6 / 65
6話 大事なことを忘れてました!
しおりを挟む
私とネネはあまりにも驚いて息をするのを忘れていた。
「ぷはぁ!」
とりあえず深呼吸をした。
そして、改めて猫ちゃんを見た。
いや、猫ではなく
「黒ヒョウ····」
キース隊長は私の言葉に頷いた。
「そうです。野生の黒ヒョウです。黒ヒョウ自体が希少ですね。普段は森林の奥深くに生息しており、めったに見かけることもありません。」
「·····」
「多分、そのこは仔ヒョウでしょう。」
「赤ちゃんなの?それにしては大きいわ。」
私の言葉にキースはクスリと笑い
「黒ヒョウの成体は三メートル近くにまで大きくなります。私も実際は一度しか見たことはないのですが、かなり大きいです。それにしても小さな仔なので、恐らくは親を殺されたのかと····」
「まあ!」
親が殺されたなんて!
「それは分かりませんが、こんな小さな仔ヒョウを一匹で歩かせることなどないと思いますので。足のケガは親を探して歩き回っている時に襲われて出来た傷でしょう。」
「·····」
可哀想に····
「アリア様、黒ヒョウは野生に帰すべきだと思います。それに、もしかしたら親は生きていて、その仔を探しているかもしれません。」
キース隊長は私の手を取り、キース隊長の大きい手で私の手を包み込むように握ってきた。
「で···ですが、この仔の親が本当に居なかったら····」
確かにキース隊長の言う通り、本来なら野生に帰すのがいいのだろうけど····。
私が悩んでいると、キース隊長は握っている手に力を入れた。
そして私は決断した。
「キース隊長、私はやっぱりこの仔を飼うわ。」
「アリア様!」
キース隊長は困惑した顔で私を見つめた。
「やはり、親がいるか分からない状態で、森に帰すことはできないわ。」
私は真剣な目でキース隊長を見つめた。
しばし、私たちは見つめ合って···キース隊長から目を反らした。
「····分かりました。アリア様がそこまで決意が固いのであれば仕方がないですね。」
「ありがとう!」
私は笑顔になり、今度は私からキース隊長の手を握った。
キース隊長は少し驚いた目をして、すぐにうっとりした顔になり、ゆっくりと自分の顔を私の顔に近づけてきた····
「ウホン!」
ネネが咳払いをした。
キース隊長は、ハッと、我に返り
「では、これで失礼します!これから出発しますので!」
馬車からそそくさと出て行った。
さっきのは何だったのでしょう?
「キース様はもしやアリア様狙い?」
ネネは何かぶつぶつと独り事を言っている。
「ミィー」
黒ヒョウの赤ちゃんの鳴き声が聞こえた。
私は急いで黒ヒョウの赤ちゃんの元へ行った。
黒ヒョウの赤ちゃんは一瞬ビクッとして
「グルルゥ」
唸ってきた。
「大丈夫だよ。これから一緒に居ようね。私がそばいてあげるよ。」
私は脅かさないように揺りかごの手前で止まり、じっと黒ヒョウの赤ちゃんを見つめた。
黒ヒョウの赤ちゃんは徐々に唸り声を小さくしていき、そのタイミングで噛まれる覚悟で目の前に手を出した。
黒ヒョウの赤ちゃんはしばらく私の手を見ていたが、クンクンと臭いを嗅ぎ、舌を出してペロッと舐めてきた。
やった!
私は嬉しくてもう片方の手で頭を撫でた。
黒ヒョウの赤ちゃんは気持ち良さそうに、ゴロゴロと喉を鳴らし始めた。
「アリア様、良かったですね!もっと暴れて、慣れるまで時間かかると思ってました!」
「ええ!」
それから後は、私たちは黒ヒョウの赤ちゃんに振り回された。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
黒ヒョウの赤ちゃんは「ピューマ」と名付けた。
ピューマの食べ物は何か分からないので、肉をあげたが食べず、乳も牛のをあげたら一口舐めて飲まず、最後にヤギの乳をあげたら、一心不乱に飲んだ。よほどお腹が空いていたらしく、「ミィーミィー」と催促され、何回もお代わりをした。
コイル村に着いたらヤギの乳を分けて貰わないといけないわ。
かなりの量をもってきたが、そんなにもたない気がする。
ピューマは私の膝の上で寝るのが好きらしくしょっちゅう乗ってくる。
私はピューマを撫でながら観察した。
耳は丸い。猫の耳の先はとんがっているから確かに猫とは違う。舌はざらざらしていて舐められたら少し痛い。
まだ小さいのに身体に見合わない牙をもっていた。よく見ると手足もがっしりしていてとても太い。
成体になったらかなり大きくなりそうだわ····。
そんなことを思い耽っていると、
「アリア様、そろそろコイル村に到着するそうです。」
「そう。分かったわ。ありがとう。」
コイル村は我が国の領地。なので、キース隊長やランクス副隊長は有名で、特にキース隊長は顔が知れ渡っていた。
国を逃亡した流れものや、所謂盗賊などをよく討伐部隊で各地に回っているからだ。
キース隊長は我が国では5本指に入るくらい剣術が強くて有名なのだ。
急に馬車が停まった。
どうしたのかしら?
私が小窓を覗くと、キース隊長がこちらへ向かっていた。
私はすぐにネネに馬車のドアを開けるように指示をした。
「失礼します。」
入ってきたのはキース隊長とランクス副隊長だった。
二人が座るのを見て話かける
「どうかしたのかしら?」
「はい。確認をしたく。」
「???」
私は分からずネネを見たが、ネネも首を傾げた。
「一応商人の一行となってますが、アリア様か、ネネ殿のどちらかが、商人登録をされてるのでしょうか?あと、商人の商会の名前もコイル村に言わなければなりません。それで····どうかなさいましたか?」
私とネネは、きっと真っ青な顔をしているに違いない。
「····してないわ····」
「え?」
キース隊長が前のりになり聞き返してきた。
「····商人登録してないわ···そもそもそんなの必要なんて知らなかったわ。」
「「はああ!?」」
キース隊長もランクス副隊長ものけ反って驚いていた。
「ア、アリア様!それは本当ですか?」
ランクス副隊長が我を思い出したのであろう、聞いてきた。
「ええ。そもそも、そんな仕組みがあるなんて知らなかったわ。」
キース隊長もランクス副隊長も呆れた顔をした。
だが、キース隊長はすぐに真顔になり対策を言ってきた。
「とりあえず、コイル村なら何度も行っているので交渉してみます。」
頼もしいわ!キース隊長!
「本来なら村に入る為には身分証明になる商人ギルドカードが必要になります。まだ我が国の領地だから良いものの、リンカーヌ王国には通用しません。コイル村で商人ギルドに行き登録しましょう。」
「ええ、そうね。ごめんなさい···」
私はシュンとした。
落ち込んだ私を見て、キース隊長はオロオロしはじめて
「いや!その!知らなかったのですし、仕方がありません。コイル村で登録すればいいことなので!」
手振り素振りで慰めてくれた。
ランクス副隊長は私の元へきて、私の肩を抱き
「大丈夫ですよ。確認して正解でした。コイル村に着く前にわかって良かったじゃないですか。」
満面の笑顔を私に向けて、反対の手で私の手を握ってきた。
「ありがとう····。」
「では、行きましょう。ランクス副隊長。」
キース隊長はさっきとうって変わり、むすっとした顔でランクス副隊長が私の肩に置いていた手をぐいっと持ち上げ離した。
ランクス副隊長も不機嫌そうにキース隊長を睨む。
「やだ!火花散らしてるぅ!」
ネネがぼそっと呟いて面白そうにニヤニヤしている。
····ネネ····貴女はキース隊長狙いではないの···?
二人は馬車から下り、馬車が動き始めた。
「はあ。」
またやっちゃった。
私が落ち込んでいると、
「ミィーミィー」
ピューマが私の足元にきた。私が手を出すとペロペロと舐めている。
「ピューマ、慰めてくれてるの?」
私はピューマを抱っこし、もふった!
