独裁国家とわがまま王子

八十三広

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無茶と苦茶

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「アイラム王子…あの様な外交をされますと、後に差し支えます。それに、どんな要求をされるか分かりません…!」「だから俺の代でやっておくんだよ。同盟が結ばれれば関係の修復に意欲を注ぐし、余程の無茶な要求じゃない限りは飲む。無茶ならロシアと同盟だね。ソウカンと連絡を取りたいから、掛けて来る様に言っといて。それから、借りた各々のみ部屋に盗聴器やカメラを仕掛けられたかどうかをチェックしてくれ」「…かしこまりました…」  数分後にはソウカンから連絡が入り、会談の詳細を教えた。  「王子はなんでも急ですなあ…。せめて一言でも仰ってもらえれば驚く必要もありませんものを」「ごめんごめん。で、どう思う?」「中国との同盟を解消するならば、アメリカとの同盟を締結してからでないと、急遽取りやめとなれば目も当てられません。ロシアとの友好も急がせてみます。中国に関しては王子のワガママとでも言って解消は可能です」「そうか。では俺このまま様子を見るから後はよろしく」「かしこまりました」  電話をきるとローアは呆れ顔で見ている事に気付いた。  「ワガママですか?」「ワガママなのか?自分では分からんけどな」  2日程遊んでいると、やはり盗聴器とカメラが設置されているのが分かった。 「カメラの前にHelloと書いた紙でも見せておけ。盗聴器には1日3回は挨拶してプライベートの話をする時は大音量の音楽でも聞かせてやればいい」「王子も人が悪いですね」「なんで?ちゃんと挨拶はするもんだ。しないなら俺が各部屋を回ってするぞ」「それには及びません。申す通りにさせていただきます」 「そうだ!良い事を思い付いた。おい、ちょっと…」  その日中にテレビ局から生放送の取材を受けた。  内容は自国の変わり様とこれからの展望にアメリカに渡米した理由だった。  「渡米した理由や会談内容は話せませんが、付けてもらったガード達の能力が低いのはよくわかります」「どうしました?なにかありましたか?」「大ありです。皆さん、こちらへ来ていただけますか?」  ローアの部屋へ導く。  「ここは私の侍従長ローアの部屋です。専門家が言うには盗聴器がございます」  指を差し、示す。  「ほう!盗聴器ですか?そうは見えませんが?」「では。おい」  部下に命じて取り外し、全体を見せてから専門家に解体させるとマイクらしき物が現れる。  「確かにマイクらしき物がありますね」「それだけではありません。盗撮カメラまで設置されておりますよ。こちらです」  盗撮カメラの位置を見せ、専門家に取り外させ、解体させた。 「盗聴器、盗撮カメラが各部屋に何個も設置されております。トイレや風呂にまで。これはホテルが設置したのかとは思えませんし、ガードが設置したとは思えません。ただ、何をやっていたんだと思わざるをえません」「女性の部屋、しかも風呂やトイレまでとなると許されない事ですね」「本当にそうです。特にローア侍従長は母であり、姉である家族の様な存在です。これはアメリカ政府に正式に抗議しますし、既にいくつかはアメリカの記者や専門家、エルストロウ王国に持ち帰らせています」「ちなみにいつ設置されていたと判明したんですか?」「会談の後です。盗聴器や盗撮カメラが無いかを自国の専門家に探させたところ、私の部屋と会談に連れて行った者達の部屋からまず発見されました。ローア侍従長とその部下はやる事が無いので遊ばせに行かせ、その帰宅後に部屋を調べさせると発見されました。遊びに行かせる前はありませんでした」「となると、やはり悪質でガードは完全に不審者を通した事になりますね。アイラム王子は犯人は誰だと思いますか?」「分かりません。誰でも良いし、女達の盗撮盗聴された事を招いた結果に対しては断固としてアメリカ政府には抗議いたします」  最後は全て回収させた盗聴器やカメラを机の上に置かせた。  「これだけの量が…」「見つかってる物は今のところこれだけです。見逃しもあるかもしれません」   この生中継と記者達に譲った物は各自専門家の元に持って行き、非常に高性能で市販されている物ではないという意見を聞いて新聞社やマスコミは騒ぎたてた。  