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4-2.
しおりを挟む騎士団長たちが話し合う中、ポルト先生が私に、サウザードとは友好国となっていて物資の貿易が盛んに行なわれていると教えてくれた。
学園の被害を確認後、清掃をしてそれぞれ騎士団の駐屯地に帰ろうとしている時だった。
1台の馬車が学園の裏門にやって来たのは。
しかも王族専用の煌びやかな馬車だ。半円の形をしており、金色の装備をつけた白い馬が4頭、近衛騎士が御者になっている。
「やっと来たか、近衛騎士め。」
第2騎士団長がボソリと呟いたが、馬車の中から出てきたのは、ミクラントス王国の案内役の役人とサウザード王国のカミール王子、そのお供の家来3名だった。
「皆ごめんね~!うちの可愛いレッカ・メビウスレウスが大変迷惑かけたようで申し訳ない~!」
白いターバンに金色の羽を差した、浅黒い肌の美男子が明るい声で言った。
いやいや、違うから。カミール王子は常に上から目線の王様キャラだから!!
「いやあまさかレッカが僕を追いかけてミクトラントスまで来ちゃうなんて驚きだよ~。やっぱり僕とレッカの愛の炎はどこまでいっても消えないのかな☆あはは!」
目の前で頭に手を置き、「こりゃ参った☆」と困ったような笑顔を皆に向けるカミール王子。
いやいやいや、カミール王子の第一人称は"我"だから!
ミレーヌには「其方、我の腕を治せ。」と当たり前のように命令するのだ。そう、辺境地で火竜に出くわし、片腕が不随になった攻略キャラこそがカミール王子なのだ。
レオが前に出てカミール王子に話しかけた。
「カミール王子、件の火竜は現在騎士団本部に輸送中でして、本部までおいでになりますか?」
「ああ、そうさせてもらおうかな。っとその前に学園の皆に謝罪とお詫びをしないとね。」
王子が家来たちに校舎へと向かわせた。軽い口調でもマナーはきちんとしているらしい。
「それにしても何でレッカはこの学園に降り立ったんだろうね?僕は王都で視察中だったんだけど。」
「あ、もしかしたら彼はこのストールを見つけたのかもしれませんよ?王子。」
私は手に持っていた金のストールを王子に渡した。
「ああ!!それは僕のストールだよ!ありがとう!でもレッカは"彼"じゃなくて"彼女"なんだ。」
「それは失礼しました。」
「えへへ。僕たち恋人みたいなもんなんだ~。」
何だろうこのやり取り。どこかで同じようなやり取りをした気がするけれど思い出せない。それにしても何でこの人こんなにキャラが崩壊しているのか。
「ところで君、よくこのストールが僕のものだって分かったね?」
あ、しまった!当たり前のように渡しちゃったけれど、よく考えたら他国の王子の持ち物を知ってるなんておかしいよね。
「ええと、高級そうな絹のストールだったので、そうかなと。」
「へえ?なかなか見る目があるんだね君。ところで"絹"という単語は僕の国にはないんだけど、この国ではシルクを絹と呼ぶの?」
うっわ~…適当そうにみえて意表をついてくるあたり、凄くめんどくさい!こういうタイプの男、昔の知り合いにいたよな。誰だっけな。
確かにこの国でも"絹"という単語は聞いたことがない。もしかするとこの世界自体に"絹"という単語はないのかもしれない。
「まあいいや。君、名前は?」
「はい、第3騎士団のシシル・メレデリックと申します。」
「え?メレデリック?!もしかしてあの貿易商のメレデリック家なの?!」
「ええと、はい。そうですけど。」
サウザード王国との貿易はうちの実家を通して行っているとのことだった。私はお父様の仕事のことには疎いから初めて知った。
「直接会ったことなかったから会えてうれしいよ!まさか娘さんが騎士をやっているなんてね!」
「ははは。少し事情がありまして。」
「どうだろう、もう少し君とは話がしたいんだけど、よければ本部まで付き添ってはもらえないだろうか?」
それからカミール王子に「お願い!」と頼まれれば断るわけにもいかず、レオと私はカミール王子一行に付き添い、本部まで行くことになった。
ママ馬がダルタニアンから離れようとしないため、私はレオの馬に乗せてもらい馬車の後ろからついて行く。
「どうしようレオ。私お父様の仕事の詳しい内容はよく知らないのよ。他国との貿易の話を持ち出されたらどうしたらいいのか。」
「その時は俺が助け舟を出す。これでも騎士団長だからな。
っと、手綱には触れるなよ?」
レオが後ろから私の腰をぎゅっと抱きしめる。手綱は馬に指示を出すための大事な道具で、同乗者が触れては馬に的確な指示が伝わらなくなる。そのため私は、レオに支えられる以外に自分で支える場所がないのだ。
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