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6、ゲームのスタート
53、世界のコードと王家の守護竜、おねだり坊ちゃんと囀りの呪術師
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「いやぁ~、刺激的な入学式だった……、なんであの子にあんな事をさせたのあいつ……、ありのままじゃないんかあい。あの子も可哀そうに。はー、しんどっ」
教師陣の会議を終えて、フィーリー先生ことエイヴンは肩をぐるんと回して欠伸をした。
「あー、変な恰好で固まったから腰がいてえわぁ」
――あいつが変なことするし。
――いきなりサポートキャラが出てくるから、焦るのなんの。
橙色の瞳が夜空の月を見て、瞬いた。
「はー」
「ふむ。それほどひどいなら、治癒しようか」
ふっと力の抜けた笑みを浮かべるエイヴンへと、同僚のアンドルート先生ことヴァルターがそっと手を向けた。エイヴンは友人でもある同僚にへらりと笑い、手を振った。
「お前も疲れてるだろ。いいよ、ちょっと普段使わない変な筋肉使っただけだし」
「そうか」
夜闇に溶け込むような陰鬱な長い黒髪が不機嫌そうなヴァルターの顔をいっそう印象悪く見せている。眉間に刻まれた深い皺が心配してくれているのだとわかるから、自身もだいぶ前から疲労感を覚えていたエイヴンは少しだけ元気になった。
「明日も先生やるかあ」
夜空に無数の小さな星が煌めいている。どこにいても変わらないその輝きに、エイヴンは柔らかな声を紡いだ。
「おやすみ、ヴァルター」
友に挨拶をして、エイヴンは狭くて平凡な自分の部屋へと引き上げる。
「ま、あのお嬢様はもう本命決まってるようだし。俺を口説いてくるこたぁないっしょ」
そっと吐息交じりに、苦笑するような声を吐く――エイヴン・フィーリーはずっとずっと、うんざりするくらい前から自分がゲームのキャラクターだと理解しているのだった。
◇◇◇
寮ではなく、王城の自室へと帰宅したエリック王子はそのころ――、
「今日、ネネツィカと目が合ったんだ」
嬉しさをこらえきれないといった顔でベッドに転がり、守護竜と話をしていた。白い竜、ティーリーである。
「すごく一生懸命、じーっとオレを見てたんだ! オレのことが好きって感じの眼だった! オレが壇上で格好良くスピーチできたから、すっごくキラキラした目で、ニコニコして、いっぱい拍手してくれたんだ!」
護衛として控えながら会話を耳にする騎士オーガストは自分のことのように嬉しくなってニマニマとした。
自分の主である王子は立派なお姿を魅せたのだ。
オーガストには、それがなにより誇らしく、嬉しくて堪らないのだった。
「でも、ネネツィカは途中で男子生徒と何か揉めたみたいで、先生に連れていかれちゃったんだ。注意とかされたんだろうか」
エリック王子は心配そうに呟いた。エリックには、揉めた時の声が届いていなかった。その後に取り巻きが吹き込んで来た情報も一切するりと耳に入らず、何も知らないままでいた。
それは、守護竜ティーリーが成したのだ。
「もしかして、ナンパでもされたんじゃないかな。それとも――意地悪なことを言われたとか。オレ、心配だな」
心底心配そうに呟く少年の声にオーガストはすぐさま部下を呼びつけて、その事件について調査するように命じた。
「それに、クレイもちょっとネネツィカを気にかけてるように見えたかな……、うん。クレイのスピーチ中のトラブルだったから、おかしなことじゃないんだけど」
心配事がいっぱいある。そんな風情のエリック王子に、ティーリーではやさしく子守りするような声色で囀る。
「王子。我はいつも王子の幸せを祈っている。そのためには……多少、世界のコードの書き換えくらいなら、してみせよう。ゆえに、心配をすることなくゆっくりと眠るといい」
王子に要らぬ心配をかけるライバルなど、いない。
白竜はそう微笑んだ。
「うん。ティーリーがいてくれるから、オレは安心する。……ティーリーに見放されないように、立派な王子でいるよ」
健気な少年の声が、ふと問いかける。
「そういえば、たまに言うそれはなに? 『コード』っていうの」
オーガストはそっと耳を澄ませた。
それは、彼も気になっていたことだったのだ。
ひとの身には、計り知れない世界の神秘。守護竜はそれを知っていると言われている。世界の在り方、成り立ち、仕組みを把握している、限りなく神にちかい偉大な存在。神には敵うことはないが、その存在をのぞけばこの世界で守護竜にまさる者はいない。
その言葉の数々は、人々にとっては世界の神秘の片鱗。
多くの学者たちが記録し、考察を交わし、偉大なる竜とこの世界に想いを馳せている。
「『コード』か……。それは、我にも完全に理解はできていない神々の創造の言葉だ。下手にいじると大変なことになってしまうので、滅多にいじることはないのだが」
「神々の……」
「我が王家の守護竜であるのも、コードに定められている」
――ティーリーは、それを書き換えることができるんだ。すごいや!
――安心したなら、もう休むといい。我の可愛い王子。
やりとりを耳に、オーガストは空恐ろしいものを感じてそっと腕をさするのだった。
◇◇◇
公爵家では、呪術師レネンが主クレイの夜に侍り、書きあがった手紙を受け取っていた。
それは、派閥貴族にあてた『ちょっとしたおねだり』の手紙となっている。
「どういった対応をするにせよ、真相を知るのは最初の一歩だ。敵がいるのなら、誰が敵なのかは把握しなくちゃ。ぼくはあの噂を囀らせた黒幕を探そう」
――心の底でほんのわずかに、『黒幕がエリックだったらどうしよう』と怯えながら。
――もしそうだったら?
少年は、黒ローブの従者呪術師の袖をつまんで俯いた。
「思えば、無いものを有ると長く言い通すのは限界があるのではない? つまり、つまり……」
ぼくは、そろそろ無難な形で死んでおいたほうが周囲の『味方』のためなのではないだろうか?
生きているほど、あれこれとフォローをしないといけない自分も周りも面倒なのでは?
――少年はそう思ったのだ。
ひんやりとした温度で声が返る。
「坊ちゃん、うだうだ言ってないでさっさとお休みなさい、就寝のお時間ですよ」
「……レネンは情緒がないな……」
拗ねたように言って、少年は袖を離して寝台に転がった。
手紙の宛名を確認して懐に仕舞う呪術師は、いつも当たり前にそこにいて、基本的に静かで、気配も殺していて、空気のよう。
けれどこの空気は、たまに美しく囀ることもあった。
「坊ちゃんには、このレネンがおりますよ。姿を隠し、いつもお傍におりましょう。黒竜の加護をみせよと言われた際には、このレネンが呪術にてそれらしき奇跡の真似事も演出してみせますとも」
寝台に丸くなって、少年はぱしぱしと目を瞬かせた。
「それは、頼もしいね。ぼくは歴史家を買収して国中の史書に記されし黒竜の名をレネンと改修するよう命じようか……、とはいえ、ずっとだと疲れるだろうから、たまにでよい。我が公爵家は、使用人にホワイトな労働環境でいこうと妹ユージェニーも言っていた」
呪術師は目深にかぶったフードに覆われた顔をかすかに綻ばせ、そっと頭を下げたのだった。
教師陣の会議を終えて、フィーリー先生ことエイヴンは肩をぐるんと回して欠伸をした。
「あー、変な恰好で固まったから腰がいてえわぁ」
――あいつが変なことするし。
――いきなりサポートキャラが出てくるから、焦るのなんの。
橙色の瞳が夜空の月を見て、瞬いた。
「はー」
「ふむ。それほどひどいなら、治癒しようか」
ふっと力の抜けた笑みを浮かべるエイヴンへと、同僚のアンドルート先生ことヴァルターがそっと手を向けた。エイヴンは友人でもある同僚にへらりと笑い、手を振った。
「お前も疲れてるだろ。いいよ、ちょっと普段使わない変な筋肉使っただけだし」
「そうか」
夜闇に溶け込むような陰鬱な長い黒髪が不機嫌そうなヴァルターの顔をいっそう印象悪く見せている。眉間に刻まれた深い皺が心配してくれているのだとわかるから、自身もだいぶ前から疲労感を覚えていたエイヴンは少しだけ元気になった。
「明日も先生やるかあ」
夜空に無数の小さな星が煌めいている。どこにいても変わらないその輝きに、エイヴンは柔らかな声を紡いだ。
「おやすみ、ヴァルター」
友に挨拶をして、エイヴンは狭くて平凡な自分の部屋へと引き上げる。
「ま、あのお嬢様はもう本命決まってるようだし。俺を口説いてくるこたぁないっしょ」
そっと吐息交じりに、苦笑するような声を吐く――エイヴン・フィーリーはずっとずっと、うんざりするくらい前から自分がゲームのキャラクターだと理解しているのだった。
◇◇◇
寮ではなく、王城の自室へと帰宅したエリック王子はそのころ――、
「今日、ネネツィカと目が合ったんだ」
嬉しさをこらえきれないといった顔でベッドに転がり、守護竜と話をしていた。白い竜、ティーリーである。
「すごく一生懸命、じーっとオレを見てたんだ! オレのことが好きって感じの眼だった! オレが壇上で格好良くスピーチできたから、すっごくキラキラした目で、ニコニコして、いっぱい拍手してくれたんだ!」
護衛として控えながら会話を耳にする騎士オーガストは自分のことのように嬉しくなってニマニマとした。
自分の主である王子は立派なお姿を魅せたのだ。
オーガストには、それがなにより誇らしく、嬉しくて堪らないのだった。
「でも、ネネツィカは途中で男子生徒と何か揉めたみたいで、先生に連れていかれちゃったんだ。注意とかされたんだろうか」
