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1:世話焼き飛行は損の元?!
Episode:11
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「このデータ、どこへ売る気ですの?」
イノーラが服――正確に言うと薄布を巻いた程度だが――を着て、戻ってきた。
これで流行の清楚な服でも着たら、地球ならモテるだろうに。
姪っ子の姿にそんなことを思いながら、エルヴィラは答えた。
「もう情報屋と交渉して手配済み。思ったより高く売れそう」
「おばさまにしては、無難ですわね」
服に引っかかった黒髪を整えながら、姪っ子は言い返す。
「あたしがいつも、妙なことしてるみたいな言い方じゃない」
「違いますの?」
ああ言えばこう言うばかりで、本当にひねくれている。だが、責める気にはならなかった。
要するにイノーラは、これが楽しいのだ。
あまりにも幼いうちに親から引き離されたイノーラの、数少ない楽しみを、エルヴィラはやめさせようとは思わなかった。
「まぁどっちにしても、あと二、三日はここへ釘付けだしね」
「誰かさんのおかげで」
すかさず突っ込まれたが、エルヴィラはこれは無視し、宇宙蝶の映像を最初へ戻す。
「これ見てると、やっぱりお互いに、なんか話してる気がするんだよねぇ」
「状況から見て、話していないほうが不思議だと思いますけど?」
「珍しい、あんたがそんなロマンティックなこと言うなんて」
エルヴィラの言葉に、ワケの分からないことをという顔で、イノーラが説明し始めた。
「光り方に、ときどき同じパターンが出てましたわ。それも複数の間で、決まった順のやり取りで。これは意思疎通ではありませんの?」
姪っ子の言葉に慌てて解析をすると、言うとおり数パターンが確認された。
「よく見てたね……」
「普通は分かります。それにあの生物が遭難信号に反応するのは、今までの事例でよく知られていますわ。だとすれば互いに信号を送り合っていても、何も不思議ではないと思いますけど」
我が姪ながら頭の回転は本当に速いと、エルヴィラは感心する。
「いっそ、あたしたちも遭難信号でも出してみようか」
思いついて言ってみると、イノーラから雪原のごとく冷たい視線が帰ってきた。
「必要がないのに遭難信号を出すのは、禁じられてますわよ」
「冗談だって。でも遭難信号出せば、あの蝶たち寄ってくると思うんだよねぇ」
まぁ実際にはイノーラの言うとおり、その信号は出せない。どこかの誰かが受信したら大騒ぎだ。
ならばそれに似た、何か違うものを使うしかないわけだが……さて何があったかと、エルヴィラは考え込む。
答えを導き出したのは、イノーラのほうだった。珍しく興味を持ったらしい。
イノーラが服――正確に言うと薄布を巻いた程度だが――を着て、戻ってきた。
これで流行の清楚な服でも着たら、地球ならモテるだろうに。
姪っ子の姿にそんなことを思いながら、エルヴィラは答えた。
「もう情報屋と交渉して手配済み。思ったより高く売れそう」
「おばさまにしては、無難ですわね」
服に引っかかった黒髪を整えながら、姪っ子は言い返す。
「あたしがいつも、妙なことしてるみたいな言い方じゃない」
「違いますの?」
ああ言えばこう言うばかりで、本当にひねくれている。だが、責める気にはならなかった。
要するにイノーラは、これが楽しいのだ。
あまりにも幼いうちに親から引き離されたイノーラの、数少ない楽しみを、エルヴィラはやめさせようとは思わなかった。
「まぁどっちにしても、あと二、三日はここへ釘付けだしね」
「誰かさんのおかげで」
すかさず突っ込まれたが、エルヴィラはこれは無視し、宇宙蝶の映像を最初へ戻す。
「これ見てると、やっぱりお互いに、なんか話してる気がするんだよねぇ」
「状況から見て、話していないほうが不思議だと思いますけど?」
「珍しい、あんたがそんなロマンティックなこと言うなんて」
エルヴィラの言葉に、ワケの分からないことをという顔で、イノーラが説明し始めた。
「光り方に、ときどき同じパターンが出てましたわ。それも複数の間で、決まった順のやり取りで。これは意思疎通ではありませんの?」
姪っ子の言葉に慌てて解析をすると、言うとおり数パターンが確認された。
「よく見てたね……」
「普通は分かります。それにあの生物が遭難信号に反応するのは、今までの事例でよく知られていますわ。だとすれば互いに信号を送り合っていても、何も不思議ではないと思いますけど」
我が姪ながら頭の回転は本当に速いと、エルヴィラは感心する。
「いっそ、あたしたちも遭難信号でも出してみようか」
思いついて言ってみると、イノーラから雪原のごとく冷たい視線が帰ってきた。
「必要がないのに遭難信号を出すのは、禁じられてますわよ」
「冗談だって。でも遭難信号出せば、あの蝶たち寄ってくると思うんだよねぇ」
まぁ実際にはイノーラの言うとおり、その信号は出せない。どこかの誰かが受信したら大騒ぎだ。
ならばそれに似た、何か違うものを使うしかないわけだが……さて何があったかと、エルヴィラは考え込む。
答えを導き出したのは、イノーラのほうだった。珍しく興味を持ったらしい。
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