幼馴染Vtuverがビジネスてぇてぇから本当のラブパートナーに発展した話

浅草ゆうひ

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1、『雪柳 メイ』楓視点

3、オフで会ってみたら、幼馴染だった件について!?

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 『ガク』さんと俺が待ち合わせをしたのは、駅から100メートルほど歩いたところにあるおしゃれでレトロな喫茶店。
 クリームソーダが写真共有SNSアプリに映えると話題の店だ。
 日差しが燦燦さんさんと注いであったかな窓際まどぎわ席で、俺はメニューを覗く。

 窓の外には、自然な緑の葉っぱが見えている。
 このお店を隠すみたいに繁る葉っぱも有名で、看板なんかは埋もれるみたいになっていて、雰囲気、秘密基地って感じなのだ。


   3、オフで会ってみたら、幼馴染だった件について!?

 スマートフォンでメッセージを確認すれば、ゆるキャラのスタンプが送信されている。
(……かわいい) 
 指を滑らせてフリック入力でメッセージを綴る。
『俺は窓際席にいます、目印に黒い帽子に白い帽子を重ねてテーブルに置いてます』
 
 ガクさんが返してくる速度が速い。

『黒の上に白?』

 メッセージを見て、俺はスタンプを選んだ。
 お気に入りの白猫のやつ。
 手でまるを作ってて、いえすって書いてるスタンプだ。

『いえすっ』
 すると、文字のメッセージの送信通知と同時に誰かが近づいてきた。背が高い――同じ年ごろ。
(あ、ガクさんだ) 
 メッセージアプリには、文字が出ている。
『逆にしよう』

「逆?」
 声に出して言えば、目の前に座る『ガクさんの中の人』がうなずいた。

「どうも、こんちは。かえでくん?」
 ガクさんの中の人は同じくらいの年頃で、俳優さんやモデルのように都会的な雰囲気のあるイケメンだ。
 ――イケメンだ!!
 まず、それが衝撃しょうげきだった。

「俺、『れい』です」
 チャットアプリで事前に教えてくれていた本名を口にして、零さんが軽く頭を下げた。
「あっ、……こんにちは。その、いつもお世話になって――」
 
 アバターなしで顔出しした方がウケるんじゃ? と思ってしまうほどの美形ぶりに息を呑み、次いで俺は「あれっ」と驚いた。

(こ、この人……いや、ちょっとビビるくらい凄い格好良くなってるけど、幼稚園から小学校低学年のころよく遊んだ幼馴染おさななじみの『れーくん』じゃん?)

 れーくんは、登下校も一緒にしていて、互いの家に遊びに行ったりしていた仲良しだったのだ。
 でも、転校してしまった。
 転校してしばらくメッセージアプリでやり取りもしていたけど、少しずつ頻度ひんどが減って、アカウントを変えたのか、気付いたら消えていた――そんな自然消滅的に関係が途切れた友達だ。
 
 名前もそういえば『れい』だもん。
 ――あっちは、俺のことわかるのかな。

「えと……」
(聞いてみよっか)
 ――俺のこと、わかる? 昔よく遊んだね……って。
「ぼ、俺のこと――」
「初めまして」

 零さんがつるりとした声で言って、俺の言葉はそこで飲み込むことになった。

(あっ、わかんないんだ。忘れてる……そ、そっか?)
 じんわりとそんな現実を受け止めて、俺の心がそよそよとした。
 寂しいような、それもいいか、みたいな。
 そんな大したことじゃない――自分を取り成すように思うのは、そんなことだった。

「俺、SNSのオン友達とリアルで会う『オフ』は初めてだから、ちょっと緊張してる」
「俺も」
 ふにゃりと笑顔を向ければ、零さんがちょっと目を見開いてから口元を手で覆い、そっと視線を逸らした。

「あ……、ソーダ頼もっか」
「ん、」
 豊富な色のクリームソーダの写真が並ぶメニューは、見てるだけで気分がアガる。

「ちょこの、これ頼むか」
 マシュマロトーストを指して、零さんが目を細める。

 そうそう、れーくんは甘いの好きだった。
 懐かしく思い出しながら、俺はニコニコした。
 
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