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第6話 立ち上がる意思

浜辺 Episode:04

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「オマエさ、ちょっとは気利かせろよ。オレらお呼びじゃないって」
「え?? そんなわけないじゃないか! ね、ルーちゃん」
「あ、うん……」

 断るっつーこと知らねぇルーフェイア、圧されてうなずいてるし。

「いいからオマエ、こっち来いっ! イマドはどーでもいいけど、ルーフェイアがカワイソウだろ」

 アーマルのヤツが、ヴィオレイの首絞めながら引きずってく。

 ――なんかビミョーに、腹立つ言い方しやがったけど。

 ルーフェイアのヤツが、ほっとした表情になった。やっぱ泳げねぇとこは、見られたくなかったらしい。

「二人に、謝らなきゃ……」
「気にすんなって。あいつら、いつもあんなだかんな」
「そう、なんだ」

 こいつといっしょに歩き出す。

「向こうで教えてやるよ。あっちなら人も少ねぇし。ただ、ちっと歩くかんな」
「うん」

 この海岸は、ケンディクきってのリゾート地で有名だ。延々とキロ単位で砂浜が続いて、ホテルもかなりの数が 建ってる。
 だから浜辺もかなり整備されてて、ところどころに桟橋なんかもあった。

 その一つへ向かう。割と浜辺の端のほうにあって、この向こう側はほとんど人は行かねぇ場所だ。
 ルーフェイアも、とことこついてきた。

「少しは泳げるの。でも、習ったこと、ないし……」
「わかってるって」

 よっぽど気にしてんだろう、一生懸命言い訳するあたりが、けっこう可愛い。
 ナティエスかミルが選んだらしい、白の水着がよく似合ってた。
 これでもう少し体型が……。

「なに? あたしなにか……変?」
「いや、おまえってマジで、幼児体型だよな」
「――!」

 ヤバいと思ったときにゃ、すでに蹴りを食らったあとだった。

 ――すっげー強烈。

 胸(腹?)をおさえたまま、立てなくなる。
 これで恐らく手加減してんだから、むちゃくちゃってしか言いようがない。

 けどこの手の話だと、なんでかルーフェイアは、口ほどには傷つかなかった。ケリが出るのがいい証拠だ。
 もし本当に傷つけば、蹴るより先にこいつは泣き出す。

「先に、行く!」

 けっこう怒ってるらしくて、ルーフェイアはさっさと歩き出した。
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