エリック王子は心配そうに呟いた。エリックには、揉めた時の声が届いていなかった。その後に取り巻きが吹き込んで来た情報も一切するりと耳に入らず、何も知らないままでいた。
それは、守護竜ティーリーが成したのだ。
「もしかして、ナンパでもされたんじゃないかな。それとも――意地悪なことを言われたとか。オレ、心配だな」
心底心配そうに呟く少年の声にオーガストはすぐさま部下を呼びつけて、その事件について調査するように命じた。
「それに、クレイもちょっとネネツィカを気にかけてるように見えたかな……、うん。クレイのスピーチ中のトラブルだったから、おかしなことじゃないんだけど」
心配事がいっぱいある。そんな風情のエリック王子に、ティーリーではやさしく子守りするような声色で囀る。
「王子。我はいつも王子の幸せを祈っている。そのためには……多少、世界のコードの書き換えくらいなら、してみせよう。ゆえに、心配をすることなくゆっくりと眠るといい」
王子に要らぬ心配をかけるライバルなど、いない。
白竜はそう微笑んだ。
「うん。ティーリーがいてくれるから、オレは安心する。……ティーリーに見放されないように、立派な王子でいるよ」
健気な少年の声が、ふと問いかける。
「そういえば、たまに言うそれはなに? 『コード』っていうの」
オーガストはそっと耳を澄ませた。
それは、彼も気になっていたことだったのだ。
ひとの身には、計り知れない世界の神秘。守護竜はそれを知っていると言われている。世界の在り方、成り立ち、仕組みを把握している、限りなく神にちかい偉大な存在。神には敵うことはないが、その存在をのぞけばこの世界で守護竜にまさる者はいない。
その言葉の数々は、人々にとっては世界の神秘の片鱗。
多くの学者たちが記録し、考察を交わし、偉大なる竜とこの世界に想いを馳せている。
「『コード』か……。それは、我にも完全に理解はできていない神々の創造の言葉だ。下手にいじると大変なことになってしまうので、滅多にいじることはないのだが」
「神々の……」
「我が王家の守護竜であるのも、コードに定められている」
――ティーリーは、それを書き換えることができるんだ。すごいや!
――安心したなら、もう休むといい。我の可愛い王子。
やりとりを耳に、オーガストは空恐ろしいものを感じてそっと腕をさするのだった。
◇◇◇
公爵家では、呪術師レネンが主クレイの夜に侍り、書きあがった手紙を受け取っていた。
それは、派閥貴族にあてた『ちょっとしたおねだり』の手紙となっている。
「どういった対応をするにせよ、真相を知るのは最初の一歩だ。敵がいるのなら、誰が敵なのかは把握しなくちゃ。ぼくはあの噂を囀らせた黒幕を探そう」
――心の底でほんのわずかに、『黒幕がエリックだったらどうしよう』と怯えながら。
――もしそうだったら?
少年は、黒ローブの従者呪術師の袖をつまんで俯いた。
「思えば、無いものを有ると長く言い通すのは限界があるのではない? つまり、つまり……」
ぼくは、そろそろ無難な形で死んでおいたほうが周囲の『味方』のためなのではないだろうか?
生きているほど、あれこれとフォローをしないといけない自分も周りも面倒なのでは?
――少年はそう思ったのだ。
ひんやりとした温度で声が返る。
「坊ちゃん、うだうだ言ってないでさっさとお休みなさい、就寝のお時間ですよ」
「……レネンは情緒がないな……」
拗ねたように言って、少年は袖を離して寝台に転がった。
手紙の宛名を確認して懐に仕舞う呪術師は、いつも当たり前にそこにいて、基本的に静かで、気配も殺していて、空気のよう。
けれどこの空気は、たまに美しく囀ることもあった。
「坊ちゃんには、このレネンがおりますよ。姿を隠し、いつもお傍におりましょう。黒竜の加護をみせよと言われた際には、このレネンが呪術にてそれらしき奇跡の真似事も演出してみせますとも」
寝台に丸くなって、少年はぱしぱしと目を瞬かせた。
「それは、頼もしいね。ぼくは歴史家を買収して国中の史書に記されし黒竜の名をレネンと改修するよう命じようか……、とはいえ、ずっとだと疲れるだろうから、たまにでよい。我が公爵家は、使用人にホワイトな労働環境でいこうと妹ユージェニーも言っていた」
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