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第3話 葛藤

苦悩 Episode:04

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「一休みしようぜ」
「うん」

 勉強道具を放り出して、おもいっきし伸びをする。

 ――あれ?

 ルーフェイアの頭越し、入り口の扉のほうで、アーマルとヴィオレイのヤツが手招きしてた。
 こっち来りゃ早えぇのに、そうもいかないらしい。

「悪りぃ、ちっと席外すわ」
「あ、うん」

 ルーフェイアのヤツをあとに残して、悪友たちの方へ行く。

「なんだよ?」
「いや、そのさ……」

 どっちも歯切れが悪い。言いよどんだままダンマリだ。

「用がねぇなら、帰っぞ?」
「待てってば」

 もっかい顔を見合わせてから、ヴィオレイのほうが口を開く。

「――おまえさ、ルーちゃんとあんまりいっしょにいると、やばいと思うんだよ」

 思わず吹き出した。
 ある程度予想してたけど、ここまでパターンどおりだとバカすぎて笑うしかない。

「おい、笑い事じゃないぜ? 女子の連中、メチャクチャ言ってるぞ」
「俺がルーフェイアと寝たとでも?」

 悪友2人が石化する。

「い、いや、そこまでは……」

 もうちっとなんか言われっかと思ったけど、意外と女子は気が小さいらしい。

「だったら別に、どうってことねえだろ。ほかにねぇなら、俺戻るわ」
「おい、ちょっと待てよ」

 こいつらが呼びとめた。

「なんだよ?」
「……あのさ、おまえどうして、そんなにアイツの味方すんだ?」
「いや、それはルーちゃんが可愛いから」

 よく分からない茶々を入れた、ヴィオレイのヤツを殴りつけながら、ちっと考える。
 こいつら口が堅いし、話が分かれば味方になるかもしんない。

「誰にも言わないって、約束できっか?」
「へ? まぁ、おまえがそこまで言うなら、約束するぜ。なぁ?」
「当たり前じゃないか」

 なんかひとり微妙にズレてる気がすっけど、ともかくこいつらが同意した。
 で、一呼吸置いて。

「あいつ、戦場育ちなんだよ」
「戦場? 戦争孤児ってやつか?」

 さすがに予想の範囲超えてたらしくて、こいつらが的を外したことを返す。

「そんなカワイイもんじゃねぇって。
 ――あいつ少年兵あがりで、ここ来るまえは最前線にいたんだよ」

 二人が呆然とする。

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