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第28話 それは姫さまの
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「すみません、聞いてませんでした。このケーキおいしくて」
「しょうがないわねぇ」
おばさんが呆れた顔をする。
でも怒ってないから大丈夫だ。目的は達成してる。
なんだかちょっと、自分が情けない気がするけど。
おばさんが続けた。
「このケーキのレシピ、キミが書いてくれない? 今から言うから」
厨房おばさんがこれを聞いて、意外って顔をする。
「あんた、これだけのもの知ってるのに、読み書きはダメなのかい?」
「あたし、元は遠い異国の出なの。だからどうも読み書きはねー。自分の国の言葉なら、いくらでも書けるし計算もできるんだけど」
さらっとおばさんが、嘘じゃないけど本当でもないことを言う。
詐欺師だ。やっぱりおばさんって種族はみんな詐欺師だ。
あること無いこと言って周りを振り回して、しかも自分だけしっかりおいしいところを取ってくんだから、詐欺師って言って差し支えないはずだ。
けど、これを言うとぜったい僕が言い負かされる。
女の人に勝負を挑むな、特に口で勝てると思うなって、いつも父さんも言ってたし。だから何もなかったフリをする。
「書くもの、ありますか?」
言うとすぐ厨房おばさんがあの少年を呼んで、書くものを持ってこさせた。
彼の顔にはさっきと同じように、「おばさんが怖い」と描いてある。だから目が合った瞬間に頷いたら、笑顔で応えてくれた。きっと心が通じたに違いない。
「材料から言うから」
「はい」
言われるままに書き記す。
厨房おばさんが言った。
「冷めたから、あたしゃこれを姫さまに持ってくことにするよ」
驚いたことにイサさんのお菓子、さっそく姫さまのおやつになるらしい。
――そりゃ確かに、おいしかったけど。
でもこんな簡単に姫さまの前に出されて、いいんだろうか?
確かにここの料理長が作ったとも言えるから、いいのかもしれないけど……。
ともかく聞いてると、やたらと複雑な気分だ。
「レシピを書き終わったら、部屋に戻っちまっても構わないよ。
――フーゴ、そのときはお客様方をご案内おし」
下働きの少年にそう言いつけて、厨房おばさんは出て行った。
「しょうがないわねぇ」
おばさんが呆れた顔をする。
でも怒ってないから大丈夫だ。目的は達成してる。
なんだかちょっと、自分が情けない気がするけど。
おばさんが続けた。
「このケーキのレシピ、キミが書いてくれない? 今から言うから」
厨房おばさんがこれを聞いて、意外って顔をする。
「あんた、これだけのもの知ってるのに、読み書きはダメなのかい?」
「あたし、元は遠い異国の出なの。だからどうも読み書きはねー。自分の国の言葉なら、いくらでも書けるし計算もできるんだけど」
さらっとおばさんが、嘘じゃないけど本当でもないことを言う。
詐欺師だ。やっぱりおばさんって種族はみんな詐欺師だ。
あること無いこと言って周りを振り回して、しかも自分だけしっかりおいしいところを取ってくんだから、詐欺師って言って差し支えないはずだ。
けど、これを言うとぜったい僕が言い負かされる。
女の人に勝負を挑むな、特に口で勝てると思うなって、いつも父さんも言ってたし。だから何もなかったフリをする。
「書くもの、ありますか?」
言うとすぐ厨房おばさんがあの少年を呼んで、書くものを持ってこさせた。
彼の顔にはさっきと同じように、「おばさんが怖い」と描いてある。だから目が合った瞬間に頷いたら、笑顔で応えてくれた。きっと心が通じたに違いない。
「材料から言うから」
「はい」
言われるままに書き記す。
厨房おばさんが言った。
「冷めたから、あたしゃこれを姫さまに持ってくことにするよ」
驚いたことにイサさんのお菓子、さっそく姫さまのおやつになるらしい。
――そりゃ確かに、おいしかったけど。
でもこんな簡単に姫さまの前に出されて、いいんだろうか?
確かにここの料理長が作ったとも言えるから、いいのかもしれないけど……。
ともかく聞いてると、やたらと複雑な気分だ。
「レシピを書き終わったら、部屋に戻っちまっても構わないよ。
――フーゴ、そのときはお客様方をご案内おし」
下働きの少年にそう言いつけて、厨房おばさんは出て行った。
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