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8、夏の海底洞窟と罪人の流刑地編
110、オスカーの全力営業
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「やあやあ! 宝物を獲得してまいりましたぞ! このオスカーが! このオスカーがです!」
オスカーが最奥の争乱を制して戻り、息を切らして宝を抱えて訪ねれば、警備兵がぎょっとした顔をした。今度はさすがに通してくれるだろうと期待すれば、見慣れた呪術師が渋い顔をして出てくるではないか。
「……これはこれは、ありがとうございます。後日厚く謝礼を……あっ、こら。勝手に許可なく入るんじゃありませんよっ」
差し出された手を無視して中に押し入れば、なにやらバサリバサリと布の翻る音がした。
中にいたアドルフとベルンハルトが勢いよくオスカーの両肩を掴んで制止し、後ろから呪術師レネンと警備兵が青い顔をして加わった。
「ひどいじゃありませんか! それなりに仲良くやってきたつもりなんですよ! 競争率の高い形見を必死に奪取して参ったというのに、俺は死に目にもお目にかかれぬのですかね!?」
それはもう苦労して獲って来たのだ――奪い逃げる時なんて公爵令嬢が怒り狂っていたので、死ぬかと思った。ケイオスレッグのメンバーが足止めをしてくれているが、いつまで持つか――「お嬢さんが来る前にひとことくらい褒めてくれたっていいじゃありませんか」不服を吠えたてれば、レネンが「何をトチ狂ったことを仰るんです!」と殺意を剥いて、部屋の奥の寝台から「死に目?」という呟きが零れた。おお、と声を落とせば、その瞬間に人心地がついて、部屋が明るく見えた。それにしても、部屋の中はきっちりと窓を締め切ってカーテンをかけ、至るところに布を被せた何か山のような荷物が置かれている。なんだろう。恐らく本――という思考が秒刻みの時計の針をともにオスカーの脳裏に流れていく。令息は今にも息を引き取りそうな感じではないのだなと安堵しながら。
寝着姿のクレイが怠そうにしながら寝台に身を起こし、視線を注ぐのがわかった。
「ぼくが死ぬって?」
顔色が悪く、いかにも体調が悪そうだ。しかし、起き上がる事はできて、会話もできて、思っていたよりずっとお元気そうではないか。
「これはこれはクレイ様! ご覧ください、貴方様の大事なお宝を取り戻して参りましたよこの俺が。分厚いご本一冊分くらいの苦難と冒険の果てに、お宝を無償で献上しに参りましたよこの俺が!」
「アピールがすごい」
壁際でテオドールが呟いた。布をバサバサさせていたマナが、そっと微笑む。今日も可愛いな――オスカーはさりげなくウインクをして、アドルフにどつかれた。
「お母様の!」
宝を見ると、少年が顔を輝かせた。
「取り戻してくれたのか。ありがとう、オスカー」
素直な声色で言って、クレイはレネンに「それをぼくのところに」と声かけた。これだ。これが欲しかったのだ――オスカーは戦果に心を満たされつつもう一歩踏み込んだ。
「いやいや、ここは俺の手でお渡しするという栄誉をですね」
「部屋に押し入って、なんでそんなに図々しい態度を取れるんですかね」
呆れた声が護衛から零れる。クレイは少し思案顔になった。
「俺は危険人物じゃありませんよ」
「うん……うん」
言い訳を捜す声なのは明らかだった。
「風邪が、うつる」
「俺は馬鹿だから移りません」
言い切るとアドルフが呆れた目を向けてくる。ところで風邪とは?
「執念がすごい」
護衛たちは無言で部屋の中の荷物をちらちらしている。
「物にも触れませんぞ!」
「うん、――うん」
特有の煮え切らない調子で言ってから、クレイはぺたりと素足を寝台の外におろしてするりと室内履きをひっかけ、「坊ちゃん!」レネンの悲鳴を背景に自力でこちらに向かうようだった。
「あ、いえ。俺がそちらに――」
周囲が止めたり支えたりするより先に、少年の足元があっさりとふらついて、よろけた体が倒れ込む。レネンが太っちょに見合わぬ俊敏さで駆け寄って、抱き留めたが。今のは俺が株を上げるチャンスだったのに――オスカーは周囲を固める護衛たちを恨んだ。
「あっ」
倒れ際に掴んだ布が引かれ、室内に隠していた荷が露わになった。
中身は、予想していた通りの本だった。
「ほう……」
オスカーは無遠慮にそれを見た。がっつりと眺めた。視るなという周囲の気配を感じて、ますます熱心に見つめた。
「これを隠していらした。なるほど」
それは、薄い本だった。学院で『お嬢さん』が見せてくれたような本だ。
「ほう、ほう、ほう」
「こ、これは……!」
慌てた少年の手が触れて、積み荷が崩れる。サッと視線を配り、『共通事項』に気付いたオスカーは室内に悲鳴があがるのをたっぷりと楽しんでから、したり顔で言葉を続けてやった。さぞお困りでしょうと思いながら、緩まった護衛たちを振りほどいてずかずかと近寄り、手に形見をお渡しして。
「クレイ様は――」
「ち、違うよっ……!?」
「――クレイ様は、『勇者伝説がお好き』でいらっしゃるのですかな!」
「……っ?」
「奇遇ですね、俺もですッ!!」
間近で慌てふためいていた端正な顔立ちが、きょとんとした。どうにも幼い、と思いながらハンカチで汗を拭ってやり、ここぞとばかりにオスカーは自分と伯爵家を売り込んだ。
「我が伯爵家は他国と交流が活発なのもあり、国外の希少な勇者関連の品々に触れる機会も多いのですがね。いや、公爵家ともなれば当然国外品も容易く揃えられておられるやもしれませんが、拝見した限りこちらにある品々は、国内品ばかりのご様子――よければ他国から勇者のご本や勇者にまつわる宝をお取り寄せしましょうか?」
これだ。
これが絶対に刺さる。
もう間違いない。ここで勝負だ!
