63 / 65
57話 ヤーマンドの街へ
しおりを挟む
前書き
長らくお待たせして申し訳ございません。
やっと更新できました。
再開します。
週1ペースで頑張りたいと思っておりますのでよろしくお願いします。
◆本文◆
夕方にはヤーマンドの街に到着した。
事前に通るルートとして知らせていた為、スムーズに入門をすることができた。
ランディがすぐに前もって予約しておいた宿の場所を門番に聞き、そちらに向かった。
無事に宿に着き、その宿主に挨拶された。
「遠いとこからヤーマンドにご来訪頂きありがとうございます。私はこのダイナスの宿主のババランと申します。アリア皇太子妃様、ごゆるりとご滞在下さいませ。快適に過ごせるよう、我がダイナス一同が人力を尽くしますのでどうぞよろしくお願い致します。」
ババランは50代くらいだろう。髪の毛も白い色に半分くらいなっており、黒とツートーンカラーになっている。
顔は人が良さそうな笑顔を作っているが、アリアを見つめる目は笑っていなかった。
アリアはババランを見て気持ちが悪いと思ってしまった。
「ババラン、ありがとう。とりあえず護衛の者を休ませてあげたいの。すぐに部屋に案内してくれないかしら?あと、悪いけど食事を護衛にさせて欲しいのだけど出来るかしら?」
私がそう言うとババランは手をもみもみさせながら
「かしこまりました。すぐに用意をさせます。」
ババランはすぐ側に控えていたメイドにすぐ食事の用意をするようにと指示した。
「出来ましたら、すぐお呼びに参ります。ではお部屋へご案内致します。」
私達はそれぞれの部屋へと向かった。
この宿はかなり田舎にしては······とは失礼かもしれないが豪華な内装をしていた。
外装は王都の宿でも中級クラスをしているが、内装はかなり凝っている。敷いてある絨毯も階を上がるにつれてふかふかの赤い絨毯になっている。壁にも模様が入っていたり····しかも金箔を使っている感じがした。
王都の超高級宿の部類に入る。
·······観光地ではないと聞いているけれど····。
私は五階まで案内された。
五階は二部屋しかなく、一つの部屋はかなり広々としていた。高位の貴族や王族の用の部屋だという。装飾品もかなり豪華だ。花瓶なんか金ぴかに光っている。
ベッドも天幕付きだった。
ババランは侍女のネネと違う部屋を用意したと言ったが、私はネネと同じでいいと言った。ババランは一瞬、険しい顔をしたが、すぐに笑顔になり、ネネが寝れるようにベッドなどを用意をしてくれた。
ランディの部屋は一階下の四階らしい。ランディはすぐにでも見張りをしようとしたので、とりあえずゆっくりして欲しいとこちらからお願いをした。
ランディは渋々だが了承し、一旦は自分の部屋と移動をした。
私は部屋へ入り、汚れたドレスを着替えた。ネネも着替えてお茶の準備をしてくれた。
まだ、残りの護衛は来ないのかしら·····。
心配で、ティーカップを持っている手が震える。
その時にコンコンとドアをノックする音がした。
ネネが開けるとババランが立っていた。
「アリア皇太子妃様、ご寛ぎの所すみません。ただいま、領主様が来られまして、アリア皇太子妃様に挨拶がしたいとことですが、いかがでしょうか?」
領主?早い到着ね。入門してからすぐに連絡でも行ったのかしら?
