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1:世話焼き飛行は損の元?!
Episode:06
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スクリーンに大きく映し出された相手は熊のごときむくつけき、無精髭まで生えた無頼漢オヤジ。
まぁそこまではいい。だが今回は服装が酷すぎた。
何しろ着ているのが、黒いビスチェに網タイツ、加えてご丁寧に頭に長い耳――どうみてもバニーガールだ。
きっと後ろを向いたら、お尻に丸くてふわふわの尻尾もあるに違いない。
確実に商談の格好としては間違っている。
というか、何の予告もなしにこんなものを見せられたら、さすがにクラクラする。
そもそも筋骨隆々、無精髭の毛深いオヤジが扮するバニーガールを、正視しながら商談出来る地球人など、果たしてどれだけいるのか。
エルヴィラは視線をそらしながら、絞り出すように返した。
「そのカッコってば何……しかも、その言い方もおかしいし」
この情報屋、エルヴィラたちと縁を持ったのがきっかけで、地球の文化に興味――売り物になると思ったのだろう――を持ったらしい。
で、研究に余念がないのだが、そうやって得た知識がどれも何か微妙におかしかった。
「えー? この間手に入れた映像じゃ、こう言ってたぞ?」
「その言い方、ビジネスじゃ使わないってば」
「おっかしいなぁ、地球人の若い女性相手にはこう言うと喜ぶ、ってなってたのに」
一体何を見たのだろう? モテるためのノウハウ集か、あるいは映画か。
少なくともビジネスマナー集ではないのは確かだ。
「うーん、やっぱアンタに教わったほうがいいんかな?」
「タダじゃイヤ。で、もう一回聞くけど、その服装なに?」
「ん? いいだろー」
さっきの言葉と同じように、どこかで情報を仕入れて真似してみたのだろう。本人はいたくご機嫌だ。
「地球じゃこういう服、人気あるんだってな」
「……一部だけならね……」
確かに局所的には、喝采を浴びる「人気の」服装だが。
それにしたって中身が熊オヤジでやられたら、どの程度「人気」になるのか。
当の本人は楽しそうに続けていた。
「あと俺、そっちで言う男性に当たるだろ。んでこういう筋肉の発達した男性が地球じゃ女性に人気あるっていうから、組み合わせてみたんだよ。なかなかだろ?」
めまいがヒドくなってくる。
彼に悪気は全くない。
それどころか、エルヴィラに対してかなり親切と言っていい。
何しろ宇宙では種族的な違いが大きすぎて、相手に合わせることが「できない」。
だから相手に合わせなくても、なんら問題がない。
そういう常識の中で、彼は地球人風の格好をしたり言い回しをしたりするのだから、破格の待遇だ。
だがそうは言っても、やはり熊オヤジのバニーガールは、商談相手としては願い下げだった。
まぁそこまではいい。だが今回は服装が酷すぎた。
何しろ着ているのが、黒いビスチェに網タイツ、加えてご丁寧に頭に長い耳――どうみてもバニーガールだ。
きっと後ろを向いたら、お尻に丸くてふわふわの尻尾もあるに違いない。
確実に商談の格好としては間違っている。
というか、何の予告もなしにこんなものを見せられたら、さすがにクラクラする。
そもそも筋骨隆々、無精髭の毛深いオヤジが扮するバニーガールを、正視しながら商談出来る地球人など、果たしてどれだけいるのか。
エルヴィラは視線をそらしながら、絞り出すように返した。
「そのカッコってば何……しかも、その言い方もおかしいし」
この情報屋、エルヴィラたちと縁を持ったのがきっかけで、地球の文化に興味――売り物になると思ったのだろう――を持ったらしい。
で、研究に余念がないのだが、そうやって得た知識がどれも何か微妙におかしかった。
「えー? この間手に入れた映像じゃ、こう言ってたぞ?」
「その言い方、ビジネスじゃ使わないってば」
「おっかしいなぁ、地球人の若い女性相手にはこう言うと喜ぶ、ってなってたのに」
一体何を見たのだろう? モテるためのノウハウ集か、あるいは映画か。
少なくともビジネスマナー集ではないのは確かだ。
「うーん、やっぱアンタに教わったほうがいいんかな?」
「タダじゃイヤ。で、もう一回聞くけど、その服装なに?」
「ん? いいだろー」
さっきの言葉と同じように、どこかで情報を仕入れて真似してみたのだろう。本人はいたくご機嫌だ。
「地球じゃこういう服、人気あるんだってな」
「……一部だけならね……」
確かに局所的には、喝采を浴びる「人気の」服装だが。
それにしたって中身が熊オヤジでやられたら、どの程度「人気」になるのか。
当の本人は楽しそうに続けていた。
「あと俺、そっちで言う男性に当たるだろ。んでこういう筋肉の発達した男性が地球じゃ女性に人気あるっていうから、組み合わせてみたんだよ。なかなかだろ?」
めまいがヒドくなってくる。
彼に悪気は全くない。
それどころか、エルヴィラに対してかなり親切と言っていい。
何しろ宇宙では種族的な違いが大きすぎて、相手に合わせることが「できない」。
だから相手に合わせなくても、なんら問題がない。
そういう常識の中で、彼は地球人風の格好をしたり言い回しをしたりするのだから、破格の待遇だ。
だがそうは言っても、やはり熊オヤジのバニーガールは、商談相手としては願い下げだった。
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