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6、ゲームのスタート
43、お兄様は男の子を攻略するといいです
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渋滞する馬車からいくつもの視線が集まっている。その全員が、あれはとても珍しい――「そういう生き物がいるのか」というくらい貴重な「野良竜」だと結論付けていた。
新入生と思われる華奢で可憐な貴族令嬢が何を思ってか、エスコートなしで地面にひょこりと身軽に降り立って、衆目を恐れる様子もなく胸を逸らして立っている。
(注目されるのに慣れてるんだ)
その日入学予定の少年、デミルはそう思った。
このあたりの空気はとても居心地が悪かった。けれど、デミルは口笛ひとつでそれを緩やかに心地よく直していった。
(オイラがいるのだもの。もう、こんな空気は解いてしまおう!)
――それは、デミルには簡単なのだ。
周囲にふわふわと友達妖精が寄って来て、「過ごしやすくなったね」と喜んでいる。
「見て、あの綺麗な髪。ローズクォーツみたいに優しい色だ。オイラ、好きだなぁ。あの子と友達になりたいなぁ!」
まるで、まるで、とデミルは何かを言いかけた自分に気がついた。けれど、記憶喪失のデミルにはその先の言葉が出てこない。ただ、不思議な引力みたいに自分を惹きつける彼女が気になって仕方ない。と、その時。
「ん……?」
ふわりと寄った悪戯な風妖精が、デミルがかけていた眼鏡をひょいっと取り上げてポォンと地面へと落っことしてしまった。デミルが拾おうと身を屈めると、一瞬はやくサッと寄った人影が手を伸ばし、眼鏡を拾った。
「大切な眼鏡を落としちゃったんだね。……割れてないみたい。よかった――はい、どうぞ」
鮮やかな緑の髪をした、ひょろりとして若干気弱そうな気配の少年が両手で眼鏡を慎重に確認して、デミルにかけてくれた。
「あ、ありがと!」
「どういたしまして――」
小さな声で控え目に微笑み、少年はへこりと頭を下げて、さっさと去っていった。
「公爵家の馬車も様子を見ているようだな」
道の端でつぶやくのは新入生より4歳年上の上級生オスカー・ユンク。王国の南部にひしめく小規模領地のうちのひとつを治めるユンク伯の三男で、親兄弟からは公爵家の令嬢、ないしは令息と親密な関係を築くように言い含められている。
「ここは竜の国ファーリズだぞ。妖精め」
妖精を睨みつつ、公爵家の馬車を見る目には期待もある。
「しかし、場合によっては知恵を愛する竜の加護を見れるかもしれない」
竜の加護を顕現できる者は王家の血筋のみ。それはオスカー少年にとって憧れであった。ファーリズ国に加護を与えし双竜はティーリーとアスライト。勇気を愛するティーリーは英雄譚や王族の武勇伝でもよくその加護の力が発揮されたと伝えられ、目撃者も多い。サービス精神旺盛で式典などの際に人前にその竜姿を見せに現れる事も多いが、一方のアスライトはあまり情報がない――。
「俺は希少な竜の加護を見てみたい! あんなちんけな野良じゃなくて、歌劇に出てくる『ラーシャ姫』を守ったという、美しく神々しい『守護竜』、本物のアスライトを見てみたいんだ!」
(公爵家の令息が事件をおさめようと加護を行使する、もしくは巻き込まれて加護が見れる可能性は十分にあるのでは!)
若干不謹慎だが、オスカーは固唾を飲んで妖精と野良竜、公爵家の馬車、そして少女を見守った。少女――ネネツィカを。
「さあネネツィカお嬢様、行動をどうぞ」
「ティミオス!?」
ネネツィカの傍には、いつの間にか執事がいた。当然のような顔をして一礼するティミオスは、機械的な声で淡々と同じ言葉を繰り返す。
「さあネネツィカお嬢様――ぐふっ」
ネネツィカはそんな執事にえいやっと体当たりをかました。
「お、お嬢様……」
「痛いわ! 夢ではないのね!」
ネネツィカはパシパシと執事の腰を叩いてさわさわした。
「ああ、相変わらずほっそりとして……じゃない」
一瞬恍惚となりかけたネネツィカの顔がハッと正気に帰る。お嬢様の奇行に周囲はざわざわしていたが。
「貴方、なんで急に隣に湧きましたの? おうちで留守番してるはずじゃない!」
ティミオスは確かに今朝、馬車の外でネネツィカの出立を見送ったのだ。こんなところにいるのは全くもって意味不明であった。
「ゲームが始まりましたため、サポートキャラのわたくしは必要な時にいつでもこうして『お嬢様』の隣に現れるのでございます」
しれっとした顔で語るティミオスは、得体の知れない気配を纏っていた。なんだか、冷たいような。人形のような。とても微妙な変化だけれど――、
――今まで何年も一緒にいたのに、急に知らない人になったみたい。
「貴方はアタクシの執事のティミオスでしょう……?」
「もちろんでございます、お嬢様」
滑らかに、誰にでもそう言うみたいな温度で微笑むのだ。
――なんだか今までの貴方とは違うのだわ。
ネネツィカは急にすごく寂しい気持ちになった。急に自分と彼が他人になったみたいな――ティミオスに裏切られたような気分だった。
「さあ、行動を。お嬢様――妖精を選べば妖精陣営の好感度が上がり、ドラゴンを選べば竜陣営の好感度が上がります」
ティミオスが急かすように語る声が、事務的なのだ。優しいようでいて、優しくない。
まるで、仕事みたい。
まるで、人間じゃないみたい。
ネネツィカは拳をぎゅっと握りしめた。揺らめきこみ上げる熱い感情を濃縮するみたいにきゅっと目をつぶった。そうでもしないと、みっともないことになりそうな予感がして。
「そんなの……」
硬く握りしめた拳をぶんとふりあげ、ネネツィカは叫んだ。鼻がツンとする。視界が眩しくて、少し歪だ。泣くもんか、と口を開けて、ネネツィカは叫んだ。
「どっちも知りません! 勝手に変なことに巻き込まないで……! くそくらえですわ!!」
光が拳から溢れて、光の線が周囲に花のような紋様を描いていく。地面が揺れて、ネネツィカの忠実なしもべが現れた。
ごつごつした肌。大きな岩や小さな砂、石礫が結集して形作る人に似た形態。二足の脚はしっかりと地面を踏み締めて、陽光に輪郭を光らせながら堂々とその巨体を衆目に晒す。
「いでよ、ゴレ男くん!」
現れたのは岩の巨人、ゴーレムのゴレ男くんだ。
人々がその威容に唾を飲み、悲鳴をあげ、驚嘆する。
「ゴレ男くん、2匹まとめて吹き飛ばしておしまいになって! これからアタクシは入学式ですの。喧嘩なら他所でやってくださいな!! 人を巻き込まないで!!」
ゴレ男くんがごうと空気を唸らせて、妖精と竜を吹き飛ばして――気づけばティミオスも消えていた。
「……なんなんですの!」
ネネツィカは馬車に戻り、ヘレナを想った。ヘレナも今日、入学するのだ。ああ、学院についたら真っ先にヘレナに会おう。色んなことを話して、相談してみよう。
ネネツィカは胸にそう誓うのだった。
公爵家の馬車では、ユージェニーが「私は竜の味方~!」と元気いっぱいに叫んで異母兄クレイに変な眼で見られていた。
「お兄さま、悪く思わないでほしいんですけど――私、お兄さまと今日から距離をおきます」
「突然、なに?」
異母妹の突然の宣言に、兄クレイはきょとんとした。
「学院でも家でも、必要以上にくっつかないでくださいね。別に嫌いになったとかじゃないんですけど」
「えっ、なに……? なんで? ぼく、何かした? ぼくは、ユージェニーの味方だよ……何か機嫌を損ねることをしたのなら、ごめんね」
ユージェニーは兄を無視してこれからを想う。
「私はエリック様とがっつり恋愛します」
「あ、うん……がんばって……?」
ユージェニーのきらきらした緑の眼が、夢を見ている。
妹が友人と恋愛する。
兄はそんな未来を脳裏に思い描いて、頷いた。
「良いと思うよ。応援するよ」
「お兄様は、私と距離を取りつつ男の子でも攻略するといいです」
妹はそんな兄に、一瞬だけ視線を返してにこりとした。
「えっ、うん……うん?」
「ほっといても寄ってくる奴とか、落としやすいと思いますよ」
「ごめん、意味がわからない」
「ほら、あのこっちを見てる白頭。ご覧になって」
「え、どれ?」
白頭は、なんとなく南方アイザールの血を思わせる風貌で褐色の肌に赤い瞳が印象的の上級生だ。
「あれを攻略するのよ、お兄さま」
「ユージェニー、攻略ってなに……?」
「ゲームみたいなものですよ。お好きでしょう、ゲーム」
「ゲームは好きだけど」
公爵家の馬車で、聖女による妙な講座が始まる――「あの男は甘い食べ物が苦手で、好きな食べ物は火蜥蜴の炙り焼き、好きな色は紫……」
(ぼくはどうして見知らぬ上級生の攻略をすすめられているのだろう)
兄は妹の講義を耳に、うんうんと笑顔で頷きながら妹をちらちら見た。
(距離を置くのは、もういいのかな。忘れたみたいに普通に話してるよ)
姿を透明にして傍に身を潜める呪術師のレネンが、そっと耳打ちをする。
「竜は何処かに消えてしまったようです」
「そうか」
野良竜だと騒がれているが、あれはそういう生き物なのだろうか。
「王都に妖精がいるのもおかしいけど、野良竜とかが出てくるのも変だよね。野良竜なんて、エリックの創作武勇伝の中の生き物だと思ってたよ」
友人の黒歴史手紙を思い出し、クレイはくすくすと笑って「あとでエリックに教えてあげなきゃ」と思うのだった。
新入生と思われる華奢で可憐な貴族令嬢が何を思ってか、エスコートなしで地面にひょこりと身軽に降り立って、衆目を恐れる様子もなく胸を逸らして立っている。
(注目されるのに慣れてるんだ)
その日入学予定の少年、デミルはそう思った。
このあたりの空気はとても居心地が悪かった。けれど、デミルは口笛ひとつでそれを緩やかに心地よく直していった。
(オイラがいるのだもの。もう、こんな空気は解いてしまおう!)
――それは、デミルには簡単なのだ。
周囲にふわふわと友達妖精が寄って来て、「過ごしやすくなったね」と喜んでいる。
「見て、あの綺麗な髪。ローズクォーツみたいに優しい色だ。オイラ、好きだなぁ。あの子と友達になりたいなぁ!」
まるで、まるで、とデミルは何かを言いかけた自分に気がついた。けれど、記憶喪失のデミルにはその先の言葉が出てこない。ただ、不思議な引力みたいに自分を惹きつける彼女が気になって仕方ない。と、その時。
「ん……?」
ふわりと寄った悪戯な風妖精が、デミルがかけていた眼鏡をひょいっと取り上げてポォンと地面へと落っことしてしまった。デミルが拾おうと身を屈めると、一瞬はやくサッと寄った人影が手を伸ばし、眼鏡を拾った。
「大切な眼鏡を落としちゃったんだね。……割れてないみたい。よかった――はい、どうぞ」
鮮やかな緑の髪をした、ひょろりとして若干気弱そうな気配の少年が両手で眼鏡を慎重に確認して、デミルにかけてくれた。
「あ、ありがと!」
「どういたしまして――」
小さな声で控え目に微笑み、少年はへこりと頭を下げて、さっさと去っていった。
「公爵家の馬車も様子を見ているようだな」
道の端でつぶやくのは新入生より4歳年上の上級生オスカー・ユンク。王国の南部にひしめく小規模領地のうちのひとつを治めるユンク伯の三男で、親兄弟からは公爵家の令嬢、ないしは令息と親密な関係を築くように言い含められている。
「ここは竜の国ファーリズだぞ。妖精め」
妖精を睨みつつ、公爵家の馬車を見る目には期待もある。
「しかし、場合によっては知恵を愛する竜の加護を見れるかもしれない」
竜の加護を顕現できる者は王家の血筋のみ。それはオスカー少年にとって憧れであった。ファーリズ国に加護を与えし双竜はティーリーとアスライト。勇気を愛するティーリーは英雄譚や王族の武勇伝でもよくその加護の力が発揮されたと伝えられ、目撃者も多い。サービス精神旺盛で式典などの際に人前にその竜姿を見せに現れる事も多いが、一方のアスライトはあまり情報がない――。
「俺は希少な竜の加護を見てみたい! あんなちんけな野良じゃなくて、歌劇に出てくる『ラーシャ姫』を守ったという、美しく神々しい『守護竜』、本物のアスライトを見てみたいんだ!」
(公爵家の令息が事件をおさめようと加護を行使する、もしくは巻き込まれて加護が見れる可能性は十分にあるのでは!)
若干不謹慎だが、オスカーは固唾を飲んで妖精と野良竜、公爵家の馬車、そして少女を見守った。少女――ネネツィカを。
「さあネネツィカお嬢様、行動をどうぞ」
「ティミオス!?」
ネネツィカの傍には、いつの間にか執事がいた。当然のような顔をして一礼するティミオスは、機械的な声で淡々と同じ言葉を繰り返す。
「さあネネツィカお嬢様――ぐふっ」
ネネツィカはそんな執事にえいやっと体当たりをかました。
「お、お嬢様……」
「痛いわ! 夢ではないのね!」
ネネツィカはパシパシと執事の腰を叩いてさわさわした。
「ああ、相変わらずほっそりとして……じゃない」
一瞬恍惚となりかけたネネツィカの顔がハッと正気に帰る。お嬢様の奇行に周囲はざわざわしていたが。
「貴方、なんで急に隣に湧きましたの? おうちで留守番してるはずじゃない!」
ティミオスは確かに今朝、馬車の外でネネツィカの出立を見送ったのだ。こんなところにいるのは全くもって意味不明であった。
「ゲームが始まりましたため、サポートキャラのわたくしは必要な時にいつでもこうして『お嬢様』の隣に現れるのでございます」
しれっとした顔で語るティミオスは、得体の知れない気配を纏っていた。なんだか、冷たいような。人形のような。とても微妙な変化だけれど――、
――今まで何年も一緒にいたのに、急に知らない人になったみたい。
「貴方はアタクシの執事のティミオスでしょう……?」
「もちろんでございます、お嬢様」
滑らかに、誰にでもそう言うみたいな温度で微笑むのだ。
――なんだか今までの貴方とは違うのだわ。
ネネツィカは急にすごく寂しい気持ちになった。急に自分と彼が他人になったみたいな――ティミオスに裏切られたような気分だった。
「さあ、行動を。お嬢様――妖精を選べば妖精陣営の好感度が上がり、ドラゴンを選べば竜陣営の好感度が上がります」
ティミオスが急かすように語る声が、事務的なのだ。優しいようでいて、優しくない。
まるで、仕事みたい。
まるで、人間じゃないみたい。
ネネツィカは拳をぎゅっと握りしめた。揺らめきこみ上げる熱い感情を濃縮するみたいにきゅっと目をつぶった。そうでもしないと、みっともないことになりそうな予感がして。
「そんなの……」
硬く握りしめた拳をぶんとふりあげ、ネネツィカは叫んだ。鼻がツンとする。視界が眩しくて、少し歪だ。泣くもんか、と口を開けて、ネネツィカは叫んだ。
「どっちも知りません! 勝手に変なことに巻き込まないで……! くそくらえですわ!!」
光が拳から溢れて、光の線が周囲に花のような紋様を描いていく。地面が揺れて、ネネツィカの忠実なしもべが現れた。
ごつごつした肌。大きな岩や小さな砂、石礫が結集して形作る人に似た形態。二足の脚はしっかりと地面を踏み締めて、陽光に輪郭を光らせながら堂々とその巨体を衆目に晒す。
「いでよ、ゴレ男くん!」
現れたのは岩の巨人、ゴーレムのゴレ男くんだ。
人々がその威容に唾を飲み、悲鳴をあげ、驚嘆する。
「ゴレ男くん、2匹まとめて吹き飛ばしておしまいになって! これからアタクシは入学式ですの。喧嘩なら他所でやってくださいな!! 人を巻き込まないで!!」
ゴレ男くんがごうと空気を唸らせて、妖精と竜を吹き飛ばして――気づけばティミオスも消えていた。
「……なんなんですの!」
ネネツィカは馬車に戻り、ヘレナを想った。ヘレナも今日、入学するのだ。ああ、学院についたら真っ先にヘレナに会おう。色んなことを話して、相談してみよう。
ネネツィカは胸にそう誓うのだった。
公爵家の馬車では、ユージェニーが「私は竜の味方~!」と元気いっぱいに叫んで異母兄クレイに変な眼で見られていた。
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「突然、なに?」
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「えっ、なに……? なんで? ぼく、何かした? ぼくは、ユージェニーの味方だよ……何か機嫌を損ねることをしたのなら、ごめんね」
ユージェニーは兄を無視してこれからを想う。
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「あ、うん……がんばって……?」
ユージェニーのきらきらした緑の眼が、夢を見ている。
妹が友人と恋愛する。
兄はそんな未来を脳裏に思い描いて、頷いた。
「良いと思うよ。応援するよ」
「お兄様は、私と距離を取りつつ男の子でも攻略するといいです」
妹はそんな兄に、一瞬だけ視線を返してにこりとした。
「えっ、うん……うん?」
「ほっといても寄ってくる奴とか、落としやすいと思いますよ」
「ごめん、意味がわからない」
「ほら、あのこっちを見てる白頭。ご覧になって」
「え、どれ?」
白頭は、なんとなく南方アイザールの血を思わせる風貌で褐色の肌に赤い瞳が印象的の上級生だ。
「あれを攻略するのよ、お兄さま」
「ユージェニー、攻略ってなに……?」
「ゲームみたいなものですよ。お好きでしょう、ゲーム」
「ゲームは好きだけど」
公爵家の馬車で、聖女による妙な講座が始まる――「あの男は甘い食べ物が苦手で、好きな食べ物は火蜥蜴の炙り焼き、好きな色は紫……」
(ぼくはどうして見知らぬ上級生の攻略をすすめられているのだろう)
兄は妹の講義を耳に、うんうんと笑顔で頷きながら妹をちらちら見た。
(距離を置くのは、もういいのかな。忘れたみたいに普通に話してるよ)
姿を透明にして傍に身を潜める呪術師のレネンが、そっと耳打ちをする。
「竜は何処かに消えてしまったようです」
「そうか」
野良竜だと騒がれているが、あれはそういう生き物なのだろうか。
「王都に妖精がいるのもおかしいけど、野良竜とかが出てくるのも変だよね。野良竜なんて、エリックの創作武勇伝の中の生き物だと思ってたよ」
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