羊の皮を被った一匹狼

アサギリナオト

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 グウェン
決着ケリをつけるぞ、ヴェロール。今までの借りを全て返させてもらう」


 ヴェロール
「フン。1体1じゃ、おめぇはオレ様には勝てねぇ。何度やっても結果は同じだぜぇ」


 両者の実力は、ほぼ互角。

 しかし、戦いには相性というものがある。

 グウェンは魔王軍最強にして最速の剣技を誇るが、彼の剣技ではヴェロールの分厚い肉体に致命傷は与えられない。

 弱点となる頭部に重い一撃を食らわせれば話は別だが、狙ってくるとわかっている攻撃を簡単に食らうほど、ヴェロールはマヌケではない。

 グウェンは毒炎に反応できるギリギリの距離までヴェロールに近付いた。

 ヴェロールの攻撃は全てが一撃必殺の威力を秘めている。

 カウンターダメージを避けるため、グウェンは慎重にならざるを得ない。

 グウェンが前に踏み出そうとした瞬間、ヴェロールが先制攻撃に打って出た。


 ヴェロール
「グルァァァァ――――‼」


 ヴェロールは金棒をフルスイングし、地面を深くえぐり取った。

 無数の石つぶてが襲いかかり、グウェンは残像を生み出すほどの高速移動術――――『幻狼ステップ』でそれらを全てかわした。

 ヴェロールが同じ攻撃を二度三度繰り返し、グウェンは飛来する石つぶてを回避しながらヴェロールの懐に潜り込んだ。

 ヴェロールが至近距離から毒炎を吐き出し、グウェンは跳躍してヴェロールの頭上を飛び越えた。


 ヴェロール
「なっ――⁉」


 そしてヴェロールの背後に着地すると同時にその背中を剣で斬り付ける。


 ヴェロール
「ちぃぃっ――!」


 しかし、ヴェロールはダメージをものともせず、振り向きざまに金棒を真横にスイングさせた。

 グウェンは横っ飛びでヴェロールの射程外に退避し、金棒が通過した瞬間に素早く転身する。

 グウェンがヴェロールの腹部に鋭い一撃を与えた。

 ――――が、やはり大したダメージは与えられない。

 その後も同じような攻防が幾度も繰り返され、両者ともに疲労だけが蓄積していった。


 ヴェロール
「どうしたぁ? 自慢の足がのろくなっちまってるぜぇ?」


 グウェン
「くっ――」


 グウェンの体力は、ヴェロールのそれに大きく劣っている。

 最初に比べて彼のスピードは目に見えて落ちていた。

 このままではヴェロールの攻撃に捕まるのも時間の問題である。

 早期の決着を狙いたいグウェンだが、ヴェロールは中々隙を見せない。

 長期戦になれば自分に分があることをヴェロールはわかっているのだ。

 しかし、グウェンはついに勝機を見出した。

 彼の鋭い嗅覚が次なる一手を導き出し、ヴェロールの背後に素早く回り込んだ。

 ヴェロールが金棒を振り回し、グウェンが大きく跳躍した。

 すると次の瞬間――――

 グウェンの足首がヴェロールの尻尾に掴まれてしまった。


 ヴェロール
「ワンパターンなんだよ、バカがぁ!」


 グウェン
「…………」


 ヴェロールが逆さづりになったグウェンを目の前まで持っていき、金棒を大きく振りかざした。


 ヴェロール
「元最高幹部同士のよしみだ。死ぬ前に何か言い残すことはあるかぁ?」


 ヴェロール
「……そうだな」


 グウェンが剣の柄を強く握り締め、少し間を置いてからフンと鼻を鳴らした。


 グウェン
「先に地獄で待ってろ。オレもすぐそっちに行く」


 ヴェロール
「あぁ……?」


 グウェンが自らを囮にして作り出した大きな隙。

 ヴェロールは『不可視魔法』インビジブル・マジックで姿を消していたネフィスに後頭部を短剣ダガーで貫かれた。


 ヴェロール
「がぁぁぁぁっ――――⁉」


 ヴェロールはグウェンを地面に落っことし、左手で後頭部に突き刺さる短剣ダガーを掴んだ。

 しかし、さすがのヴェロールも後頭部に受けた致命傷には耐えきれず、そのままゆっくりと地面に倒れ込んだ。

 戦いの最中、グウェンはネフィスの体臭を鼻で捉え、わざと捕まることで彼女に攻撃の隙を与えた。

 ネフィスの『不可視魔法』インビジブル・マジックは嗅覚に鋭いグウェンにしか見抜けない。

 互いの意図を瞬時に理解し、互いの利を生かし合った見事な連係である。


 グウェン
「一応、聞く。――――なぜ戻ってきた?」


 ネフィス
「ダンナの話を聞いて、アタイもやられっぱなしじゃいられないって思ったんッス」


 ネフィスはヴェロールに弱みを握られ、長年その呪縛から逃れられずにいた。

 今までは奴の命令に従うことしか出来なかったが、今回の一件を通じて何かが変わった。

 自分の過去に決着ケリをつける最後のチャンスだと思ったのだ。


 ネフィス
「ダンナはこれからどうするつもりッスか?」


 ヴェロールが死んだ今、この街にもう用はない。

 羊の皮が燃やされてしまったため、アウルの噂が広まる前に速やかに街を去るつもりだ。

 グウェンがネフィスの質問に答えようとした――――そのときである。


 グウェン
「っ――⁉」


 突然、グウェンの体が真横に吹っ飛び、地面を激しく転がった。

 ネフィスは何が起こったのか理解できず、ただ呆然としている。


 ???
「ネ~・フィ~・ス~……」


 ネフィス
「っ――⁉」


 ネフィスが後ろに振り返ると、そこには死んだはずのヴェロールが復活した姿があった。

 蛇は首を切られてもしばらく暴れ回るというが、後頭部に致命傷を受けてよみがえるとは恐るべき生命力である。


 ネフィス
「あ……、ああ……」


 ネフィスはゆっくりと後ずさり、地面に尻もちを着いた。

 手足をガタガタと震わせ、股間から失禁の染みが浮き出てくる。


 グウェン
「ヴェロール……。貴様……」


 グウェンが地面から体を起こし、四つん這いの格好でヴェロールを睨みつける。

 ヴェロールは自身の尻尾を後頭部の短剣ダガーに巻き付け、それを一気に引き抜いた。


 ヴェロール
「オレ様もずいぶんと舐められたもんだぁ……。あの程度の攻撃でオレ様が死ぬと本気で思っていたのかぁ?」


 そう言ってヴェロールはネフィスの短剣ダガーを遠くに放り投げた。

 ヴェロールの後頭部から緑色の血が噴き出しているが、本人がそれを気にしている様子はない。


 グウェン
「くっ……」


 グウェンは地面に落っことした剣を拾い、それを支えにして立ち上がった。

 出血量は少ない。

 しかし、ヴェロールの金棒に殴られた脇腹が悲鳴を上げていた。


 ネフィス
「っ――――」


 ネフィスはヴェロールが自分から目を離した隙に『不可視魔法』インビジブル・マジックで姿を消した。

 そして素早くその場から離れようとするが、ヴェロールの尻尾にあっさりと捕まってしまう。


 ヴェロール
「無駄だとわかっているはずだぁ」


 ネフィス
「あぐぅぅっ――‼」


 体を強く締め付けられ、ネフィスが苦痛の声を漏らす。


 ヴェロール
「オレ様の眼は姿形だけでなく、〝体温〟をも捉える。おめえの『不可視魔法』インビジブル・マジックはオレ様には通用しねぇ」


 隠密スキルに長けたネフィスが今までヴェロールから逃げられなかった理由が、まさにこれだ。

 ヴェロールの眼は普通の人間と蛇の能力ちから、その両方を併せ持っている。

 単純な強さだけで最高幹部の座に就けるほど、その名は軽くない。


 ヴェロール
「裏切者には凄惨な死を……」


 ネフィス
「ぐぅぅ――!」


 ヴェロールが尻尾で捕らえたネフィスを目の前にまで移動させる。


 ヴェロール
「楽に死ねると思うなよ、小娘ぇ」


 ヴェロールの舌がネフィスに向かって伸びていき、ネフィスは恐怖で顔をひきつらせた。

 ヴェロールの唾液は猛毒であるため、少しでも奴の舌に触れれば激痛に苦しんだ末に死に至る。

 ネフィスはその毒に苦しみながら死んでいく人間たちを何人も見てきた。

 ヴェロールの毒に侵されれば治すすべはない。

 毒に侵された者は体に力が入らなくなるため、自害することも出来ないのだ。 


 ネフィス
「いや……、嫌ッス……」


 ネフィスは目から涙を溢れさせ、必死の抵抗を試みた。

 しかし、どんなに暴れてもヴェロールの拘束からは逃れられない。


 グウェン
「やめろ、ヴェロール――‼」


 グウェンがネフィスの処刑を止めようとその場から走り出し、ヴェロールに向かって剣を放り投げた。

 だが、ヴェロールはその剣を難なくかわしてしまう。


「小賢しい――!」


 ヴェロールがグウェンの足元に毒炎を放ち、グウェンを足止めする。

 するとグウェンは『幻狼ステップ』で左サイドに回り込み、ヴェロールの死角に入った。


 ヴェロール
「っ――――⁉」


 グウェンは素早く地面に落ちていた剣を拾い、背後からヴェロールに斬りかかった。

 狙いはヴェロールの後頭部である。

 ネフィスが短剣を刺した部分にさらなる深手を負わせ、ヴェロールにとどめを刺すつもりだ。


 ヴェロール
「バカがっ――!」


 ところが、ヴェロールはグウェンのその動きを読んでいた。

 背後に顔が向くまでにゅるりと上体を後ろに反らし、景色が逆さまに見える体勢から毒炎を吐き出した。


 ヴェロール
「なっ――⁉」


 だが、ヴェロールの攻撃は空振りに終わる。

 ヴェロールが攻撃したのは『幻狼ステップ』により生み出された残像だ。

 後頭部への狙いはフェイクであり、グウェンの本当の狙いは――――


 ヴェロール
「がぁっ――‼」


 ネフィスを捕えているヴェロールの尻尾である。

 グウェンの振り抜いた一撃がヴェロールの尻尾を切り落とし、ネフィスの拘束が解かれた。

 グウェンはネフィスを抱えてその場から離脱し、少し離れた場所でネフィスを地面に下ろした。


 ネフィス
「だ、ダンナ……」


 グウェン
「……下がれ」


 ネフィスはグウェンの邪魔にならないよう後ろに下がり、両者の戦いを見守る位置に移動した。

 ネフィスの処刑を阻まれた挙句、尻尾まで斬り落とされてしまったヴェロールは、かなり頭にキていた。

 未だかつて見たことがないほどの恐ろしい殺気に満ち溢れている。


 ヴェロール
「アウル……。きさまぁ……!」


 グウェン
「…………」


 ヴェロールの殺気に反応してグウェンの体毛が逆立つ。

 グウェン自身はまったく臆していないが、体は素直に危険信号を発していた。


 ヴェロール
「おめぇを叩き潰すだけじゃ腹の虫が収まらねぇ……。おめぇもろとも、この街の住人を八つ裂きにしてやる!」


 グウェン
「それをこのオレが許すと思うか?」


 ヴェロール
「おめぇの許可なんざ必要ねぇ。オレ様の気が晴れりゃあそれで良いのさ」


 グウェン
「話にならんな……。お前は生物として優れているが、他者から奪うことしか能がない。自分の力では何も生み出せないお前は無能のそれと同じだ」


 ヴェロール
「ほざいたな、きさまぁ? オレ様に立てついた奴がどんな目に遭ってきたか、おめぇもよく知ってるはずだぁ?」


 グウェン
「その言葉、そっくりそのまま返してやる。このオレがなぜ連合軍に恐れられていたのか……、忘れたわけじゃあるまい?」


 そろそろ日没の時刻である。

 狼人族ウェアウルフは月が出ると凶暴性が増し、戦闘力が大幅にアップする。

 特に満月の夜は日中と比べて天と地ほどの差があるのだ。

 そして『金狼のアウル』は、日中は太陽エネルギーを糧に活動し、夜は月の魔力を得て銀色の毛並みを持つ狼人族ウェアウルフに変身することが出来る。

 銀狼に変身したアウルは理性をなくし、人間の野営地に夜襲を仕掛けては数多の人間を葬ってきた。

 夜目が効く狼人族ウェアウルフに暗がりで襲われてはひとたまりもない。


 ヴェロール
「残念だったなぁ。今夜は満月どころか新月の日だ。月の魔力を得たところでおめえの力がオレ様に勝ることはない」


 日没が近づいてもヴェロールは余裕の笑みを崩さない。

 しかし、グウェンはヴェロールすら知らない最後の切り札を隠し持っていた。


 グウェン
「お前は知らなかったな? オレには新月の日にしか使えないもう一つの形態があることを」


 ヴェロール
「なにぃ……?」


 やがて太陽が山の陰に隠れ、周囲の景色が一気に暗くなり始めた。

 するとグウェンを覆っていた赤いオーラがドス黒い何かに変化する。

 そして金色に輝いていた美しい毛並みも漆黒の色に染まっていった。
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