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第7話 力の行方

露見 Episode:04

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◇Rufeir

 車が止まった。

 外が見えないようになっていたから正確には分からないけど、どうも会場から、かなり離れたところまで来ているらしい。

「降りろ」

 鋭く言われて車を降りると、森の中だった。
 どうりで周囲が静かなわけだと、納得する。

 目の前には、かなりの年数を経た石造りの館があった。
 けっこう手の込んだ造りをしているから、もともとは貴族かお金持ちの所有だったんだろう。

 けど今は、あまり使われていないようだった。

 庭では、もともと植えられて手入れされていたはずのものが、ずいぶん枯れてる。
 敷石の間からも、雑草が生えている。
 もしきちんと使われているなら、こんな荒れ方はしないはずだ。

 追い立てられるようにして、屋敷の玄関をくぐった。外からの見た目通り、中も重厚な造りだ。
 ただここも、あまり手入れはされていないみたいで、なんとなく埃っぽい。

 入ったところのホールに、数人の男たちがいた。
 真ん中の男性が口を開いた。

「殿下、ようこそ」
「――お前か」

 吐き捨てるような一言で、この男性が殿下にとってどんな人物なのかが、だいたいわかる。

「これはなんの冗談だ?」
「それは殿下が、いちばんよく知っているんじゃないのか?」

 2人が睨み合う。

 どうもこの2人、考え方かなにかが対極にあるらしい。
 ただ細かい事情を知らないあたしにしてみると、それ以上は全くわからなかった。

 ――誰か説明してくれないかな。

 思わずそんなことを思ったけれど、残念ながらそいういう親切な人は、いないみたいだ。
 そのまま2人ともしばらく睨みあっていたけれど、ふっと男性の方が先に視線を外す。

「まぁいい。いずれカタがつくことだしな。連れて行け」

 男が命令すると、周囲の男たちが無言で従った。
 この中では彼、そうとうの権力があるみたいだ。

 彼の横を抜けるようにして、連れて行かれる。
 階段を昇り廊下を行き……通された?のは、棟の最上階の、いちばん外れの部屋だった。

「さぁ、おまえはここだ」

 男の一人が乱暴に殿下の腕を取って、部屋へ押し込もうとする。

 ――いけない、分断される。

 思った瞬間、考えるより先に身体が動いた。
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