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1:世話焼き飛行は損の元?!
Episode:12
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「テスト用の通信帯で、遭難信号を出してみます?」
確かにその方法なら、クレームは来ない。万が一どこかの誰かが受信しても、機体に無茶をさせたので念のためにテストした、と言えば問題ないだろう。
「やれる?」
「おばさまじゃあるまいし、出来もしないことを言ったりしませんわ」
さっき服のことを言った腹いせだろうか。今日のイノーラはやけに突っかかる。
(まぁ、いいんだけどさ)
ひとたびどこかの惑星なりステーションなり、ともかく他者のいるところへ出たなら、エルヴィラの独壇場だ。
頭は抜群にいいが、どうにも社交性に欠けるイノーラは、交渉や駆け引きが苦手だった。
良くて折り合いがつかず決裂、最悪の場合は言ってはいけないことを次々指摘して、相手を怒らせてしまう。
それを姪っ子は自分でも分かっているのだろう。他人に対しては信じられないほど大人しい。典型的な内弁慶だ。
これもペットとして飼われていた弊害だろうと、エルヴィラは思う。
「通信帯チェック完了、信号、送信開始」
イノーラの淡々とした報告があって、信号が流された。
「どうなるかなー」
「どうにもならないかもしれませんわ」
相変わらずの掛け合いをしながら、観測用カメラからの映像を見守る。
意外にも、事態が動くのは早かった。観測用カメラに映る宇宙蝶が、いくらも経たないうちにちかちかとまたたき始める。
「遭難信号に反応するのは、これでキマリか」
これも記録してあるから、さらにプレミアをつけて売れるはずだ。
「それで、このあとどうするかは考えてありますの?」
「なーんにも」
平然と言ってのけたエルヴィラに、イノーラがあからさまな軽蔑の視線を返す。
「おばさま、どうしてそうやって何の計算も無いまま、コトを進めるんですの?」
「そりゃ、おもしろそうだから」
それ以外の理由など、エルヴィラにあるわけもない。
「行き当たりばったりにも、限度ってものがありますわ」
「いいじゃない、それでいつも上手くいってるんだから」
これは事実だった。
計算高いイノーラと違い、エルヴィラは万事出たとこ勝負なのだが、すべて動物的カンで切り抜けてしまう。
姪っ子はそれが癪に障るようだが、気にするエルヴィラではなかった。
「あ、彼らこっちへ来るね」
観測用カメラに映る宇宙蝶の群れが、膜を広げて移動し始める。
「ここへ来るのに、どのくらいかかるかな」
「しばらくかかりますわ。彼らは宇宙船ほど、スピードは出ませんから」
「それもそうか」
恒星風を利用したとしても、宇宙は広い。移動するにはそれなりの時間が必要だ。
確かにその方法なら、クレームは来ない。万が一どこかの誰かが受信しても、機体に無茶をさせたので念のためにテストした、と言えば問題ないだろう。
「やれる?」
「おばさまじゃあるまいし、出来もしないことを言ったりしませんわ」
さっき服のことを言った腹いせだろうか。今日のイノーラはやけに突っかかる。
(まぁ、いいんだけどさ)
ひとたびどこかの惑星なりステーションなり、ともかく他者のいるところへ出たなら、エルヴィラの独壇場だ。
頭は抜群にいいが、どうにも社交性に欠けるイノーラは、交渉や駆け引きが苦手だった。
良くて折り合いがつかず決裂、最悪の場合は言ってはいけないことを次々指摘して、相手を怒らせてしまう。
それを姪っ子は自分でも分かっているのだろう。他人に対しては信じられないほど大人しい。典型的な内弁慶だ。
これもペットとして飼われていた弊害だろうと、エルヴィラは思う。
「通信帯チェック完了、信号、送信開始」
イノーラの淡々とした報告があって、信号が流された。
「どうなるかなー」
「どうにもならないかもしれませんわ」
相変わらずの掛け合いをしながら、観測用カメラからの映像を見守る。
意外にも、事態が動くのは早かった。観測用カメラに映る宇宙蝶が、いくらも経たないうちにちかちかとまたたき始める。
「遭難信号に反応するのは、これでキマリか」
これも記録してあるから、さらにプレミアをつけて売れるはずだ。
「それで、このあとどうするかは考えてありますの?」
「なーんにも」
平然と言ってのけたエルヴィラに、イノーラがあからさまな軽蔑の視線を返す。
「おばさま、どうしてそうやって何の計算も無いまま、コトを進めるんですの?」
「そりゃ、おもしろそうだから」
それ以外の理由など、エルヴィラにあるわけもない。
「行き当たりばったりにも、限度ってものがありますわ」
「いいじゃない、それでいつも上手くいってるんだから」
これは事実だった。
計算高いイノーラと違い、エルヴィラは万事出たとこ勝負なのだが、すべて動物的カンで切り抜けてしまう。
姪っ子はそれが癪に障るようだが、気にするエルヴィラではなかった。
「あ、彼らこっちへ来るね」
観測用カメラに映る宇宙蝶の群れが、膜を広げて移動し始める。
「ここへ来るのに、どのくらいかかるかな」
「しばらくかかりますわ。彼らは宇宙船ほど、スピードは出ませんから」
「それもそうか」
恒星風を利用したとしても、宇宙は広い。移動するにはそれなりの時間が必要だ。
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