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第10話 陰謀は湯気に消えて
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「あのですね、大事なことが」
「なによ」「なんじゃ」
二人から同時に答えが返ってくる。
特に師匠の声はあからさまにホッとしてて、僕を後悔させた。
でも飢えをしのぐためには仕方が無い。
父さんもよく、メシのためにはイヤなことも我慢してやるしかないんだ、って言ってたし。
ひとつ息を吸って、口を開く。
「おば……じゃない、イサさんにここに居てもらうのはいいですけど、師匠、食事どうします?」
師匠が眉根を寄せて思案顔になった。やっぱりおばさんの食事のこととか、まったく頭に無かったみたいだ。気づいてよかった。
「食事といわれても、何かあるじゃろう?」
「無いですよ。隣に頼んでるの、二人分じゃないですか」
そして僕は思いついた作戦を実行した。
「だから明日からはともかく、今日はどこかで食べたらどうでしょう?」
「むぅ」
師匠が顎に手を当てて考え込む。
でも即効で却下されてないから、かなり勝算アリだ。今日はきっとご馳走だ。
ステップ踏みたくなるくらい嬉しい。
何しろ師匠ときたら、食べるものは量さえあればいいって人で、ここへ来てからご馳走なんて食べたこと無い。
かなり味に難点があったけど、それでも特別な日にはご馳走を作ってた、実家のほうがまだマシだった。
それが今日、やっと――。
「だったら隣の飯炊き女に、増えたと言えばいいかの。よく見たらまだ明るい時間じゃから、まだ間に合うじゃろ」
「え……」
師匠がそんなことに気づくなんて予想外だ。というか時間なんて気にしたこと無いのに、今日に限って気にするなんてヒド過ぎる。
しかもそこへ、おばさんまで口を出してきた。
「何よ、隣に頼んでるなら大変じゃない。すぐ言わないと向こうだって困るわ」
「いや、ですから……」
せっかく今日はご馳走が食べられると思ったのに、なんか話の方向が違いすぎる。
「イヤも何も、すぐ頼んでらっしゃい! 急に作る量が増えるのって、ほんっと困るんだから。ほら急いで急いで!」
「スタニフ、この人の言うとおりじゃ。とっとと行ってこんか」
二人に言われて、僕は泣く泣く立ち上がった。
「なによ」「なんじゃ」
二人から同時に答えが返ってくる。
特に師匠の声はあからさまにホッとしてて、僕を後悔させた。
でも飢えをしのぐためには仕方が無い。
父さんもよく、メシのためにはイヤなことも我慢してやるしかないんだ、って言ってたし。
ひとつ息を吸って、口を開く。
「おば……じゃない、イサさんにここに居てもらうのはいいですけど、師匠、食事どうします?」
師匠が眉根を寄せて思案顔になった。やっぱりおばさんの食事のこととか、まったく頭に無かったみたいだ。気づいてよかった。
「食事といわれても、何かあるじゃろう?」
「無いですよ。隣に頼んでるの、二人分じゃないですか」
そして僕は思いついた作戦を実行した。
「だから明日からはともかく、今日はどこかで食べたらどうでしょう?」
「むぅ」
師匠が顎に手を当てて考え込む。
でも即効で却下されてないから、かなり勝算アリだ。今日はきっとご馳走だ。
ステップ踏みたくなるくらい嬉しい。
何しろ師匠ときたら、食べるものは量さえあればいいって人で、ここへ来てからご馳走なんて食べたこと無い。
かなり味に難点があったけど、それでも特別な日にはご馳走を作ってた、実家のほうがまだマシだった。
それが今日、やっと――。
「だったら隣の飯炊き女に、増えたと言えばいいかの。よく見たらまだ明るい時間じゃから、まだ間に合うじゃろ」
「え……」
師匠がそんなことに気づくなんて予想外だ。というか時間なんて気にしたこと無いのに、今日に限って気にするなんてヒド過ぎる。
しかもそこへ、おばさんまで口を出してきた。
「何よ、隣に頼んでるなら大変じゃない。すぐ言わないと向こうだって困るわ」
「いや、ですから……」
せっかく今日はご馳走が食べられると思ったのに、なんか話の方向が違いすぎる。
「イヤも何も、すぐ頼んでらっしゃい! 急に作る量が増えるのって、ほんっと困るんだから。ほら急いで急いで!」
「スタニフ、この人の言うとおりじゃ。とっとと行ってこんか」
二人に言われて、僕は泣く泣く立ち上がった。
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