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第4話 温もり

遠出 Episode:06

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◇Nattiess

 シーモアがイマドに相談された時から、みんなでこっそり計画してたんだけど、思ったとおりルーフェイアったら喜んだの。

 ――ついでに泣いちゃったけど。

 あと場所を提供してくれたミルのお父さん、すっごくルーフェイアのこと気に入っちゃって――そりゃ彼女超カワイイもんね――なんだかいろいろ、おまけでプレゼントしてたみたい。

 で、普通だったらミルが焼きもち妬くとこなんだけど、これがまた彼女、そーゆーものをどっかに忘れてきちゃった性格だから、いっしょになって騒いでるし。

 ともかくAクラスの女子4人と、イマドとその友達。みんなでおいしい料理食べてお祝いして、外へ出てきて。

「ねぇ、これからどうする? もっかいどっか行こうか?」

 あたしが聞くと、みんなが考え込んじゃった。

「そうだね、とりあえず公園でも行ってみるかい? 今日は風もないし、きっといいんじゃないかな?
 港も見えてきれいだしさ」

 シーモアが提案する。

「公園? そんなのがあるの?」
「――ルーフェイア、公園ってべつに珍しくないから」

 何かにつけて、このズレっぷりだもの。
 でも少年兵あがりだっていうし、ケンディクなんかもほとんどここへ来たことないっていうから、しょうがないかな?

 他にこれといっていい案もなかったから、みんなでそこへ行こうってことになった。

「きれい……」

 坂のとちゅうで、ルーフェイアったら感動して立ち止まって。
 ここ、公園への坂を下りてくと、いきなり海が開ける。
 ケンディクでもいちばんきれいな場所じゃないかな。

 穏やかな潮風に吹かれながら、みんなでぞろぞろ。

 でもこうしてみるとルーフェイア、ほんとにカワイイ。
 ミルのお父さんが選んでくれた――写真渡して頼んどいたの――白のブラウスに、淡い翠色のボレロとスカートのツーピース、すっごく似合ってるし。
 こーゆー可愛いのが似合うって、美少女の特権かな?

 港は今日も何隻もの船が入港してて、人が行き交ってた。

「あ、ほらほらぁ。またくるよぉ?」

 ミルったらもう、5歳児みたいな声。
 けどつられてそっちをみると、確かに一隻が入港するところ。
 しかも大きさはそんなじゃないけど、すっごい豪華な船なの。

「ああいうの、一度乗ってみたいかも。ね、ルーフェイア?」
「……乗っても、たいしたことないの」
「え? 乗ったことあるの?」

 彼女の分かりきったような答えに、あたし思わず聞き返しちゃった。
 でもルーフェイア、答えてくれない。
 しかもなんだか厳しい顔。
 なんて言うのかな? どうしてこれがここに、っていう感じの表情だった。

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