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第7話 力の行方

露見 Episode:03

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 この新しいターゲット、いろいろ気は遣っているけど、まだまだだ。
 この程度の防御じゃ上級者にかかったら、簡単に中へもぐりこまれる。

 あたしもまぁ、軍に潜り込む程度の技術はあったりするから、あっさり命令権をゲットした。

「♪♪♪~」

 市販製の防護壁なんてあっという間、ハミングしながらこの魔視鏡の中身を見ていく。

 結果は大当たり。
 会話記録に、まとめてみたらしい日程、さらに主要人物らしい名前まで残ってる。

 ――せめて消しとこうね。ヤバいことしてるんだから。

 とりあえずそれっぽいのをこっちへ写して、接続切ってから、中身を見てみることにする。

「うーん、これ売ったら儲かるかな~。あ、違った。『白い森』探すんだった」

 とりあえず記録の中をざっと検索して、分類してみる。
 無関係のものも紛れ込んでいてちょっとめんどくさかったけれど、どうにか関係するものを抜き出した。

「けっこう緻密だなぁ……あれ?」

 一つのファイルを開いたところで、思わず手が止まる。

「ロデスティオ……?」

 慌ててこのキーワードで再検索してみた。
 ピックアップされた記録を片っ端からあたっていく。

 結果は――これもありがち。

 ようはクーデターを起こそうとしているこのグループと、ロデスティオとが組んだらしい。

 で、彼らがアヴァン国内で事件を起して注意を引き付けている間に、ロデスティオ軍があの難所の谷を超えて、侵攻しようってことだった。

 ――それで「殿下?」とやらを。

 こうなると、あんまり時間がなさそうだ。
 もう一回通信網に接続して、こんどはロデスティオ軍の魔視鏡をあたってみる。

「あ~、もうちょっと、ちょくちょく来とくんだった!」

 去年シュマーの一件が片付いて以来、前みたいに遊びに来なくなってたのが災いしてる。

 あたりまえだけど他国へ侵攻しようというんだから、それなりに作戦としては大掛かり。
 それに気づかなかったのは、完全に怠慢ってやつ。
 前みたいにウロってたら、もっと早く分かったはずだ。

 腹いせに軍の内部をあちこち渡り歩いてみて、だいたいのところを手に入れた。
 ふぅん、なるほどね……。
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