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第7話 力の行方

反撃 Episode:02

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「任務だからやむをえないが……絶対に、ムリはするんじゃない」
「はーい」

 あたしとミルが声そろえて答えたら、教官、下向いてこめかみ押さえちゃった。

「――私からも頼む。無理はするな」

 おんなじことだけど、シルファ先輩に言われると、なんか嬉しいかも?
 けど実言うと先輩、この作戦立ててから、ずっとこんな感じだったり。

「だから先輩、だいじょうぶですってば。こうみえてもあたし、シーモアと一緒に、スラムで抗争とかやってたんですよ」

 言ったら、シルファ先輩が目を丸くした。

「そう……なのか?」
「ですです。あ、スラムとかのあーゆーのって、子供同士だから容赦ないんですよ。火器とかもばんばん使っちゃうし」

 さすがにシルファ先輩も、スラムの細かいことは知らないみたい。なんか、黙っちゃったし。

「大人相手のほうが、油断してくれるから楽なくらいかな? じゃ先輩、ちょっと騙してきますから。
 ミル、ちゃんと援護射撃してね? あと、適当なとこで来てよ?」

「まかせといて! んじゃ行ってらっしゃ~い♪」

 ミルの声援を受けて、屋敷に近づいた。

 いまあたしが来てるの、可愛い感じのブラウスにエプロンドレス。
 だってこれならどう見ても、戦争しに来たようには見えないもの。
 ついでにミルのバスケット――なんでこんなもの持ってたんだろう?――まで、借りてきちゃってるし。

 そしてあたし、そこら辺の土をちょこっと手にとって、顔や服になすりつけてみて。

 ――これで「迷子の少女」の出来あがり♪

 あとはあたしの演技力?
 見張りがけっこう多いけど、ここからが腕のみせどころ。

 明かりの届いているところへ踏み出したら、兵士(?)たちが一斉にこっちを向いて。

「止まれ! 何をしに来た!」
「きゃぁっ!!」

 口元に両手をあてて、悲鳴上げてみたりして。
 ちょうど上手い具合にライトが当たって、「びっくりしてる少女」が闇に浮かび上がった。

 ――いいかも♪

「なんだ、子供か……」
「ちょっと待て。子供だろうがなんだろうが、どうしてこんなところにいるんだ?」

 その疑問、もっともよね。
 だから早速あたし、泣きそうな顔をしながら答えてあげたの。

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