当然「政府ではないか?」という意見も出て、警備責任者や政府の者が防止出来なかった事を正式に謝罪した。  これをアイラムは謝罪を受け取るも、ホテルを引き払ってエルストロウ大使館にでも泊まると主張し、実行した。  アメリカ国民は政府の大失態を指摘、批判と非難する。  が、アメリカの超有名俳優の不倫や有名企業の脱税問題が発覚し、大騒ぎして続報は無くなった。 「自分に向いていた矛先を他に向けさせましたね」「アメリカもせこいなー」「会談が続行されれば大統領からの謝罪もあるでしょう。これで向こうはどうするかですね」「他国の諜報員が設置したとでも言い訳するのでは無いですか?」「そんなところかな。まあ女達の事もあるから仏頂面で会談に臨むよ」  大使館の中は急遽の王子の来訪で忙しくしているが、女達も準備を手伝う。  滞在5日目でホワイトハウスから招待を受けたアイラム達は不信感を募らせて会談に入った。   「まず、ガードやホテルの警備が至らなかった点について、私共は深くお詫び申し上げます」「…そうですか。で、どこの誰が設置したかの検討は付いているのですか?」「恐らくは他国の諜報機関の者と報告が上がっております」「でしょうね」   アイラムはニコニコとした笑顔で会談していたのだが、今回は本当に仏頂面で臨んだ。  「それで、アメリカとしては同盟には反対でしょうか?」「いえ。アメリカとしては、同盟を歓迎させていただきます」「そうですか!助かります。ソウカン宰相に中国には私が同盟を心良く思っていないと伝えさせていたので、無駄にならずにすみます」「アメリカとしては同盟国が増えるのは喜ばしい限りです。共に発展してまいりましょう」  立ち上がり、握手した写真を撮った。  クリス・ケネディは腸が煮えくり返っている。  盗聴盗撮が露呈し、あまつさえマスコミやメディアに伝えるまでするとは思っていなかった。  他国の諜報機関、もしくは自国の諜報機関だろうとの見解に分かれ、女子供のプライバシーの侵害や入浴や排泄の盗撮など性犯罪になる。  政府は国民からの文句は警備のミスだけで終わらせたく、把握し、証拠を掴んでいた俳優の不倫と脱税問題で話題や視線をすり替えた。  アイラムや高官達は他国の諜報機関による犯行だと微塵も思っていない様子を見せる。   お陰で同盟を結ばないという選択肢は消え去った。  元々同盟締結した方が益はあるのだが、世界一の国のトップとしてのプライドはズタズタにされて個人的には嫌な同盟締結である。  「では、同盟について話し合いましょう」  ソレからは長い会談となった。  エルストロウ王国にミサイル防衛基地の建設、互いの国が攻撃された場合は反撃と防衛に参加。  兵器の購入は他の同盟国と同じ世代の物と性能を約束。  あらゆる技術の販売。  3日掛けて決まった内容は重要な同盟国と同じ基準の譲歩を得た。  同盟締結はアイミエ・アイラム、クリス・ケネディ両名で記者会見で発表。  その場でソウカン宰相と中国在中の大使に同盟の解消を指示するパフォーマンスを見せる。  安全であるアメリカ国債と兵器の購入を始める事と、アメリカとの同盟を喜び、誇りに思い、これからはアメリカへの戦闘行為にはエルストロウは参戦し、共に戦い、勝利を分かち合いたいと発表した。  アメリカ国民は熱烈な歓迎を見せたが、中国は「かなり身勝手で唐突な解消に強く不満」と表明し、エルストロウ王国とアイラムを痛烈批判する事になった。  国に帰ったアイラムは国内に今まで敵だったアメリカとの同盟に対して説明と、互いの国の為、ひいては国の発展の為に共に力を注ぎ、より良い国にしようと演説をした。  王政であるエルストロウは、今や熱狂的に支持されているアイラム王子の言葉に従い、努力する事になる。   2ヶ月後、事件が起こった。  中国は一方的な同盟解消の復讐として各国にいるエルストロウの特殊工作員や諜報員の氏名と現在地を公表した。  アイラムはソウカン宰相、ロイアード元帥、外務省長官を緊急招集した。  「特殊工作員と諜報員の存在。それに氏名と住所は確かに合っているのか?」「はい。確かに合っております。何故知っているのか、情報流出経路はまだ判明していません」「…特殊工作員はどんな事させてるんだ?」「未だ何も。各発電所の襲撃、鉄道や滑走路の使用を不可能にする為の爆破や民衆の扇動等を主な主任務とさせておりますが、実行させた事はございません」「諜報員は?」「任務は実行しておりますが、それは他国もしている事です。中国もです」「工作員や諜報員の身柄はどうなっている?」「殆どは無事に逃れています。拘束された者もおりますが、逃げられずに自殺した者もおります」「…中国の諜報員と工作員の情報と引き換えに身柄を返してもらって帰国。それから会見するから、取材等の依頼が来たら各国との話し合いが終わったら俺が会見を開く事を伝えてくれれば良い。謝罪を要求する国には謝罪して、それでもうるさいならその国の醜聞でも流せ。話しは以上だ」  アイラムの行動は早く、各国は身柄に引き渡しに応じた。  更に各国に騒ぎの沈静化の依頼の報酬として中国の機密情報を密かに渡した。  帰国した者達で、まだ続ける意欲のある者は整形手術と氏名変更、戸籍の改竄を行い、担当ではない国に配置換えさせた。  記者会見を開いたアイラムは「工作員、諜報員はどこの国も抱えている。エルストロウも各国の者の存在は把握している。情報を流した中国の諜報員と工作員が帰国したのも知っている。謝罪を要求する国には謝罪するが、身柄を拘束してからになる」と発表した。  それに各国も沈黙した。  エルストロウは小国で軍備も殆ど数と核兵器頼りだった為に諜報員や特殊工作員の育成に力を入れていた。  幸いにも特殊工作員は何らかの工作を実行した事は無いので、沈静化は早かったのだが、中国としては暴露したら暴露の仕返しをされた形になり、急速に仲が悪くなった。  互いの大使館は引き上げられ、国交は無くなった。  対中国として多めに諜報員と特殊工作員を送り込み、また入国したエルストロウ内の中国人工作員の存在と現在地は監視した。  「全く面倒くさいなあ。中国人は」「向こうからすれば突然同盟関係を突然切られたから報復したら報復された形ですから。王子が悪うございます」「一応謝ったんだけどな…。あ、そういえば今月にイタリアの国債の元金と配当が入るんだっけか。その金で技術なりノウハウなり売ってもらうか?」「どれ程の額なのですか?」「それは知らん。宮内庁長官にでも聞いてみないと。それにユーロの価値分からんし。誰か長官と資産管理している者を呼んでくれ。それにオレンジジュース」  程なくして2人が参上し、聞いてみると驚いた。 エルスに換算すると2350億エルスになる。  「どうする?」「国内の上場企業の株の買い付け、もしくは国債を買っていただきたく思います」「では半分株で、もう半分は国債にするか」 こんな資金投入を何度も行っているのだが、配当を出す企業も増え始めているので返ってくる。  現金の資産は目先では減っても企業が成長して配当も上がり、株価も上がって将来は資産増加に繋がってしまい困る事になった。  友好的な国が増えて使者や使節団、表敬等も自然と増えて王族らしい振る舞いをする機会が多々あってアイラムを悩ませる。  「面倒くさい…堅苦しくなるから変に疲れるわ…」「いっその事慣れれば良いではありませんか」「そうなんだけどな、なんと言うか、そのせいで相手と距離が出来たり打ち解けられなくなって嫌なんだよ…。やっぱり父上と兄上を見てきたからかな」「では、海外の方の前と式典の時だけに限定なさいませ」  そして15歳の誕生日が近づくと、国民達が即位を希望するデモを始めた。  それは各地に広がり、王宮の近くの街でも起こった。  アイラムはデモ程度での事であるので警察と軍には止めるなと命令した。  「いつになったら王になるんだ!?」「もう王と変わらないんだから即位しろ!」と国民達は叫んだ。  これは、王が存在していない事に国民達は王国の意義が無いと感じたし、アイラムが王にならないのには理由があるのかと不安を感じた。  「誰かに王の座を譲ってしまうつもりか」「王として仰ぎたいのに何故王子のままなのか」「王国では無くなるのか」と皆あらゆる不満と不安を持った。  とうとう王宮前にまでデモ隊が集まり、抗議を開始した。  ソウカン、ロイアード、宮内庁長官はニヤニヤと笑みを浮かべて頭を抱えるアイラムを見て楽しんでいる。  「前はなんと仰っていたのか忘れてしまいました。もう一度拝聴させていただきたく存じます」「式はいつ頃にしましょうか?」「いや、目出度いですな」  アイラムはプルプルと震えて耐えていた。  「長官…式の準備と…招待客に案内状を…っ送れ…!ちくしょう!やれば良いんだろやれば!着飾って王冠載せて杖持って座れば良いんだろうが!!!」「さすがアイラム王子。有言実行する様には感服致します」「うるさいお前らもう帰れ!国中に触れを出せぇ!予定日が来たらやるって言え!」「予定日が来たらやるとは…。子作りの計画に聞こえますぞ」「うるさいわ馬鹿!早く帰れ!」  2ヶ月後、臣下達やその家族、同盟国の代表者、各国の中継カメラの前で執り行われた。  綺麗に着飾り、堂々とした立ち振る舞いを見せる。  顔も穏やかだが凛としており、王族らしい風格を見せる。  女顔で華奢なので衣装には少し女性の要素を入っているが良く似合っている。  荘厳な玉座の間にて王冠を被せる役はミエノが担当し、杖を渡すのはミエモ。 玉座に座ると正に王者としての威厳と神々しさが感じる。  玉座の前に立つのはソウカン宰相・ロイアード元帥の両看板である。  「アイミエ・アイラム国王陛下万歳!」  そう両名が叫ぶと、その場にいた者達が続く。  王冠と玉座は人を変える魔力を持っているらしく、表情も変えず、身体も微動だにさせなかった。    2階バルコニーに民衆に向けて姿を現したアイラムに民衆は、自分達だけの王の姿に熱狂し、狂わせた。 万歳三唱は鼓膜を震わせ、国歌の斉唱は心を震わせる。 涙を流して歌う民衆にやっと笑顔を見せる。  これまでの王を戴ける喜びと、これまでの暮らしを一変させた王を、これまでの慈悲深く思慮深い王を戴けた事を狂喜した。 中継を見ていた各地も騒ぎ、企業、交通、物流、警察、軍さえも機能しなかったが騒動は起きなかった。 「あぁーもう疲れた!」  王冠と衣装を脱いで杖を渡すとアイラムは戻った。  「朝から晩まであの格好とあの顔は疲れるわ。王冠も服も重いしよ。杖はどう考えても必要無いな」「足腰弱った時には便利になるんじゃありませんか?」「そうですぞ。私は軍人なので同じ歳の者よりは元気なので分かりませんが」「お、じゃあ足腰悪くなったらあの杖やるよ」「ロイアード元帥が真に受けるからなりません」「ソウカンの方が先に必要になりそうだな」「私はまだまだ現役です。100まで生きて家族にさっさと死ねと思われながら生きる夢がございますので」「確かに宰相は長生きしそうですな。先代の頃はいつ死んでもおかしくないと思っておりましたのに」「長官殿。この3人の中では貴殿が1番若くして死ぬと思いますよ」「私もそう思います」  即位に気分が高揚している3人を放ってアイラムはローアを連れて部屋に出た。  着飾っていた時は平伏していた者達も今では平然としているが、ローアでさえも平伏しそうになった。 「国王陛下になられても周りは変わりませんね」「変わられても困る。何なら敬語も要らんし呼び捨てでも良いぐらいなのに。移動するのにわざわざ平伏されて目茶苦茶困った…」「それだけ王としての威厳とオーラが出ていたのですよ」「不機嫌そうにしてただけなのにな。キリッ!とはしたけど」「それで、どうされますか?」「オレンジジュース飲んで風呂でも入って寝ようかな…」「好きですねオレンジジュース。子供みたいに」「処刑される時は毒入りオレンジジュースで良いわ」  風呂は国王専用の浴場があるが、そんな物は必要ないアイラムは自分の浴場へと向かうと、女達が待っていた。  「何?覗き?」「今日から国王様になられたのでお世話をさせていただきます。何かあるといけませんので」「あぁそう。じゃあ仕方ないな」  女達と中に入り、湯に浸かる。  「あぁ…本当に疲れた…」「失礼します」「…なんで裸?」「それは…伽の相手を務める事もありますので」「いらんわ…入るなら服着て入って」「は…はぁ…」  女達は湯から出て服を着る。  湯浴み用の服なので透ける事もない。 「先代にもそうだったの?」「はい。身体を洗い、必要ならお相手をさせていただいておりました」「ふーん。父上もお盛んだな。俺には急病な時の看護しかしなくて良いよ。それ以外は自分でやるからゆっくり風呂でも入ってなよ」「はぁ…しかし…」「お?食い下がるって事は誰かに頼まれたな?誰?」「い、いえ…そんな事は…」「ローアか、長官か、宰相か、元帥か。それとも全員か。何にしても、裸になるなら風呂に入れ。服着るならそのまま見張っていろ」「は、はい」  翌日になってローア以外の3人だと判明して給料の2ヶ月分を返上させた
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