·····挨拶をしないわけにはいかないわね。
出来れば明日にして欲しかったわ。
護衛も私も疲労がピークだった。
だけれども断る訳にはいかないので「わかりました」と答えた。
早速ババランは領主を呼びに部屋から出て行った。
私はネネにランディを呼んでくるように頼んだ。ランディは護衛の責任者でもあるから紹介もしておかねばと思ったからだ。
このヤーマンドの領主はドカンド伯爵だったわね。
観光地ではないけれど、ここ数年でいきなり資金回りが良くなったとルイス殿下が言ってたわ。国に納める税金も上がったとか。
ヤーマンドは陶器の街と言われている。かなり輸出もしていると報告を受けているけれど·····。
見た目は普通の街。どちらかと言えば田舎。町並みも、別に凄く活気があると感じなかった。まあ、今が夜だから特にそう感じたのかもしれないけれど。
「アリア様。」
どうやらランディの方が先に着いたようです。
「ランディ、ゆっくりしている所を悪いわね。」
「いえ。」
ランディはきっちりと近衛の正装をしていた。相変わらず真面目な人間だわ。
「······他の者はまだ街に入ってなくて?」
「·····はい·····。」
ランディは悲痛な面持ちで答えた。
「そう······。無事でいてくれるといいけど。」
「はい。」
そんな暗い雰囲気の中、ドカドカと足音が聞こえたかと思うと、部屋の前で足音がピタリと止む。
どうやら領主のドカンド伯爵がきたようね。
ババランがドアをノックしてから部屋のドアを開けた。そして最初に貴族です!と言わんばかりの雰囲気を纏った壮年の男が入ってきた。その壮年の男は白髪混じりのグレーの長髪を後ろで束ねていて、恰幅も良いが、一重の瞼で細い目は鋭い。
その男は私を見た途端に値踏みをするように目を上下させて見た。そして笑顔になり挨拶をしてきた。
「これは皇太子妃様、はるばるこのヤーマンドにご来訪いただきありがとうございます。私はこのヤーマンドを治めているドカンドと申します。以後お見知りおきを!」
「ドカンド伯爵、少しの間お世話になります。気を使わなくて結構よ。」
「いえいえ、皇太子妃様が来られるのは初めててございます。皇太子妃様が最適に過ごせるように、このババランと一緒に尽力を尽くしますので何でもお申し付けください。」
ドカンド伯爵もペコペコと腰低くなった。
「ありがとうございます。あと、こちらは私の近衛隊長のランディですわ。用事などがありましたら、このランディか侍女のネネを通りして下さい。」
ランディとネネが私の後ろでお辞儀した。
するとドカンド伯爵は真顔になり、細い目をもっとスゥっと細めた。
「ほぉ······ホーン公爵の····次期当主と噂をされているランディ殿ですか····。」
「·····ランディです。アリア様にご用がある時は私にお声かけをお願いします。」
あれ?ランディは次期ホーン公爵の当主と噂されているの?
ランディはドカンド伯爵の言葉には反応せず、アリアの近衛として接した。
ドカンド伯爵もそれを察したのか、それ以上は何も言わなかった。
少したわいもない話をしたが、ほとんどがドカンド伯爵の自慢だった。アピールと云うのでしょうか。
私はうんざりして
「ドカンド伯爵、申し訳ないのですが本日は疲れましたので····。」
ドカンド伯爵はポンと手を叩いて、いかも今気づいたように言った。
「そうでしたな!長旅でお疲れですな!これは気づかず申し訳ない。ではごゆるりと休んで疲れを取って下さいませ。」
ドカンド伯爵とババランは部屋から出て行った。
それを見届けたら安心したのか、ドット疲れが出た。
考えてみれば夕食もまだだった。とりあえず、ネネに夕食のことを聞きに行かせ、すぐに用意をさせた。(聞きに行った時にちょうど出来上がったとのことだった。)
他の護衛たちは食堂に移動し食事をしたようだ。
私とネネとランディは明日からのことを話し合う為一緒に食事をした。
ランディは明日は用事があるから少し出かけるとのこと。私の方は明日は視察を兼ねて少しヤーマンドの街を案内してもらうことになっている。その際はランディの代わりに副隊長のコディアが護衛に付くとのことだった。
ああ·····視察よりも護衛達のことが気になる。
出来れば戻って確認したいが、狙いが私である以上は迷惑になるだけ。今は黙って他の護衛達が無事にヤーマンドに来ることを祈るのみしか、今の私には出来ることはない。
