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幕開け
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「おい……人が死んだぞ。警視総監、本気なのかよ……」
国立競技場の空気は凍りつき、ざわつきは悲鳴にも似た震えに変わりつつあった。
この状況で冷静でいられる者などいない。
「警視総監! こんなの、おかしいだろ!」
高山がモニターの天堂へ怒りをぶつけた。
一ノ瀬が数年の付き合いで一度も見たことのないほど、激しい表情だった。
「人を殺していいはずがない! 部長は世の中に貢献していた優秀な警察官だ!
無能を減らすと言いながら、その部長を殺すのは矛盾してるだろ!」
天堂は眉ひとつ動かさず淡々と告げた。
「もう死んだ時点で無能だ。そして私の命令に従えないのか?
それとも……高山くんも死んで無能の烙印を押されたいのかい?」
正義のトップが発していい言葉ではなかった。そこにあるのは、ただの“選別”だった。
「……くっ」
歯を食いしばり、高山は列へ戻る。
「さて、そろそろ時間だ。
三日間、どう生き残るか――考えたまえ。殺すのも、隠れるのも、自由だ。」
今ここで人が死んだとは思えないほど、天堂はあっさりと進行しようとする。
「みなさんは何も思わないんですか!?
警察官同士で殺し合いなんて、おかしいと思わないんですか!?
あんたはどう思う!」
高山は隣の列の警察官に掴みかかる勢いで問いただした。
「おい、高山! やめろって!!」
止めようとした一ノ瀬の声と同時に――
掴まれた警察官が無表情のままナイフを抜き、高山へ振り下ろした。
間一髪で避けた高山は呆然とした。
「は……? なんだよ、お前。警視総監の手下かよ!?」
「手下じゃねぇよ。でもよ、殺せば1000万、生き残れば5倍の給料だぞ?
こんなチャンス滅多にねぇ。やるに決まってんだろ。次は外さねぇ!」
目を血走らせ、再びナイフを構えて突進してくる。
その瞬間――。
乾いた銃声が響き、ナイフを持っていた警察官が崩れ落ちた。
「は……?」
高山も一ノ瀬も声を失う。
銃を放ったのは別の警察官だった。
その男は冷え切った瞳で言い放つ。
「チャンスだと思ってるのは、こいつだけじゃねぇよ。
俺もチャンスとしか思ってねぇ。」
倒れた死体は、これで山本を含め二つ目だ。
「やる気があることは大変結構だ。
それでは――諸君の幸運を祈る。」
天堂の映るモニターが暗転した瞬間、
国立競技場に、地鳴りのような雄叫びが響き始めた。
警察官たちの“生存競争”が始まったのだ。
国立競技場の空気は凍りつき、ざわつきは悲鳴にも似た震えに変わりつつあった。
この状況で冷静でいられる者などいない。
「警視総監! こんなの、おかしいだろ!」
高山がモニターの天堂へ怒りをぶつけた。
一ノ瀬が数年の付き合いで一度も見たことのないほど、激しい表情だった。
「人を殺していいはずがない! 部長は世の中に貢献していた優秀な警察官だ!
無能を減らすと言いながら、その部長を殺すのは矛盾してるだろ!」
天堂は眉ひとつ動かさず淡々と告げた。
「もう死んだ時点で無能だ。そして私の命令に従えないのか?
それとも……高山くんも死んで無能の烙印を押されたいのかい?」
正義のトップが発していい言葉ではなかった。そこにあるのは、ただの“選別”だった。
「……くっ」
歯を食いしばり、高山は列へ戻る。
「さて、そろそろ時間だ。
三日間、どう生き残るか――考えたまえ。殺すのも、隠れるのも、自由だ。」
今ここで人が死んだとは思えないほど、天堂はあっさりと進行しようとする。
「みなさんは何も思わないんですか!?
警察官同士で殺し合いなんて、おかしいと思わないんですか!?
あんたはどう思う!」
高山は隣の列の警察官に掴みかかる勢いで問いただした。
「おい、高山! やめろって!!」
止めようとした一ノ瀬の声と同時に――
掴まれた警察官が無表情のままナイフを抜き、高山へ振り下ろした。
間一髪で避けた高山は呆然とした。
「は……? なんだよ、お前。警視総監の手下かよ!?」
「手下じゃねぇよ。でもよ、殺せば1000万、生き残れば5倍の給料だぞ?
こんなチャンス滅多にねぇ。やるに決まってんだろ。次は外さねぇ!」
目を血走らせ、再びナイフを構えて突進してくる。
その瞬間――。
乾いた銃声が響き、ナイフを持っていた警察官が崩れ落ちた。
「は……?」
高山も一ノ瀬も声を失う。
銃を放ったのは別の警察官だった。
その男は冷え切った瞳で言い放つ。
「チャンスだと思ってるのは、こいつだけじゃねぇよ。
俺もチャンスとしか思ってねぇ。」
倒れた死体は、これで山本を含め二つ目だ。
「やる気があることは大変結構だ。
それでは――諸君の幸運を祈る。」
天堂の映るモニターが暗転した瞬間、
国立競技場に、地鳴りのような雄叫びが響き始めた。
警察官たちの“生存競争”が始まったのだ。
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