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1:世話焼き飛行は損の元?!
Episode:13
しおりを挟む「今のうちに、少しでも言葉が分からないかなぁ」
「本当にその頭、飾りでしかありませんのね」
言いながらイノーラが、記録データを動かした。
先ほどの、恒星風に宇宙蝶の子供が飛ばされたところが、映し出される。
「ここですわ」
スローで再生しながら、イノーラが説明し始めた。
「ここは二つのパターンしかありません。状況も限定されてますから、かなり絞り込めるかと」
たしかに姪っ子の言うとおりだ。
それぞれかなり生態が異なるエイリアンだが、こういう危機的状況で、百万光年先の星系の話を始めることは、さすがにありえない。
ましてや飛ばされたのは子供だ。
「この場合たいていは、『助けて』って叫ぶか、保護者を呼ぶかだろうなぁ」
実際、蛍光パターンも二つしか出ていない。
「どちらがどうとは特定は出来ませんけど、助けを求める信号だと思いますわ」
イノーラも同意する。
とはいえ宇宙は広いわけで、中にはこういう状況で「もっとも信頼する相手に罵詈雑言を浴びせる」種族も居るから、断定は出来ないのだが。
「じゃぁ彼らが来たら、直接訊いてみよっか」
「来なくても、訊けると思いますけどね」
言葉の意味が分からず考え込んだエルヴィラを、「こんな事も分からないのか」という瞳で、イノーラが見た。
「先程と同じように遭難信号の帯域で、このパターンを流せば済む話です」
姪っ子の言葉に、あっと思う。言われてみればその通りだ。
「でも向こうは光だよ。それでだいじょぶなのかな」
「出来ないことは言わないと、ついさっきも言いましたわ。もう忘れるなんて、脳が老化したんじゃありません?」
毒舌を次々と吐き出すイノーラは、なんとも楽しそうだ。
「そもそも彼らは、私たちの出した信号に反応していますのよ?
なのになぜ、次は反応しないと思うのか、その根拠こそ聞かせていただきたいのですけど」
こういう理屈での論戦になったら、この姪っ子にはかなわない。
「じゃぁそういうことで、早く流そ」
エルヴィラは早々に議論を打ち切り、実践へと話を持っていった。
思う存分言えなかったイノーラは、ずいぶん不満げだったが、じき気持ちを切り替えたらしい。
華奢な指が操作盤の上を舞った。
「どうなるかな~」
「さっきと同じことを……語彙数が少なすぎますわ。やはり脳が老化し始めたのでは?」
「はいはい。次のステーションででも考えてみる」
言いたい放題の姪っ子にぞんざいな返事をしつつ、事態を見守る。
宇宙蝶たちは、信号を受け取ったのだろう。群れのどれもが、さらに激しく瞬きはじめた。
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