お互いの明日のスケジュールを確認し、各自部屋へ戻る。
私もネネと一緒に風呂入り、疲れを取る····あまり取れなかったがベッドに入るとすぐに睡魔が訪れて······ダンちゃん人形とシャベちゃん人形を抱いて朝まで爆睡した。
同じ時刻の別室。
窓の外は気持ち悪いくらいの闇夜が広がっている。
男が二人、丸いテーブルの席に座ってお酒を嗜んでいた。
一人の男が、王都でもなかなか手に入らない他国の白ワインを揺らしながら話を始めた。
「予定通りですな。」
「そうだな。しかし幼い。あれが皇太子妃か。顔に似合わず胸は育っているが。」
「確かに。ヒッヒッヒッ」
男はいやらしい笑いをする。
「ルイス殿下も何故、小国の姫なんぞ正妃したんだか。やはり我が国は先がないな。」
「全くです。」
「例の決行は明日だぞ。準備は出来ているか?失敗は許されんぞ!」
「勿論でございます。」
「うむ。これが成功したら我が身も安泰だな。」
「そうですな!領土も······ヒッヒッヒッ!」
「ふふふ。では明日に。」
「はい。明日に········」
こうして不穏な闇夜が更けていった。
長らくお待たせして申し訳ございません。
やっと更新できました。
再開します。
週1ペースで頑張りたいと思っておりますのでよろしくお願いします。
◆本文◆
夕方にはヤーマンドの街に到着した。
事前に通るルートとして知らせていた為、スムーズに入門をすることができた。
ランディがすぐに前もって予約しておいた宿の場所を門番に聞き、そちらに向かった。
無事に宿に着き、その宿主に挨拶された。
「遠いとこからヤーマンドにご来訪頂きありがとうございます。私はこのダイナスの宿主のババランと申します。アリア皇太子妃様、ごゆるりとご滞在下さいませ。快適に過ごせるよう、我がダイナス一同が人力を尽くしますのでどうぞよろしくお願い致します。」
ババランは50代くらいだろう。髪の毛も白い色に半分くらいなっており、黒とツートーンカラーになっている。
顔は人が良さそうな笑顔を作っているが、アリアを見つめる目は笑っていなかった。
アリアはババランを見て気持ちが悪いと思ってしまった。
「ババラン、ありがとう。とりあえず護衛の者を休ませてあげたいの。すぐに部屋に案内してくれないかしら?あと、悪いけど食事を護衛にさせて欲しいのだけど出来るかしら?」
私がそう言うとババランは手をもみもみさせながら
「かしこまりました。すぐに用意をさせます。」
ババランはすぐ側に控えていたメイドにすぐ食事の用意をするようにと指示した。
「出来ましたら、すぐお呼びに参ります。ではお部屋へご案内致します。」
私達はそれぞれの部屋へと向かった。
この宿はかなり田舎にしては······とは失礼かもしれないが豪華な内装をしていた。
外装は王都の宿でも中級クラスをしているが、内装はかなり凝っている。敷いてある絨毯も階を上がるにつれてふかふかの赤い絨毯になっている。壁にも模様が入っていたり····しかも金箔を使っている感じがした。
王都の超高級宿の部類に入る。
·······観光地ではないと聞いているけれど····。
私は五階まで案内された。
五階は二部屋しかなく、一つの部屋はかなり広々としていた。高位の貴族や王族の用の部屋だという。装飾品もかなり豪華だ。花瓶なんか金ぴかに光っている。
ベッドも天幕付きだった。
ババランは侍女のネネと違う部屋を用意したと言ったが、私はネネと同じでいいと言った。ババランは一瞬、険しい顔をしたが、すぐに笑顔になり、ネネが寝れるようにベッドなどを用意をしてくれた。
ランディの部屋は一階下の四階らしい。ランディはすぐにでも見張りをしようとしたので、とりあえずゆっくりして欲しいとこちらからお願いをした。
ランディは渋々だが了承し、一旦は自分の部屋と移動をした。
私は部屋へ入り、汚れたドレスを着替えた。ネネも着替えてお茶の準備をしてくれた。
まだ、残りの護衛は来ないのかしら·····。
心配で、ティーカップを持っている手が震える。
その時にコンコンとドアをノックする音がした。
ネネが開けるとババランが立っていた。
「アリア皇太子妃様、ご寛ぎの所すみません。ただいま、領主様が来られまして、アリア皇太子妃様に挨拶がしたいとことですが、いかがでしょうか?」
領主?早い到着ね。入門してからすぐに連絡でも行ったのかしら?
