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第8話 言葉ではなく
推論 Episode:05
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「今度みんなで、どっか遊びに行きましょ。
で、結局何がどういうわけで、ここに勢揃いしたわけ?」
ぐるっと回ってようやく話が本題へ戻って。けどなにしろ話が複雑だから、あたしたちみんなで顔見合わせるばっかりだった。
だって、いったいどこから誰が話せばいいんだろ……?
「やぁねぇ。まさか、誰も概要分かってないの?」
「そんなことないわよ!」
おばさんの茶々に、向こうでお父さんのお膝に抱っこ(!)されてたルーフェイアが、珍しく強い調子で抗議して。
「だから、子供たちが殺されちゃった話で……」
「やっぱりね」
確かルーフェイアのお母さんって、このスラムの出身じゃなかったはずだけど、話はだいたい訊いてるみたい。
まぁ、レニーサさんあたりが話してくれたんだろうけど。
「いちばんの事情通はゼロール、あなたかしら?
とりあえずもう一回、整理して話してちょうだい」
言葉は穏やかだけど、殆ど命令みたいなレニーサさんの言いように、慌ててあのジャーナリストが説明はじめた。
「話すって言ってもなぁ。さっき両方に言ったばっかだし。
まぁ要するに、チビちゃんたちが殺されたのは『仕組まれた』んじゃないかと思ってね」
それからあたしたちにさっき言ってた、ホームレスが「中年の男が子供を殺した」って話をする。
「とはいえ、証拠がなくてなぁ……」
そうなのよね。
証拠がない以上、このジャーナリストの狂言ってセンも否定できないもん。
「けどそうすると、俺らンとこのノアを殺したのは、いったい誰なんだ?
ガルシィ、お前らじゃねぇだろうな」
「だからやってないと、前から言ってるだろう」
なにしろ何度もあったやり取りらしいから、うちのリーダーが憤然とした調子で答えて。
そこへルーフェイアが、おずおず口を挟んだの。
「あの……その子は分かりませんけど、ウィンを襲った人のはあたし、武器とかなら詳しいこと、覚えてます……」
「ほんとなの?」
レニーサさんがびっくりして訊き返すと、ルーフェイアしっかりうなずいた。
ひとつ深呼吸して、あの時のことを思い出すみたいにしながら彼女、話し出す。
で、結局何がどういうわけで、ここに勢揃いしたわけ?」
ぐるっと回ってようやく話が本題へ戻って。けどなにしろ話が複雑だから、あたしたちみんなで顔見合わせるばっかりだった。
だって、いったいどこから誰が話せばいいんだろ……?
「やぁねぇ。まさか、誰も概要分かってないの?」
「そんなことないわよ!」
おばさんの茶々に、向こうでお父さんのお膝に抱っこ(!)されてたルーフェイアが、珍しく強い調子で抗議して。
「だから、子供たちが殺されちゃった話で……」
「やっぱりね」
確かルーフェイアのお母さんって、このスラムの出身じゃなかったはずだけど、話はだいたい訊いてるみたい。
まぁ、レニーサさんあたりが話してくれたんだろうけど。
「いちばんの事情通はゼロール、あなたかしら?
とりあえずもう一回、整理して話してちょうだい」
言葉は穏やかだけど、殆ど命令みたいなレニーサさんの言いように、慌ててあのジャーナリストが説明はじめた。
「話すって言ってもなぁ。さっき両方に言ったばっかだし。
まぁ要するに、チビちゃんたちが殺されたのは『仕組まれた』んじゃないかと思ってね」
それからあたしたちにさっき言ってた、ホームレスが「中年の男が子供を殺した」って話をする。
「とはいえ、証拠がなくてなぁ……」
そうなのよね。
証拠がない以上、このジャーナリストの狂言ってセンも否定できないもん。
「けどそうすると、俺らンとこのノアを殺したのは、いったい誰なんだ?
ガルシィ、お前らじゃねぇだろうな」
「だからやってないと、前から言ってるだろう」
なにしろ何度もあったやり取りらしいから、うちのリーダーが憤然とした調子で答えて。
そこへルーフェイアが、おずおず口を挟んだの。
「あの……その子は分かりませんけど、ウィンを襲った人のはあたし、武器とかなら詳しいこと、覚えてます……」
「ほんとなの?」
レニーサさんがびっくりして訊き返すと、ルーフェイアしっかりうなずいた。
ひとつ深呼吸して、あの時のことを思い出すみたいにしながら彼女、話し出す。
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