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5、北の大地と黒歴史編
32、左右はどっちがよろしいか
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3人が作るのは、農業用地向けの栄養剤、成長促進剤。
スプラサヌ草をすり潰す音がゴリゴリと響く。これ結構力仕事なんだね、とクレイがぼやいて、エリック王子が交代してあげるとネネツィカは口元をゆるゆるとにやけさせた。
「服も汚れたし、手も痛いし……休憩しない?」
こけら石が粉末状に砕かれた瓶を振れば、細かな粒がさらさら揺れて、不揃いな大きさの煌めきが目を惹いた。石は濃い灰色の塊だが、よくよく見ると小さな破片や粒の表面や断面は薄い色や濃い色様々で、砕かれて初めて内に秘めた多様な色に気づかせてくれるものだった。
「クレイ様はお姫さまですものね……よくってよ」
「ぼくはお姫さまじゃないよ」
ネネツィカはヤマギタケをキュッと絞めて貴婦人のスマイルを浮かべた。人によっては婦を腐と変換するであろう、そんな笑みだ。
『ぼくは男だぞ。お姫さまなんて言うな……っ』
『お前が可愛いから、つい』
「ふふ……」
頭の中では勝手な台詞をさも本人達が言ったかのように妄想して胸をときめかせている。
「エリック王子殿下も『そう』思われますわよね~」
「ワイルドじゃないよね」
――『可愛いよね』(自動変換)。
自分の台詞が『可愛い』に変換されているとはつゆ知らず、エリック王子は笑っている。
「こいつ、家臣に『坊ちゃん』って呼ばれてる」
示す先には少し太めの呪術師がいる。
「レネンっていうんだ。存在感が薄いけど国一番の呪術師じゃないかな?」
するとクレイは少し考えてから、そっと首を振った。
「国一番はユージェニーじゃないかなあ。ユージェニーは、フロフラワーって言ってた」
「なんて?」
「プログらう?」
「お前、言うたびに変わってるじゃないかよ」
ネネツィカはエリックの顔を見て、そういえばと呟いた。
「考えてみれば、殿下はアタクシの趣味をご存知でしたわね?」
(ティミオスったら。もうご存知なのよ、お馬鹿さんね)
当然、という顔でエリック王子が首肯する。その背後、戸口付近の柱の影からこそこそと熱の篭った視線を注ぐ少女がいることに、ネネツィカは気づいた。
(あの娘、名前をまだ知らない子ですわね。さっきからとても熱心に殿下を見つめて……)
薄青色の髪をした少女は耳が長くて、先が尖っている。北の地には妖精の血が混ざってる者も多いから、ネネツィカは慣れていた。
孤児は栄養があまり取れていないために発育不良な子どもも多い。この孤児院は環境が良い方だが、貴族の少年少女と比べれば差は明らかで、亜種族の血が混ざっていれば見た目の年齢より長く生きている者も多い。
――お忍びでも、エリック王子殿下は見るからに育ちが良くてオーラみたいなのがあるのですわ。
ネネツィカは共感を目を浮かべた。
「アタクシ、殿下は無理にワイルドになる必要はないと思うのですわ」
ネネツィカはしみじみとした。
「世の中には色々な攻めがあるのですもの。アタクシは最初にティミオスの彼氏を探しに孤児院に来た時、殿下を一眼見て思ったのです。……『ショタおにも有り』と」
――殿下はそのままでも妄想が捗るのですわ――あの少女もきっと同じ考えのはずですの!
少年たちは顔を見合わせて言葉を咀嚼しようとしている。好意みたいな感情の発露らしいとわかったので、エリック王子は初対面の自分を気に入ってくれたのだなと前向きに捉えたようだが、クレイはしきりに首を傾げて、ついにボソリと感想を洩らした。
「エリック。きみのお気に入りって、変」
(おお。エリック第二王子にはスルーされていますが、もうおひとりにはお嬢様が『変』だと理解していただけたようですね)
本当は、エリック第二王子にこそ理解していただきたいのですが――そしてそれを彼の守護竜に伝えていただきたいのですが。ティミオスはこっそりとそう思った。
何故かというと、彼の守護竜、白竜ティーリーはエリック第二王子を溺愛していて、かつ神々が大好き――ゲームの制作会社のBL二次創作禁止という二次創作ガイドラインに沿った世界を大切にしている――『腐女子』や『二次創作』に嫌悪感を示すであろう性質を持っているからだ。
ネネツィカが少女に「同志よね?」と全てわかっていると言わんばかりの笑顔を向ければ、少女はサッと柱の影に隠れてしまった。
「あら、恥ずかしがり屋さんですのね」
同志の香りがしたと思ったのですけれど、と残念がるネネツィカ。妄想とは1人でモヤモヤうふふしていても楽しいが、同志と語り合うと何倍も楽しさが増すのである。
「孤児院って初めて見たけど」
クレイはそんな少女とネネツィカを見比べるように視線を移ろわせて首を傾げた。
「妖精……混血?」
紫の瞳はそのままゆるりと護衛を見た。横幅のある太っちょの黒ローブが慌てて頭を下げるのと、言葉が意向を示したのは同時だった。
「不審人物だよ。護衛は何をしてるの? レネン」
名を呼ばれたらしき黒ローブはするすると動いて柱を囲み、あれよという間に怖がる少女を捕まえてしまった。
「クレイ様、不審人物ではありませんわ。孤児院の子どもですもの」
ネネツィカはぎょっとして怯えて身を硬くする少女のそばに駆け寄った。エリック王子も当たり前のように隣で膝をつき、護衛を止めている。
「ちょっと敵意はあったけど、オレがいるから平気だよ」
その瞳には、恐れるものは何もないって感じの余裕がある。
「この国でオレを害することができる者がいるものか」
呪術師はちょっとおろおろとして、主人を視た。主人の少年はというと、友人たちをぼんやりと見比べている。
「乱暴はおやめください」
「うんうん。ただの子どもだよ」
「そうですわ! ただ格好良い殿方に見惚れていた純情な少女ですわよ! 腐った妄想なんてしてませんわ!」
腐った妄想をしている同志だと思っているんですねお嬢様、と執事がこっそり呟いた。
「好意的な視線には見えなかったけど?」
クレイはそんな二人に戸惑いがちに声を返した。
「ぼくがおかしな事をしたみたいな顔する――それは、なぜ。ぼくから見れば、二人のほうがおかしいと思うの。だって、ぼくは敵意を感じたのだもの。竜の加護があるからってそんな風じゃ――」
「困る」と言う顔をして、クレイがエリック王子の腕を引いて護衛の後ろに下がらせようとすれば、エリック王子は眉をあげて「オレが格好良いとこ見せてる最中なのに」と唇を尖らせた。
「なんだよ、触るなよ」
「君、今はぼくの護衛だってこと、忘れてないよね? ぼくが下がれって言ったらお下がりよ」
「生意気だぞ!」
「だって、今は護衛なんでしょ……オレは護衛だからなって、自分でそう言ってたじゃない」
(またギスギスなさって……このお二人は……)
「なるほど、やっと少し分かりましたわ……エリック様へのラブ、でしたのね!」
ネネツィカは場違いにも思わず少女に意見を伺わずにはいられなかった。身についた習性のようなものである。
「それで、左右はどっちがよろしいかしら。貴方はどちらの攻めがゆかしいと思いますの?」
(ユージェニーに似てるんだ、この子)
クレイは異母妹を思い出し、ぞくりと背筋を震わせた。ああ、聖女の妹は――『匿名の聖女』なんて名前で実在の人物をモデルに名前もそのままに、男同士で愛だの接吻だの致している刺激の強い過激な聖書を作っているのだ!
「目を覚ますんだエリック、きみのお気に入りの子は変だよ」
「変なところが気に入ってるから……」
エリック王子はそう言って目を逸らした。頬が赤くなっている。エリック王子も、腐の概念までは到達できていないものの、ネネツィカが変なのは重々承知しているのだ。ティミオスはそれを悟り、「それで気に入られているとは」と感慨深い顔をした。
「まあ、エリック様が頬を染めていらっしゃるわ」
林檎のように頬を紅潮させ、ネネツィカがあやしげな単語を吐きながら喜んでいる。
――ウケデスノ……、
そんな単語の意味はわからない、かたわらの孤児の少女は、はしゃぐような照れるようなテンションのネネツィカをまっすぐに見つめていた。
「エリック、御覧よ。あの恍惚とした顔の君の婚約者を――彼女が今なにを考えているかわかる?」
目を逸らすエリック王子の肩に手を置いて、クレイが訴えかけている。
「喜んでいるのがわかるよ。オレを見て凄く喜んでる……」
それは確かに、間違いなかった。
ティミオスはやり取りを見守り、「エリック第二王子とお嬢様は、意外と相性の良いカップルなのかもしれない」と思うのだった。
スプラサヌ草をすり潰す音がゴリゴリと響く。これ結構力仕事なんだね、とクレイがぼやいて、エリック王子が交代してあげるとネネツィカは口元をゆるゆるとにやけさせた。
「服も汚れたし、手も痛いし……休憩しない?」
こけら石が粉末状に砕かれた瓶を振れば、細かな粒がさらさら揺れて、不揃いな大きさの煌めきが目を惹いた。石は濃い灰色の塊だが、よくよく見ると小さな破片や粒の表面や断面は薄い色や濃い色様々で、砕かれて初めて内に秘めた多様な色に気づかせてくれるものだった。
「クレイ様はお姫さまですものね……よくってよ」
「ぼくはお姫さまじゃないよ」
ネネツィカはヤマギタケをキュッと絞めて貴婦人のスマイルを浮かべた。人によっては婦を腐と変換するであろう、そんな笑みだ。
『ぼくは男だぞ。お姫さまなんて言うな……っ』
『お前が可愛いから、つい』
「ふふ……」
頭の中では勝手な台詞をさも本人達が言ったかのように妄想して胸をときめかせている。
「エリック王子殿下も『そう』思われますわよね~」
「ワイルドじゃないよね」
――『可愛いよね』(自動変換)。
自分の台詞が『可愛い』に変換されているとはつゆ知らず、エリック王子は笑っている。
「こいつ、家臣に『坊ちゃん』って呼ばれてる」
示す先には少し太めの呪術師がいる。
「レネンっていうんだ。存在感が薄いけど国一番の呪術師じゃないかな?」
するとクレイは少し考えてから、そっと首を振った。
「国一番はユージェニーじゃないかなあ。ユージェニーは、フロフラワーって言ってた」
「なんて?」
「プログらう?」
「お前、言うたびに変わってるじゃないかよ」
ネネツィカはエリックの顔を見て、そういえばと呟いた。
「考えてみれば、殿下はアタクシの趣味をご存知でしたわね?」
(ティミオスったら。もうご存知なのよ、お馬鹿さんね)
当然、という顔でエリック王子が首肯する。その背後、戸口付近の柱の影からこそこそと熱の篭った視線を注ぐ少女がいることに、ネネツィカは気づいた。
(あの娘、名前をまだ知らない子ですわね。さっきからとても熱心に殿下を見つめて……)
薄青色の髪をした少女は耳が長くて、先が尖っている。北の地には妖精の血が混ざってる者も多いから、ネネツィカは慣れていた。
孤児は栄養があまり取れていないために発育不良な子どもも多い。この孤児院は環境が良い方だが、貴族の少年少女と比べれば差は明らかで、亜種族の血が混ざっていれば見た目の年齢より長く生きている者も多い。
――お忍びでも、エリック王子殿下は見るからに育ちが良くてオーラみたいなのがあるのですわ。
ネネツィカは共感を目を浮かべた。
「アタクシ、殿下は無理にワイルドになる必要はないと思うのですわ」
ネネツィカはしみじみとした。
「世の中には色々な攻めがあるのですもの。アタクシは最初にティミオスの彼氏を探しに孤児院に来た時、殿下を一眼見て思ったのです。……『ショタおにも有り』と」
――殿下はそのままでも妄想が捗るのですわ――あの少女もきっと同じ考えのはずですの!
少年たちは顔を見合わせて言葉を咀嚼しようとしている。好意みたいな感情の発露らしいとわかったので、エリック王子は初対面の自分を気に入ってくれたのだなと前向きに捉えたようだが、クレイはしきりに首を傾げて、ついにボソリと感想を洩らした。
「エリック。きみのお気に入りって、変」
(おお。エリック第二王子にはスルーされていますが、もうおひとりにはお嬢様が『変』だと理解していただけたようですね)
本当は、エリック第二王子にこそ理解していただきたいのですが――そしてそれを彼の守護竜に伝えていただきたいのですが。ティミオスはこっそりとそう思った。
何故かというと、彼の守護竜、白竜ティーリーはエリック第二王子を溺愛していて、かつ神々が大好き――ゲームの制作会社のBL二次創作禁止という二次創作ガイドラインに沿った世界を大切にしている――『腐女子』や『二次創作』に嫌悪感を示すであろう性質を持っているからだ。
ネネツィカが少女に「同志よね?」と全てわかっていると言わんばかりの笑顔を向ければ、少女はサッと柱の影に隠れてしまった。
「あら、恥ずかしがり屋さんですのね」
同志の香りがしたと思ったのですけれど、と残念がるネネツィカ。妄想とは1人でモヤモヤうふふしていても楽しいが、同志と語り合うと何倍も楽しさが増すのである。
「孤児院って初めて見たけど」
クレイはそんな少女とネネツィカを見比べるように視線を移ろわせて首を傾げた。
「妖精……混血?」
紫の瞳はそのままゆるりと護衛を見た。横幅のある太っちょの黒ローブが慌てて頭を下げるのと、言葉が意向を示したのは同時だった。
「不審人物だよ。護衛は何をしてるの? レネン」
名を呼ばれたらしき黒ローブはするすると動いて柱を囲み、あれよという間に怖がる少女を捕まえてしまった。
「クレイ様、不審人物ではありませんわ。孤児院の子どもですもの」
ネネツィカはぎょっとして怯えて身を硬くする少女のそばに駆け寄った。エリック王子も当たり前のように隣で膝をつき、護衛を止めている。
「ちょっと敵意はあったけど、オレがいるから平気だよ」
その瞳には、恐れるものは何もないって感じの余裕がある。
「この国でオレを害することができる者がいるものか」
呪術師はちょっとおろおろとして、主人を視た。主人の少年はというと、友人たちをぼんやりと見比べている。
「乱暴はおやめください」
「うんうん。ただの子どもだよ」
「そうですわ! ただ格好良い殿方に見惚れていた純情な少女ですわよ! 腐った妄想なんてしてませんわ!」
腐った妄想をしている同志だと思っているんですねお嬢様、と執事がこっそり呟いた。
「好意的な視線には見えなかったけど?」
クレイはそんな二人に戸惑いがちに声を返した。
「ぼくがおかしな事をしたみたいな顔する――それは、なぜ。ぼくから見れば、二人のほうがおかしいと思うの。だって、ぼくは敵意を感じたのだもの。竜の加護があるからってそんな風じゃ――」
「困る」と言う顔をして、クレイがエリック王子の腕を引いて護衛の後ろに下がらせようとすれば、エリック王子は眉をあげて「オレが格好良いとこ見せてる最中なのに」と唇を尖らせた。
「なんだよ、触るなよ」
「君、今はぼくの護衛だってこと、忘れてないよね? ぼくが下がれって言ったらお下がりよ」
「生意気だぞ!」
「だって、今は護衛なんでしょ……オレは護衛だからなって、自分でそう言ってたじゃない」
(またギスギスなさって……このお二人は……)
「なるほど、やっと少し分かりましたわ……エリック様へのラブ、でしたのね!」
ネネツィカは場違いにも思わず少女に意見を伺わずにはいられなかった。身についた習性のようなものである。
「それで、左右はどっちがよろしいかしら。貴方はどちらの攻めがゆかしいと思いますの?」
(ユージェニーに似てるんだ、この子)
クレイは異母妹を思い出し、ぞくりと背筋を震わせた。ああ、聖女の妹は――『匿名の聖女』なんて名前で実在の人物をモデルに名前もそのままに、男同士で愛だの接吻だの致している刺激の強い過激な聖書を作っているのだ!
「目を覚ますんだエリック、きみのお気に入りの子は変だよ」
「変なところが気に入ってるから……」
エリック王子はそう言って目を逸らした。頬が赤くなっている。エリック王子も、腐の概念までは到達できていないものの、ネネツィカが変なのは重々承知しているのだ。ティミオスはそれを悟り、「それで気に入られているとは」と感慨深い顔をした。
「まあ、エリック様が頬を染めていらっしゃるわ」
林檎のように頬を紅潮させ、ネネツィカがあやしげな単語を吐きながら喜んでいる。
――ウケデスノ……、
そんな単語の意味はわからない、かたわらの孤児の少女は、はしゃぐような照れるようなテンションのネネツィカをまっすぐに見つめていた。
「エリック、御覧よ。あの恍惚とした顔の君の婚約者を――彼女が今なにを考えているかわかる?」
目を逸らすエリック王子の肩に手を置いて、クレイが訴えかけている。
「喜んでいるのがわかるよ。オレを見て凄く喜んでる……」
それは確かに、間違いなかった。
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