·····挨拶をしないわけにはいかないわね。
出来れば明日にして欲しかったわ。
護衛も私も疲労がピークだった。
だけれども断る訳にはいかないので「わかりました」と答えた。
早速ババランは領主を呼びに部屋から出て行った。
私はネネにランディを呼んでくるように頼んだ。ランディは護衛の責任者でもあるから紹介もしておかねばと思ったからだ。
このヤーマンドの領主はドカンド伯爵だったわね。
観光地ではないけれど、ここ数年でいきなり資金回りが良くなったとルイス殿下が言ってたわ。国に納める税金も上がったとか。
ヤーマンドは陶器の街と言われている。かなり輸出もしていると報告を受けているけれど·····。
見た目は普通の街。どちらかと言えば田舎。町並みも、別に凄く活気があると感じなかった。まあ、今が夜だから特にそう感じたのかもしれないけれど。
「アリア様。」
どうやらランディの方が先に着いたようです。
「ランディ、ゆっくりしている所を悪いわね。」
「いえ。」
ランディはきっちりと近衛の正装をしていた。相変わらず真面目な人間だわ。
「······他の者はまだ街に入ってなくて?」
「·····はい·····。」
ランディは悲痛な面持ちで答えた。
「そう······。無事でいてくれるといいけど。」
「はい。」
そんな暗い雰囲気の中、ドカドカと足音が聞こえたかと思うと、部屋の前で足音がピタリと止む。
どうやら領主のドカンド伯爵がきたようね。
ババランがドアをノックしてから部屋のドアを開けた。そして最初に貴族です!と言わんばかりの雰囲気を纏った壮年の男が入ってきた。その壮年の男は白髪混じりのグレーの長髪を後ろで束ねていて、恰幅も良いが、一重の瞼で細い目は鋭い。
その男は私を見た途端に値踏みをするように目を上下させて見た。そして笑顔になり挨拶をしてきた。
「これは皇太子妃様、はるばるこのヤーマンドにご来訪いただきありがとうございます。私はこのヤーマンドを治めているドカンドと申します。以後お見知りおきを!」
「ドカンド伯爵、少しの間お世話になります。気を使わなくて結構よ。」
「いえいえ、皇太子妃様が来られるのは初めててございます。皇太子妃様が最適に過ごせるように、このババランと一緒に尽力を尽くしますので何でもお申し付けください。」
ドカンド伯爵もペコペコと腰低くなった。
「ありがとうございます。あと、こちらは私の近衛隊長のランディですわ。用事などがありましたら、このランディか侍女のネネを通りして下さい。」
ランディとネネが私の後ろでお辞儀した。
するとドカンド伯爵は真顔になり、細い目をもっとスゥっと細めた。
「ほぉ······ホーン公爵の····次期当主と噂をされているランディ殿ですか····。」
「·····ランディです。アリア様にご用がある時は私にお声かけをお願いします。」
あれ?ランディは次期ホーン公爵の当主と噂されているの?
ランディはドカンド伯爵の言葉には反応せず、アリアの近衛として接した。
ドカンド伯爵もそれを察したのか、それ以上は何も言わなかった。
少したわいもない話をしたが、ほとんどがドカンド伯爵の自慢だった。アピールと云うのでしょうか。
私はうんざりして
「ドカンド伯爵、申し訳ないのですが本日は疲れましたので····。」
ドカンド伯爵はポンと手を叩いて、いかも今気づいたように言った。
「そうでしたな!長旅でお疲れですな!これは気づかず申し訳ない。ではごゆるりと休んで疲れを取って下さいませ。」
ドカンド伯爵とババランは部屋から出て行った。
それを見届けたら安心したのか、ドット疲れが出た。
考えてみれば夕食もまだだった。とりあえず、ネネに夕食のことを聞きに行かせ、すぐに用意をさせた。(聞きに行った時にちょうど出来上がったとのことだった。)
他の護衛たちは食堂に移動し食事をしたようだ。
私とネネとランディは明日からのことを話し合う為一緒に食事をした。
ランディは明日は用事があるから少し出かけるとのこと。私の方は明日は視察を兼ねて少しヤーマンドの街を案内してもらうことになっている。その際はランディの代わりに副隊長のコディアが護衛に付くとのことだった。
ああ·····視察よりも護衛達のことが気になる。