ちょっと埃くさいけど、
「柔らかーい!気持ちいいー!」
ピューマのお腹に顔を埋める。毛は凄く柔らかくて気持ち良かった。
ピューマは最後の辺は嫌がっていたが、私はコイル村に着くまでもふもふを満喫していた。
おかげで落ち込んだ気持ちを浮上したわ!
ありがとう!ピューマ!
落ち込んでいても仕方がない!コイル村に着いたらやるべき事をやらなくちゃ!
私は気持ちを新たにコイル村へと向かった。
「ぷはぁ!」
とりあえず深呼吸をした。
そして、改めて猫ちゃんを見た。
いや、猫ではなく
「黒ヒョウ····」
キース隊長は私の言葉に頷いた。
「そうです。野生の黒ヒョウです。黒ヒョウ自体が希少ですね。普段は森林の奥深くに生息しており、めったに見かけることもありません。」
「·····」
「多分、そのこは仔ヒョウでしょう。」
「赤ちゃんなの?それにしては大きいわ。」
私の言葉にキースはクスリと笑い
「黒ヒョウの成体は三メートル近くにまで大きくなります。私も実際は一度しか見たことはないのですが、かなり大きいです。それにしても小さな仔なので、恐らくは親を殺されたのかと····」
「まあ!」
親が殺されたなんて!
「それは分かりませんが、こんな小さな仔ヒョウを一匹で歩かせることなどないと思いますので。足のケガは親を探して歩き回っている時に襲われて出来た傷でしょう。」
「·····」
可哀想に····
「アリア様、黒ヒョウは野生に帰すべきだと思います。それに、もしかしたら親は生きていて、その仔を探しているかもしれません。」
キース隊長は私の手を取り、キース隊長の大きい手で私の手を包み込むように握ってきた。
「で···ですが、この仔の親が本当に居なかったら····」
確かにキース隊長の言う通り、本来なら野生に帰すのがいいのだろうけど····。
私が悩んでいると、キース隊長は握っている手に力を入れた。
そして私は決断した。
「キース隊長、私はやっぱりこの仔を飼うわ。」
「アリア様!」
キース隊長は困惑した顔で私を見つめた。
「やはり、親がいるか分からない状態で、森に帰すことはできないわ。」
私は真剣な目でキース隊長を見つめた。
しばし、私たちは見つめ合って···キース隊長から目を反らした。
「····分かりました。アリア様がそこまで決意が固いのであれば仕方がないですね。」
「ありがとう!」
私は笑顔になり、今度は私からキース隊長の手を握った。
キース隊長は少し驚いた目をして、すぐにうっとりした顔になり、ゆっくりと自分の顔を私の顔に近づけてきた····
「ウホン!」
ネネが咳払いをした。
キース隊長は、ハッと、我に返り
「では、これで失礼します!これから出発しますので!」
馬車からそそくさと出て行った。
さっきのは何だったのでしょう?
「キース様はもしやアリア様狙い?」
ネネは何かぶつぶつと独り事を言っている。
「ミィー」
黒ヒョウの赤ちゃんの鳴き声が聞こえた。
私は急いで黒ヒョウの赤ちゃんの元へ行った。
黒ヒョウの赤ちゃんは一瞬ビクッとして
「グルルゥ」
唸ってきた。
「大丈夫だよ。これから一緒に居ようね。私がそばいてあげるよ。」
私は脅かさないように揺りかごの手前で止まり、じっと黒ヒョウの赤ちゃんを見つめた。
黒ヒョウの赤ちゃんは徐々に唸り声を小さくしていき、そのタイミングで噛まれる覚悟で目の前に手を出した。
黒ヒョウの赤ちゃんはしばらく私の手を見ていたが、クンクンと臭いを嗅ぎ、舌を出してペロッと舐めてきた。
やった!
私は嬉しくてもう片方の手で頭を撫でた。
黒ヒョウの赤ちゃんは気持ち良さそうに、ゴロゴロと喉を鳴らし始めた。
「アリア様、良かったですね!もっと暴れて、慣れるまで時間かかると思ってました!」
「ええ!」
それから後は、私たちは黒ヒョウの赤ちゃんに振り回された。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
黒ヒョウの赤ちゃんは「ピューマ」と名付けた。
ピューマの食べ物は何か分からないので、肉をあげたが食べず、乳も牛のをあげたら一口舐めて飲まず、最後にヤギの乳をあげたら、一心不乱に飲んだ。よほどお腹が空いていたらしく、「ミィーミィー」と催促され、何回もお代わりをした。
コイル村に着いたらヤギの乳を分けて貰わないといけないわ。
かなりの量をもってきたが、そんなにもたない気がする。
ピューマは私の膝の上で寝るのが好きらしくしょっちゅう乗ってくる。
私はピューマを撫でながら観察した。
耳は丸い。猫の耳の先はとんがっているから確かに猫とは違う。舌はざらざらしていて舐められたら少し痛い。
まだ小さいのに身体に見合わない牙をもっていた。よく見ると手足もがっしりしていてとても太い。
成体になったらかなり大きくなりそうだわ····。
そんなことを思い耽っていると、
「アリア様、そろそろコイル村に到着するそうです。」
「そう。分かったわ。ありがとう。」
コイル村は我が国の領地。なので、キース隊長やランクス副隊長は有名で、特にキース隊長は顔が知れ渡っていた。
国を逃亡した流れものや、所謂盗賊などをよく討伐部隊で各地に回っているからだ。
キース隊長は我が国では5本指に入るくらい剣術が強くて有名なのだ。
急に馬車が停まった。
どうしたのかしら?
私が小窓を覗くと、キース隊長がこちらへ向かっていた。
私はすぐにネネに馬車のドアを開けるように指示をした。
「失礼します。」
入ってきたのはキース隊長とランクス副隊長だった。
二人が座るのを見て話かける
「どうかしたのかしら?」
「はい。確認をしたく。」
「???」
私は分からずネネを見たが、ネネも首を傾げた。
「一応商人の一行となってますが、アリア様か、ネネ殿のどちらかが、商人登録をされてるのでしょうか?あと、商人の商会の名前もコイル村に言わなければなりません。それで····どうかなさいましたか?」
私とネネは、きっと真っ青な顔をしているに違いない。
「····してないわ····」
「え?」
キース隊長が前のりになり聞き返してきた。
「····商人登録してないわ···そもそもそんなの必要なんて知らなかったわ。」
「「はああ!?」」
キース隊長もランクス副隊長ものけ反って驚いていた。
「ア、アリア様!それは本当ですか?」
ランクス副隊長が我を思い出したのであろう、聞いてきた。
「ええ。そもそも、そんな仕組みがあるなんて知らなかったわ。」
キース隊長もランクス副隊長も呆れた顔をした。
だが、キース隊長はすぐに真顔になり対策を言ってきた。
「とりあえず、コイル村なら何度も行っているので交渉してみます。」
頼もしいわ!キース隊長!
「本来なら村に入る為には身分証明になる商人ギルドカードが必要になります。まだ我が国の領地だから良いものの、リンカーヌ王国には通用しません。コイル村で商人ギルドに行き登録しましょう。」
「ええ、そうね。ごめんなさい···」
私はシュンとした。
落ち込んだ私を見て、キース隊長はオロオロしはじめて
「いや!その!知らなかったのですし、仕方がありません。コイル村で登録すればいいことなので!」
手振り素振りで慰めてくれた。
ランクス副隊長は私の元へきて、私の肩を抱き
「大丈夫ですよ。確認して正解でした。コイル村に着く前にわかって良かったじゃないですか。」
満面の笑顔を私に向けて、反対の手で私の手を握ってきた。
「ありがとう····。」
「では、行きましょう。ランクス副隊長。」
キース隊長はさっきとうって変わり、むすっとした顔でランクス副隊長が私の肩に置いていた手をぐいっと持ち上げ離した。
ランクス副隊長も不機嫌そうにキース隊長を睨む。
「やだ!火花散らしてるぅ!」
ネネがぼそっと呟いて面白そうにニヤニヤしている。
····ネネ····貴女はキース隊長狙いではないの···?
二人は馬車から下り、馬車が動き始めた。
「はあ。」
またやっちゃった。
私が落ち込んでいると、
「ミィーミィー」
ピューマが私の足元にきた。私が手を出すとペロペロと舐めている。
「ピューマ、慰めてくれてるの?」
私はピューマを抱っこし、もふった!
ちょっと埃くさいけど、
「柔らかーい!気持ちいいー!」
ピューマのお腹に顔を埋める。毛は凄く柔らかくて気持ち良かった。
ピューマは最後の辺は嫌がっていたが、私はコイル村に着くまでもふもふを満喫していた。
おかげで落ち込んだ気持ちを浮上したわ!
ありがとう!ピューマ!
落ち込んでいても仕方がない!コイル村に着いたらやるべき事をやらなくちゃ!
私は気持ちを新たにコイル村へと向かった。
0
あなたにおすすめの小説
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
なんども濡れ衣で責められるので、いい加減諦めて崖から身を投げてみた
下菊みこと
恋愛
悪役令嬢の最後の抵抗は吉と出るか凶と出るか。
ご都合主義のハッピーエンドのSSです。
でも周りは全くハッピーじゃないです。
小説家になろう様でも投稿しています。
側妃の条件は「子を産んだら離縁」でしたが、孤独な陛下を癒したら、執着されて離してくれません!
花瀬ゆらぎ
恋愛
「おまえには、国王陛下の側妃になってもらう」
婚約者と親友に裏切られ、傷心の伯爵令嬢イリア。
追い打ちをかけるように父から命じられたのは、若き国王フェイランの側妃になることだった。
しかし、王宮で待っていたのは、「世継ぎを産んだら離縁」という非情な条件。
夫となったフェイランは冷たく、侍女からは蔑まれ、王妃からは「用が済んだら去れ」と突き放される。
けれど、イリアは知ってしまう。 彼が兄の死と誤解に苦しみ、誰よりも孤独の中にいることを──。
「私は、陛下の幸せを願っております。だから……離縁してください」
フェイランを想い、身を引こうとしたイリア。
しかし、無関心だったはずの陛下が、イリアを強く抱きしめて……!?
「離縁する気か? 許さない。私の心を乱しておいて、逃げられると思うな」
凍てついた王の心を溶かしたのは、売られた側妃の純真な愛。
孤独な陛下に執着され、正妃へと昇り詰める逆転ラブロマンス!
※ 以下のタイトルにて、ベリーズカフェでも公開中。
【側妃の条件は「子を産んだら離縁」でしたが、陛下は私を離してくれません】
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
婚約破棄したら食べられました(物理)
かぜかおる
恋愛
人族のリサは竜種のアレンに出会った時からいい匂いがするから食べたいと言われ続けている。
婚約者もいるから無理と言い続けるも、アレンもしつこく食べたいと言ってくる。
そんな日々が日常と化していたある日
リサは婚約者から婚約破棄を突きつけられる
グロは無し
幽閉王女と指輪の精霊~嫁いだら幽閉された!餓死する前に脱出したい!~
二階堂吉乃
恋愛
同盟国へ嫁いだヴァイオレット姫。夫である王太子は初夜に現れなかった。たった1人幽閉される姫。やがて貧しい食事すら届かなくなる。長い幽閉の末、死にかけた彼女を救ったのは、家宝の指輪だった。
1年後。同盟国を訪れたヴァイオレットの従兄が彼女を発見する。忘れられた牢獄には姫のミイラがあった。激怒した従兄は同盟を破棄してしまう。
一方、下町に代書業で身を立てる美少女がいた。ヴィーと名を偽ったヴァイオレットは指輪の精霊と助けあいながら暮らしていた。そこへ元夫?である王太子が視察に来る。彼は下町を案内してくれたヴィーに恋をしてしまう…。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる