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第10話 空(うつほ)なる真実
閑話、屋敷にて Episode:01
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◇Saliya
「あれでだいじょぶかしらねー?」
「おばさま、心配しすぎですわ」
本当にこの方は、何にでも首を突っ込む方。しかもそのほとんどが、厄介ごととセット。
ご当人は「向こうから厄介ごとが来るだけ」と言うけれど、私にはわざわざ集めているようにしか見えませんし。
「だいいちこういうことは、当人が試行錯誤して覚えるものでしてよ?
それをわざわざ手助けなんて、物好きにもホドがあります」
けどおばさま、今日はうまく切り返してきて。
「だからって、タシュアが自力で分かると思う?」
「それは……」
さすがにこれは、イエスとは私も言えないのが。
「ほらね。だいいちあのままじゃ、シルファが可哀想よ」
この辺もまぁ、言いたいことは分かるのですけど。
「それにしたって、事態を余計にややこしくする必要はありませんわ」
「あら、あたしそんなことした?」
一事が万事これなのが……。
「先ほどのやり取り、もうお忘れでして? おばさまがタシュアさんを、おかしな言い方でお連れになるから、さらに混乱したんですのよ」
「そんなこと言ったって、ああでも言わないと動きそうになかったんだもの」
言い訳の仕方も、子どもじみてますし。
「おばさまが面倒くさがりなのは承知してますけど、だからって任務と称することはないでしょうに。
だいいちこれの、どこが任務になりまして?」
「そう? やっぱならないかしら」
「なりません」
いつもこの調子。
尻拭いするほうの身にも、なっていただきたいもの。
なによりこんなこと、他人が口を突っ込むことではないでしょうし。
「それにしても……冷めてるというか枯れているというか、変わってるわよねぇ」
おばさまに変わってると言われたなんて知ったら、タシュアさん嫌な顔するでしょうね。
私だってこれは嫌ですもの。
もっともご当人はそんなこと思ってもないようで、話は続いていて。
「ほら、あの年頃の男の子って、良くも悪くももっと女の子にがっつているものじゃない?
ましてや、シルファのみたいな可愛い彼女がいたら、余計だと思うんだけど」
「私に訊かれても困りますわ。そういうことは、当人に訊いていただかないと」
ホントにおばさまにかかると、どの子もまとめて我が子扱い。
いったい何人、子供を抱えれば気が済むのやら。
「それにしても、今回のことはやりすぎでは? おかげでずいぶんな出費でしてよ」
「あらそぉ? 何ならあたしのとこから、引いといてちょうだい」
案の定、まったく考えてらっしゃらないし。
「あれでだいじょぶかしらねー?」
「おばさま、心配しすぎですわ」
本当にこの方は、何にでも首を突っ込む方。しかもそのほとんどが、厄介ごととセット。
ご当人は「向こうから厄介ごとが来るだけ」と言うけれど、私にはわざわざ集めているようにしか見えませんし。
「だいいちこういうことは、当人が試行錯誤して覚えるものでしてよ?
それをわざわざ手助けなんて、物好きにもホドがあります」
けどおばさま、今日はうまく切り返してきて。
「だからって、タシュアが自力で分かると思う?」
「それは……」
さすがにこれは、イエスとは私も言えないのが。
「ほらね。だいいちあのままじゃ、シルファが可哀想よ」
この辺もまぁ、言いたいことは分かるのですけど。
「それにしたって、事態を余計にややこしくする必要はありませんわ」
「あら、あたしそんなことした?」
一事が万事これなのが……。
「先ほどのやり取り、もうお忘れでして? おばさまがタシュアさんを、おかしな言い方でお連れになるから、さらに混乱したんですのよ」
「そんなこと言ったって、ああでも言わないと動きそうになかったんだもの」
言い訳の仕方も、子どもじみてますし。
「おばさまが面倒くさがりなのは承知してますけど、だからって任務と称することはないでしょうに。
だいいちこれの、どこが任務になりまして?」
「そう? やっぱならないかしら」
「なりません」
いつもこの調子。
尻拭いするほうの身にも、なっていただきたいもの。
なによりこんなこと、他人が口を突っ込むことではないでしょうし。
「それにしても……冷めてるというか枯れているというか、変わってるわよねぇ」
おばさまに変わってると言われたなんて知ったら、タシュアさん嫌な顔するでしょうね。
私だってこれは嫌ですもの。
もっともご当人はそんなこと思ってもないようで、話は続いていて。
「ほら、あの年頃の男の子って、良くも悪くももっと女の子にがっつているものじゃない?
ましてや、シルファのみたいな可愛い彼女がいたら、余計だと思うんだけど」
「私に訊かれても困りますわ。そういうことは、当人に訊いていただかないと」
ホントにおばさまにかかると、どの子もまとめて我が子扱い。
いったい何人、子供を抱えれば気が済むのやら。
「それにしても、今回のことはやりすぎでは? おかげでずいぶんな出費でしてよ」
「あらそぉ? 何ならあたしのとこから、引いといてちょうだい」
案の定、まったく考えてらっしゃらないし。
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