一息に言い切ってどうだと反応を見たオスカーは、息を呑んだ。
「……」
なんとあのクレイの眼がキラキラと輝いて感激した様子で自分を見ているではないか!
「それだ!」
下手すれば形見より喜んでいるのではないか。それほどの歓びが伝わってくる。
「素晴らしい。それをぜひ頼む」
「お、おお。喜んでいただけましたか」
「とても!」
興奮した様子の熱い手がオスカーの手をつかんで、レネンがあたふたしている。オスカーは人が変わったように全身で歓びを溢れさせる令息を見て、本気で心配になった。熱で頭が……という噂が脳裏を巡るほど。
クレイは「ああ、ユージェニーには内緒で頼むよ。実は、あの子に知られると困るので公爵家の力を使って動きにくかったんだ」と息を吐き、林檎のような顔で「世界中の勇者関連の品をもってくるんだ。残らず、全部、ありったけ。なんなら本人を連れてきてもいい。褒美は望むままに出すよ!」と宣言して、そのまま力尽きるようにくたりとした。本人とは? 大丈夫ですか? 介抱しようとすれば「シャーッ!」レネンが怒り狂ってオスカーを部屋の外に放り出したが、オスカーはもうレネンなど気にならなかった。何故なら、直々に依頼をされたのだから、とても頼られているのだから!
(レネンにできないことが、この俺にはできるわけだ)
それはたいそう価値のある事実のように、オスカーには思われた。
――そして、ふいに視た窓の外に、大きな白竜がいることに気が付いたのだった。
オスカーが最奥の争乱を制して戻り、息を切らして宝を抱えて訪ねれば、警備兵がぎょっとした顔をした。今度はさすがに通してくれるだろうと期待すれば、見慣れた呪術師が渋い顔をして出てくるではないか。
「……これはこれは、ありがとうございます。後日厚く謝礼を……あっ、こら。勝手に許可なく入るんじゃありませんよっ」
差し出された手を無視して中に押し入れば、なにやらバサリバサリと布の翻る音がした。
中にいたアドルフとベルンハルトが勢いよくオスカーの両肩を掴んで制止し、後ろから呪術師レネンと警備兵が青い顔をして加わった。
「ひどいじゃありませんか! それなりに仲良くやってきたつもりなんですよ! 競争率の高い形見を必死に奪取して参ったというのに、俺は死に目にもお目にかかれぬのですかね!?」
それはもう苦労して獲って来たのだ――奪い逃げる時なんて公爵令嬢が怒り狂っていたので、死ぬかと思った。ケイオスレッグのメンバーが足止めをしてくれているが、いつまで持つか――「お嬢さんが来る前にひとことくらい褒めてくれたっていいじゃありませんか」不服を吠えたてれば、レネンが「何をトチ狂ったことを仰るんです!」と殺意を剥いて、部屋の奥の寝台から「死に目?」という呟きが零れた。おお、と声を落とせば、その瞬間に人心地がついて、部屋が明るく見えた。それにしても、部屋の中はきっちりと窓を締め切ってカーテンをかけ、至るところに布を被せた何か山のような荷物が置かれている。なんだろう。恐らく本――という思考が秒刻みの時計の針をともにオスカーの脳裏に流れていく。令息は今にも息を引き取りそうな感じではないのだなと安堵しながら。
寝着姿のクレイが怠そうにしながら寝台に身を起こし、視線を注ぐのがわかった。
「ぼくが死ぬって?」
顔色が悪く、いかにも体調が悪そうだ。しかし、起き上がる事はできて、会話もできて、思っていたよりずっとお元気そうではないか。
「これはこれはクレイ様! ご覧ください、貴方様の大事なお宝を取り戻して参りましたよこの俺が。分厚いご本一冊分くらいの苦難と冒険の果てに、お宝を無償で献上しに参りましたよこの俺が!」
「アピールがすごい」
壁際でテオドールが呟いた。布をバサバサさせていたマナが、そっと微笑む。今日も可愛いな――オスカーはさりげなくウインクをして、アドルフにどつかれた。
「お母様の!」
宝を見ると、少年が顔を輝かせた。
「取り戻してくれたのか。ありがとう、オスカー」
素直な声色で言って、クレイはレネンに「それをぼくのところに」と声かけた。これだ。これが欲しかったのだ――オスカーは戦果に心を満たされつつもう一歩踏み込んだ。
「いやいや、ここは俺の手でお渡しするという栄誉をですね」
「部屋に押し入って、なんでそんなに図々しい態度を取れるんですかね」
呆れた声が護衛から零れる。クレイは少し思案顔になった。
「俺は危険人物じゃありませんよ」
「うん……うん」
言い訳を捜す声なのは明らかだった。
「風邪が、うつる」
「俺は馬鹿だから移りません」
言い切るとアドルフが呆れた目を向けてくる。ところで風邪とは?
