードされるのはどきどきした。2歳年上の王子エリックはダンスがネネツィカより数段上手で、とても楽しく踊らせてくれる。少年はまるで女の子の理想が現実に形を得たような、そんな存在感だった。
「先日ぶりだね」
「やっぱり、同じ方ですの?」
ターンしながら秘密の会話に花を咲かせる。景色が廻るのと逆方向に流れて、まるで2人だけの世界。よく晴れた青空みたいな王子の瞳に自分が映っているのが不思議。会場中から注目されているのが全身で感じられて、とてもドキドキする。
(アタクシが王子様に選ばれてダンスをしている姿、ティミオスが見たら喜んだでしょうに)
ティミオスは、王都には来れないのだ。
妖精の血が濃い彼は、王都に長く滞在すると体調を崩してしまう。ファーリズの中央に近ければ近いほど、妖精のが濃ければ濃いほどその症状は重い。故に、王都には妖精の血を持つ者はあまり近寄りたがらない―― 資格を得て、例外として滞在を許されし国家公務員の魔術師たちや貴族たちを覗いては。
(今度、ティミオスも王都にこれるようにしてもらおうかしら! そうしたら、アタクシが王都を案内してあげますわ)
『竜の国』は基本的に妖精種に塩対応で、滞在資格なんてそうそう貰えないらしい。しかし、ラーフルトン家とて歴史ある勇者の相棒の家柄だ。おねだりしたらいけるんじゃないかしら、とネネツィカは期待を胸に抱くのだった。
なんといっても、今目の前にいるお方といったらーーとっても偉くて、特別なのだ。
(ティミオス、アタクシすごいのよ。エリック王子様と踊っているのよ)
しかもこのエリック王子様は、ただの王子様ではない。
この国を守護する守護竜――勇気を愛する白い竜『ティーリー』に厚く加護を賜っている王子様なのだという。
御伽噺みたいなその竜が実在していて、王子の傍近く姿を見せる事もあるのだとか? 竜は何百年も王家を守っていて、国を守護していて、神様みたいな存在だ。竜の加護を持つ王子様、という存在はとてもとても特別で、凄いのだ。
(ティミオス、アタクシはすごい方とお近づきになれたみたいですのよ)
けれど執事は今日、伯爵家の留守を守っている。だから、胸の中でひとりで盛り上がる事しかできないのだ――それがすこし残念で、寂しかった。もちろん両親や兄は驚いたような顔で、ちょっと心配そうにもしつつ、ネネツィカを見守っていてくれるのだけれど。
「あちらを見てごらん」
エリック王子がいうので視線をやれば、盗賊団の下っ端だった大男が儀礼用の騎士制服姿で目礼してくる。凛々しくも人の好さそうな気配。名をオーガストというのだと、王子は教えてくれた。
そのオーガストという騎士もまた、見覚えがある男だった。
「まあ、あの方。盗賊団ではありませんの?」
ネネツィカが言えば、エリック王子はにこりとした。
「彼は僕の騎士だよ。潜入させて討伐しようとしていたら、先を越されてしまった」
エリック王子が「負けてしまったな」と笑うので、ネネツィカはふふんと得意顔になった。
「アタクシ、お父様から『戦いは速さが大事』と聞いておりますの」
「参考にしよう……親友もそんなことをよく言っているんだ。言ってる割りにあいつはトロくさいけど。君と気が合うかもね、……いや、なんでもない。忘れて」
「まあ『親友』! もっとおききしたいですが?」
「ははは! 興味を持たないでおくれ。たいしたやつじゃない」
エリック王子は親友の話はしたくないようで、その後はするすると他の話に逸らされてしまった。
楽しい時間はあっという間に過ぎて……翌朝、伯爵家にはエリック王子からの手紙が届いた。ネネツィカと婚約したいという申し出である。いわく。
「お嬢様から伯爵の教えを窺いました。速さが大事、だそうですね」
――と。
「以上が外出で起きた全てでございます」
「えぇ~、うちの娘がそんな事を……。いや悪い事はしていないな。どちらかといえば良い事をしたと言えるのかな。だが、孤児院はともかく盗賊退治はいかがなものか」
伯爵は頭を痛めた。妄想に行動力が伴って慈善活動を始めるとは、子供の行動とは全く予期できないものである。
「ネネツィカは確かに魔法が巧みだ。その辺の大人より強い。だが、そうは言っても10歳なのだ。判断力も身体的な強さも子供のものだ。大人が危機管理せねば」
申し訳ございません、と声を揃える騎士と執事。伯爵はなおも続けた。
「行き先の時点で貴族令嬢の外出にしては波瀾万丈すぎるのではないかと思われたら、止めるように」
そして、揃って反省顔の騎士と執事を順に見つめた。
「娘が無茶をしたのは君たちへの信頼あっての事でもあるのだろう。いつもありがとう。日々成長して難しい年頃になっていく娘を相手にするのはとても大変だろうと思うが……どうか、これからも頼むよ」
その瞳には家臣への信頼と娘への愛情が溢れているので、騎士と執事は恭しく頭を下げたのだった。
「もうすぐ中央の王都ルーングラッドでパーティがあるだろう。ひとまず、それまでは外出禁止かな」
伯爵はそう言って笑った。
父である伯爵はのんびり北領の田舎生活を満喫しているが、妻の伯爵夫人カリーナは中央への憧れも強い。そして、可愛い娘を中央の社交界にて輝かせたいとか日頃から言っていたのである。
◇◇◇
それから数日、ネネツィカは厳しく外出制限されてパーティの準備に打ち込んだ。
そして、パーティの日がやってきた。
様々な貴族の子弟が集まるパーティは、王都ルーングラッドで開催される。白い雲が悠々と流れる爽やかな青空の下での立食パーティだ。季節の花が咲き群れる白亜の王城の中庭で行われるそれは『比較的飾らないパーティ』らしいのだが、ネネツィカからすると夢の世界に迷いこんだようであった。日差しにご馳走が輪郭をつやつやさせている。
宮廷楽団が楽しく可愛らしいワルツを奏でている。
この曲はこの国では有名な曲で、亡き王妹にまつわる劇でも使われる『子犬のワルツ』というのだ。
ネネツィカは仲良くなった文学好きの令嬢とこっそり妄想を語って盛り上がった。ダンスタイムには、白いリボンとドレスを翻し、同世代の令嬢たちと一緒に初々しいダンスを踊った。最初は幼い令嬢みんなで。次は、初めて異性と。
「僕と踊ってくださいますか」
この国の第二王子エリックに手を差し出されて、ネネツィカは眼を瞬かせた。
さわさわとした囁きが場に満ちる。
とても注目されている――それは悪い感覚ではなかったけれど、なんだかドキドキして、恥ずかしかった。緊張もする。けれど、それよりなによりネネツィカを驚かせたのは彼が孤児院長の傍にいた美形だった事だ。
(あら、この方って、あの少年では?)
ぱちりと合った目が微笑んだ。
悪戯を仕掛けて、成功したときみたいな感情が相手の瞳に閃いた。
「アタクシでよければ」
ネネツィカが清楚に応えれば、エリック王子に手を取られる。リードされるのはどきどきした。2歳年上の王子エリックはダンスがネネツィカより数段上手で、とても楽しく踊らせてくれる。少年はまるで女の子の理想が現実に形を得たような、そんな存在感だった。
「先日ぶりだね」
「やっぱり、同じ方ですの?」
ターンしながら秘密の会話に花を咲かせる。景色が廻るのと逆方向に流れて、まるで2人だけの世界。よく晴れた青空みたいな王子の瞳に自分が映っているのが不思議。会場中から注目されているのが全身で感じられて、とてもドキドキする。
(アタクシが王子様に選ばれてダンスをしている姿、ティミオスが見たら喜んだでしょうに)
ティミオスは、王都には来れないのだ。
妖精の血が濃い彼は、王都に長く滞在すると体調を崩してしまう。ファーリズの中央に近ければ近いほど、妖精のが濃ければ濃いほどその症状は重い。故に、王都には妖精の血を持つ者はあまり近寄りたがらない―― 資格を得て、例外として滞在を許されし国家公務員の魔術師たちや貴族たちを覗いては。
(今度、ティミオスも王都にこれるようにしてもらおうかしら! そうしたら、アタクシが王都を案内してあげますわ)
『竜の国』は基本的に妖精種に塩対応で、滞在資格なんてそうそう貰えないらしい。しかし、ラーフルトン家とて歴史ある勇者の相棒の家柄だ。おねだりしたらいけるんじゃないかしら、とネネツィカは期待を胸に抱くのだった。
なんといっても、今目の前にいるお方といったらーーとっても偉くて、特別なのだ。
(ティミオス、アタクシすごいのよ。エリック王子様と踊っているのよ)
しかもこのエリック王子様は、ただの王子様ではない。
この国を守護する守護竜――勇気を愛する白い竜『ティーリー』に厚く加護を賜っている王子様なのだという。
御伽噺みたいなその竜が実在していて、王子の傍近く姿を見せる事もあるのだとか? 竜は何百年も王家を守っていて、国を守護していて、神様みたいな存在だ。竜の加護を持つ王子様、という存在はとてもとても特別で、凄いのだ。
(ティミオス、アタクシはすごい方とお近づきになれたみたいですのよ)
けれど執事は今日、伯爵家の留守を守っている。だから、胸の中でひとりで盛り上がる事しかできないのだ――それがすこし残念で、寂しかった。もちろん両親や兄は驚いたような顔で、ちょっと心配そうにもしつつ、ネネツィカを見守っていてくれるのだけれど。
「あちらを見てごらん」
エリック王子がいうので視線をやれば、盗賊団の下っ端だった大男が儀礼用の騎士制服姿で目礼してくる。凛々しくも人の好さそうな気配。名をオーガストというのだと、王子は教えてくれた。
そのオーガストという騎士もまた、見覚えがある男だった。
「まあ、あの方。盗賊団ではありませんの?」
ネネツィカが言えば、エリック王子はにこりとした。
「彼は僕の騎士だよ。潜入させて討伐しようとしていたら、先を越されてしまった」
エリック王子が「負けてしまったな」と笑うので、ネネツィカはふふんと得意顔になった。
「アタクシ、お父様から『戦いは速さが大事』と聞いておりますの」
「参考にしよう……親友もそんなことをよく言っているんだ。言ってる割りにあいつはトロくさいけど。君と気が合うかもね、……いや、なんでもない。忘れて」
「まあ『親友』! もっとおききしたいですが?」
「ははは! 興味を持たないでおくれ。たいしたやつじゃない」
エリック王子は親友の話はしたくないようで、その後はするすると他の話に逸らされてしまった。
楽しい時間はあっという間に過ぎて……翌朝、伯爵家にはエリック王子からの手紙が届いた。ネネツィカと婚約したいという申し出である。いわく。
「お嬢様から伯爵の教えを窺いました。速さが大事、だそうですね」
――と。
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