捨てられ爆薬令嬢は敵総長の溺愛を受ける

由汰のらん

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7-1.断罪の代わりに爆破したい

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 キラだと思われる人物が、第1王子のプレゴール·エルヴァンしか思い当たらない。でも今まで見てきた彼の策略は悪人をあぶり出し懲らしめるものばかりだ。


 それにプレゴール王子とは年齢が離れていることもあり、私にはいつも優しかった。





 それから私はレオを信じて待っていたけれど、ついにグレゴリー王子との婚約を決断する日になってしまった。


 繋ぎを脱ぎ捨て、再び騎士の服に腕を通す。


 騎士団本部の広場にはグレゴリー王子を乗せた馬車と馬に乗ったゾイが来ていた。



「迎えに来てやったぞシシル・メレデリック。少しやつれたな?」


 グレゴリー王子が私の頬を撫でようとした時、咄嗟にゾイがその手を掴む。


「貴様…、なぜここに来た?元婚約者の婚約祝いでもしに来たのか?」

「…」


 ゾイは何も言わない。


 本当になぜ来たのか、今さら遅いというのに。


 私はレオを信じたい。だから彼の名誉のためにも、グレゴリー王子の言うことに素直に従うしかない。


「さあ、答えを聞かせてもらおうシシル。俺と正式に婚約すると誓うか?」

「は」


 私が答えようとしたその時、ずっと待っていた人物が姿を現した。


「まだ答えるのは早い。」

「レオ!!」


 レオが馬で広場に入ってきて、後ろにはポルト先生と、そしてミレーヌを乗せたモーゼスがいる。


「ミレーヌ…!何でここに!」


 悲し気な顔をするミレーヌに、ゾイが声を上げる。



「貴様ら何のつもりだ!」

「それはこっちの台詞だ、グレゴリー・エルヴァン!」


 レオが私の横に来て、対抗するようにグレゴリー王子と対峙する。

 周りの騎士たちが不思議そうに私たちを見ている。


 馬を下りたモーゼスが、グレゴリー王子に書状を突きつけた。



「…4年前、庶民への強制的な戦への徴兵命令、あのお触れを出したのは、グレゴリー・エルヴァン、お前だな?」

「なっ、何を根拠に!」

「俺はこの数年間、ずっとあの徴兵命令を調べてきた。」


 モーゼスが見せる書状は2枚あって、1枚は騎士への召集、もう1枚は徴兵命令の書状だった。


「1枚は王がサインした騎士への召集命令だ。しかしもう1枚はお前が筆跡を真似て書いたものだろう!お前の筆跡には癖がある!」


 あの無表情で落ち着いたモーゼスが声を荒げている。


 そういえばレオが、モーゼスは突然戦争に借り出されたロザンナを戦場で守ったと言っていた。

 きっとロザンナのためにずっとこのことを探っていたのだろう。レオを慕って騎士になったはずのモーゼスが、騎士団を辞めて近衛騎士になった理由が今わかった。


「な…っき、貴様っ!次期王に向かって無礼だ!!牢獄にぶち込むぞ!!」


 王子は威勢を放ちながらもたじろいでいる。魔力の強い人間ばかりを戦場に派遣し、功績を自分の手柄にしたのだろう。庶民でもロザンナのように片親が貴族であれば魔法が使えることもあるのだ。


「それと王子!宜しければこちらをご覧ください!」


 ポルト先生が薄茶色の袋から小さな鳥を逆さまにして取り出す。どうやら眠っているらしい。


「この鳥獣に心辺りはございませんか?!」

「っ!!」


 目を見張るグレゴリー王子。でもポルト先生はいつもの明るい調子で続ける。


「サウザード王国の王族が調べたところによると、この鳥獣はサウザードの闇市で売られている鳥獣だそうでして、購入した商人から軽く辿ってみたところ、あなたの名前が出てきたのですけどね??」

「ち、ちがう!!俺じゃない!!!」

「何故こんな"盗撮"などと悪趣味なものを購入したのか!闇市も従魔の飼育もこの国では犯罪なのですよ?!聞いてますか王子?」


 すると目を血走らせるグレゴリー王子が、1人の人物を指差して叫んだ。


「アイツだ!!アイツに頼まれたんだ!!!」

「あいつ…?」


 

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