「執念がすごい」
護衛たちは無言で部屋の中の荷物をちらちらしている。
「物にも触れませんぞ!」
「うん、――うん」
特有の煮え切らない調子で言ってから、クレイはぺたりと素足を寝台の外におろしてするりと室内履きをひっかけ、「坊ちゃん!」レネンの悲鳴を背景に自力でこちらに向かうようだった。
「あ、いえ。俺がそちらに――」
周囲が止めたり支えたりするより先に、少年の足元があっさりとふらついて、よろけた体が倒れ込む。レネンが太っちょに見合わぬ俊敏さで駆け寄って、抱き留めたが。今のは俺が株を上げるチャンスだったのに――オスカーは周囲を固める護衛たちを恨んだ。
「あっ」
倒れ際に掴んだ布が引かれ、室内に隠していた荷が露わになった。
中身は、予想していた通りの本だった。
「ほう……」
オスカーは無遠慮にそれを見た。がっつりと眺めた。視るなという周囲の気配を感じて、ますます熱心に見つめた。
「これを隠していらした。なるほど」
それは、薄い本だった。学院で『お嬢さん』が見せてくれたような本だ。
「ほう、ほう、ほう」
「こ、これは……!」
慌てた少年の手が触れて、積み荷が崩れる。サッと視線を配り、『共通事項』に気付いたオスカーは室内に悲鳴があがるのをたっぷりと楽しんでから、したり顔で言葉を続けてやった。さぞお困りでしょうと思いながら、緩まった護衛たちを振りほどいてずかずかと近寄り、手に形見をお渡しして。
「クレイ様は――」
「ち、違うよっ……!?」
「――クレイ様は、『勇者伝説がお好き』でいらっしゃるのですかな!」
「……っ?」
「奇遇ですね、俺もですッ!!」
間近で慌てふためいていた端正な顔立ちが、きょとんとした。どうにも幼い、と思いながらハンカチで汗を拭ってやり、ここぞとばかりにオスカーは自分と伯爵家を売り込んだ。
「我が伯爵家は他国と交流が活発なのもあり、国外の希少な勇者関連の品々に触れる機会も多いのですがね。いや、公爵家ともなれば当然国外品も容易く揃えられておられるやもしれませんが、拝見した限りこちらにある品々は、国内品ばかりのご様子――よければ他国から勇者のご本や勇者にまつわる宝をお取り寄せしましょうか?」
これだ。
これが絶対に刺さる。
もう間違いない。ここで勝負だ!
一息に言い切ってどうだと反応を見たオスカーは、息を呑んだ。
「……」
なんとあのクレイの眼がキラキラと輝いて感激した様子で自分を見ているではないか!
「それだ!」
下手すれば形見より喜んでいるのではないか。それほどの歓びが伝わってくる。
「素晴らしい。それをぜひ頼む」
「お、おお。喜んでいただけましたか」
「とても!」
興奮した様子の熱い手がオスカーの手をつかんで、レネンがあたふたしている。オスカーは人が変わったように全身で歓びを溢れさせる令息を見て、本気で心配になった。熱で頭が……という噂が脳裏を巡るほど。
クレイは「ああ、ユージェニーには内緒で頼むよ。実は、あの子に知られると困るので公爵家の力を使って動きにくかったんだ」と息を吐き、林檎のような顔で「世界中の勇者関連の品をもってくるんだ。残らず、全部、ありったけ。なんなら本人を連れてきてもいい。褒美は望むままに出すよ!」と宣言して、そのまま力尽きるようにくたりとした。本人とは? 大丈夫ですか? 介抱しようとすれば「シャーッ!」レネンが怒り狂ってオスカーを部屋の外に放り出したが、オスカーはもうレネンなど気にならなかった。何故なら、直々に依頼をされたのだから、とても頼られているのだから!
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