出来れば戻って確認したいが、狙いが私である以上は迷惑になるだけ。今は黙って他の護衛達が無事にヤーマンドに来ることを祈るのみしか、今の私には出来ることはない。
お互いの明日のスケジュールを確認し、各自部屋へ戻る。
私もネネと一緒に風呂入り、疲れを取る····あまり取れなかったがベッドに入るとすぐに睡魔が訪れて······ダンちゃん人形とシャベちゃん人形を抱いて朝まで爆睡した。
同じ時刻の別室。
窓の外は気持ち悪いくらいの闇夜が広がっている。
男が二人、丸いテーブルの席に座ってお酒を嗜んでいた。
一人の男が、王都でもなかなか手に入らない他国の白ワインを揺らしながら話を始めた。
「予定通りですな。」
「そうだな。しかし幼い。あれが皇太子妃か。顔に似合わず胸は育っているが。」
「確かに。ヒッヒッヒッ」
男はいやらしい笑いをする。
「ルイス殿下も何故、小国の姫なんぞ正妃したんだか。やはり我が国は先がないな。」
「全くです。」
「例の決行は明日だぞ。準備は出来ているか?失敗は許されんぞ!」
「勿論でございます。」
「うむ。これが成功したら我が身も安泰だな。」
「そうですな!領土も······ヒッヒッヒッ!」
「ふふふ。では明日に。」
「はい。明日に········」
こうして不穏な闇夜が更けていった。
0
あなたにおすすめの小説
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
皆様ありがとう!今日で王妃、やめます!〜十三歳で王妃に、十八歳でこのたび離縁いたしました〜
百門一新
恋愛
セレスティーヌは、たった十三歳という年齢でアルフレッド・デュガウスと結婚し、国王と王妃になった。彼が王になる多には必要な結婚だった――それから五年、ようやく吉報がきた。
「君には苦労をかけた。王妃にする相手が決まった」
ということは……もうつらい仕事はしなくていいのねっ? 夫婦だと偽装する日々からも解放されるのね!?
ありがとうアルフレッド様! さすが私のことよく分かってるわ! セレスティーヌは離縁を大喜びで受け入れてバカンスに出かけたのだが、夫、いや元夫の様子が少しおかしいようで……?
サクッと読める読み切りの短編となっていります!お楽しみいただけましたら嬉しく思います!
※他サイト様にも掲載
婚約者の番
ありがとうございました。さようなら
恋愛
私の婚約者は、獅子の獣人だ。
大切にされる日々を過ごして、私はある日1番恐れていた事が起こってしまった。
「彼を譲ってくれない?」
とうとう彼の番が現れてしまった。
好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
彼女が望むなら
mios
恋愛
公爵令嬢と王太子殿下の婚約は円満に解消された。揉めるかと思っていた男爵令嬢リリスは、拍子抜けした。男爵令嬢という身分でも、王妃になれるなんて、予定とは違うが高位貴族は皆好意的だし、王太子殿下の元婚約者も応援してくれている。
リリスは王太子妃教育を受ける為、王妃と会い、そこで常に身につけるようにと、ある首飾りを渡される。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
仕事で疲れて会えないと、恋人に距離を置かれましたが、彼の上司に溺愛されているので幸せです!
ぽんちゃん
恋愛
――仕事で疲れて会えない。
十年付き合ってきた恋人を支えてきたけど、いつも後回しにされる日々。
記念日すら仕事を優先する彼に、十分だけでいいから会いたいとお願いすると、『距離を置こう』と言われてしまう。
そして、思い出の高級レストランで、予約した席に座る恋人が、他の女性と食事をしているところを目撃してしまい――!?
王妃そっちのけの王様は二人目の側室を娶る
家紋武範
恋愛
王妃は自分の人生を憂いていた。国王が王子の時代、彼が六歳、自分は五歳で婚約したものの、顔合わせする度に喧嘩。
しかし王妃はひそかに彼を愛していたのだ。
仲が最悪のまま二人は結婚し、結婚生活が始まるが当然国王は王妃の部屋に来ることはない。
そればかりか国王は側室を持ち、さらに二人目の側室を王宮に迎え入れたのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる